204 / 605
ヴァラクという悪魔
皇宮へ
しおりを挟む
俺が指差した廃屋を見て、顔を引き攣らせたのはシッチンだった。
「・・・あそこですか?・・・でもその屋敷は」
「あの屋敷がどうかしたのですか?」
「いや・・・あの・・あそこは幽霊が・・・」
青い顔でカタカタと震えながら、ポツポツと答えるシッチンに、ロロシュは何かを思い出したように手を打った。
「あ~!首を切られた侍従頭の幽霊が出るって噂の屋敷か!」
「そっそれです!!」
「なんだ。お前レイスは平気だったじゃねぇか。幽霊が怖いのか?子供かよ」
怖がるシッチンを、ロロシュは面白がって揶揄っている。
「まッ魔物なら倒せますけど、幽霊は倒せないし、呪われるかもしれないじゃないですかっ!あの屋敷は危険です!」
「幽霊など、魔物に変じなければ無害でしょう。騎士たる者がなんです。噂ごときに惑わされ恐れるとは、自覚が足りませんよ」
不貞腐れたように口を尖らせるシッチンに、マークは騎士の鏡らしく叱責している。
「ですが!自分は見たんです!」
マークの叱責にもめげず、シッチンは言い募った。
「はあ? 何言ってんだお前」
「自分は入団の際、先輩から度胸試しだと言われて、この屋敷に連れてこられたんです」
どうやらシッチン達は、入団した時に先輩に当たる騎士達から、悪巫山戯の洗礼を受けたらしい。
「その時同期も一緒にあの屋敷は入ったんです。そしたら、・・・笑い声が聞こえてきて、花瓶とか、額縁とかが一人でに飛び回って・・・・灰色のモヤみたいなのが同期の体を包んで・・・そうしたら、そいつが泡を吹いて倒れて・・・5日も熱を出して寝込んだんです。その後体調が戻らなくて、騎士団も辞めてしまって・・・」
だから、あの屋敷の幽霊は、そっとしておかなきゃいけない。俺たちに何かあったらどうするのか、屋敷に入ってはダメだ、と力説している。
シッチンは自分が怖いからと言うより、俺たちの事を本気で心配しているようだ。
「お前の言いたいことは分かった。だが他に選択肢はない」
「ですが、閣下」
「問題は無いから安心しろ」
不安そうなシッチンの肩を叩き、俺は先頭を切って屋敷に足を踏み入れた。
「お~!確かに雰囲気あるなぁ」
「少し体が重くなった気がしますね」
荒れ果てた玄関ホールを抜け、奥へ続く廊下を、気の進まない様子のシッチンの背中を押しながら、ロロシュが面白がっている。
外から見られるのを避けるため、最低限足元を照らすだけの小さな灯りを魔法で灯し、窓から入ってくるのは、月明かりではなく、魔法陣の毒々しい紫色の光だけだ。
半開きになっている、応接間の扉の前を通り過ぎた時、何処からか嗄れた笑い声が聞こえてきた。
「こっこれです!!」
「おぉ~マジかよ」
「本当に聞こえてきましたね」
顔を引き攣らせ慌てふためくシッチンと、面白がっているように見える、マークとロロシュ。
その後ろで、子供を抱いて口の端を引き上げて様子を見守っているクレイオス。
因みにクレイオスが抱いている子供は、漆黒のドラゴンを、クレイオスが人型に変じさせたものだ。
「でっ?この後物が飛び回ったのか?」
「そうです!自分が来た時、笑い声はホールで聞こえました」
「ふーん。悪戯にしては手が込んでますねぇ」
「そうだなっ?」
「危ない!!」
ロロシュ目掛けて、床に落ちていた肖像画が飛び、ぶつかる寸前でマークが切り捨てた。
「本当に飛びやがった・・・」
「糸で吊っては居ないようですね」
驚きを隠せないロロシュの足下から、肖像画の残骸を拾い上げたマークが、額縁の表裏をまじまじと調べている。
「もういいか? 通路の入り口はこの先の物置にある」
『顔色ひとつ変えんとは、流石だのう』
クレイオスは、この状況が面白くて仕方がないようだ。
その後も、壺やら椅子の残骸やらが、次々と飛んできたが、マークとロロシュは淡々とそれらを斬り伏せ、俺は腕で弾いて先に進んだ。
廊下の突き当たりを左に折れ、ホールの階段下に当たる物置の扉を開けると、灰色のモヤが襲いかかるように噴き出してきた。
「閣下!!危ない!!」
前に飛び出してきたシッチンが、俺を庇い飛びついてきた。
レン以外の人間を抱き止める気などない俺は、飛びついてくるシッチンを腕で払いのけ、モヤに包まれた。
「あぁ!!閣下!!」
「うるさい。静かにしろ」
動揺し叫び声を上げるシッチンを黙らせた俺は、指を鳴らしてモヤを消し去った。
「はあ?・・・閣下、ご無事で・・・」
「幽霊も逃げ出すってか? すげ~な」
「流石は閣下」
頓珍漢な感想を漏らす3人に、溜息しか出てこない。
「はあ~~~。お前達まさかと思うが、本気で幽霊を信じているのか?」
マークとロロシュは顔を見合わせ、シッチンは尊敬に瞳を輝かせ、ぶんぶんと頷いている。
「幽霊などおらん。行くぞ」
惚けた顔の3人に構わず、物置に入った俺は、奥の用具入れを横にずらし、壁のレンガを押して通路の入り口を開いた。
「幽霊は居ないって、断言してっけど、なんか知ってんのか?」
「お前の頭は、飾りか何かか?」
「はあ? なんだよ」
「もういい」
知っていることがあるなら教えろ、と食い下がるロロシュを無視し、全員が通路に入った所で、通路の入り口を閉め直し、魔灯を頼りに皇宮への道を歩き出した。
「あっ! そう言うことですか」
暫くして、黙って後ろを付いて来ていたマークが口を開いた。
「なんだよ?」
「あの幽霊ですよ」とマークが説明を始める。
マーク曰く、あの屋敷の主人は首を切られて死んだ。直系は家を追い出されたが、某系の誰かが相続を願い出るかもしれない。または売りに出される可能性もある。しかし屋敷には皇宮への秘密通路がある。信用できる者しか住まわせられない上に、取り壊すなどもっての外だ。
ならばどうするか。
建物はそのままに、人が近寄らないようにすればいい。
「じゃあ、あの幽霊は仕込みか?」
「そう言うことでしょう?」
背中に問いかけるマークの声に、俺は肩を竦めて見せただけだ。
「じゃあ・・・奴が熱を出して、辞めて行ったのは」
「騎士になるには肝が細過ぎた、と言うことでしょうね」
「なんだ・・・そうだったんだ」
シッチンは、安心と失望が綯い交ぜになった声を出した。
マークの考察はほぼ正解だ。
あの屋敷に仕掛けを施し、幽霊の噂を流させたのは俺だ。
だが俺が報告を受けていたのは、ホールで笑い声が聞こえる仕掛けだけだ。
物が飛んだり、モヤが人を襲うような仕掛けは聞いていない。
当時屋敷の仕掛けを任せていた部下が、面白がっていたから、後から付け足したのだろう。
しかし、人を目掛けて物を飛ばしたり、モヤで襲わせたり、屋敷に入った時に魔力を吸われた感覚があったから、侵入者の魔力を利用した魔法なのだろうが、面白いことを考えたものだと感心した。
◇◇
後日、件の屋敷の仕掛けを担当した部下に話を聞いたが、笑い声以外の仕掛けは施していないと言っていた、世の中には不思議なこともあるものだ。
◇◇
秘密通路を皇宮に向けて進んで来たが、懸念したような待ち伏せはなかった。
ヴァラクがこの通路の存在を知らなかったのか、俺達が死んだと油断しているのかは不明だが、不要な戦闘を避けられたのは僥倖だった。
しかし・・・・・。
「・・・・・」
「閣下?」
「先に進まねぇのか?」
バングルの地図は、レンが近く成る程詳細になって行く。
今レンが居るのは・・・・。
第一騎士団の詰所の地下牢獄。
皇家の人間や、高位貴族が収監される牢獄だった。
レンの拉致に、母上が関わっているのだろうか。
「・・・あそこですか?・・・でもその屋敷は」
「あの屋敷がどうかしたのですか?」
「いや・・・あの・・あそこは幽霊が・・・」
青い顔でカタカタと震えながら、ポツポツと答えるシッチンに、ロロシュは何かを思い出したように手を打った。
「あ~!首を切られた侍従頭の幽霊が出るって噂の屋敷か!」
「そっそれです!!」
「なんだ。お前レイスは平気だったじゃねぇか。幽霊が怖いのか?子供かよ」
怖がるシッチンを、ロロシュは面白がって揶揄っている。
「まッ魔物なら倒せますけど、幽霊は倒せないし、呪われるかもしれないじゃないですかっ!あの屋敷は危険です!」
「幽霊など、魔物に変じなければ無害でしょう。騎士たる者がなんです。噂ごときに惑わされ恐れるとは、自覚が足りませんよ」
不貞腐れたように口を尖らせるシッチンに、マークは騎士の鏡らしく叱責している。
「ですが!自分は見たんです!」
マークの叱責にもめげず、シッチンは言い募った。
「はあ? 何言ってんだお前」
「自分は入団の際、先輩から度胸試しだと言われて、この屋敷に連れてこられたんです」
どうやらシッチン達は、入団した時に先輩に当たる騎士達から、悪巫山戯の洗礼を受けたらしい。
「その時同期も一緒にあの屋敷は入ったんです。そしたら、・・・笑い声が聞こえてきて、花瓶とか、額縁とかが一人でに飛び回って・・・・灰色のモヤみたいなのが同期の体を包んで・・・そうしたら、そいつが泡を吹いて倒れて・・・5日も熱を出して寝込んだんです。その後体調が戻らなくて、騎士団も辞めてしまって・・・」
だから、あの屋敷の幽霊は、そっとしておかなきゃいけない。俺たちに何かあったらどうするのか、屋敷に入ってはダメだ、と力説している。
シッチンは自分が怖いからと言うより、俺たちの事を本気で心配しているようだ。
「お前の言いたいことは分かった。だが他に選択肢はない」
「ですが、閣下」
「問題は無いから安心しろ」
不安そうなシッチンの肩を叩き、俺は先頭を切って屋敷に足を踏み入れた。
「お~!確かに雰囲気あるなぁ」
「少し体が重くなった気がしますね」
荒れ果てた玄関ホールを抜け、奥へ続く廊下を、気の進まない様子のシッチンの背中を押しながら、ロロシュが面白がっている。
外から見られるのを避けるため、最低限足元を照らすだけの小さな灯りを魔法で灯し、窓から入ってくるのは、月明かりではなく、魔法陣の毒々しい紫色の光だけだ。
半開きになっている、応接間の扉の前を通り過ぎた時、何処からか嗄れた笑い声が聞こえてきた。
「こっこれです!!」
「おぉ~マジかよ」
「本当に聞こえてきましたね」
顔を引き攣らせ慌てふためくシッチンと、面白がっているように見える、マークとロロシュ。
その後ろで、子供を抱いて口の端を引き上げて様子を見守っているクレイオス。
因みにクレイオスが抱いている子供は、漆黒のドラゴンを、クレイオスが人型に変じさせたものだ。
「でっ?この後物が飛び回ったのか?」
「そうです!自分が来た時、笑い声はホールで聞こえました」
「ふーん。悪戯にしては手が込んでますねぇ」
「そうだなっ?」
「危ない!!」
ロロシュ目掛けて、床に落ちていた肖像画が飛び、ぶつかる寸前でマークが切り捨てた。
「本当に飛びやがった・・・」
「糸で吊っては居ないようですね」
驚きを隠せないロロシュの足下から、肖像画の残骸を拾い上げたマークが、額縁の表裏をまじまじと調べている。
「もういいか? 通路の入り口はこの先の物置にある」
『顔色ひとつ変えんとは、流石だのう』
クレイオスは、この状況が面白くて仕方がないようだ。
その後も、壺やら椅子の残骸やらが、次々と飛んできたが、マークとロロシュは淡々とそれらを斬り伏せ、俺は腕で弾いて先に進んだ。
廊下の突き当たりを左に折れ、ホールの階段下に当たる物置の扉を開けると、灰色のモヤが襲いかかるように噴き出してきた。
「閣下!!危ない!!」
前に飛び出してきたシッチンが、俺を庇い飛びついてきた。
レン以外の人間を抱き止める気などない俺は、飛びついてくるシッチンを腕で払いのけ、モヤに包まれた。
「あぁ!!閣下!!」
「うるさい。静かにしろ」
動揺し叫び声を上げるシッチンを黙らせた俺は、指を鳴らしてモヤを消し去った。
「はあ?・・・閣下、ご無事で・・・」
「幽霊も逃げ出すってか? すげ~な」
「流石は閣下」
頓珍漢な感想を漏らす3人に、溜息しか出てこない。
「はあ~~~。お前達まさかと思うが、本気で幽霊を信じているのか?」
マークとロロシュは顔を見合わせ、シッチンは尊敬に瞳を輝かせ、ぶんぶんと頷いている。
「幽霊などおらん。行くぞ」
惚けた顔の3人に構わず、物置に入った俺は、奥の用具入れを横にずらし、壁のレンガを押して通路の入り口を開いた。
「幽霊は居ないって、断言してっけど、なんか知ってんのか?」
「お前の頭は、飾りか何かか?」
「はあ? なんだよ」
「もういい」
知っていることがあるなら教えろ、と食い下がるロロシュを無視し、全員が通路に入った所で、通路の入り口を閉め直し、魔灯を頼りに皇宮への道を歩き出した。
「あっ! そう言うことですか」
暫くして、黙って後ろを付いて来ていたマークが口を開いた。
「なんだよ?」
「あの幽霊ですよ」とマークが説明を始める。
マーク曰く、あの屋敷の主人は首を切られて死んだ。直系は家を追い出されたが、某系の誰かが相続を願い出るかもしれない。または売りに出される可能性もある。しかし屋敷には皇宮への秘密通路がある。信用できる者しか住まわせられない上に、取り壊すなどもっての外だ。
ならばどうするか。
建物はそのままに、人が近寄らないようにすればいい。
「じゃあ、あの幽霊は仕込みか?」
「そう言うことでしょう?」
背中に問いかけるマークの声に、俺は肩を竦めて見せただけだ。
「じゃあ・・・奴が熱を出して、辞めて行ったのは」
「騎士になるには肝が細過ぎた、と言うことでしょうね」
「なんだ・・・そうだったんだ」
シッチンは、安心と失望が綯い交ぜになった声を出した。
マークの考察はほぼ正解だ。
あの屋敷に仕掛けを施し、幽霊の噂を流させたのは俺だ。
だが俺が報告を受けていたのは、ホールで笑い声が聞こえる仕掛けだけだ。
物が飛んだり、モヤが人を襲うような仕掛けは聞いていない。
当時屋敷の仕掛けを任せていた部下が、面白がっていたから、後から付け足したのだろう。
しかし、人を目掛けて物を飛ばしたり、モヤで襲わせたり、屋敷に入った時に魔力を吸われた感覚があったから、侵入者の魔力を利用した魔法なのだろうが、面白いことを考えたものだと感心した。
◇◇
後日、件の屋敷の仕掛けを担当した部下に話を聞いたが、笑い声以外の仕掛けは施していないと言っていた、世の中には不思議なこともあるものだ。
◇◇
秘密通路を皇宮に向けて進んで来たが、懸念したような待ち伏せはなかった。
ヴァラクがこの通路の存在を知らなかったのか、俺達が死んだと油断しているのかは不明だが、不要な戦闘を避けられたのは僥倖だった。
しかし・・・・・。
「・・・・・」
「閣下?」
「先に進まねぇのか?」
バングルの地図は、レンが近く成る程詳細になって行く。
今レンが居るのは・・・・。
第一騎士団の詰所の地下牢獄。
皇家の人間や、高位貴族が収監される牢獄だった。
レンの拉致に、母上が関わっているのだろうか。
125
お気に入りに追加
1,336
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

悪役令嬢ですが、ヒロインが大好きなので助けてあげてたら、その兄に溺愛されてます!?
柊 来飛
恋愛
ある日現実世界で車に撥ねられ死んでしまった主人公。
しかし、目が覚めるとそこは好きなゲームの世界で!?
しかもその悪役令嬢になっちゃった!?
困惑する主人公だが、大好きなヒロインのために頑張っていたら、なぜかヒロインの兄に溺愛されちゃって!?
不定期です。趣味で描いてます。
あくまでも創作として、なんでも許せる方のみ、ご覧ください。
腹黒宰相との白い結婚
黎
恋愛
大嫌いな腹黒宰相ロイドと結婚する羽目になったランメリアは、条件をつきつけた――これは白い結婚であること。代わりに側妻を娶るも愛人を作るも好きにすればいい。そう決めたはずだったのだが、なぜか、周囲が全力で溝を埋めてくる。

誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※
婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!
柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる