285 / 594
幸福の定義は人それぞれ
夜会本番
しおりを挟む
ホールに戻ると、俺達が中座した為に、夜会の進行が止まってしまっていた。
アーノルドのファーストダンス、次いで俺とレン、そして上皇夫夫が踊らなければ、他の者達は踊ることも、歓談を始める事も出来ない。
準備と進行を総括しているロイド様から、冷たい視線が飛んできたが、事情を伝言で残してあった為か、公衆の面前で叱責されることはなかった。
俺とレンは席に着いたが、アーノルドは席に着くことなく、渋い顔のロイド様にファーストダンスのパートナーを交代することを耳打ちしていた。
ファーストダンスの相手が男爵家の令息だと聞いて、ロイド様は驚きで一瞬目を見開いていたが、扇の陰で不敵な笑みを浮かべると ”好きになさい” と一言だけ返し、貴族達の反応を楽しむかのように、ホールへ視線を戻した。
アーノルドは上皇夫夫へ一礼し、静かな音楽が流れる中、ゆっくりと階を降りた。
降りた先に微笑みを浮かべたリアンと、緊張でカチコチに固まったジェイドが立っている。
皇太子が家族以外とファーストダンスを踊る相手は、伴侶か婚約者が通例だ。
アーノルドがリアンのもとへ向かったことで、婚約者はリアンで決定かと、貴族達は色目きたった。
しかし、アーノルドが手を取ったのは、デビュタントを迎えた男爵家の令息だ。
肩透かしをくらい、予想外の出来事に事情を知らない貴族隊は、どういう事かと口々に囁き合い、新しいゴシップネタに舌なめずりしているように見えた。
この事態にオーベルシュタイン侯爵がリアンのもとへ駆けつけ、事情を問いただしている。
傍に居た貴族たちは、素知らぬ顔で親子の会話に耳を欹て、情報収集に必死だ。
ホールの中央に立ったアーノルドとジェイドだが、曲が始まり踊り出してもジェイドは緊張したままだった。
良かれと思ってのレンの提案だったが、ジェイドの緊張した様子を見ると、かえって可哀想なことをしたのでは? と心配になった。
しかし、ここでアーノルドが気を利かせ、何かを話しかけると、ジェイドは破顔し、緊張も解けたのか、そこからは楽しそうに踊りだして、此方としても一安心だ。
二人が踊っている間に、リアンが父であるオーベルシュタイン侯爵に語った中庭での顛末が、瞬く間に広がったようで、初めは非難の眼差しを向けていた者たちの視線も、同乗の籠った友好的なものに変化していた。
話しの広がり方は野火よりも早く、貴族の噂話の恐ろしさを目の当たりにした俺は、背筋に冷たいものが流れた。
レンに怖気付いたと思われたくない一心で、顔には一切出さなかったが・・・バレてないよな?
二人のダンスの間、俺は犯人の人相と合致する人物を探し、ホールを見回していた。
そしてジェイドが語った人相や服装に合う人物は一人だけ。
そいつはオレステス・オズボーンの傍に立っていた。
あの立ち位置だと、オズボーン家と関係があるのか無いのか、パッと見では判断し辛い微妙な位置だ。
心当たりがあると言っていたロロシュは、俺が相手を見つけるより先に、犯人を見つけていたらしく、何気ない風を装い、マークを伴い犯人の傍に立っている。
オレステスが事情を知っているかどうかは分からんが、視線で人を射殺せるのなら、迷わずそうしただろうと思わせる程、ジェイドに向けた、オレステスの嫉妬の形相は凄まじかった。
「これは厄介だな」
思わずそう呟くと、レンも全くだと同意した。
「あの人何か知っているのじゃないでしょうか。アーノルドさんがジェイドさんの手を取ったら、隣の男の人をもの凄い目で睨んだんです」
「何か裏があると思うのか?」
「多分?ジェイドさんは男爵家の方だし、候補者じゃないので、家とか事業とかの方面でしょうか」
「ふむ・・・犯人の事はロロシュが詳しいらしい。歓談が始まったら捕縛するようだから、後で話を聞いてみよう」
「分かりました・・・・」
「どうした?」
