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幸福の定義は人それぞれ
魅了の効果
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「うわぁ~! モッフモフですよ?! かわいい~!!」
言うと思った。
確かに、小さいし、ふかふかの毛皮に包まれた見た目は、可愛いかもしれんが、相手は魔獣。
しかも隣には、敵意全開のフェンリルが控えているだろう?
ちゃんと見えているか?
ティムしなければ、触れないのだぞ?
「レン。クオンとノワールを連れて、暫く下がっていろ」
「えっ? どうして?」
それは、今からこの親子を討伐するから。
無慈悲な俺の姿を、君に見せたく無いんだ。
「・・・・」
「・・・討伐するの?」
「そうだ」
番の眉根が寄せられ、悲しそうな顔になった。
魔獣であっても、幼子は可愛らしいし、子を守ろうとする親の姿は尊い。
レンの気持ちは痛いほど分かる。
だが、相手は魔獣。
人に害をなす以上、見逃すことは出来ん。
「分かったら、クオン達と後ろに」
馬のから下ろそうと細腰に回した手を、レンが掴んだ。
「あの!! 魅了が効くか試したいです!」
「は? 魅了? 今?」
なぜ急にそんな事を?
「私の魅了は、人だけじゃなくて、魔物や幻獣にも効くって、アウラ様が言ってました。本当かどうか、一度は試した方がいいと思うんです!」
「いや。まぁそうだが・・・」
何も今でなくとも・・・。
いや。こんな機会はそうは無いのか?
「クオンとノワールを連れて行くから。ね? お願い」
クウーーーッ!
ここで、そのおねだりを使うのか?!
可愛すぎる。
クソッ!どうしてくれようか!!
「だめ?」
あざとい!でも可愛い!!
絶対分かってやってるだろ?!
「ああ!! もう!! マーク!! 警戒体制で待機!!」
「え? あっはい!!」
「クオン!ノワール来い!!」
「閣下、宜しいのですか?」
2匹のドラゴンと一緒に近づいてきたミュラーが、俺の隣にきてヒソヒソと、聞いてきた。
「いつかは試さなければならない。何かあれば俺が対処する。それにクオンとノワールが居れば、少なくともレンが怪我をすることは無いだろう」
それに、レンはモフモフは正義だと言う。
そんなレンが、俺にとっての正義だ。
ならば、望みは叶えてやらねばなるまい。
「ありがとう、アレク!!」
番は嬉しそうに、胸に抱きついてきたが、俺としては、天を仰いで溜息を吐きたい気分だ。
「いいか?絶対無理はするな。フェンリルが襲ってきたら、クオンかノワールの影に隠れるんだぞ」
番は胸の前に拳を握り、うんうん と頷いているが、本当に分かっているのだろうか?
「クオン、ノワール。絶対レンを傷つけさせるなよ」
「りょうかい」
「はい」
片言で答えたドラゴンと共に、地面に滑り降りた番は、俺を見上げニッコリと微笑んだ。
「それじゃあ、行ってきます。・・あっ、みんなをもう少し下げてもらえますか?」
「あまり離れると、何かあった時対処しにくい」
するとレンは難しい顔で、小首を傾げた。
「ん~~。でも、魅了の範囲が分からないので」
「これ以上離れるのは駄目だ。もしこの位置で影響が出る様なら、次回はもっと下げるようにしよう」
「分かりました!じゃ本当に行きますね?」
頷き返すと、レンは小さく手を振り、ドラゴンを従えて、ゆっくりフェンリルの親子へと向かって行った。
それを遠目で見ていた、マークや他の班の連中が、息を飲み一瞬ざわついていたが、魔獣の群れを刺激しないよう、皆が一様に歯を喰い縛り、息をつめてレンの行動に注視した。
おねだりに負け、レンを送り出したはいいが、俺は既に後悔している。
極寒の森の中、手綱を握る手は、ぶ厚い革の手袋の中で、嫌な汗が滲んでいるのが分かる。
「相変わらず、レン様に甘いですなぁ。」
「ミュラーは、番のおねだりを拒めるのか?」
「はははっ!無理ですな! ですが有難い事に私のザックは、こんな危険なおねだりをしたことが有りませんからね」
「だろうな」
「閣下とレン様だからこその、おねだりですから。私は帰ったら、ザックが欲しがっていた、服を買ってやることにしますよ」
そうだよな。
普通は服や宝飾品を強請るものだよな。
危険な魔獣を手懐けたい。
なんて言わないよな?
しかし、その普通ではない番を、可愛いと思ってしまうのだから、仕方がない。
皆がレンの動きを固唾を飲んで見守る中、当の本人は散歩を楽しむような、軽い足取りでフェンリルへと歩いている。
その姿を見守る騎士達が緊張するのは理解できるのだが、今し方まで牙を剝きだし、騎士達に襲い掛かっていた、シルバーウルフまでが、戦意を納め、耳をピンと立てて、レンの姿を目で追っている。
雪に足を取られながら、フェンリルが張った結界の前に立ったレンは、そっと手を伸ばした。
「おいで~ こわくないよ~」
レン・・・・犬じゃないから。
フェンリルだぞ?
「チッ チッ チッ おいで~」
そんな、ゆるゆるな喋り方で、しゃがみ込んで舌を鳴らしても、来ないと思うのだが・・・
「って、来るのか?!」
フェンリルは警戒心むき出しで、レンを威嚇し続けているが、その足元から、4匹のシルバーウルフの子供が、転がる様にテチテチとレンへと近づいてきた。
そして、結界に触れると、結界の壁に前足をつけ、後ろ脚でぴょんぴょん飛び跳ね喜んでいる。
「かわい~ねぇ~」
嘘だろ・・・子供でも魔獣のシルバーウルフだぞ?
「ママもおいで~」
レンがちょいちょい と、手招くと、それまで鼻に皺を寄せ、牙剥きだしていたフェンリルが、急に大人しくなり、鼻の頭をぺろりと舐めた。
犬が良くやる様に首を傾げ、レンの様子を伺っていたフェンリルが、一歩足を踏み出した。
その時。
ドクンッ!!
心臓の鼓動が一拍大きく胸をたたき、周囲にレンの香りが満ちて、雪白の世界に、薄桃色の風が流れた様に見えた。
よろよろとレンへ近づいたフェンリルが、子狼の隣に立つと、結界が解かれた。
そのままレンの足元に伏せたフェンリルは、ゴロンと仰向けに転がり、腹を出して降参と服従のポーズをとった。
「いい子だねぇ~。おなか撫でていいの?」
呆気に取られる俺たちを他所に、レンは嬉しそうにフェンリルの腹を撫で、膝の上に子狼を乗せて、ご満悦だ。
こうなると、伝説のフェンリルも、ただの巨大な犬にしか見えない。
ふと雪を蹴る足音に気付き、身構えたのだが、フェンリルのもとへ駆け寄るシルバーウルフの様子がおかしい。
さっきまで騎士と死闘を繰り広げていた、シルバーウルフが、飼い主に呼ばれた犬の様に、ブンブンとちぎれんばかりに尻尾を振り、レンを庇い立ち塞がったクオンの足元で服従の姿勢を取ったのだ。
「凄いですね。これが魅了の効果ですか」
目にしたものが信じられないのか、ぼんやりと呟くミュラーの後ろは、もっと大変なことになっていた。
レンの魅了にあてられた騎士達が、馬から降り、目をハートにしてフラフラとレンへ近付こうとして、他の騎士たちに羽交い絞めにされている。
「バカッ!! しっかりしろ!!」
「閣下に殺されるぞ!!」
「お前、気は確かか?!正気に戻れ!!」
失礼だな。
実害がなければ、命までは取らんぞ?
死んだ方がましな、鍛錬は与えるかもしれんがな?
取り囲んで居た筈の、シルバーウルフ達に出し抜かれた、2.3.5班へ目を向けると、俺が率いていた1班と同じ様に、魅了にあてられた騎士達を取り押さえるのに必死だった。
4班の騎士が影響を受けていない様に見えるのは、この連中が番持ちと、恋愛より趣味!と豪語する、変人の集まりだからか?
う~む。
思ったより広範囲で影響が出るな。
これは、何かしらの対策を急がせねばならんな。
言うと思った。
確かに、小さいし、ふかふかの毛皮に包まれた見た目は、可愛いかもしれんが、相手は魔獣。
しかも隣には、敵意全開のフェンリルが控えているだろう?
ちゃんと見えているか?
ティムしなければ、触れないのだぞ?
「レン。クオンとノワールを連れて、暫く下がっていろ」
「えっ? どうして?」
それは、今からこの親子を討伐するから。
無慈悲な俺の姿を、君に見せたく無いんだ。
「・・・・」
「・・・討伐するの?」
「そうだ」
番の眉根が寄せられ、悲しそうな顔になった。
魔獣であっても、幼子は可愛らしいし、子を守ろうとする親の姿は尊い。
レンの気持ちは痛いほど分かる。
だが、相手は魔獣。
人に害をなす以上、見逃すことは出来ん。
「分かったら、クオン達と後ろに」
馬のから下ろそうと細腰に回した手を、レンが掴んだ。
「あの!! 魅了が効くか試したいです!」
「は? 魅了? 今?」
なぜ急にそんな事を?
「私の魅了は、人だけじゃなくて、魔物や幻獣にも効くって、アウラ様が言ってました。本当かどうか、一度は試した方がいいと思うんです!」
「いや。まぁそうだが・・・」
何も今でなくとも・・・。
いや。こんな機会はそうは無いのか?
「クオンとノワールを連れて行くから。ね? お願い」
クウーーーッ!
ここで、そのおねだりを使うのか?!
可愛すぎる。
クソッ!どうしてくれようか!!
「だめ?」
あざとい!でも可愛い!!
絶対分かってやってるだろ?!
「ああ!! もう!! マーク!! 警戒体制で待機!!」
「え? あっはい!!」
「クオン!ノワール来い!!」
「閣下、宜しいのですか?」
2匹のドラゴンと一緒に近づいてきたミュラーが、俺の隣にきてヒソヒソと、聞いてきた。
「いつかは試さなければならない。何かあれば俺が対処する。それにクオンとノワールが居れば、少なくともレンが怪我をすることは無いだろう」
それに、レンはモフモフは正義だと言う。
そんなレンが、俺にとっての正義だ。
ならば、望みは叶えてやらねばなるまい。
「ありがとう、アレク!!」
番は嬉しそうに、胸に抱きついてきたが、俺としては、天を仰いで溜息を吐きたい気分だ。
「いいか?絶対無理はするな。フェンリルが襲ってきたら、クオンかノワールの影に隠れるんだぞ」
番は胸の前に拳を握り、うんうん と頷いているが、本当に分かっているのだろうか?
「クオン、ノワール。絶対レンを傷つけさせるなよ」
「りょうかい」
「はい」
片言で答えたドラゴンと共に、地面に滑り降りた番は、俺を見上げニッコリと微笑んだ。
「それじゃあ、行ってきます。・・あっ、みんなをもう少し下げてもらえますか?」
「あまり離れると、何かあった時対処しにくい」
するとレンは難しい顔で、小首を傾げた。
「ん~~。でも、魅了の範囲が分からないので」
「これ以上離れるのは駄目だ。もしこの位置で影響が出る様なら、次回はもっと下げるようにしよう」
「分かりました!じゃ本当に行きますね?」
頷き返すと、レンは小さく手を振り、ドラゴンを従えて、ゆっくりフェンリルの親子へと向かって行った。
それを遠目で見ていた、マークや他の班の連中が、息を飲み一瞬ざわついていたが、魔獣の群れを刺激しないよう、皆が一様に歯を喰い縛り、息をつめてレンの行動に注視した。
おねだりに負け、レンを送り出したはいいが、俺は既に後悔している。
極寒の森の中、手綱を握る手は、ぶ厚い革の手袋の中で、嫌な汗が滲んでいるのが分かる。
「相変わらず、レン様に甘いですなぁ。」
「ミュラーは、番のおねだりを拒めるのか?」
「はははっ!無理ですな! ですが有難い事に私のザックは、こんな危険なおねだりをしたことが有りませんからね」
「だろうな」
「閣下とレン様だからこその、おねだりですから。私は帰ったら、ザックが欲しがっていた、服を買ってやることにしますよ」
そうだよな。
普通は服や宝飾品を強請るものだよな。
危険な魔獣を手懐けたい。
なんて言わないよな?
