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幸福の定義は人それぞれ
お花見
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「だぁーーー!!もう、うっとおしい!! そんなに気になるなら、見に行けばいいじゃねぇか?!」
「気にしてない」
「嘘つくんじゃねぇよ! 朝から同じ書類眺めるだけで、一枚もサインしてねぇだろうが!!」
遠征続きで溜まりにたまり。
雪崩を起こす寸前まで積み上げられた、書類の山をロロシュは指さした。
「まったくよぉ、たかが茶会を開くくらいでオロオロすんなよ」
「気にしてない、と言っただろ?」
無遠慮にかみついてくるロロシュなど、無視だ無視。
この日はレンが初めて主催する茶会の日だった。
こちらで生まれ育った貴族の子息なら、親しい友人や知人を招くことから始め。
少しづつ茶会を開くコツを学んでいくものだが、レンにはそんな時間は全くなかった。
それなのに、初めての招待客は、王配候補者と、名実共に社交界の頂点に立つ皇太后ロイド様だ。
爪の先ほどの失敗も許されない。
社交において、茶会も立派な戦場だ。
過去茶会の失敗で、どれだけの貴族が社交界から締め出されたことか。
ロロシュも分かっていてわざと言ったのだろうが、たかが茶会、されど茶会だ。
口では気にしていないと言ったが、実際は気になってしょうがない。
レンはこの茶会のテーマを “おはなみ” と言う、レンの故郷で春に行われる習慣を元に、その内容も “さどう” を主軸にした “のだて” という形式を取ると言うのだ。
中途半端な知識で失敗するより、目新しい異界の文化を、全面に出す事にしたらしい。
ロイド様にも相談済みとなれば、問題なしとの判断なのだろうが。
心配なものは、心配だ。
それに俺だって、ロロシュに言われるまでもなく、途中で様子を見に行こうと思っていたのだ。
・・・レンに断られるまでは。
それなのに、テイモンが俺を怖がっているから、と言う理由でほんの少し立ち寄る事さえ出来なくなった。
レンは、テイモンの事を悪い子じゃない。と言う。
ただ 「感情表現が苦手なだけで、あの子の良さは伝わりにくいから」 と。
俺の事も、他の連中が嫌うような類のものではなく、自分には無いものを持っている俺に対する、畏敬の念が強すぎるのだそうだ。
これまでの経験から、俄かには信じがたい話だが 「ちょっとづつ慣らしていけば大丈夫だから、慌てないでね」 とにっこり微笑まれたら、何も言い返すことなど出来ない。
ロロシュの話しだと、オレステスとテイモンは、親分子分の様な関係だと聞いていたが、オズボーン家とグレコ家を調べさせた結果、親の方は穀物の取引以外での接点はないようだ。
だからと言って、簡単に信用できるものでもない。
レンがあれだけ頑張って準備していたのだ、万が一にも不備があるとは思えないが、どんな些細なミスであっても見逃さず、それを口実に攻撃してくるのが、貴族の常套手段。
特にオレステスの様に、性根の曲がった者なら、不備が無ければ自ら作り出すくらいの事は、息をするより簡単にやるだろう。
爵位の上下はどうにも出来ないが、社交界での立ち位置を入れ替えるためなら、何でもするのが貴族と言うものだからな。
王配の地位を得るために、レンが邪魔だと認識されれば、何をされるか分かったものではない。
レンが心配いらないと言ったテイモンも、いつ手の平を返してもおかしくないのだ。
レンは聡明で聡い人だが、候補者たちの様に社交慣れはしていない。
何かあったらと気が気ではなく、レンの感情に変化がないか、それっばかりが気になって、仕事に集中することが出来なかった。
「過保護過ぎんだろ」
「うるさい。お前だって夜会でいきなり婚約の報告をしただろうが、あの後侯爵と伯爵が、大慌てで話し込んでいたと聞いたぞ?」
「あ?あれは他の雄への正当な牽制で、あんたの過保護と一緒にすんなよ」
カアァァーーーッ!
こいつは普段いい加減なくせに、偶に言い返せない正論を吐くから、腹が立つ。
「閣下よう。ちびっ子は体は小っちゃいけど、れっきとした大人だろ?それに討伐に着いて来て、魔物相手に浄化をやってのける胆力もある。この前はフェンリルが率いる群れを、丸ごとティムしたんだろ?」
「それがどうした」
「だからよ。そんなちびっ子が王配候補かなんか知らんが、あんな、しょん便臭え小僧に黙ってやられると思うか?」
「それは・・・・そうだが」
「過保護も大概にしねぇと、あのちびっ子の事だ、閣下が信用してくれない、って泣くんじゃねぇか?もっと信用してやれよ」
「うっ!・・うぅぅ」
クソッ!
ロロシュのくせに。
何故こいつの、他人に対する意見だけはまともなんだ。
「ほら!分かったら書類にサインくれよ。これ以上ミュラーの残業を増やして、恨まれたくねぇ」
ロロシュにやり込められるのは癪だが、ミュラーに恨まれるのも、レン泣かれるのも御免だ。
腹は立ったが、八つ当たりだとも分かって居た俺は、机に積まれた紙の山に挑むふりをしつつ、レンに念話で話しかけたいのを堪えながら、共感の加護をフル稼働させたのだった。
◇◇◇
春の繁忙期も落ち着きを見せ始め、ここ2週間は俺やレンが、直接遠征に出るような重大な案件の、討伐依頼は入ってきていない。
瘴気溜まりを消したことで、確実に被害報告や討伐依頼は減ってきている。
それに伴い、別の問題が浮上して来ているのだが、それはまた別の話だ。
水の浄化や瘴気の穢れによる病については、報告を受けた段階で、レンが力を付与した、魔晶石とクリスタルを持たせた、騎士団の医療部隊を派遣し、生活用水の水源となる井戸などに投入させ、病人と住人の経過を観察させる。
その際重篤な患者が居る場合は、レンが直接出向き、浄化と治癒を施す手筈を正式に整えた。
レンが遠征に出る場合は、クオンとノワールの帯同は必須。
それと、魔物の討伐依頼には、フェンリルのアンが率いる群れを連れて行くようになると、第二騎士団の死傷者の数が激減すると言う。
目覚ましい成果を得ることが出来た。
クレイオスは逃げ出した幻獣の始末や、よく分からない用があると言って、出かける事が多く、宮に居る事の方が少ない。
クレイオスが幻獣の始末以外に何をしているのか。
いったい何匹の幻獣が逃げ出しているのか。
気にならない訳ではないが、ここで首を突っ込むと、厄介ごとに巻き込まれそうなので、レンとも相談の上、クレイオスから助力を願わない限りは放置する、と云う事で意見が一致している。
あれほど俺が気を揉んだ、レンの茶会は大成功だったと、報告を受けた。
半端な知識でこちらの茶会を催すより、レンの故郷の茶会のスタイルを用いた方が、目新しさもあり、細かい失敗を指摘されずに済む、との考えは正解だったようだ。
「皆さんにとても喜んで貰えました。大公領で取れた茶葉で作ったお抹茶も、好評でした!」
この日の茶会の様子を、会場となった果樹園の中で聞いていた。
“おはなみ” は基本的に昼間に行うものらしいが “よざくら” と言って、月明かりで花を愛でるのも一興なのだそうだ。
満開の白いチーム並木の下を、俺とレンは手を繋ぎ、ゆるゆると歩きながら幻想的な花の姿を楽しんだ。
やがてチームの古木の下に据えられた、テーブルに辿り着くと、昼間茶会で使ったテーブルの上には、夕食とホットワインが用意されていた。
昼間は大分暖かくなったが、陽が落ちた落ちた後は冷え込むことが多い。
しかし席に着くと、テーブルの周りは暖かく、室内にいるのと変わらなかった。
どうやったのかと聞けば、テーブルの下に、火魔法を付与した魔石を置いてあるのだと言う。
茶会の参席者のために用意したのだが、この日は暖かな陽気で、出番がなかった、とレンは笑っていた。
こんな細やかな配慮が出来るレンの茶会が、失敗するはずがない。
レンをもっと信用しろ、と言う、ロロシュの言葉が蘇り、耳の痛い思いをしたのは、レンには内緒だ。
「気にしてない」
「嘘つくんじゃねぇよ! 朝から同じ書類眺めるだけで、一枚もサインしてねぇだろうが!!」
遠征続きで溜まりにたまり。
雪崩を起こす寸前まで積み上げられた、書類の山をロロシュは指さした。
「まったくよぉ、たかが茶会を開くくらいでオロオロすんなよ」
「気にしてない、と言っただろ?」
無遠慮にかみついてくるロロシュなど、無視だ無視。
この日はレンが初めて主催する茶会の日だった。
こちらで生まれ育った貴族の子息なら、親しい友人や知人を招くことから始め。
少しづつ茶会を開くコツを学んでいくものだが、レンにはそんな時間は全くなかった。
それなのに、初めての招待客は、王配候補者と、名実共に社交界の頂点に立つ皇太后ロイド様だ。
爪の先ほどの失敗も許されない。
社交において、茶会も立派な戦場だ。
過去茶会の失敗で、どれだけの貴族が社交界から締め出されたことか。
ロロシュも分かっていてわざと言ったのだろうが、たかが茶会、されど茶会だ。
口では気にしていないと言ったが、実際は気になってしょうがない。
レンはこの茶会のテーマを “おはなみ” と言う、レンの故郷で春に行われる習慣を元に、その内容も “さどう” を主軸にした “のだて” という形式を取ると言うのだ。
中途半端な知識で失敗するより、目新しい異界の文化を、全面に出す事にしたらしい。
ロイド様にも相談済みとなれば、問題なしとの判断なのだろうが。
心配なものは、心配だ。
それに俺だって、ロロシュに言われるまでもなく、途中で様子を見に行こうと思っていたのだ。
・・・レンに断られるまでは。
それなのに、テイモンが俺を怖がっているから、と言う理由でほんの少し立ち寄る事さえ出来なくなった。
レンは、テイモンの事を悪い子じゃない。と言う。
ただ 「感情表現が苦手なだけで、あの子の良さは伝わりにくいから」 と。
俺の事も、他の連中が嫌うような類のものではなく、自分には無いものを持っている俺に対する、畏敬の念が強すぎるのだそうだ。
これまでの経験から、俄かには信じがたい話だが 「ちょっとづつ慣らしていけば大丈夫だから、慌てないでね」 とにっこり微笑まれたら、何も言い返すことなど出来ない。
ロロシュの話しだと、オレステスとテイモンは、親分子分の様な関係だと聞いていたが、オズボーン家とグレコ家を調べさせた結果、親の方は穀物の取引以外での接点はないようだ。
だからと言って、簡単に信用できるものでもない。
レンがあれだけ頑張って準備していたのだ、万が一にも不備があるとは思えないが、どんな些細なミスであっても見逃さず、それを口実に攻撃してくるのが、貴族の常套手段。
特にオレステスの様に、性根の曲がった者なら、不備が無ければ自ら作り出すくらいの事は、息をするより簡単にやるだろう。
爵位の上下はどうにも出来ないが、社交界での立ち位置を入れ替えるためなら、何でもするのが貴族と言うものだからな。
王配の地位を得るために、レンが邪魔だと認識されれば、何をされるか分かったものではない。
レンが心配いらないと言ったテイモンも、いつ手の平を返してもおかしくないのだ。
レンは聡明で聡い人だが、候補者たちの様に社交慣れはしていない。
何かあったらと気が気ではなく、レンの感情に変化がないか、それっばかりが気になって、仕事に集中することが出来なかった。
「過保護過ぎんだろ」
「うるさい。お前だって夜会でいきなり婚約の報告をしただろうが、あの後侯爵と伯爵が、大慌てで話し込んでいたと聞いたぞ?」
「あ?あれは他の雄への正当な牽制で、あんたの過保護と一緒にすんなよ」
カアァァーーーッ!
こいつは普段いい加減なくせに、偶に言い返せない正論を吐くから、腹が立つ。
「閣下よう。ちびっ子は体は小っちゃいけど、れっきとした大人だろ?それに討伐に着いて来て、魔物相手に浄化をやってのける胆力もある。この前はフェンリルが率いる群れを、丸ごとティムしたんだろ?」
「それがどうした」
「だからよ。そんなちびっ子が王配候補かなんか知らんが、あんな、しょん便臭え小僧に黙ってやられると思うか?」
「それは・・・・そうだが」
「過保護も大概にしねぇと、あのちびっ子の事だ、閣下が信用してくれない、って泣くんじゃねぇか?もっと信用してやれよ」
「うっ!・・うぅぅ」
クソッ!
ロロシュのくせに。
何故こいつの、他人に対する意見だけはまともなんだ。
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ロロシュにやり込められるのは癪だが、ミュラーに恨まれるのも、レン泣かれるのも御免だ。
腹は立ったが、八つ当たりだとも分かって居た俺は、机に積まれた紙の山に挑むふりをしつつ、レンに念話で話しかけたいのを堪えながら、共感の加護をフル稼働させたのだった。
◇◇◇
春の繁忙期も落ち着きを見せ始め、ここ2週間は俺やレンが、直接遠征に出るような重大な案件の、討伐依頼は入ってきていない。
瘴気溜まりを消したことで、確実に被害報告や討伐依頼は減ってきている。
それに伴い、別の問題が浮上して来ているのだが、それはまた別の話だ。
水の浄化や瘴気の穢れによる病については、報告を受けた段階で、レンが力を付与した、魔晶石とクリスタルを持たせた、騎士団の医療部隊を派遣し、生活用水の水源となる井戸などに投入させ、病人と住人の経過を観察させる。
その際重篤な患者が居る場合は、レンが直接出向き、浄化と治癒を施す手筈を正式に整えた。
レンが遠征に出る場合は、クオンとノワールの帯同は必須。
それと、魔物の討伐依頼には、フェンリルのアンが率いる群れを連れて行くようになると、第二騎士団の死傷者の数が激減すると言う。
目覚ましい成果を得ることが出来た。
クレイオスは逃げ出した幻獣の始末や、よく分からない用があると言って、出かける事が多く、宮に居る事の方が少ない。
クレイオスが幻獣の始末以外に何をしているのか。
いったい何匹の幻獣が逃げ出しているのか。
気にならない訳ではないが、ここで首を突っ込むと、厄介ごとに巻き込まれそうなので、レンとも相談の上、クレイオスから助力を願わない限りは放置する、と云う事で意見が一致している。
あれほど俺が気を揉んだ、レンの茶会は大成功だったと、報告を受けた。
半端な知識でこちらの茶会を催すより、レンの故郷の茶会のスタイルを用いた方が、目新しさもあり、細かい失敗を指摘されずに済む、との考えは正解だったようだ。
「皆さんにとても喜んで貰えました。大公領で取れた茶葉で作ったお抹茶も、好評でした!」
この日の茶会の様子を、会場となった果樹園の中で聞いていた。
“おはなみ” は基本的に昼間に行うものらしいが “よざくら” と言って、月明かりで花を愛でるのも一興なのだそうだ。
満開の白いチーム並木の下を、俺とレンは手を繋ぎ、ゆるゆると歩きながら幻想的な花の姿を楽しんだ。
やがてチームの古木の下に据えられた、テーブルに辿り着くと、昼間茶会で使ったテーブルの上には、夕食とホットワインが用意されていた。
昼間は大分暖かくなったが、陽が落ちた落ちた後は冷え込むことが多い。
しかし席に着くと、テーブルの周りは暖かく、室内にいるのと変わらなかった。
どうやったのかと聞けば、テーブルの下に、火魔法を付与した魔石を置いてあるのだと言う。
茶会の参席者のために用意したのだが、この日は暖かな陽気で、出番がなかった、とレンは笑っていた。
こんな細やかな配慮が出来るレンの茶会が、失敗するはずがない。
レンをもっと信用しろ、と言う、ロロシュの言葉が蘇り、耳の痛い思いをしたのは、レンには内緒だ。
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