犯人を捕縛すると聞いて、レンはホッとしたようだったのだが、すぐに表情が暗くなってしまった。
「なんでしょう。こんなキラキラした空間なのに、裏はドロッドロッなんて、社交って怖いんだなぁ、と改めて思ってしまいました」
「ハハッ!確かに俺達には不向きだな。だが、この程度なら可愛いもんだ」
「えぇぇ~? もうおうちに帰っちゃダメですか?」
「駄目です」
話に割り込んだのはロイド様だった。
「頼まれたことは、最後までやり通してもらわなければ困りますよ?それに次のダンスは貴方たちの番でしょ?ほら準備して!」
ロイド様に急かされ、椅子から立ち上がった俺達は、ダンスを終えたアーノルドとジェイドに拍手を送った。
「では、愛し子様。俺と踊っていただけますか?」
「喜んで。・・・でもこういう時は ”姫” と呼んでもらえると、ちょっと気分が上がります」
「ひめ?」
「姫」
異界の敬称だろうな。
敬称一つでレンの気分が上がるなら、いくらでも ”ひめ” と呼ぼうじゃないか。
「ひめ。俺とファーストダンスを」
差し伸べた手を取るレンは嬉しそうで、これ以降レンが ”もう姫って歳じゃないから” と言うまでの永い間、レンを ”ひめ” と呼び続ける事になるのだが、それはまた別の話しだ。
やはりレンとのダンスは楽しい。
身長差はあっても、身体能力の高いレンは、俺のリードに難なく付いて来られるし、逆にリードされることもある。
ターンの度に、髪に刺した簪がシャラシャラと鳴り、レンの長い袖がふわりと舞うと、描かれた花が、レンの周りに舞い散るようだ。
それがレンの甘い花の香りと相まって、レンと俺だけが花畑で踊っている気分だ。
そして俺の “はおり” の裏地に描かれた白虎が顔をのぞかせると、その精巧さに貴族どもが息を呑み、騒めくのが分かった。
「衣装で注目されるのは初めてだな」
「ふふふ。大成功ですね。でもアレクが格好いいから似合うんですよ?そうじゃないとただの痛い人です」
「痛い人・・・ね」
「あの、ポッチャリした小父様達に、似合うと思います?」
「それは・・・・・似合わんだろうな」
「ふふ。ねぇ・・・アレクは知らないみたいだから、内緒で教えてあげる」
「ん?何をだ?」
レンについて知らない事など・・・・山ほど有るな。
「あのね? 私の大事な騎士様は、誰よりも強くて優しくて、格好いいの」
「はぁ?」
俺の様な駄目な雄を、そうやって褒めてくれるのはレンだけだ。
「ハッ・・・ハハハ!」
「キャッ!!」
嬉しくなった俺は、またもレンを持ち上げて、グルグル回ってしまった。
後でロイド様に、マナー違反だと怒られるだろうが、考えただけでウンザリする社交を前に、英気を養っても罰は当たらんだろう。
マナー違反は犯してしまったが、曲の最後の方はしっかり踊れたし、曲終わりのお辞儀も完璧だった、と思う。
ホールに降りてきたロイド様の目が、怖かったが、レンと踊れて楽しかったから、それだけで充分だ。
ダンスホールの主役を上皇夫夫と交代すると、皇家席の階の前に、アーノルドと談笑するオーべルシュタイン親子と、ジェイドの姿が見えた。
そこに合流した俺とレンは、侯爵から雨の様に感謝の言葉を浴びせられた。
大した事はしていないと、レンと二人で言ったのだが、謙遜するところが益々好ましいと、感激されてしまった。
今の当主は頭が切れるとロロシュから聞いてはいたが、面識のあった先代の当主と同じで、義理人情に厚い御仁のようだ。
「先代は閣下の事を ”若いが勇猛さでは誰にも負けなかった。部下の面倒をよく見る良い上官だ” と話をしていました。閣下のお陰で魔物に食われずに済んだ、とも話していっておりました」
「俺の方こそ、礼を言わねばなるまい。あの時は右も左も分からぬ小僧だったからな。先代の侯爵には本当に助けてもらった。俺が生きているのは彼のお陰だ」
侯爵は破顔し、先代に良い土産話が出来たと喜んでいた。
