234 / 499
エンドロールの後も人生は続きます
煩悶と別れ
しおりを挟む
side・レン
アレクさんの様子がおかしい。
バイスバルドで、ギルドの話をしていた時は普通だったと思う。
様子がおかしくなったのは、その後。
クレイオス様達に、お説教した辺りからでしょうか?
何かを隠している、という感じでもないし、浮気どうこうと言う訳でもない。
そもそも、四六時中一緒に居る訳だから、浮気の心配は全くないし、逆に、私を見つめる視線が、いつもより熱が篭っている様な気がします。
普段から甘々光線飛ばしまくりのアレクさんの視線が、更に激甘になったというか。
後頭部に、ハートがゴツゴツぶつかってくる様な視線を感じて振り向くと、シロップましまし生クリーム添えパンケーキ+マシュマロてんこ盛りココア、みたいな、とろけそうな瞳と目が合います。
何事か、と思っていると、気不味そうに ふいっ と目を逸らしたりして。
デレデレ甘々かと思えば、しつこいくらい一緒に入りたがったお風呂も、この何日かは、服を着たまま私の髪を洗うだけだし。
お風呂に関しては、アレクさんに悪戯される心配もなく、のんびり出来るのは、嬉しかったりするのですけど。
当のアレクさんのバスタイムは、妙に長くて。
でも、何かあったの? と聞いても、なんでもないと言うばかりで・・・。
一体なんなんでしょうか?
やっぱり、喪中ということで、自分を律しているのでしょうか?
ウィリアムさんとリリーシュ様の事を思うと、アレクさんも色々考えることはあるだろうから、その所為なんでしょうか?
でもそれだと、飴菓子の蜂蜜掛け、みたいな視線の意味が分かりません・・・。
う~ん。
団長のお仕事は激務です。
それが、大厄災の夜から今まで、更にお仕事が増えてしまったから、疲れ過ぎて情緒が、不安定になっているのでしょうか?
本当はもっと手伝ってあげたいけど、私は簡単な事務作業しかできないしな。
アレクさんって、どんなに辛くても、絶対辛いって言わないのよね。
それって、凄くかっこいいけど、たまには弱音を吐いたって良いのに・・・。
私に出来る事なんて、高が知れているけど、それでも、アレクさんを助けたいって思ってるんだけどなぁ。
まぁ、なんだかんだ言っても、アレクさんも頑固なとこあるし、彼が話す気になるまで、気長に待つしかないか!
取り敢えず、アレクさんの好きな物でも作って、差し入れに行くとしますか!
◇◇◇
side・アレク
拙い。
非常に拙い。
バイスバルドで気付いてしまった事で、俺は完全に追い詰められている。
まさに崖っぷち、堰き止められていた物が、決壊寸前だ。
仕事をしていても、気付くとレンとの蜜月の夢想に浸り、仕事が全く捗らない。
内宮の俺の執務室は、ブラックギドラのブレスで抉り取られた為、柘榴宮の書斎を執務室として使っているのだが、レンが近くにいると思うと、書斎を飛び出し、レンを寝室に押し込んで、致すところまでを夢想してしまう始末だ。
やるべき事が山積みだというのに、耳も隠せないガキじゃあるまいし、欲に振り回されてどうする。
しっかりしろ、俺!!
そして大人しくするんだ、俺の俺!
この状態でレンの肌に触れたら、理性が焼き切れて、抑えが効かない自信がある。
よって俺という獣から、レンの貞操を守るために、入浴の世話も髪を洗うだけに留めている。
だが、番の肌に触れられない分、妄想が激しくなる一方だ。
法に従い、レンに恥をかかせない為に、一年我慢し続けた。
ロロシュやマークに苦情を言われ、マーキングも我慢した。
正直、俺はよくやったと思う。
三十路近くになって、初めての恋なのにだ!!
物慣れぬ初心な番を、自分でも卑怯だと思う手を使い絡め取り、囲い込んで、俺の所まで落ちて来させた。
それでも、一線を越える事なく今日まで来たが、それも、もう限界だ。
喪が明けるまで、後一年も待つなんて冗談じゃない!
しかし、こんな卑怯な俺にだって、人としての倫理観や常識は有る。
袂を分ってしまった家族だが、葬儀を明日に控えた状態で、レンをどうこうしようという様な鬼畜ではない。
国葬が済んだ後でも、優しいレンは、亡くなった者達を想い、その気になれないと言うかも知れない。
レンが待てというなら、待つ努力はしよう。
しかし、レンがその気になるような努力も、同時にしても構わないよな?
◇◇
秋晴れの空の下、皇帝ウィリアム・ネルソン・クレイオスと幽婚の皇后オルフェウス・アーリントン・クレイオスの国葬は、粛々と執り行われた。
帝国を動かしてきた大貴族の半数近くが参席できなかったが、式場となった、秋桜宮には多くの弔問客が訪れ、外宮には献花に訪れた国民の長い列が出来ていた。
未曾有の大厄災は、帝国の中心に居た大貴族にも、多くの犠牲を出した。
あの日、謁見の間に閉じ込められていた貴族達の救出は、間に合わなかった。
俺が命を下した、暗部と宵闇の連中は、謁見の間に、ウィリアムが居ない事だけは掴んでいたらしい。
だが肝心の居場所は判明せず、アーノルド達の救出と、ウィリアムの捜索を優先させた結果、内宮を封鎖していた騎士諸共、ヴァラクの放った瘴気の餌食と成ってしまったのだ。
宰相のグリーンヒルが、回復薬の配給の指揮を取る為に、外宮に居て難を逃れられたのは、ある意味奇跡だ。
「兄上は皇帝として、これほど慕われていたのに・・・・」
「・・・そうだな」
葬儀が終わり、皇家の墓所へと向かう車列に、沿道を埋め尽くした人々が祈りを捧げている。
俺はアーノルドと、柩を運ぶ馬車のすぐ後ろの馬車に乗っている。
レンは、ロイド様と親父殿と一緒だ。
「僕にとって・・・・兄上達は憧れです。これは一生変わらないと思います。暴君の圧政から国を救い、盾となって国民を護り続ける英雄と、荒廃した帝国を正道へと導き、再び繁栄させた皇帝」
「・・・・・・」
「僕はアル兄の様に強くもない。ウィル兄の様に賢くもない。本当に凡庸な人間です。兄様達の様な武勇も、知略もない凡夫です。それなのに・・・・僕は皇帝としてやって行けるでしょうか?」
子供の頃の呼び方になっているな。
心が弱くなっている証拠だ。
「玉座に孤独は付きものだ。だが、グリーンヒルは健在だ、お前にはロイド様も居る。俺は内向きの事は得意ではないが、こんな俺でも、役に立つことは有るだろう。アーノルドお前は一人ではない。これから多くの者が、お前を支えてくれるだろう。それにお前はまだ若い、いくらでも成長出来る」
「そうでしょうか」
「荒れ果てた荒野にも、立ち止まらなければ、道は出来る。道に迷っても、遠回りしても、最後に目的地に着ければそれで良い。お前にはお前の良さがあるんだ。お前はお前の道を行け」
「兄上・・・・ありがとうございます」
「礼は要らんよ。泣き虫アーニー」
「酷いな。もう子供の時みたいに泣いたりしませんよ!」
「ハハハ・・・・」
ウィリアムとオルフェウスは、無数の花で飾られた、真っ白な霊廟に埋葬された。
秋晴れの空は何処までも青く、陽の光に照らされた霊廟は現実感とは、真逆の位置にあった。
本当に嘘みたいだ。
ウィリアムがもう居ないなんて。
ウィルの最後を見ていなければ、何もかもがいつもの悪い冗談だと思っただろう。
ウィルが突拍子もない事を思いつくと、俺はいつも振り回された。
今だって ”ごめんごめん、びっくりした?“ と霊廟の扉を開けて、ウィルが出てくるような気がする。
もう、あの迷惑だが賑やかな日々は、戻って来ないのだな。
お前のやった事は許せない。
だが、憎んだり恨んだりもしないよ。
これだけ人に迷惑を掛けたんだ。
今度こそ、オルフェウスと幸せになれよ。
じゃあな、兄さん。
さよならだ。
アレクさんの様子がおかしい。
バイスバルドで、ギルドの話をしていた時は普通だったと思う。
様子がおかしくなったのは、その後。
クレイオス様達に、お説教した辺りからでしょうか?
何かを隠している、という感じでもないし、浮気どうこうと言う訳でもない。
そもそも、四六時中一緒に居る訳だから、浮気の心配は全くないし、逆に、私を見つめる視線が、いつもより熱が篭っている様な気がします。
普段から甘々光線飛ばしまくりのアレクさんの視線が、更に激甘になったというか。
後頭部に、ハートがゴツゴツぶつかってくる様な視線を感じて振り向くと、シロップましまし生クリーム添えパンケーキ+マシュマロてんこ盛りココア、みたいな、とろけそうな瞳と目が合います。
何事か、と思っていると、気不味そうに ふいっ と目を逸らしたりして。
デレデレ甘々かと思えば、しつこいくらい一緒に入りたがったお風呂も、この何日かは、服を着たまま私の髪を洗うだけだし。
お風呂に関しては、アレクさんに悪戯される心配もなく、のんびり出来るのは、嬉しかったりするのですけど。
当のアレクさんのバスタイムは、妙に長くて。
でも、何かあったの? と聞いても、なんでもないと言うばかりで・・・。
一体なんなんでしょうか?
やっぱり、喪中ということで、自分を律しているのでしょうか?
ウィリアムさんとリリーシュ様の事を思うと、アレクさんも色々考えることはあるだろうから、その所為なんでしょうか?
でもそれだと、飴菓子の蜂蜜掛け、みたいな視線の意味が分かりません・・・。
う~ん。
団長のお仕事は激務です。
それが、大厄災の夜から今まで、更にお仕事が増えてしまったから、疲れ過ぎて情緒が、不安定になっているのでしょうか?
本当はもっと手伝ってあげたいけど、私は簡単な事務作業しかできないしな。
アレクさんって、どんなに辛くても、絶対辛いって言わないのよね。
それって、凄くかっこいいけど、たまには弱音を吐いたって良いのに・・・。
私に出来る事なんて、高が知れているけど、それでも、アレクさんを助けたいって思ってるんだけどなぁ。
まぁ、なんだかんだ言っても、アレクさんも頑固なとこあるし、彼が話す気になるまで、気長に待つしかないか!
取り敢えず、アレクさんの好きな物でも作って、差し入れに行くとしますか!
◇◇◇
side・アレク
拙い。
非常に拙い。
バイスバルドで気付いてしまった事で、俺は完全に追い詰められている。
まさに崖っぷち、堰き止められていた物が、決壊寸前だ。
仕事をしていても、気付くとレンとの蜜月の夢想に浸り、仕事が全く捗らない。
内宮の俺の執務室は、ブラックギドラのブレスで抉り取られた為、柘榴宮の書斎を執務室として使っているのだが、レンが近くにいると思うと、書斎を飛び出し、レンを寝室に押し込んで、致すところまでを夢想してしまう始末だ。
やるべき事が山積みだというのに、耳も隠せないガキじゃあるまいし、欲に振り回されてどうする。
しっかりしろ、俺!!
そして大人しくするんだ、俺の俺!
