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エンドロールの後も人生は続きます
親子の時間
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「はぁ? それはどういう」
「私には物理的な攻撃以外、効かないのだ」
「この世に、その様な能力があるとは、初耳です」
「であろうな。私もこの話をするのは、お前が初めてだからな」
神の加護もなく、そんな能力を手に入れられるとは、にわかには信じられない。
しかし、親父殿の顔色を見るに、揶揄われているわけではなさそうだ、ここは、流石が王族と感心するべきなのか?
「お前の様な、武の才に恵まれた者であったなら、もっと有意義な使い道もあったのだろうが、味方らしい味方も居らず、ただ皇帝の目に止まらぬよう、息を顰め、コソコソと逃げ回るだけの私には過ぎた力だ」
自虐に肩を竦める父を前に、俺は何をいうべきか迷った。
「この力のお陰で、他の兄弟達の様に殺されずに済んだが、それだけだ」
ギデオンは好色でも有名だった分、生まれた子供の数も多かった。富のおこぼれを期待し、息子を差し出した貴族は数えきれない。
ギデオンが子をもうけたのは、子煩悩だったからではなく、自分が気に入った相手を縛る枷とするためだ。
そして、生まれた子供は、本人の意思に関係なく、派閥争いや、後継者争いに巻き込まれ、皇帝の手に掛かり、幼い命を儚く散らせていった。
「子供に尊敬される親で有りたかったが、結局、ジルベールとウィリアムを守れず。お前達には何もしてやれなかった」
自身を嘲笑うかの様な声音に、親父殿なりの葛藤があったことが知れる。
「父上・・・」
「ロイドと共に軟禁された折りには、アーノルドだけは守ってやろう、と意気込んではみたが、幼い頃に植え付けられた恐怖心というものは、厄介なものでな、私に出来たのは、父の興味を引かぬ様、身を縮め息を顰め、来るとも知れない助けを、待つことだけだった」
「・・・・・」
「返り血に染まった、お前が来てくれたときは、誇らしかったが、それ以上に己の不甲斐なさに、恥じ入るばかりだったな」
それでも、身内殺しの俺を誇らしく思ってくれていたのか。
「そんな役にも立たない力だが、幻術も、ジルベールの薬も効かなかったお陰で、リリーが私にしようとしている事を、私は知っていたのだ」
「知った上で、母を愛しいと?」
「哀れで、可愛い人だったからな」と呟いた言葉に嘘は無かった。
「初めは罪悪感だった。私の意思では無かったし、形だけの夫夫だったが、リリーからマシューを奪ったのは私だ。父が生きて居る内は、立場的な問題もあって、マシューの複数婚を認めることは出来なかった」
まぁ、そうだろうな。
政略結婚の場合、互いに愛人を持つ事は、よくある様だが、滅ぼされた国の公子が愛人を連れ、皇家に嫁いだともなれば、醜聞どころの話しではない。
「しかし、獣人から番を奪うことは出来なかった。だから、私はマシューに触れなかったし、二人にも好きにさせていた。流石にジルベールが出来た時は、二人の事が父にバレるのでは?と肝が冷えた」
「やはり、ジルベールは母とマシュー様の間の子だったのですね」
「そうだ。皇太子妃は子を成す事が義務だ。本人の意思に関係なく、ラシルの実を食さねばならない。リリーもその辺りを自重出来れば良かったのだが、あれは思い込みが激しい性格だからな、我慢出来なかったのだろう」
そういう問題か?
大事な番を、危険な目に合わせただけじゃ無いのか?
「核を創ったのはリリーだが、その後魔力を注いだのが、私とマシューだったからなのか、ジルベールは人の姿で生まれて来た。私は二人の秘密を守れてホッとしたが、マシューはリリーに疑われた、と泣いていたよ」
「えっ? マシュー様とそんな話までしていたのか?」
驚く俺に、親父殿は苦笑を浮かべてみせた。
「そこで驚くのか? その反応を見るに、既に全てを知っていたのだな?」
申し訳何さそうに話す父に、俺は事実を答える事にした。
「母の・・・・日記を見つけました」
「あれは、思い込みと執着が激しい人であったから、気分の良い内容では無かったろう?」
「予想はしていたので、それほどでも」
「見上げた洞察力と胆力だ」
溜息混じりの言葉だが、褒められたと思って良いのだろうか?