アーノルドのファーストダンス、次いで俺とレン、そして上皇夫夫が踊らなければ、他の者達は踊ることも、歓談を始める事も出来ない。
準備と進行を総括しているロイド様から、冷たい視線が飛んできたが、事情を伝言で残してあった為か、公衆の面前で叱責されることはなかった。
俺とレンは席に着いたが、アーノルドは席に着くことなく、渋い顔のロイド様にファーストダンスのパートナーを交代することを耳打ちしていた。
ファーストダンスの相手が男爵家の令息だと聞いて、ロイド様は驚きで一瞬目を見開いていたが、扇の陰で不敵な笑みを浮かべると ”好きになさい” と一言だけ返し、貴族達の反応を楽しむかのように、ホールへ視線を戻した。
アーノルドは上皇夫夫へ一礼し、静かな音楽が流れる中、ゆっくりと階を降りた。
降りた先に微笑みを浮かべたリアンと、緊張でカチコチに固まったジェイドが立っている。
皇太子が家族以外とファーストダンスを踊る相手は、伴侶か婚約者が通例だ。
アーノルドがリアンのもとへ向かったことで、婚約者はリアンで決定かと、貴族達は色目きたった。
しかし、アーノルドが手を取ったのは、デビュタントを迎えた男爵家の令息だ。
肩透かしをくらい、予想外の出来事に事情を知らない貴族隊は、どういう事かと口々に囁き合い、新しいゴシップネタに舌なめずりしているように見えた。
この事態にオーベルシュタイン侯爵がリアンのもとへ駆けつけ、事情を問いただしている。
傍に居た貴族たちは、素知らぬ顔で親子の会話に耳を欹て、情報収集に必死だ。
ホールの中央に立ったアーノルドとジェイドだが、曲が始まり踊り出してもジェイドは緊張したままだった。
良かれと思ってのレンの提案だったが、ジェイドの緊張した様子を見ると、かえって可哀想なことをしたのでは? と心配になった。
しかし、ここでアーノルドが気を利かせ、何かを話しかけると、ジェイドは破顔し、緊張も解けたのか、そこからは楽しそうに踊りだして、此方としても一安心だ。
二人が踊っている間に、リアンが父であるオーベルシュタイン侯爵に語った中庭での顛末が、瞬く間に広がったようで、初めは非難の眼差しを向けていた者たちの視線も、同乗の籠った友好的なものに変化していた。
話しの広がり方は野火よりも早く、貴族の噂話の恐ろしさを目の当たりにした俺は、背筋に冷たいものが流れた。
レンに怖気付いたと思われたくない一心で、顔には一切出さなかったが・・・バレてないよな?
二人のダンスの間、俺は犯人の人相と合致する人物を探し、ホールを見回していた。
そしてジェイドが語った人相や服装に合う人物は一人だけ。
そいつはオレステス・オズボーンの傍に立っていた。
あの立ち位置だと、オズボーン家と関係があるのか無いのか、パッと見では判断し辛い微妙な位置だ。
心当たりがあると言っていたロロシュは、俺が相手を見つけるより先に、犯人を見つけていたらしく、何気ない風を装い、マークを伴い犯人の傍に立っている。
オレステスが事情を知っているかどうかは分からんが、視線で人を射殺せるのなら、迷わずそうしただろうと思わせる程、ジェイドに向けた、オレステスの嫉妬の形相は凄まじかった。
「これは厄介だな」
思わずそう呟くと、レンも全くだと同意した。
「あの人何か知っているのじゃないでしょうか。アーノルドさんがジェイドさんの手を取ったら、隣の男の人をもの凄い目で睨んだんです」
「何か裏があると思うのか?」
「多分?ジェイドさんは男爵家の方だし、候補者じゃないので、家とか事業とかの方面でしょうか」
「ふむ・・・犯人の事はロロシュが詳しいらしい。歓談が始まったら捕縛するようだから、後で話を聞いてみよう」
「分かりました・・・・」
「どうした?」
犯人を捕縛すると聞いて、レンはホッとしたようだったのだが、すぐに表情が暗くなってしまった。
「なんでしょう。こんなキラキラした空間なのに、裏はドロッドロッなんて、社交って怖いんだなぁ、と改めて思ってしまいました」