しかし、その普通ではない番を、可愛いと思ってしまうのだから、仕方がない。
皆がレンの動きを固唾を飲んで見守る中、当の本人は散歩を楽しむような、軽い足取りでフェンリルへと歩いている。
その姿を見守る騎士達が緊張するのは理解できるのだが、今し方まで牙を剝きだし、騎士達に襲い掛かっていた、シルバーウルフまでが、戦意を納め、耳をピンと立てて、レンの姿を目で追っている。
雪に足を取られながら、フェンリルが張った結界の前に立ったレンは、そっと手を伸ばした。
「おいで~ こわくないよ~」
レン・・・・犬じゃないから。
フェンリルだぞ?
「チッ チッ チッ おいで~」
そんな、ゆるゆるな喋り方で、しゃがみ込んで舌を鳴らしても、来ないと思うのだが・・・
「って、来るのか?!」
フェンリルは警戒心むき出しで、レンを威嚇し続けているが、その足元から、4匹のシルバーウルフの子供が、転がる様にテチテチとレンへと近づいてきた。
そして、結界に触れると、結界の壁に前足をつけ、後ろ脚でぴょんぴょん飛び跳ね喜んでいる。
「かわい~ねぇ~」
嘘だろ・・・子供でも魔獣のシルバーウルフだぞ?
「ママもおいで~」
レンがちょいちょい と、手招くと、それまで鼻に皺を寄せ、牙剥きだしていたフェンリルが、急に大人しくなり、鼻の頭をぺろりと舐めた。
犬が良くやる様に首を傾げ、レンの様子を伺っていたフェンリルが、一歩足を踏み出した。
その時。
ドクンッ!!
心臓の鼓動が一拍大きく胸をたたき、周囲にレンの香りが満ちて、雪白の世界に、薄桃色の風が流れた様に見えた。
よろよろとレンへ近づいたフェンリルが、子狼の隣に立つと、結界が解かれた。
そのままレンの足元に伏せたフェンリルは、ゴロンと仰向けに転がり、腹を出して降参と服従のポーズをとった。
「いい子だねぇ~。おなか撫でていいの?」
呆気に取られる俺たちを他所に、レンは嬉しそうにフェンリルの腹を撫で、膝の上に子狼を乗せて、ご満悦だ。
こうなると、伝説のフェンリルも、ただの巨大な犬にしか見えない。
ふと雪を蹴る足音に気付き、身構えたのだが、フェンリルのもとへ駆け寄るシルバーウルフの様子がおかしい。
さっきまで騎士と死闘を繰り広げていた、シルバーウルフが、飼い主に呼ばれた犬の様に、ブンブンとちぎれんばかりに尻尾を振り、レンを庇い立ち塞がったクオンの足元で服従の姿勢を取ったのだ。
「凄いですね。これが魅了の効果ですか」
目にしたものが信じられないのか、ぼんやりと呟くミュラーの後ろは、もっと大変なことになっていた。
レンの魅了にあてられた騎士達が、馬から降り、目をハートにしてフラフラとレンへ近付こうとして、他の騎士たちに羽交い絞めにされている。
「バカッ!! しっかりしろ!!」
「閣下に殺されるぞ!!」
「お前、気は確かか?!正気に戻れ!!」
失礼だな。
実害がなければ、命までは取らんぞ?
死んだ方がましな、鍛錬は与えるかもしれんがな?
取り囲んで居た筈の、シルバーウルフ達に出し抜かれた、2.3.5班へ目を向けると、俺が率いていた1班と同じ様に、魅了にあてられた騎士達を取り押さえるのに必死だった。
4班の騎士が影響を受けていない様に見えるのは、この連中が番持ちと、恋愛より趣味!と豪語する、変人の集まりだからか?
う~む。
思ったより広範囲で影響が出るな。
これは、何かしらの対策を急がせねばならんな。
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