「リリーにとって私は、番を奪った憎い敵国の皇太子だったが、マシューは私にとって唯一心を許せる友人であった」
「じゃあ、何故ウィリアムは・・・」
「父が疑い始めたからだ。ジルベールは私に似た所が一つもなかった。それにジルベールを産んだ後、マシューに懐妊の兆しも無い。それに、宮廷に流れた噂の事もある。獣人を嫌っていた父が、マシューとリリーを疑うには十分過ぎる理由だった」
「それで、ウィリアムをもうけたと?」
「二人を逃すか、私との子を創って誤魔化すか、どちらかを選ばなければならない所まで、追い詰められていた。私はリリーとマシューに逃げる様説得したよ。リリーも自分と共に逃げてくれと懇願していた。だがマシューは自分が逃げたら、マイオールの民は如何なる。と頑として聞き入れなくてな」
ギデオンに目を付けられたら、国が滅び、まともな後ろ盾のないマシュー様と母など、一溜まりも無かっただろう。
「その頃、漸くシルベスターを、帝国の侯爵として正式に認める事が出来てな。公国時代のシルベスター家の領地の一部を、同じ家門のリリーにも、授けられる事になったのだ。伯爵位に就いたリリーは、自領の視察に赴く必要が有る。リリーが皇都を留守にして居る間に、私とマシューは、そういう仲になったのだよ」
事情は分かるが、どちらを間男と呼んで良いのか分からんな。
「その後は・・・日記を読んだなら分かるだろう?」
気怠げに肩をすくめて見せる父に、頷くことしかできなかった。
「私とマシューは褥は共にしたが、マシューは政略結婚の義務を果たしたに過ぎん。マシューは変わらずリリーを愛していたし、不器用に互いを求め合う二人を、私は愛した。 しかしリリーは獣人だ。番への執着は人族の私達が思うより、ずっと重く深かった。リリーは傷つき捨てられると思い込んだ。リリーにとって、皇宮は居心地の悪い場所だっただろう。それでも、マシューとジルベールの側に居続けるために、リリーは私を利用したのだよ」
「父上は・・・それで良かったのですか?」
「私は、リリーを愛するマシューと、マシューを愛し求めるリリーを愛した。マシューの為に、何かをしようとするリリーは、可愛かったよ」
そんな愛し方も有るのか。
自分ではない、他者を愛する姿を許容し、犯した罪も含めて、受け止め愛すとは。
俺には絶対真似できない。
もし、親父殿が母に自分だけを見ろ、と言ったら、何か変わったのだろうか。
人族の愛を、獣人の俺が理解出来ないだけなのか?
「流石に、リリーが妙な連中と関わるようになったと知って、皇都に居続けるのは拙いと思ったのだが・・・その所為でお前には、寂しい思いばかりさせてしまった」
「済んだ事です」
淡々と答える俺から、親父殿は目を逸らし瞼を伏せた。
「そうか・・・こんな陰気な昔話を長々と聞かせたのは、私は望んでお前を産んだと言う事と、リリーとの間に子が出来て嬉しかった、という事を伝えたかったのだ」
親父殿の瞳に、一度も見せたことの無い光が灯って見えた。
「・・・・ロロシュが何か言いましたか?」
「ロロシュというと、あの酔っぱらいの事か? あれは、なかなか面白い男だな」
惚けた様に言った親父殿は、その瞳に揶揄いの色を浮かべ。
「そう言えば、お前が婚約してから一年が過ぎたな。これ以上の我慢は、お前には辛かろう? ロイドに相談すれば、良いように取り計らってくれると思うぞ?」
己の煩悶に気付かれた事に、顔に熱が集まった。
「それは・・・ご助言ありがとうございます」
「お前の無駄に堅苦しいところは、マイオールの血なのか?」
笑い含みに言ったきり、父は口を閉ざしてしまったが、馬車の中に流れる沈黙の時間を、俺は心地良いと感じることが出来た。
「私には物理的な攻撃以外、効かないのだ」
「この世に、その様な能力があるとは、初耳です」
「であろうな。私もこの話をするのは、お前が初めてだからな」
神の加護もなく、そんな能力を手に入れられるとは、にわかには信じられない。
しかし、親父殿の顔色を見るに、揶揄われているわけではなさそうだ、ここは、流石が王族と感心するべきなのか?
「お前の様な、武の才に恵まれた者であったなら、もっと有意義な使い道もあったのだろうが、味方らしい味方も居らず、ただ皇帝の目に止まらぬよう、息を顰め、コソコソと逃げ回るだけの私には過ぎた力だ」
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「この力のお陰で、他の兄弟達の様に殺されずに済んだが、それだけだ」
ギデオンは好色でも有名だった分、生まれた子供の数も多かった。富のおこぼれを期待し、息子を差し出した貴族は数えきれない。
ギデオンが子をもうけたのは、子煩悩だったからではなく、自分が気に入った相手を縛る枷とするためだ。
そして、生まれた子供は、本人の意思に関係なく、派閥争いや、後継者争いに巻き込まれ、皇帝の手に掛かり、幼い命を儚く散らせていった。
「子供に尊敬される親で有りたかったが、結局、ジルベールとウィリアムを守れず。お前達には何もしてやれなかった」
自身を嘲笑うかの様な声音に、親父殿なりの葛藤があったことが知れる。
「父上・・・」
「ロイドと共に軟禁された折りには、アーノルドだけは守ってやろう、と意気込んではみたが、幼い頃に植え付けられた恐怖心というものは、厄介なものでな、私に出来たのは、父の興味を引かぬ様、身を縮め息を顰め、来るとも知れない助けを、待つことだけだった」
「・・・・・」
「返り血に染まった、お前が来てくれたときは、誇らしかったが、それ以上に己の不甲斐なさに、恥じ入るばかりだったな」
それでも、身内殺しの俺を誇らしく思ってくれていたのか。
「そんな役にも立たない力だが、幻術も、ジルベールの薬も効かなかったお陰で、リリーが私にしようとしている事を、私は知っていたのだ」
「知った上で、母を愛しいと?」
「哀れで、可愛い人だったからな」と呟いた言葉に嘘は無かった。
「初めは罪悪感だった。私の意思では無かったし、形だけの夫夫だったが、リリーからマシューを奪ったのは私だ。父が生きて居る内は、立場的な問題もあって、マシューの複数婚を認めることは出来なかった」
まぁ、そうだろうな。
政略結婚の場合、互いに愛人を持つ事は、よくある様だが、滅ぼされた国の公子が愛人を連れ、皇家に嫁いだともなれば、醜聞どころの話しではない。
「しかし、獣人から番を奪うことは出来なかった。だから、私はマシューに触れなかったし、二人にも好きにさせていた。流石にジルベールが出来た時は、二人の事が父にバレるのでは?と肝が冷えた」
「やはり、ジルベールは母とマシュー様の間の子だったのですね」
「そうだ。皇太子妃は子を成す事が義務だ。本人の意思に関係なく、ラシルの実を食さねばならない。リリーもその辺りを自重出来れば良かったのだが、あれは思い込みが激しい性格だからな、我慢出来なかったのだろう」
そういう問題か?
大事な番を、危険な目に合わせただけじゃ無いのか?
「核を創ったのはリリーだが、その後魔力を注いだのが、私とマシューだったからなのか、ジルベールは人の姿で生まれて来た。私は二人の秘密を守れてホッとしたが、マシューはリリーに疑われた、と泣いていたよ」
「えっ? マシュー様とそんな話までしていたのか?」
驚く俺に、親父殿は苦笑を浮かべてみせた。
「そこで驚くのか? その反応を見るに、既に全てを知っていたのだな?」
申し訳何さそうに話す父に、俺は事実を答える事にした。
「母の・・・・日記を見つけました」
「あれは、思い込みと執着が激しい人であったから、気分の良い内容では無かったろう?」
「予想はしていたので、それほどでも」
「見上げた洞察力と胆力だ」
溜息混じりの言葉だが、褒められたと思って良いのだろうか?
「リリーにとって私は、番を奪った憎い敵国の皇太子だったが、マシューは私にとって唯一心を許せる友人であった」
「じゃあ、何故ウィリアムは・・・」
「父が疑い始めたからだ。ジルベールは私に似た所が一つもなかった。それにジルベールを産んだ後、マシューに懐妊の兆しも無い。それに、宮廷に流れた噂の事もある。獣人を嫌っていた父が、マシューとリリーを疑うには十分過ぎる理由だった」
「それで、ウィリアムをもうけたと?」
「二人を逃すか、私との子を創って誤魔化すか、どちらかを選ばなければならない所まで、追い詰められていた。私はリリーとマシューに逃げる様説得したよ。リリーも自分と共に逃げてくれと懇願していた。だがマシューは自分が逃げたら、マイオールの民は如何なる。と頑として聞き入れなくてな」
ギデオンに目を付けられたら、国が滅び、まともな後ろ盾のないマシュー様と母など、一溜まりも無かっただろう。
「その頃、漸くシルベスターを、帝国の侯爵として正式に認める事が出来てな。公国時代のシルベスター家の領地の一部を、同じ家門のリリーにも、授けられる事になったのだ。伯爵位に就いたリリーは、自領の視察に赴く必要が有る。リリーが皇都を留守にして居る間に、私とマシューは、そういう仲になったのだよ」
事情は分かるが、どちらを間男と呼んで良いのか分からんな。
「その後は・・・日記を読んだなら分かるだろう?」
気怠げに肩をすくめて見せる父に、頷くことしかできなかった。
「私とマシューは褥は共にしたが、マシューは政略結婚の義務を果たしたに過ぎん。マシューは変わらずリリーを愛していたし、不器用に互いを求め合う二人を、私は愛した。 しかしリリーは獣人だ。番への執着は人族の私達が思うより、ずっと重く深かった。リリーは傷つき捨てられると思い込んだ。リリーにとって、皇宮は居心地の悪い場所だっただろう。それでも、マシューとジルベールの側に居続けるために、リリーは私を利用したのだよ」
「父上は・・・それで良かったのですか?」
「私は、リリーを愛するマシューと、マシューを愛し求めるリリーを愛した。マシューの為に、何かをしようとするリリーは、可愛かったよ」
そんな愛し方も有るのか。
自分ではない、他者を愛する姿を許容し、犯した罪も含めて、受け止め愛すとは。
俺には絶対真似できない。
もし、親父殿が母に自分だけを見ろ、と言ったら、何か変わったのだろうか。
人族の愛を、獣人の俺が理解出来ないだけなのか?
「流石に、リリーが妙な連中と関わるようになったと知って、皇都に居続けるのは拙いと思ったのだが・・・その所為でお前には、寂しい思いばかりさせてしまった」
「済んだ事です」
淡々と答える俺から、親父殿は目を逸らし瞼を伏せた。
「そうか・・・こんな陰気な昔話を長々と聞かせたのは、私は望んでお前を産んだと言う事と、リリーとの間に子が出来て嬉しかった、という事を伝えたかったのだ」
親父殿の瞳に、一度も見せたことの無い光が灯って見えた。
「・・・・ロロシュが何か言いましたか?」
「ロロシュというと、あの酔っぱらいの事か? あれは、なかなか面白い男だな」
惚けた様に言った親父殿は、その瞳に揶揄いの色を浮かべ。
「そう言えば、お前が婚約してから一年が過ぎたな。これ以上の我慢は、お前には辛かろう? ロイドに相談すれば、良いように取り計らってくれると思うぞ?」
己の煩悶に気付かれた事に、顔に熱が集まった。
「それは・・・ご助言ありがとうございます」
「お前の無駄に堅苦しいところは、マイオールの血なのか?」
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