「ハハッ!確かに俺達には不向きだな。だが、この程度なら可愛いもんだ」
「えぇぇ~? もうおうちに帰っちゃダメですか?」
「駄目です」
話に割り込んだのはロイド様だった。
「頼まれたことは、最後までやり通してもらわなければ困りますよ?それに次のダンスは貴方たちの番でしょ?ほら準備して!」
ロイド様に急かされ、椅子から立ち上がった俺達は、ダンスを終えたアーノルドとジェイドに拍手を送った。
「では、愛し子様。俺と踊っていただけますか?」
「喜んで。・・・でもこういう時は ”姫” と呼んでもらえると、ちょっと気分が上がります」
「ひめ?」
「姫」
異界の敬称だろうな。
敬称一つでレンの気分が上がるなら、いくらでも ”ひめ” と呼ぼうじゃないか。
「ひめ。俺とファーストダンスを」
差し伸べた手を取るレンは嬉しそうで、これ以降レンが ”もう姫って歳じゃないから” と言うまでの永い間、レンを ”ひめ” と呼び続ける事になるのだが、それはまた別の話しだ。
やはりレンとのダンスは楽しい。
身長差はあっても、身体能力の高いレンは、俺のリードに難なく付いて来られるし、逆にリードされることもある。
ターンの度に、髪に刺した簪がシャラシャラと鳴り、レンの長い袖がふわりと舞うと、描かれた花が、レンの周りに舞い散るようだ。
それがレンの甘い花の香りと相まって、レンと俺だけが花畑で踊っている気分だ。
そして俺の “はおり” の裏地に描かれた白虎が顔をのぞかせると、その精巧さに貴族どもが息を呑み、騒めくのが分かった。
「衣装で注目されるのは初めてだな」
「ふふふ。大成功ですね。でもアレクが格好いいから似合うんですよ?そうじゃないとただの痛い人です」
「痛い人・・・ね」
「あの、ポッチャリした小父様達に、似合うと思います?」
「それは・・・・・似合わんだろうな」
「ふふ。ねぇ・・・アレクは知らないみたいだから、内緒で教えてあげる」
「ん?何をだ?」
レンについて知らない事など・・・・山ほど有るな。
「あのね? 私の大事な騎士様は、誰よりも強くて優しくて、格好いいの」
「はぁ?」
俺の様な駄目な雄を、そうやって褒めてくれるのはレンだけだ。
「ハッ・・・ハハハ!」
「キャッ!!」
嬉しくなった俺は、またもレンを持ち上げて、グルグル回ってしまった。
後でロイド様に、マナー違反だと怒られるだろうが、考えただけでウンザリする社交を前に、英気を養っても罰は当たらんだろう。
マナー違反は犯してしまったが、曲の最後の方はしっかり踊れたし、曲終わりのお辞儀も完璧だった、と思う。
ホールに降りてきたロイド様の目が、怖かったが、レンと踊れて楽しかったから、それだけで充分だ。
ダンスホールの主役を上皇夫夫と交代すると、皇家席の階の前に、アーノルドと談笑するオーべルシュタイン親子と、ジェイドの姿が見えた。
そこに合流した俺とレンは、侯爵から雨の様に感謝の言葉を浴びせられた。
大した事はしていないと、レンと二人で言ったのだが、謙遜するところが益々好ましいと、感激されてしまった。
今の当主は頭が切れるとロロシュから聞いてはいたが、面識のあった先代の当主と同じで、義理人情に厚い御仁のようだ。
「先代は閣下の事を ”若いが勇猛さでは誰にも負けなかった。部下の面倒をよく見る良い上官だ” と話をしていました。閣下のお陰で魔物に食われずに済んだ、とも話していっておりました」
「俺の方こそ、礼を言わねばなるまい。あの時は右も左も分からぬ小僧だったからな。先代の侯爵には本当に助けてもらった。俺が生きているのは彼のお陰だ」
侯爵は破顔し、先代に良い土産話が出来たと喜んでいた。
147
お気に入りに追加
1,333
あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!
柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる