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ヴァラクという悪魔
魔獣の森4
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眼前にノコノコ現れたオークの群れを、エンラの爪で蹴散らし、剣を振るって薙ぎ倒していった。
だが魔物が放つ不穏な気配が、広大な森を覆い尽くしている。
そして3個師団を投入しているにも関わらず、魔物の気配が途切れることがない。
俺達も直ぐに別の魔物と戦闘になるだろう。
今は騎士達の士気も高く、其処彼処から騎士があげる雄叫びや鬨の声が聞こえている。
しかし絶え間ない戦闘は体力だけでなく気力も削ぐ。
人は体力が尽きても、気力さえ有れば剣を握ることが出来るが、気力が尽き心が折れると、そこで終いだ。
一刻も早く核を見つけ、無限に湧いてくる魔物を止めなければ。
「クレイオス!核は何処だ?!」
『もっと東・・・いや南か?』
「巫山戯てるのか?!」
『この状況で巫山戯られる者がおったら、尊敬に値するな?』
「おい!!」
充分ふざけてるだろうが。
『ほれ、新手だぞ?』
クレイオスに言われるまでもなく、魔獣が近づいてきていることは分かっている。
「クソッ!」
今度はグレートウルフか!
生息域も縄張りもお構いなしだな。
「第2中隊かかれ!!第3から第5、索敵と警戒!!」
声を張り上げ、部下に指示を出す俺に構わず、クレイオスは、初めてとは思えないほど巧みな手綱捌きで、ブルーベルの横に並び、レンに話しかけてきた。
俺は部下達の動きを目で追いながら、レンとクレイオスの話しに聞き耳を立てた。
『のうレンよ。其方はどう見る?』
「そうですね・・・そこら中から濃い瘴気を感じます。瘴気溜まりがあちこちにある様です」
『ふむ。他には?』
「天幕でもお話ししましたが、これまでの瘴気溜まりは、呪具で無理矢理作られたところがほとんどで、湧いた魔物もどこかに転移させていました。その転移先がここだと思います」
『ふむ』
組んだ腕の右手で顎を摘むクレイオスは、親が子を導くように、レンを導いている様に聞こえる。
「ですが、これまでシルベスター侯爵は、ここで大規模な魔物の群れに遭遇していないので、魔物はどこかに隠されていたのではないでしょうか」
『どこに隠されていたと思う?』
「これだけ広い森なので、もっと数がすくなければ、森の奥に隠すこともできたでしょう。でもイマミアで召喚された、サハギン以上の数の魔物を森に隠すことなんて不可能です」
『ここまでは悪くない、続けよ』
「ヴァラクはクレイオス様の真似をしたのだと思います。ミーネのクレイオス様の神殿の様に、別の空間を創りそこに魔物を隠していた」
『魔物はどうやって呼んでいる?瘴気溜まりか?』
「いえ・・・召喚魔法です。瘴気溜まりだと、魔物が生まれるまで時間がかかりすぎます。なので瘴気溜まりは召喚陣から目を逸らす為のデコイ・・囮じゃないでしょうか」
『おしいな。半分正解だ』
そう言って、クレイオスはレンの頭を撫でた。
悔しい事に、俺はクレイオスの手を跳ね除けることが出来なかった。
だが、レンがちょっと嬉しそうにしているから、今回は見逃す事にする。
『其方の言う通り、その召喚陣が核となる。が、瘴気溜まりにも召喚陣はあるだろう。その方が其方の目を欺き易い』
「・・・では、瘴気の薄い所にある陣が本物でしょうか?」
『概ね正解だ。魔物がいる以上、瘴気が薄いとは思えんが、その陣を破壊すれば、魔物の出現は止まるだろう。だがここで問題が一つある。分かるか?』
「・・・召喚陣の先の亜空間にヴァラクが居る」
『これは正解だ。そしてそこが帝国に描かれた魔法陣の要でもある。我であれば召喚陣を辿り、彼奴の創った空間に数人なら連れて飛ぶことは出来よう。だがそこは、彼奴が掻き集めた魔物で溢れかえっておるだろう』
俺とレンを等分に見つめるクレイオスは、俺たちの覚悟を問うているようだ。
「俺とあんたが居れば、師団を引き連れていく必要も無いだろう?」と、俺が肩を竦めて言えば、レンも「私も覚悟はできています」
と胸の前でふんすと両手の拳を握っている。
『其方らはでかいからの、我の背に乗せられるのは5人までだ。人選は王に任せる』
王と言われて、誰のことかと首を傾げていると、クレイオスの『其方の事だ』と呆れられてしまった。
だが俺は皇弟で大公であって、王ではない。
そう反論すると、クレイオスは『間違いなく其方は樹海の王であろうよ』と言い返された。
「その樹海の王とはなんなのだ?」
『ふむ・・・伝承が伝わっておらんのか、詳しい説明は面倒だから後だ。ただ愛し子の伴侶に相応しい強き獣人だと思っておれ』
「なるほど?」
『分かったら、早く連れていく者を決めよ。この先はもっと魔物が増える故、今のうちに決めてしまえ』
クレイオスに急かされたが、連れていく者はもう決まっている。
マーク・ロロシュ・シッチンのレンがメインパティーと呼ぶ3人だ。
ロロシュとシッチンよりも腕の立つ騎士はいくらでも居るが、詳しい事情を知っている者を連れていく方が、何かと便利だ。
そうは言っても、さらに危険な目に遭わせるのだ、本人達が行きたくないと言うかもしれない、意志確認は重要だ。
「ーーーーーーと言うわけだ。今回は拒否権を与える。嫌なら無理にとは言わない。付いてくるか?」
簡単に事情を説明し、付いて来るかどうかは、本人達に任せる。
「閣下。私はレン様の専属護衛です。置いて行かれては困ります」
「・・・そうか。お前達はどうする?」
ロロシュとシッチンに目を向けると、互いの顔を見た二人は揃ってニヤリと笑って、こちらに向き直った。
「何言ってんだあんた。この世で閣下のそばより安全な場所なんてねぇだろ?行くに決まってんじゃねぇか」
「ロロシュ!言い方!」
いつも通り、マークに叱られるロロシュの横で、シッチンもブンブンと頷いている。
理由はどうあれ、意志の確認は済んだ。
『決まったな?周りが騒がしくなって来た、移動するぞ』
俺たちが話している最中も、魔物の攻撃は続いていたが、今は連れている人数が多いお陰で話をする余裕がある。
まぁ。俺とマークは時々、魔法を飛ばして部下を支援していた訳だが、ロロシュは自分にはできない芸当だと、若干落ち込み気味だ。
「場所はわかるのか?」
『さっきレンの話を聞いていなかったのか?瘴気溜まりは囮だ。レンが浄化に手間取ればその分時間が稼げる。必要なのは魔物の流れの感知だ。それなら其方にも分かるだろう?』
「・・・西だな?」
「東じゃねぇのかよ?」
『西で正解だ。其方は蛇のくせに感知が下手だの?』
「感知は得意な方なんだけどな」とロロシュが落ち込んでいる。
俺が何か言っても、全く気にした様子を見せないロロシュがだ。
ロロシュはクレイオスの前ではあまり口を開かない・・・これは、爬虫類同士の序列とか畏敬の念の違いか?
普段ならロロシュの方が感知は上手いし、
確かに東にも、大きな魔物の気配がある。
だが、口では説明できないが、西の違和感の方が強いと感じる。
俺が正解を引き当てたのは、魔物との戦闘経験の差だろう。
西への移動は、襲ってくる魔物を蹴散らしながら、各中隊長を呼び、今後の計画を説明し他の大隊長への伝達も指示した。
少人数で、敵の本丸に突入することに懸念を示したものもいたが、最終的には“閣下だから仕方ない”と言われてしまった。
俺としては不本意な言われようだが「みんなアレクを信頼してるのね」とレンに言われると悪い気がしないから不思議だ。
目当ての召喚陣に近づくと、ショーンが率いる大隊が戦闘中だった。
「ショーン!! ショーンはいるか?!」
「閣下?」
気付いて寄ってきたショーンは、戦闘中で伝言を聞いて居なかった。改めて計画を説明すると、ショーンは微妙な顔をしたが反対はしなかった。
「俺たちが中に入ったら、召喚陣を破壊しろ。他にも同じ物がある筈だ。見つけ次第破壊するんだ」
「しかし、閣下が戻れなくなるのでは?」
「問題ない」とクレイオスに視線を向けると、ショーンも「ああ、なるほど」と納得していた。
「すぐに戻れるかは分からん。召喚陣の破壊と討伐が済んでも俺が戻らなければ、シルベスター候の指示に従うように」
「ハッ!ご無事の帰還をお祈りいたします。ご武運を!」
「お前もな」
ショーンの肩を叩いて送り返し、直属の第一大隊に号令を叫んだ。
「偃月陣!!」
偃月陣は指揮官が先頭になり、敵に突っ込んでいく陣形だ。もっと小規模な戦闘や、練度の低い兵を率いているときに使う物だが、今の俺達にはこの陣形で充分だろう。
合図の角笛が鳴り響き、騎士達が隊列を組み替えていく。
「勝利は我らと共にある!!進め!!」
だが魔物が放つ不穏な気配が、広大な森を覆い尽くしている。
そして3個師団を投入しているにも関わらず、魔物の気配が途切れることがない。
俺達も直ぐに別の魔物と戦闘になるだろう。
今は騎士達の士気も高く、其処彼処から騎士があげる雄叫びや鬨の声が聞こえている。
しかし絶え間ない戦闘は体力だけでなく気力も削ぐ。
人は体力が尽きても、気力さえ有れば剣を握ることが出来るが、気力が尽き心が折れると、そこで終いだ。
一刻も早く核を見つけ、無限に湧いてくる魔物を止めなければ。
「クレイオス!核は何処だ?!」
『もっと東・・・いや南か?』
「巫山戯てるのか?!」
『この状況で巫山戯られる者がおったら、尊敬に値するな?』
「おい!!」
充分ふざけてるだろうが。
『ほれ、新手だぞ?』
クレイオスに言われるまでもなく、魔獣が近づいてきていることは分かっている。
「クソッ!」
今度はグレートウルフか!
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「第2中隊かかれ!!第3から第5、索敵と警戒!!」
声を張り上げ、部下に指示を出す俺に構わず、クレイオスは、初めてとは思えないほど巧みな手綱捌きで、ブルーベルの横に並び、レンに話しかけてきた。
俺は部下達の動きを目で追いながら、レンとクレイオスの話しに聞き耳を立てた。
『のうレンよ。其方はどう見る?』
「そうですね・・・そこら中から濃い瘴気を感じます。瘴気溜まりがあちこちにある様です」
『ふむ。他には?』
「天幕でもお話ししましたが、これまでの瘴気溜まりは、呪具で無理矢理作られたところがほとんどで、湧いた魔物もどこかに転移させていました。その転移先がここだと思います」
『ふむ』
組んだ腕の右手で顎を摘むクレイオスは、親が子を導くように、レンを導いている様に聞こえる。
「ですが、これまでシルベスター侯爵は、ここで大規模な魔物の群れに遭遇していないので、魔物はどこかに隠されていたのではないでしょうか」
『どこに隠されていたと思う?』
「これだけ広い森なので、もっと数がすくなければ、森の奥に隠すこともできたでしょう。でもイマミアで召喚された、サハギン以上の数の魔物を森に隠すことなんて不可能です」
『ここまでは悪くない、続けよ』
「ヴァラクはクレイオス様の真似をしたのだと思います。ミーネのクレイオス様の神殿の様に、別の空間を創りそこに魔物を隠していた」
『魔物はどうやって呼んでいる?瘴気溜まりか?』
「いえ・・・召喚魔法です。瘴気溜まりだと、魔物が生まれるまで時間がかかりすぎます。なので瘴気溜まりは召喚陣から目を逸らす為のデコイ・・囮じゃないでしょうか」
『おしいな。半分正解だ』
そう言って、クレイオスはレンの頭を撫でた。
悔しい事に、俺はクレイオスの手を跳ね除けることが出来なかった。
だが、レンがちょっと嬉しそうにしているから、今回は見逃す事にする。
『其方の言う通り、その召喚陣が核となる。が、瘴気溜まりにも召喚陣はあるだろう。その方が其方の目を欺き易い』
「・・・では、瘴気の薄い所にある陣が本物でしょうか?」
『概ね正解だ。魔物がいる以上、瘴気が薄いとは思えんが、その陣を破壊すれば、魔物の出現は止まるだろう。だがここで問題が一つある。分かるか?』
「・・・召喚陣の先の亜空間にヴァラクが居る」
『これは正解だ。そしてそこが帝国に描かれた魔法陣の要でもある。我であれば召喚陣を辿り、彼奴の創った空間に数人なら連れて飛ぶことは出来よう。だがそこは、彼奴が掻き集めた魔物で溢れかえっておるだろう』
俺とレンを等分に見つめるクレイオスは、俺たちの覚悟を問うているようだ。
「俺とあんたが居れば、師団を引き連れていく必要も無いだろう?」と、俺が肩を竦めて言えば、レンも「私も覚悟はできています」
と胸の前でふんすと両手の拳を握っている。
『其方らはでかいからの、我の背に乗せられるのは5人までだ。人選は王に任せる』
王と言われて、誰のことかと首を傾げていると、クレイオスの『其方の事だ』と呆れられてしまった。
だが俺は皇弟で大公であって、王ではない。
そう反論すると、クレイオスは『間違いなく其方は樹海の王であろうよ』と言い返された。
「その樹海の王とはなんなのだ?」
『ふむ・・・伝承が伝わっておらんのか、詳しい説明は面倒だから後だ。ただ愛し子の伴侶に相応しい強き獣人だと思っておれ』
「なるほど?」
『分かったら、早く連れていく者を決めよ。この先はもっと魔物が増える故、今のうちに決めてしまえ』
クレイオスに急かされたが、連れていく者はもう決まっている。
マーク・ロロシュ・シッチンのレンがメインパティーと呼ぶ3人だ。
ロロシュとシッチンよりも腕の立つ騎士はいくらでも居るが、詳しい事情を知っている者を連れていく方が、何かと便利だ。
そうは言っても、さらに危険な目に遭わせるのだ、本人達が行きたくないと言うかもしれない、意志確認は重要だ。
「ーーーーーーと言うわけだ。今回は拒否権を与える。嫌なら無理にとは言わない。付いてくるか?」
簡単に事情を説明し、付いて来るかどうかは、本人達に任せる。
「閣下。私はレン様の専属護衛です。置いて行かれては困ります」
「・・・そうか。お前達はどうする?」
ロロシュとシッチンに目を向けると、互いの顔を見た二人は揃ってニヤリと笑って、こちらに向き直った。
「何言ってんだあんた。この世で閣下のそばより安全な場所なんてねぇだろ?行くに決まってんじゃねぇか」
「ロロシュ!言い方!」
いつも通り、マークに叱られるロロシュの横で、シッチンもブンブンと頷いている。
理由はどうあれ、意志の確認は済んだ。
『決まったな?周りが騒がしくなって来た、移動するぞ』
俺たちが話している最中も、魔物の攻撃は続いていたが、今は連れている人数が多いお陰で話をする余裕がある。
まぁ。俺とマークは時々、魔法を飛ばして部下を支援していた訳だが、ロロシュは自分にはできない芸当だと、若干落ち込み気味だ。
「場所はわかるのか?」
『さっきレンの話を聞いていなかったのか?瘴気溜まりは囮だ。レンが浄化に手間取ればその分時間が稼げる。必要なのは魔物の流れの感知だ。それなら其方にも分かるだろう?』
「・・・西だな?」
「東じゃねぇのかよ?」
『西で正解だ。其方は蛇のくせに感知が下手だの?』
「感知は得意な方なんだけどな」とロロシュが落ち込んでいる。
俺が何か言っても、全く気にした様子を見せないロロシュがだ。
ロロシュはクレイオスの前ではあまり口を開かない・・・これは、爬虫類同士の序列とか畏敬の念の違いか?
普段ならロロシュの方が感知は上手いし、
確かに東にも、大きな魔物の気配がある。
だが、口では説明できないが、西の違和感の方が強いと感じる。
俺が正解を引き当てたのは、魔物との戦闘経験の差だろう。
西への移動は、襲ってくる魔物を蹴散らしながら、各中隊長を呼び、今後の計画を説明し他の大隊長への伝達も指示した。
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俺としては不本意な言われようだが「みんなアレクを信頼してるのね」とレンに言われると悪い気がしないから不思議だ。
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「ショーン!! ショーンはいるか?!」
「閣下?」
気付いて寄ってきたショーンは、戦闘中で伝言を聞いて居なかった。改めて計画を説明すると、ショーンは微妙な顔をしたが反対はしなかった。
「俺たちが中に入ったら、召喚陣を破壊しろ。他にも同じ物がある筈だ。見つけ次第破壊するんだ」
「しかし、閣下が戻れなくなるのでは?」
「問題ない」とクレイオスに視線を向けると、ショーンも「ああ、なるほど」と納得していた。
「すぐに戻れるかは分からん。召喚陣の破壊と討伐が済んでも俺が戻らなければ、シルベスター候の指示に従うように」
「ハッ!ご無事の帰還をお祈りいたします。ご武運を!」
「お前もな」
ショーンの肩を叩いて送り返し、直属の第一大隊に号令を叫んだ。
「偃月陣!!」
偃月陣は指揮官が先頭になり、敵に突っ込んでいく陣形だ。もっと小規模な戦闘や、練度の低い兵を率いているときに使う物だが、今の俺達にはこの陣形で充分だろう。
合図の角笛が鳴り響き、騎士達が隊列を組み替えていく。
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