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ヴァラクという悪魔
皇都へ
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クレイオスの背に乗り、俺達は皇都へ向かった。
頭上には巨大な魔法陣が展開され、怪しい光が夜空を紫色に染め、地上では、家屋の倒壊などは見られないが、忙しなく動き回る松明の灯りを見てとる事が出来た。
蟻の様に小さく見える灯りの動きからは、如何程の被害が出ているのか、判別は出来ないが、混乱している事だけは理解できた。
途中クレイオスはミーネへ寄り、連れているドラゴンをクーと共に保護したいと言って来たが、"この非常時に、また寄り道をする気か?!" とマークの逆鱗に触れ断念した様だ。
「柘榴宮なら、クーの厩舎が有る。一旦そこに入れるのはどうだ?」
被害状況がどうであれ、レンが監禁されている場所によっては、人手がいる。
情報収集も兼ね、騎士団の詰所に立ち寄る必要が有るだろう。
詰所のすぐ隣にある柘榴宮なら、寄り道と言う距離でもない。
厩舎にドラゴンを運び入れる間の離脱程度なら、マークも文句は言うまい。
『おお。あそこは快適であったな。お前も気に入るぞ』
と幼体のドラゴンに話しかけている、どうやらクレイオスは、クーの中にいた時の記憶がある様だ。
・・・と言うことは、クーがレンの膝に乗ったり、抱き抱えられたりして居た時の事も覚えていると?
気に入らん。
非常に腹が立つ。
「なあ、閣下は急にどうしたんだ?」
「レン様を思って焦っているのでしょう?」
いかん。
魔力が漏れてしまった。
あれは、クーが抱かれて居たのだ。
鉄面皮のクレイオスではないぞ。
「・・・・クレイオス。皇都まであとどれくらいだ?」
『10ミン程か』
10ミン・・・北の最果てから3刻も掛からず移動するとは・・・・。
ドラゴンが羽ばたき一つで世界を巡るという伝承は大袈裟ではなかったようだ。
「レンの監禁場所を確認する。少しスピードを落としてくれ」
クレイオスは飛翔速度を落とし、俺はバングルの地図を展開してレンの居場所を確認した。
「む?」
「閣下どうされました?」
「それが・・・」
後ろを振り向き、腕を伸ばしてマークに地図を見せた。
「えっ? これは一体・・・」
マークが息を呑むと、さらに後ろのロロシュが身を乗り出して、地図を覗き込んだ。
「ちびっ子が何処にいるって?・・・・・あ? おいおい。その魔道具壊れてんのか?」
「母上は、このバングルは死ぬまで外れないと言っていた。そんな頑丈な魔道具が簡単に壊れるか?」
「だがよ~。幾ら何でもそこはおかしくねぇか?」
『どうしたのだ?』
「クレイオス。 人気の無いところに降りてくれないか?」
『それは構わんが・・・』
「少し相談が必要なようだ」
クレイオスはバサリと翼を鳴らし、方向を変えると、街道沿いの林の中に滑る様に降り立った。
『何がおかしい?』
「見えるか?」
クレイオスの鼻先に腕を伸ばすと、クレイオスも地図に浮かんだレンの居場所を確認し、唸り声を上げた。
地図上に示されたレンを表す赤い印が、皇宮と重なっていたからだ。
「レン様が、自力で逃げ込んだ可能性は?」
「無いとは言い切れんが、可能性は低いだろうな」
「だよなぁ」
「裏切り者がいる・・・?」
「皇宮内は元々獣人差別が酷かった。ヴァラク教の信者がいても不思議ではない」
「それでも皇帝のお膝元に、愛し子を監禁するか?」
「近衛や、陛下の影に気付かれず、そんなことが出来るとは思えません」
「どう思う?」
ここは影に所属していたロロシュにしか判断できない事だろう。
「影は・・・対外的にその存在を知られちゃいるが、一つの組織じゃねぇんだわ」
それは初耳だ。
「オレが居た部隊は、宵闇って呼ばれてたんだが、宵闇の奴等が愛し子に危害を加えるとは思えねぇ。だが、宵闇が気付けなかったとしたら、他の部隊が関わっている可能性はある」
「ヴァラクに加担しそうな部隊に、心当たりは?」
「影同士でも他の部隊の事は、部隊の数、任務の内容、構成メンバー、どれも秘匿されてっから分からねぇ、なんとも言えねぇよ」
「ですが、調査の手助けをしてもらったりしてたじゃないですか」
「あれは、宵闇の仲間にだけだ。オレ達の頭領が全てを統括して居たのかどうかも分からねぇ。オレが他の部隊の存在を知ったのも偶々だ。知ってる奴の方が少ねぇ」
「他の部隊の中に裏切り者が居たら、特定は出来ないのですか?」
「オレ達じゃ無理だな。陛下は宵闇の事を子飼いだと言って居たが、それも本当かどうか。まぁ部隊が幾つあったとしても、陛下は把握してんだろうが、影は騙しが専門だ。陛下が騙されてる、って可能性もあるだろ?」
「無いとは言えませんね」
「閣下、どうするんですか?」
マークとロロシュは考え込み、シッチンは情けない声を出した。
こう言う時に、シッチンがまだ子供なのだと感じる。
「誰が敵か判断できない以上、皇宮の全ての人間が敵だと看做すべきだ。皇宮へは、出来るだけ目立たないように入る必要があるな」
「目立たずに・・・それは無理があるかと」
「だよなぁ、オレとシッチンだけなら、街中に馴染めっけど、閣下達はいるだけで目立つからなぁ」
「私もですか?」
「そりゃそうだろうよ。なあ?」
不本意そうなマークに、ロロシュはシッチンに同意を求め、シッチンは当然のごとく、首を縦に振っている。
マークは自分の容姿に重きを置いて居ないが、他者はそうでは無いからな。
「街中を突っ切る必要は無い。皇都のはずれに。有事の際、皇族を逃す為の隠し通路がある。そこに入り込めれば、皇宮まで誰にも見つからんだろう」
「その通路、本当に大丈夫なのか?」
「秘密通路の地図は、ギデオンの部屋で見つけたものだ。侍従も含めギデオンの周囲の者は粛清対象だったからな、知る者は残って居ないだろう。ウィリアムにも主要な通路以外は教えて居ないから、今通路の全てを知るのは俺だけだ」
『ヴァラクが居るぞ? 彼奴は大公に成り代わって居たことが有る』
「そこは、俺達が陣の贄として果てた、と油断している事を願うしかないな」
『ふむ。行き当たりばったりでは有るが、致し方なかろう』
「そこで問題なんだが、そのドラゴンはどうする?足も弱いしそのデカさだ。通路にも入らんぞ?」
『そこは問題ない』
クレイオスが何をする気なのかは知らんが、自信満々で言うからにはドラゴンの事は、クレイオスに任せておけばいいだろう。
その後クレイオスには、通路近くの外門の側まで運んでもらい、皇都へ侵入することにした。
外門の門番に見られる事は避けられないが、そこは諦めるしかないだろう。
そう思いながら、外門へ足を向けたのだが、外門を護るべき兵の姿は誰一人として見られなかった。
「どういう事だ?」
「この時間に外門を開け放したまま、見張りが一人も居ないなんて・・・」
「あれの所為じゃねぇか?」とロロシュは空に浮かぶ、魔法陣を指差した。
魔法の発動で混乱をきたした結果か。
「外門がこれなら、皇都の中はどうなっているのでしょうか?」
「想像したくないが、騒ぎがここ迄聞こえて来る。一瞬で全滅したのでなくて良かったと考えるべきか?」
「中に入りゃ、嫌でも分かんだろ? それより急ごうぜ」
ロロシュの指摘に、それもそうだ、と皆で頷き合い、夜陰に紛れ俺たちは通路の入り口へ急いだ。
皇都の中は混乱を極めて居た。
立ち並ぶ家屋の中から、泣き叫ぶ人の声が響き、医者や治癒師を求め、走り回る人々が通りに溢れていた。
慌てふためき、走り回る皇都の民の声を拾い集めると、発動された魔法は、一瞬で命を奪い尽くす効果はなかったようだ。
だが、重篤な病か、それに準ずる厄災をばら撒いているらしい。
「この騒ぎじゃ、オレ達に気付く奴なんていねぇんじゃねぇか?」
ロロシュの言は尤もだが、念には念を入れた方が良い。
「通路の入り口はあそこだ」
粛清により断絶した貴族のタウンハウスだった廃屋を、俺は指差した。
頭上には巨大な魔法陣が展開され、怪しい光が夜空を紫色に染め、地上では、家屋の倒壊などは見られないが、忙しなく動き回る松明の灯りを見てとる事が出来た。
蟻の様に小さく見える灯りの動きからは、如何程の被害が出ているのか、判別は出来ないが、混乱している事だけは理解できた。
途中クレイオスはミーネへ寄り、連れているドラゴンをクーと共に保護したいと言って来たが、"この非常時に、また寄り道をする気か?!" とマークの逆鱗に触れ断念した様だ。
「柘榴宮なら、クーの厩舎が有る。一旦そこに入れるのはどうだ?」
被害状況がどうであれ、レンが監禁されている場所によっては、人手がいる。
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詰所のすぐ隣にある柘榴宮なら、寄り道と言う距離でもない。
厩舎にドラゴンを運び入れる間の離脱程度なら、マークも文句は言うまい。
『おお。あそこは快適であったな。お前も気に入るぞ』
と幼体のドラゴンに話しかけている、どうやらクレイオスは、クーの中にいた時の記憶がある様だ。
・・・と言うことは、クーがレンの膝に乗ったり、抱き抱えられたりして居た時の事も覚えていると?
気に入らん。
非常に腹が立つ。
「なあ、閣下は急にどうしたんだ?」
「レン様を思って焦っているのでしょう?」
いかん。
魔力が漏れてしまった。
あれは、クーが抱かれて居たのだ。
鉄面皮のクレイオスではないぞ。
「・・・・クレイオス。皇都まであとどれくらいだ?」
『10ミン程か』
10ミン・・・北の最果てから3刻も掛からず移動するとは・・・・。
ドラゴンが羽ばたき一つで世界を巡るという伝承は大袈裟ではなかったようだ。
「レンの監禁場所を確認する。少しスピードを落としてくれ」
クレイオスは飛翔速度を落とし、俺はバングルの地図を展開してレンの居場所を確認した。
「む?」
「閣下どうされました?」
「それが・・・」
後ろを振り向き、腕を伸ばしてマークに地図を見せた。
「えっ? これは一体・・・」
マークが息を呑むと、さらに後ろのロロシュが身を乗り出して、地図を覗き込んだ。
「ちびっ子が何処にいるって?・・・・・あ? おいおい。その魔道具壊れてんのか?」
「母上は、このバングルは死ぬまで外れないと言っていた。そんな頑丈な魔道具が簡単に壊れるか?」
「だがよ~。幾ら何でもそこはおかしくねぇか?」
『どうしたのだ?』
「クレイオス。 人気の無いところに降りてくれないか?」
『それは構わんが・・・』
「少し相談が必要なようだ」
クレイオスはバサリと翼を鳴らし、方向を変えると、街道沿いの林の中に滑る様に降り立った。
『何がおかしい?』
「見えるか?」
クレイオスの鼻先に腕を伸ばすと、クレイオスも地図に浮かんだレンの居場所を確認し、唸り声を上げた。
地図上に示されたレンを表す赤い印が、皇宮と重なっていたからだ。
「レン様が、自力で逃げ込んだ可能性は?」
「無いとは言い切れんが、可能性は低いだろうな」
「だよなぁ」
「裏切り者がいる・・・?」
「皇宮内は元々獣人差別が酷かった。ヴァラク教の信者がいても不思議ではない」
「それでも皇帝のお膝元に、愛し子を監禁するか?」
「近衛や、陛下の影に気付かれず、そんなことが出来るとは思えません」
「どう思う?」
ここは影に所属していたロロシュにしか判断できない事だろう。
「影は・・・対外的にその存在を知られちゃいるが、一つの組織じゃねぇんだわ」
それは初耳だ。
「オレが居た部隊は、宵闇って呼ばれてたんだが、宵闇の奴等が愛し子に危害を加えるとは思えねぇ。だが、宵闇が気付けなかったとしたら、他の部隊が関わっている可能性はある」
「ヴァラクに加担しそうな部隊に、心当たりは?」
「影同士でも他の部隊の事は、部隊の数、任務の内容、構成メンバー、どれも秘匿されてっから分からねぇ、なんとも言えねぇよ」
「ですが、調査の手助けをしてもらったりしてたじゃないですか」
「あれは、宵闇の仲間にだけだ。オレ達の頭領が全てを統括して居たのかどうかも分からねぇ。オレが他の部隊の存在を知ったのも偶々だ。知ってる奴の方が少ねぇ」
「他の部隊の中に裏切り者が居たら、特定は出来ないのですか?」
「オレ達じゃ無理だな。陛下は宵闇の事を子飼いだと言って居たが、それも本当かどうか。まぁ部隊が幾つあったとしても、陛下は把握してんだろうが、影は騙しが専門だ。陛下が騙されてる、って可能性もあるだろ?」
「無いとは言えませんね」
「閣下、どうするんですか?」
マークとロロシュは考え込み、シッチンは情けない声を出した。
こう言う時に、シッチンがまだ子供なのだと感じる。
「誰が敵か判断できない以上、皇宮の全ての人間が敵だと看做すべきだ。皇宮へは、出来るだけ目立たないように入る必要があるな」
「目立たずに・・・それは無理があるかと」
「だよなぁ、オレとシッチンだけなら、街中に馴染めっけど、閣下達はいるだけで目立つからなぁ」
「私もですか?」
「そりゃそうだろうよ。なあ?」
不本意そうなマークに、ロロシュはシッチンに同意を求め、シッチンは当然のごとく、首を縦に振っている。
マークは自分の容姿に重きを置いて居ないが、他者はそうでは無いからな。
「街中を突っ切る必要は無い。皇都のはずれに。有事の際、皇族を逃す為の隠し通路がある。そこに入り込めれば、皇宮まで誰にも見つからんだろう」
「その通路、本当に大丈夫なのか?」
「秘密通路の地図は、ギデオンの部屋で見つけたものだ。侍従も含めギデオンの周囲の者は粛清対象だったからな、知る者は残って居ないだろう。ウィリアムにも主要な通路以外は教えて居ないから、今通路の全てを知るのは俺だけだ」
『ヴァラクが居るぞ? 彼奴は大公に成り代わって居たことが有る』
「そこは、俺達が陣の贄として果てた、と油断している事を願うしかないな」
『ふむ。行き当たりばったりでは有るが、致し方なかろう』
「そこで問題なんだが、そのドラゴンはどうする?足も弱いしそのデカさだ。通路にも入らんぞ?」
『そこは問題ない』
クレイオスが何をする気なのかは知らんが、自信満々で言うからにはドラゴンの事は、クレイオスに任せておけばいいだろう。
その後クレイオスには、通路近くの外門の側まで運んでもらい、皇都へ侵入することにした。
外門の門番に見られる事は避けられないが、そこは諦めるしかないだろう。
そう思いながら、外門へ足を向けたのだが、外門を護るべき兵の姿は誰一人として見られなかった。
「どういう事だ?」
「この時間に外門を開け放したまま、見張りが一人も居ないなんて・・・」
「あれの所為じゃねぇか?」とロロシュは空に浮かぶ、魔法陣を指差した。
魔法の発動で混乱をきたした結果か。
「外門がこれなら、皇都の中はどうなっているのでしょうか?」
「想像したくないが、騒ぎがここ迄聞こえて来る。一瞬で全滅したのでなくて良かったと考えるべきか?」
「中に入りゃ、嫌でも分かんだろ? それより急ごうぜ」
ロロシュの指摘に、それもそうだ、と皆で頷き合い、夜陰に紛れ俺たちは通路の入り口へ急いだ。
皇都の中は混乱を極めて居た。
立ち並ぶ家屋の中から、泣き叫ぶ人の声が響き、医者や治癒師を求め、走り回る人々が通りに溢れていた。
慌てふためき、走り回る皇都の民の声を拾い集めると、発動された魔法は、一瞬で命を奪い尽くす効果はなかったようだ。
だが、重篤な病か、それに準ずる厄災をばら撒いているらしい。
「この騒ぎじゃ、オレ達に気付く奴なんていねぇんじゃねぇか?」
ロロシュの言は尤もだが、念には念を入れた方が良い。
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