この状態でレンの肌に触れたら、理性が焼き切れて、抑えが効かない自信がある。
よって俺という獣から、レンの貞操を守るために、入浴の世話も髪を洗うだけに留めている。
だが、番の肌に触れられない分、妄想が激しくなる一方だ。
法に従い、レンに恥をかかせない為に、一年我慢し続けた。
ロロシュやマークに苦情を言われ、マーキングも我慢した。
正直、俺はよくやったと思う。
三十路近くになって、初めての恋なのにだ!!
物慣れぬ初心な番を、自分でも卑怯だと思う手を使い絡め取り、囲い込んで、俺の所まで落ちて来させた。
それでも、一線を越える事なく今日まで来たが、それも、もう限界だ。
喪が明けるまで、後一年も待つなんて冗談じゃない!
しかし、こんな卑怯な俺にだって、人としての倫理観や常識は有る。
袂を分ってしまった家族だが、葬儀を明日に控えた状態で、レンをどうこうしようという様な鬼畜ではない。
国葬が済んだ後でも、優しいレンは、亡くなった者達を想い、その気になれないと言うかも知れない。
レンが待てというなら、待つ努力はしよう。
しかし、レンがその気になるような努力も、同時にしても構わないよな?
◇◇
秋晴れの空の下、皇帝ウィリアム・ネルソン・クレイオスと幽婚の皇后オルフェウス・アーリントン・クレイオスの国葬は、粛々と執り行われた。
帝国を動かしてきた大貴族の半数近くが参席できなかったが、式場となった、秋桜宮には多くの弔問客が訪れ、外宮には献花に訪れた国民の長い列が出来ていた。
未曾有の大厄災は、帝国の中心に居た大貴族にも、多くの犠牲を出した。
あの日、謁見の間に閉じ込められていた貴族達の救出は、間に合わなかった。
俺が命を下した、暗部と宵闇の連中は、謁見の間に、ウィリアムが居ない事だけは掴んでいたらしい。
だが肝心の居場所は判明せず、アーノルド達の救出と、ウィリアムの捜索を優先させた結果、内宮を封鎖していた騎士諸共、ヴァラクの放った瘴気の餌食と成ってしまったのだ。
宰相のグリーンヒルが、回復薬の配給の指揮を取る為に、外宮に居て難を逃れられたのは、ある意味奇跡だ。
「兄上は皇帝として、これほど慕われていたのに・・・・」
「・・・そうだな」
葬儀が終わり、皇家の墓所へと向かう車列に、沿道を埋め尽くした人々が祈りを捧げている。
俺はアーノルドと、柩を運ぶ馬車のすぐ後ろの馬車に乗っている。
レンは、ロイド様と親父殿と一緒だ。
「僕にとって・・・・兄上達は憧れです。これは一生変わらないと思います。暴君の圧政から国を救い、盾となって国民を護り続ける英雄と、荒廃した帝国を正道へと導き、再び繁栄させた皇帝」
「・・・・・・」
「僕はアル兄の様に強くもない。ウィル兄の様に賢くもない。本当に凡庸な人間です。兄様達の様な武勇も、知略もない凡夫です。それなのに・・・・僕は皇帝としてやって行けるでしょうか?」
子供の頃の呼び方になっているな。
心が弱くなっている証拠だ。
「玉座に孤独は付きものだ。だが、グリーンヒルは健在だ、お前にはロイド様も居る。俺は内向きの事は得意ではないが、こんな俺でも、役に立つことは有るだろう。アーノルドお前は一人ではない。これから多くの者が、お前を支えてくれるだろう。それにお前はまだ若い、いくらでも成長出来る」
「そうでしょうか」
「荒れ果てた荒野にも、立ち止まらなければ、道は出来る。道に迷っても、遠回りしても、最後に目的地に着ければそれで良い。お前にはお前の良さがあるんだ。お前はお前の道を行け」
「兄上・・・・ありがとうございます」
「礼は要らんよ。泣き虫アーニー」
「酷いな。もう子供の時みたいに泣いたりしませんよ!」
「ハハハ・・・・」
ウィリアムとオルフェウスは、無数の花で飾られた、真っ白な霊廟に埋葬された。
秋晴れの空は何処までも青く、陽の光に照らされた霊廟は現実感とは、真逆の位置にあった。
本当に嘘みたいだ。
ウィリアムがもう居ないなんて。
ウィルの最後を見ていなければ、何もかもがいつもの悪い冗談だと思っただろう。
ウィルが突拍子もない事を思いつくと、俺はいつも振り回された。
今だって ”ごめんごめん、びっくりした?“ と霊廟の扉を開けて、ウィルが出てくるような気がする。
もう、あの迷惑だが賑やかな日々は、戻って来ないのだな。
お前のやった事は許せない。
だが、憎んだり恨んだりもしないよ。
これだけ人に迷惑を掛けたんだ。
今度こそ、オルフェウスと幸せになれよ。
じゃあな、兄さん。
さよならだ。
179
お気に入りに追加
1,296
あなたにおすすめの小説
R18、アブナイ異世界ライフ
くるくる
恋愛
気が付けば異世界。しかもそこはハードな18禁乙女ゲームソックリなのだ。獣人と魔人ばかりの異世界にハーフとして転生した主人公。覚悟を決め、ここで幸せになってやる!と意気込む。そんな彼女の異世界ライフ。
主人公ご都合主義。主人公は誰にでも優しいイイ子ちゃんではありません。前向きだが少々気が強く、ドライな所もある女です。
もう1つの作品にちょいと行き詰まり、気の向くまま書いているのでおかしな箇所があるかと思いますがご容赦ください。
※複数プレイ、過激な性描写あり、注意されたし。
5人の旦那様と365日の蜜日【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
気が付いたら、前と後に入ってる!
そんな夢を見た日、それが現実になってしまった、メリッサ。
ゲーデル国の田舎町の商人の娘として育てられたメリッサは12歳になった。しかし、ゲーデル国の軍人により、メリッサは夢を見た日連れ去られてしまった。連れて来られて入った部屋には、自分そっくりな少女の肖像画。そして、その肖像画の大人になった女性は、ゲーデル国の女王、メリベルその人だった。
対面して初めて気付くメリッサ。「この人は母だ」と………。
※♡が付く話はHシーンです
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ハズレ令嬢の私を腹黒貴公子が毎夜求めて離さない
扇 レンナ
恋愛
旧題:買われた娘は毎晩飛ぶほど愛されています!?
セレニアは由緒あるライアンズ侯爵家の次女。
姉アビゲイルは才色兼備と称され、周囲からの期待を一身に受けてきたものの、セレニアは実の両親からも放置気味。将来に期待されることなどなかった。
だが、そんな日々が変わったのは父親が投資詐欺に引っ掛かり多額の借金を作ってきたことがきっかけだった。
――このままでは、アビゲイルの将来が危うい。
そう思った父はセレニアに「成金男爵家に嫁いで来い」と命じた。曰く、相手の男爵家は爵位が上の貴族とのつながりを求めていると。コネをつなぐ代わりに借金を肩代わりしてもらうと。
その結果、セレニアは新進気鋭の男爵家メイウェザー家の若き当主ジュードと結婚することになる。
ジュードは一代で巨大な富を築き爵位を買った男性。セレニアは彼を仕事人間だとイメージしたものの、実際のジュードはほんわかとした真逆のタイプ。しかし、彼が求めているのは所詮コネ。
そう決めつけ、セレニアはジュードとかかわる際は一線を引こうとしていたのだが、彼はセレニアを強く求め毎日のように抱いてくる。
しかも、彼との行為はいつも一度では済まず、セレニアは毎晩のように意識が飛ぶほど愛されてしまって――……!?
おっとりとした絶倫実業家と見放されてきた令嬢の新婚ラブ!
◇hotランキング 3位ありがとうございます!
――
◇掲載先→アルファポリス(先行公開)、ムーンライトノベルズ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる