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ヴァラクという悪魔
夜明け前1
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「う~~」
「怖気付きましたか?」
「そら、怖気付くだろうよ。でけえ頭が3つだぞ?普通に怖え~よ!」
「マイオールの犬もそうでしたね。ヴァラクの趣味でしょうか」
「いい趣味してんのな」
投げやりなロロシュに、まったくだ と答えながらマークは防護結界を張っている。
「ですが、頭が3つもあると、体を動かしているのは、どの頭なんでしょうね?」
「さぁな?オレとしちゃあ、あのでけえ口が、揃ってブレスを吐かねえ様に願いたいぜ」
「同感です」
何だかんだ言いながら、この2人は仲が良い。
出来れば無事な姿で、婚姻を迎えさせてやりたい。
その為には、目の前のレンが言う、キングなんとかを片付けないとな。
ゴラララ・・・・
ガラララ・・・・
グロロロ・・・・
3つの喉を鳴らす音が、地を這うように聞こえて来る。
それに紛れて、翡翠宮から人の悲鳴や怒声が聞こえて来るのは、避難の途中だろうか。
「ロロシュ。翡翠宮から声がする。まさかアーノルド達を救出出来ていないのか?」
「あ~、ありゃ侍従達じゃねえか? あそこは年寄りが多いだろ」
それは避難に時間が掛かるな。
「制圧は簡単だったみたいだ。詳しくは聞いてねぇが、何でもロイド様が大活躍だったってよ」
そう言えば、ロイド様は、御国ではなかなかの戦士だった、とアーノルドが言っていたな。
手の平でミスリル製の扇を鳴らす皇太后を思い出し、ゾワリと背中が震えた。
俺は目の前の巨大な魔物より、ロイド様の方が、よっぽど恐ろしいと感じる。
「ロロシュ、あの化け物の足元を崩せるか?」
「1ミンくれ」
「よし。マークは足止めを頼む」
「了解」
「始めるぞ!」
掛け声と同時に、マークが足止めの為に魔物の後ろ足を氷漬けにした。
マニュアル通りだと、初激は剣になるがこのデカさ・・・首を伸ばした状態で、城の屋根と同じ高さ迄ある巨体に、いきなり剣で突っ込む気にはなれない。
せめて手の内くらいは知ってからでないと、近寄るのは危険だろう。
様子見で、レンが弱点だと言っていた首をめがけ、圧縮した水弾を打ってみたが、極太の腕で弾かれた上に、鱗一枚剥がせなかった。
ぬらぬらと揺れる頭の一つが俺に向けられ、凶悪な獣歯が並ぶ口を開いた。
グググッと喉が膨らみ、耳を劈く咆哮が轟いた。
咆哮と同時に吐き出された青黒い煙を、結界で受ける事も出来たが、生存本能があの煙に触れてはいけないと告げている。
本能に従い跳躍した俺の横を、樹木を薙ぎ倒しながら、煙の暴風が通り過ぎた。
「・・・・マジかよ」
「洒落になりませんね」
マーク達の緊張した呟きが聞こえ、警戒度が跳ね上がった。
それもその筈、煙が吹き抜けた跡、煙に晒された樹木が、枯れ果てている。
「・・・毒か」
左の頭は猛毒の攻撃をするのか。
頭の全てが同じ攻撃をするのだろうか。
全ての頭の攻撃を、確認した方が良か?
風を呼び、創り出した竜巻を魔物にぶつけた。
魔物にぶつけた竜巻に更に魔力を送り、魔物の全身を捕らえられる大きさ迄成長させた。
周囲に散乱する瓦礫や枯れた樹木を巻き込んだ事で、竜巻の殺傷力は跳ね上がっている筈。
「どうだ?」
この程度でくたばるとも思えんが、傷の一つくらいは付いていて欲しい。
ギャオウ!ガオウ!とそれぞれの首が叫ぶ声と、竜巻の起こす響めきがあたりを揺らしている。
様子を伺っていたが、少し威力を高めようと魔力を足したその時、黒い火焔が竜巻から飛び出して来た。
竜巻に視界を遮られている為か、竜巻を消そうと言う魂胆か、次々と放たれる火焔は、標的など無く、ただ怒りに任せ、闇雲に吐き出されているようだ。
火焔が打ち込まれた木々は黒い焔が燃え上がり、内宮の壁に風穴を開け、美しかった調度品に燃え広がって行く。
しかし燃え上がった火焔が、熱を発する事は無く、僅かな光をも飲み込み、より闇が深くなったように見えた。
これは結界頼みで、安易に攻撃を受けない方が良いな。
「悪りー、待たせた!!」
ロロシュの声が響いた直後、火焔が同時に3つ、魔法陣の浮かぶ中天に飛んで行った。
魔物の咆哮と、地面を揺らす地響きが重なった。
様子を見るために竜巻を解くと、鬣に縁取られた、巨大な頭が先程より低い位置に下がっている。
ヒュー!口笛の音の後「結構うまく行ったなぁ」と自慢気にロロシュが言った。
土魔法で魔物の足場を砂に変え、落とし穴宜しく、魔物を落とし込んだのだった。
うまい方法を考えたな。
砂は見た目よりも重量がある上に、押し固めなければ、崩れるばかりで足場にもならない。
砂の中でもがく三つの頭は、揃って鼻の穴から黒い煙が出ている。あの火焔は全ての頭が使えるようだ。
毒に火焔。どの頭が放ったものかわからんが、ブレスも使用するか・・・・。
皇宮を囲む結界も、まだ発動されていない。
三種類の攻撃だけで、この惨状。
のんびり手の内の全てを探っていたら、とんでも無い被害になりそうだ。
幸いと言うべきか、鱗に覆われた部分には、傷一つ付いていないが、長い首の部分から、瘴気が立ち昇っているのが見える。
レンの予想通り、首が弱点の様だ。
だとすれば・・・。
「賭けに出るか」
分かっている攻撃は、全て直線的な攻撃だ。その分火線を予想し易い。
「2人とも、こいつの攻撃は、結界は当てにならんぞ!!」
「マジかよ!!めんどくせぇ」
「そう言うことは、私より強力な結界を張れる様になってから言いなさい!」
この後に及んで、また叱られてるぞ?
ロロシュは、いつも一言多いからな、それも仕方がないか。
「仕掛けるぞ!!」
「おう!」
「了解」
蹴った地面が抉れる勢いで、砂の中で踠く魔物に肉薄し、巨大な鉤爪の攻撃をかい潜りながら、前脚を足場に右側の首に飛び移った。
ぬらぬらと脂ぎった鬣を腕に絡ませ左手で掴み、暴れる首の上で足場を確保した。
剣に魔力を込め振り上げた瞬間。
「うわっ!?」
犬が水を飛ばすように、魔物の首が激しく振られ、俺はめちゃくちゃに振り回された。
鬣を掴んで居なければ、今頃勢いに任せ、遠くまで飛ばされていただろう。
「観念しろよ!!」
剣を振り下ろし、暴れる魔物の首を切り裂いていく。
鱗に覆われていない首の部分は、予想以上に柔らかく、バターを切る様に剣が通っていく。
レンが言った通り、確かに弱点だったようだ。
しかし、魔物が黙って首を落とされるはずもなく。めちゃくちゃに暴れ回られて、途中で首から剣が抜けてしまった。
ならば反対側から斬り落としてやろうと、振り返ると、そこには魔物の醜悪な顔が迫っていた。
悪臭の放つ呼気、巨大な口から覗く獣歯は、一本々が、研ぎ終わったばかりの剣の様に鋭く尖っている。
炯々と光る黄色い目がギョロリと俺に向けられ、低い唸りを漏らす口がグワッと開いて、俺に襲いかかってきた。
「閣下!! 危ない!!!」
一枚目の防護結界がバリバリと噛み砕かれ、俺が張った二枚目の結界に突き立った獣歯を中心に、蜘蛛の巣状のひびが入った。
結界が一枚だったら、危ない所だった。
マークの機転に感謝だ。
結界に突き立った獣歯を引き抜こうと首を振る魔物だが、開きっぱなしで悪臭を放つ巨大な顎に、俺は剣を突き立て、口の中に直接雷撃を流し込んでやった。
魔物と言えど、舌に直接流し込まれる雷撃の味は、さぞ刺激的だろう。
だが痙攣する顎の奥に、黒い火焔が立ち上るのが見えた。
引き抜いた剣を足元の首に突き刺し、剣を握ったまま俺は空に身を踊らせた。
その直後、俺の立っていた場所を通り過ぎた火焔が、風に舞うマントの裾を消し炭にし、その灰が風に流されていった。
手にした剣に魔力を流し、自重と落下の加速度で、剣を突き立てた首は面白いほど簡単に引き裂かれていった。
「怖気付きましたか?」
「そら、怖気付くだろうよ。でけえ頭が3つだぞ?普通に怖え~よ!」
「マイオールの犬もそうでしたね。ヴァラクの趣味でしょうか」
「いい趣味してんのな」
投げやりなロロシュに、まったくだ と答えながらマークは防護結界を張っている。
「ですが、頭が3つもあると、体を動かしているのは、どの頭なんでしょうね?」
「さぁな?オレとしちゃあ、あのでけえ口が、揃ってブレスを吐かねえ様に願いたいぜ」
「同感です」
何だかんだ言いながら、この2人は仲が良い。
出来れば無事な姿で、婚姻を迎えさせてやりたい。
その為には、目の前のレンが言う、キングなんとかを片付けないとな。
ゴラララ・・・・
ガラララ・・・・
グロロロ・・・・
3つの喉を鳴らす音が、地を這うように聞こえて来る。
それに紛れて、翡翠宮から人の悲鳴や怒声が聞こえて来るのは、避難の途中だろうか。
「ロロシュ。翡翠宮から声がする。まさかアーノルド達を救出出来ていないのか?」
「あ~、ありゃ侍従達じゃねえか? あそこは年寄りが多いだろ」
それは避難に時間が掛かるな。
「制圧は簡単だったみたいだ。詳しくは聞いてねぇが、何でもロイド様が大活躍だったってよ」
そう言えば、ロイド様は、御国ではなかなかの戦士だった、とアーノルドが言っていたな。
手の平でミスリル製の扇を鳴らす皇太后を思い出し、ゾワリと背中が震えた。
俺は目の前の巨大な魔物より、ロイド様の方が、よっぽど恐ろしいと感じる。
「ロロシュ、あの化け物の足元を崩せるか?」
「1ミンくれ」
「よし。マークは足止めを頼む」
「了解」
「始めるぞ!」
掛け声と同時に、マークが足止めの為に魔物の後ろ足を氷漬けにした。
マニュアル通りだと、初激は剣になるがこのデカさ・・・首を伸ばした状態で、城の屋根と同じ高さ迄ある巨体に、いきなり剣で突っ込む気にはなれない。
せめて手の内くらいは知ってからでないと、近寄るのは危険だろう。
様子見で、レンが弱点だと言っていた首をめがけ、圧縮した水弾を打ってみたが、極太の腕で弾かれた上に、鱗一枚剥がせなかった。
ぬらぬらと揺れる頭の一つが俺に向けられ、凶悪な獣歯が並ぶ口を開いた。
グググッと喉が膨らみ、耳を劈く咆哮が轟いた。
咆哮と同時に吐き出された青黒い煙を、結界で受ける事も出来たが、生存本能があの煙に触れてはいけないと告げている。
本能に従い跳躍した俺の横を、樹木を薙ぎ倒しながら、煙の暴風が通り過ぎた。
「・・・・マジかよ」
「洒落になりませんね」
マーク達の緊張した呟きが聞こえ、警戒度が跳ね上がった。
それもその筈、煙が吹き抜けた跡、煙に晒された樹木が、枯れ果てている。
「・・・毒か」
左の頭は猛毒の攻撃をするのか。
頭の全てが同じ攻撃をするのだろうか。
全ての頭の攻撃を、確認した方が良か?
風を呼び、創り出した竜巻を魔物にぶつけた。
魔物にぶつけた竜巻に更に魔力を送り、魔物の全身を捕らえられる大きさ迄成長させた。
周囲に散乱する瓦礫や枯れた樹木を巻き込んだ事で、竜巻の殺傷力は跳ね上がっている筈。
「どうだ?」
この程度でくたばるとも思えんが、傷の一つくらいは付いていて欲しい。
ギャオウ!ガオウ!とそれぞれの首が叫ぶ声と、竜巻の起こす響めきがあたりを揺らしている。
様子を伺っていたが、少し威力を高めようと魔力を足したその時、黒い火焔が竜巻から飛び出して来た。
竜巻に視界を遮られている為か、竜巻を消そうと言う魂胆か、次々と放たれる火焔は、標的など無く、ただ怒りに任せ、闇雲に吐き出されているようだ。
火焔が打ち込まれた木々は黒い焔が燃え上がり、内宮の壁に風穴を開け、美しかった調度品に燃え広がって行く。
しかし燃え上がった火焔が、熱を発する事は無く、僅かな光をも飲み込み、より闇が深くなったように見えた。
これは結界頼みで、安易に攻撃を受けない方が良いな。
「悪りー、待たせた!!」
ロロシュの声が響いた直後、火焔が同時に3つ、魔法陣の浮かぶ中天に飛んで行った。
魔物の咆哮と、地面を揺らす地響きが重なった。
様子を見るために竜巻を解くと、鬣に縁取られた、巨大な頭が先程より低い位置に下がっている。
ヒュー!口笛の音の後「結構うまく行ったなぁ」と自慢気にロロシュが言った。
土魔法で魔物の足場を砂に変え、落とし穴宜しく、魔物を落とし込んだのだった。
うまい方法を考えたな。
砂は見た目よりも重量がある上に、押し固めなければ、崩れるばかりで足場にもならない。
砂の中でもがく三つの頭は、揃って鼻の穴から黒い煙が出ている。あの火焔は全ての頭が使えるようだ。
毒に火焔。どの頭が放ったものかわからんが、ブレスも使用するか・・・・。
皇宮を囲む結界も、まだ発動されていない。
三種類の攻撃だけで、この惨状。
のんびり手の内の全てを探っていたら、とんでも無い被害になりそうだ。
幸いと言うべきか、鱗に覆われた部分には、傷一つ付いていないが、長い首の部分から、瘴気が立ち昇っているのが見える。
レンの予想通り、首が弱点の様だ。
だとすれば・・・。
「賭けに出るか」
分かっている攻撃は、全て直線的な攻撃だ。その分火線を予想し易い。
「2人とも、こいつの攻撃は、結界は当てにならんぞ!!」
「マジかよ!!めんどくせぇ」
「そう言うことは、私より強力な結界を張れる様になってから言いなさい!」
この後に及んで、また叱られてるぞ?
ロロシュは、いつも一言多いからな、それも仕方がないか。
「仕掛けるぞ!!」
「おう!」
「了解」
蹴った地面が抉れる勢いで、砂の中で踠く魔物に肉薄し、巨大な鉤爪の攻撃をかい潜りながら、前脚を足場に右側の首に飛び移った。
ぬらぬらと脂ぎった鬣を腕に絡ませ左手で掴み、暴れる首の上で足場を確保した。
剣に魔力を込め振り上げた瞬間。
「うわっ!?」
犬が水を飛ばすように、魔物の首が激しく振られ、俺はめちゃくちゃに振り回された。
鬣を掴んで居なければ、今頃勢いに任せ、遠くまで飛ばされていただろう。
「観念しろよ!!」
剣を振り下ろし、暴れる魔物の首を切り裂いていく。
鱗に覆われていない首の部分は、予想以上に柔らかく、バターを切る様に剣が通っていく。
レンが言った通り、確かに弱点だったようだ。
しかし、魔物が黙って首を落とされるはずもなく。めちゃくちゃに暴れ回られて、途中で首から剣が抜けてしまった。
ならば反対側から斬り落としてやろうと、振り返ると、そこには魔物の醜悪な顔が迫っていた。
悪臭の放つ呼気、巨大な口から覗く獣歯は、一本々が、研ぎ終わったばかりの剣の様に鋭く尖っている。
炯々と光る黄色い目がギョロリと俺に向けられ、低い唸りを漏らす口がグワッと開いて、俺に襲いかかってきた。
「閣下!! 危ない!!!」
一枚目の防護結界がバリバリと噛み砕かれ、俺が張った二枚目の結界に突き立った獣歯を中心に、蜘蛛の巣状のひびが入った。
結界が一枚だったら、危ない所だった。
マークの機転に感謝だ。
結界に突き立った獣歯を引き抜こうと首を振る魔物だが、開きっぱなしで悪臭を放つ巨大な顎に、俺は剣を突き立て、口の中に直接雷撃を流し込んでやった。
魔物と言えど、舌に直接流し込まれる雷撃の味は、さぞ刺激的だろう。
だが痙攣する顎の奥に、黒い火焔が立ち上るのが見えた。
引き抜いた剣を足元の首に突き刺し、剣を握ったまま俺は空に身を踊らせた。
その直後、俺の立っていた場所を通り過ぎた火焔が、風に舞うマントの裾を消し炭にし、その灰が風に流されていった。
手にした剣に魔力を流し、自重と落下の加速度で、剣を突き立てた首は面白いほど簡単に引き裂かれていった。
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