179 / 598
ヴァラクという悪魔
クレイオスは、かく語りき2
しおりを挟む
side・レン
クレイオス様には驚かされっぱなしです。
まず本体が、おじいちゃんの家と同じくらいの大きさだなんて・・・・。
ドラゴンが大きいとは聞いていましたが、最早恐竜か怪獣並みの大きさですよ?
クーちゃんもあんなに、大きくなっちゃうの?
今くらいで成長が止まってくれたらいいのに・・・。
それに巨大なクレイオス様が、人化するとは・・・古代ギリシャっぽい、ファンタジー漫画で、いかにも神様が着そうなヒラヒラな衣装を身に纏った、精悍な超絶イケメンと来たら、さすが剣と魔法のファンタジー系BLワールドと納得するしかありません。
そう、納得は出来ます。
こちらに来て、多少免疫も出来たし、美形にも目が慣れてきました。
でも違う系統の美形の登場で、馴れていない目には眩し過ぎて目が潰れそうです。
そんな煌びやかなクレイオス様が、これまた低音の良い声で “ヴァラクが世界を手に入れたがったのは、アウラを手に入れる為の方便にすぎん。 だが、幾らヴァラクが欲したところで、あれは我の物だからな。想いが叶うことなど無かろう” と爆弾発言をぶっ込んできましたよ?
マジですか?
この世界の人々が苦しんでいる原因が、アウラ様への横恋慕・・・・。
これは、アウラ様も制約で言えないのじゃなくて、言いたく無かっただけなんじゃないかなぁ?
”私がモテ過ぎちゃって、みんなには迷惑かけるけど、ごめんね“ キラン!!
なんて言われたら、思わずぶっとばしたくなりますもんね。
まぁ、私のイメージが悪過ぎなだけで、アウラ様がそんな言い方しないのは分かってるんですよ?
でも、つい最近まで、年齢=彼氏いない歴の陰キャの喪女にとって、モテモテ陽キャ女子って、こんなイメージだったりするのですよ。
職場のあざと女子にこんな感じで "デートなの,よろしくねー" って、よく仕事を押し付けられたな。
クッ。不毛な残業の日々の記憶が・・・
断れない私がいけないのだけれど
あれは辛かった。
アウラ様が、あちらの文化がお好きなのは知っていますけど、何も執着系ドロドロBLを地で行く必要はないと思うのだけど・・。
アウラ様は執着する側ではなく、される側なので、不可抗力と言うか、アウラ様も被害者なのですけど、神様パワーで、そこはどうにか回避できなかったのかしら?
クレイオス様だって “幾らヴァラクが欲したところで、あれは我の物だからな” なんて、キャーッ!! なヤベちゃん垂涎の萌え発言をサラッと言うくらいなら、ヴァラクなんてさっさと蹴散らしちゃえば良かったのに。
そうすれば、みんなが困ることなんて、何もなかったんですよ?
久遠を揺蕩い悠久を生きる存在だからって、鷹揚と言うか呑気過ぎない?
確かに、嫋やかなアウラ様と、精悍なクレイオス様はとってもお似合いで、お二人の隣に別の人がいるところなんて想像できないけれど、それとこれとは話しが違いますよね?
“彼奴の執着は、そんな物では語れん。オスの嫉妬とは恐ろしいものよ。お陰で我は千年の永きに渡り、石化された上に、魂まで封印される始末だ”
って仰るくらいだから、ちょっとは反省しているのかな?
クレイオス様の爆弾発言のお陰で、眠気も吹き飛んで、後に続く話には集中できそうです。
『創世以来アウラが地上に降りたのは、仲裁の契約の刻の一度きりだ。彼奴はその折にアウラを見初めたのだ。ヴァラクはその場でアウラに求愛しおってな。我がいる前でだぞ?あの時に、彼奴の思い込みと、執着の激しさに気付くべきであった』
「求愛されたアウラ神は、どうされたのです?」
『どうもせんよ。我らにとってヴァラクなど赤子と変わらぬ。彼奴にとっては初恋だったのやも知れぬが、我らからすれば流行病に罹った子供のようなもの。アウラは歯牙にもかけなんだ』
「まぁ、そうでしょうね」
アレクさんも頷いているけど、ほんとうにね。
神様に憧れを抱いても、恋をする人って居るのかしら?
教会のシスターだって、イエス様を男性として愛したりしないでしょうし・・・。
でもギリシャ神話だと、子供を作ったりするのよね?
神様と人間の恋愛もアリなのかな?
『我らとて、遊んで暮らしているわけでは無いのだ。我らの使命は、アウラと我で創り出したこの世界を発展させることだ。この星ばかりに関わってもおられん』
「この星?」
アレクさんが怪訝そうにしています。
それはそうでしょう。
未知との遭遇なんて、何万年も先の話かも知れないのだから。
「クレイオス様?ここにはまだ、宇宙の概念は無いみたいですよ?」
『おお、そうであった。今のは忘れてくれ』
いやいや。忘れるのは無理があるかと。
『・・・アウラが創り出した人の世は、此処だけでは無いということだ。それでも此処は我らが最初に創り出した場所なのだ。思い入れも1番強い』
ほらもう!
余計なことを言うから、皆んな困った顔に成ってるじゃないですか。
『とにかく我らは、ヴァラクのことなど忘れていたのだ。それが気付けば彼奴は契約を破って地上に舞い戻り、暴虐の限りを尽くしていた。とにかくアウラの気を引きたかったのだろう』
「子供の癇癪か?」
子供っぽくて、やることがサイコパスなんて、最悪じゃない。
『その通りだ。彼奴は甘やかされた王子であったからな。思い通りにならぬ物など無いと考えていたようだ。契約を重く見ていたアザエルと第一王子には、我が創った武器を渡してヴァラクを打たせたのだ。人の物に図々しくも手を出そうとする子供には、仕置きが必要であろう?』
「まあ、そうだな。だが失敗したのだろう?」
『・・・其方は遠慮がないの』
「あなた方の失敗のおかげで、迷惑を被っていますから」
『ぐうの音も出んな。我とて出来うることはしたのだぞ? だが我が動くほどに、彼奴の嫉妬心が執着を強くするのだ。問答無用で彼奴の魂を消し去ってしまえば良かったのだが、輪廻の輪に戻らねば、魂はいずれ消滅する。アウラも慈悲が必要だと言ってな』
「慈悲というより、後ろめたかったからなのでは?」
アレクさん、クレイオス様相手に辛口すぎませんか?
マークさん達も顔が引き攣ったますよ?
『本当に其方は遠慮がないの! だが其方の云う通りだ。あれは優しすぎるのだ。その優しさが弱さでもあるな』
「過ぎたことは、もうどうでもいい。レンに関わりがある事とは何なのだ?」
『我のアウラへの執着を引き継いだとはいえ、番の事となると獣人とはせっかちなものだな』
「御託はいいから、本題に入ってくれ」
アレクさん、もうちょっと穏便にね?
『まったく・・・・アウラを手に入れられず、復讐心がばかりが増し、他人の体を渡り歩いたヴァラクは、執着の対象がアウラから愛し子へと変わっていったのだ。愛し子は彼奴の企てた厄災の被害を最小限に留める、邪魔な存在だからな』
「邪魔者を排除するために、ヨシタカを欲したと?」
『それが分からんのだ』
「分からない?」
『当時ヴァラクは、この国を手中に収めることが出来る地位に居た。にも関わらず、彼奴は王位を簒奪する事もなく、ヨシタカに危害を加えるどころか、マイオール公家に嫁ぐヨシタカを止めもせなんだ。無駄だと分かっていながら、ヨシタカは我の石化を解く為に、嫁いだ後もここに何度も足を運んでくれてな。ヴァラクの器だった者の事も、良い人だと評していた』
「厄災の元凶をか?」
「あの、ヨシタカ様とヴァラクが仲良しだったって事ですか?」
『とても仲が良かったようだぞ? あの時のヴァラクの器はネサルと言って王弟だった。飢饉に喘ぐ民への助力も惜しまなんだそうだ』
「それって、自作自演的な?ヨシタカ様に近づく口実だったとか?」
『どうであろうな?我に人の心は分からぬ。知っているのはヨシタカの死後ヴァラクがヨシタカの墓を暴き、亡骸も持ち去ったことだけだ』
「お墓を暴いた?」
驚いてアレクさんを見上げると、アレクさんも思い当たる節がある様で ”あれがヨシタカだったのか“ とボソリと呟いていました。
『ヴァラクの想いが如何であれ、ヨシタカの招来後、我を封印に来るまでは、彼奴も力が弱り始めていたし、目立った動きをせなんだようだ。彼奴が消えば、我の石化も自動で解ける。彼奴がヨシタカを如何したのか分からぬ以上、新たな愛し子へ彼奴が何をするか想像ができん。故に愛し子の招来を控える様、アウラに伝えさせたのだ』
何と云うか・・・ヴァラクって、もしかしたら、本気でヨシタカ様のことが好きだったんじゃないでしょうか。
アウラ様への気持ちが流行病だとしても、やってることは怖いけど、亡骸を持ち去るくらい、ヨシタカ様を愛していたのかもしれません。
「くだらん」
頭の上から、聞いたことがない低い声がひびいてきました。
もしやアレクさん激オコなのでは?
クレイオス様には驚かされっぱなしです。
まず本体が、おじいちゃんの家と同じくらいの大きさだなんて・・・・。
ドラゴンが大きいとは聞いていましたが、最早恐竜か怪獣並みの大きさですよ?
クーちゃんもあんなに、大きくなっちゃうの?
今くらいで成長が止まってくれたらいいのに・・・。
それに巨大なクレイオス様が、人化するとは・・・古代ギリシャっぽい、ファンタジー漫画で、いかにも神様が着そうなヒラヒラな衣装を身に纏った、精悍な超絶イケメンと来たら、さすが剣と魔法のファンタジー系BLワールドと納得するしかありません。
そう、納得は出来ます。
こちらに来て、多少免疫も出来たし、美形にも目が慣れてきました。
でも違う系統の美形の登場で、馴れていない目には眩し過ぎて目が潰れそうです。
そんな煌びやかなクレイオス様が、これまた低音の良い声で “ヴァラクが世界を手に入れたがったのは、アウラを手に入れる為の方便にすぎん。 だが、幾らヴァラクが欲したところで、あれは我の物だからな。想いが叶うことなど無かろう” と爆弾発言をぶっ込んできましたよ?
マジですか?
この世界の人々が苦しんでいる原因が、アウラ様への横恋慕・・・・。
これは、アウラ様も制約で言えないのじゃなくて、言いたく無かっただけなんじゃないかなぁ?
”私がモテ過ぎちゃって、みんなには迷惑かけるけど、ごめんね“ キラン!!
なんて言われたら、思わずぶっとばしたくなりますもんね。
まぁ、私のイメージが悪過ぎなだけで、アウラ様がそんな言い方しないのは分かってるんですよ?
でも、つい最近まで、年齢=彼氏いない歴の陰キャの喪女にとって、モテモテ陽キャ女子って、こんなイメージだったりするのですよ。
職場のあざと女子にこんな感じで "デートなの,よろしくねー" って、よく仕事を押し付けられたな。
クッ。不毛な残業の日々の記憶が・・・
断れない私がいけないのだけれど
あれは辛かった。
アウラ様が、あちらの文化がお好きなのは知っていますけど、何も執着系ドロドロBLを地で行く必要はないと思うのだけど・・。
アウラ様は執着する側ではなく、される側なので、不可抗力と言うか、アウラ様も被害者なのですけど、神様パワーで、そこはどうにか回避できなかったのかしら?
クレイオス様だって “幾らヴァラクが欲したところで、あれは我の物だからな” なんて、キャーッ!! なヤベちゃん垂涎の萌え発言をサラッと言うくらいなら、ヴァラクなんてさっさと蹴散らしちゃえば良かったのに。
そうすれば、みんなが困ることなんて、何もなかったんですよ?
久遠を揺蕩い悠久を生きる存在だからって、鷹揚と言うか呑気過ぎない?
確かに、嫋やかなアウラ様と、精悍なクレイオス様はとってもお似合いで、お二人の隣に別の人がいるところなんて想像できないけれど、それとこれとは話しが違いますよね?
“彼奴の執着は、そんな物では語れん。オスの嫉妬とは恐ろしいものよ。お陰で我は千年の永きに渡り、石化された上に、魂まで封印される始末だ”
って仰るくらいだから、ちょっとは反省しているのかな?
クレイオス様の爆弾発言のお陰で、眠気も吹き飛んで、後に続く話には集中できそうです。
『創世以来アウラが地上に降りたのは、仲裁の契約の刻の一度きりだ。彼奴はその折にアウラを見初めたのだ。ヴァラクはその場でアウラに求愛しおってな。我がいる前でだぞ?あの時に、彼奴の思い込みと、執着の激しさに気付くべきであった』
「求愛されたアウラ神は、どうされたのです?」
『どうもせんよ。我らにとってヴァラクなど赤子と変わらぬ。彼奴にとっては初恋だったのやも知れぬが、我らからすれば流行病に罹った子供のようなもの。アウラは歯牙にもかけなんだ』
「まぁ、そうでしょうね」
アレクさんも頷いているけど、ほんとうにね。
神様に憧れを抱いても、恋をする人って居るのかしら?
教会のシスターだって、イエス様を男性として愛したりしないでしょうし・・・。
でもギリシャ神話だと、子供を作ったりするのよね?
神様と人間の恋愛もアリなのかな?
『我らとて、遊んで暮らしているわけでは無いのだ。我らの使命は、アウラと我で創り出したこの世界を発展させることだ。この星ばかりに関わってもおられん』
「この星?」
アレクさんが怪訝そうにしています。
それはそうでしょう。
未知との遭遇なんて、何万年も先の話かも知れないのだから。
「クレイオス様?ここにはまだ、宇宙の概念は無いみたいですよ?」
『おお、そうであった。今のは忘れてくれ』
いやいや。忘れるのは無理があるかと。
『・・・アウラが創り出した人の世は、此処だけでは無いということだ。それでも此処は我らが最初に創り出した場所なのだ。思い入れも1番強い』
ほらもう!
余計なことを言うから、皆んな困った顔に成ってるじゃないですか。
『とにかく我らは、ヴァラクのことなど忘れていたのだ。それが気付けば彼奴は契約を破って地上に舞い戻り、暴虐の限りを尽くしていた。とにかくアウラの気を引きたかったのだろう』
「子供の癇癪か?」
子供っぽくて、やることがサイコパスなんて、最悪じゃない。
『その通りだ。彼奴は甘やかされた王子であったからな。思い通りにならぬ物など無いと考えていたようだ。契約を重く見ていたアザエルと第一王子には、我が創った武器を渡してヴァラクを打たせたのだ。人の物に図々しくも手を出そうとする子供には、仕置きが必要であろう?』
「まあ、そうだな。だが失敗したのだろう?」
『・・・其方は遠慮がないの』
「あなた方の失敗のおかげで、迷惑を被っていますから」
『ぐうの音も出んな。我とて出来うることはしたのだぞ? だが我が動くほどに、彼奴の嫉妬心が執着を強くするのだ。問答無用で彼奴の魂を消し去ってしまえば良かったのだが、輪廻の輪に戻らねば、魂はいずれ消滅する。アウラも慈悲が必要だと言ってな』
「慈悲というより、後ろめたかったからなのでは?」
アレクさん、クレイオス様相手に辛口すぎませんか?
マークさん達も顔が引き攣ったますよ?
『本当に其方は遠慮がないの! だが其方の云う通りだ。あれは優しすぎるのだ。その優しさが弱さでもあるな』
「過ぎたことは、もうどうでもいい。レンに関わりがある事とは何なのだ?」
『我のアウラへの執着を引き継いだとはいえ、番の事となると獣人とはせっかちなものだな』
「御託はいいから、本題に入ってくれ」
アレクさん、もうちょっと穏便にね?
『まったく・・・・アウラを手に入れられず、復讐心がばかりが増し、他人の体を渡り歩いたヴァラクは、執着の対象がアウラから愛し子へと変わっていったのだ。愛し子は彼奴の企てた厄災の被害を最小限に留める、邪魔な存在だからな』
「邪魔者を排除するために、ヨシタカを欲したと?」
『それが分からんのだ』
「分からない?」
『当時ヴァラクは、この国を手中に収めることが出来る地位に居た。にも関わらず、彼奴は王位を簒奪する事もなく、ヨシタカに危害を加えるどころか、マイオール公家に嫁ぐヨシタカを止めもせなんだ。無駄だと分かっていながら、ヨシタカは我の石化を解く為に、嫁いだ後もここに何度も足を運んでくれてな。ヴァラクの器だった者の事も、良い人だと評していた』
「厄災の元凶をか?」
「あの、ヨシタカ様とヴァラクが仲良しだったって事ですか?」
『とても仲が良かったようだぞ? あの時のヴァラクの器はネサルと言って王弟だった。飢饉に喘ぐ民への助力も惜しまなんだそうだ』
「それって、自作自演的な?ヨシタカ様に近づく口実だったとか?」
『どうであろうな?我に人の心は分からぬ。知っているのはヨシタカの死後ヴァラクがヨシタカの墓を暴き、亡骸も持ち去ったことだけだ』
「お墓を暴いた?」
驚いてアレクさんを見上げると、アレクさんも思い当たる節がある様で ”あれがヨシタカだったのか“ とボソリと呟いていました。
『ヴァラクの想いが如何であれ、ヨシタカの招来後、我を封印に来るまでは、彼奴も力が弱り始めていたし、目立った動きをせなんだようだ。彼奴が消えば、我の石化も自動で解ける。彼奴がヨシタカを如何したのか分からぬ以上、新たな愛し子へ彼奴が何をするか想像ができん。故に愛し子の招来を控える様、アウラに伝えさせたのだ』
何と云うか・・・ヴァラクって、もしかしたら、本気でヨシタカ様のことが好きだったんじゃないでしょうか。
アウラ様への気持ちが流行病だとしても、やってることは怖いけど、亡骸を持ち去るくらい、ヨシタカ様を愛していたのかもしれません。
「くだらん」
頭の上から、聞いたことがない低い声がひびいてきました。
もしやアレクさん激オコなのでは?
35
お気に入りに追加
1,330
あなたにおすすめの小説
腹黒宰相との白い結婚
黎
恋愛
大嫌いな腹黒宰相ロイドと結婚する羽目になったランメリアは、条件をつきつけた――これは白い結婚であること。代わりに側妻を娶るも愛人を作るも好きにすればいい。そう決めたはずだったのだが、なぜか、周囲が全力で溝を埋めてくる。
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※

【完結】婚約破棄されたので田舎に引きこもったら、冷酷宰相に執着されました
21時完結
恋愛
王太子の婚約者だった侯爵令嬢エリシアは、突然婚約破棄を言い渡された。
理由は「平凡すぎて、未来の王妃には相応しくない」から。
(……ええ、そうでしょうね。私もそう思います)
王太子は社交的な女性が好みで、私はひたすら目立たないように生きてきた。
当然、愛されるはずもなく――むしろ、やっと自由になれたとホッとするくらい。
「王都なんてもう嫌。田舎に引きこもります!」
貴族社会とも縁を切り、静かに暮らそうと田舎の領地へ向かった。
だけど――
「こんなところに隠れるとは、随分と手こずらせてくれたな」
突然、冷酷無慈悲と噂される宰相レオンハルト公爵が目の前に現れた!?
彼は王国の実質的な支配者とも言われる、権力者中の権力者。
そんな人が、なぜか私に執着し、どこまでも追いかけてくる。
「……あの、何かご用でしょうか?」
「決まっている。お前を迎えに来た」
――え? どういうこと?
「王太子は無能だな。手放すべきではないものを、手放した」
「……?」
「だから、その代わりに 私がもらう ことにした」
(いや、意味がわかりません!!)
婚約破棄されて平穏に暮らすはずが、
なぜか 冷酷宰相に執着されて逃げられません!?
婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!
柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

婚約者を親友に盗られた上、獣人の国へ嫁がされることになったが、私は大の動物好きなのでその結婚先はご褒美でしかなかった
雪葉
恋愛
婚約者である第三王子を、美しい外見の親友に盗られたエリン。まぁ王子のことは好きでも何でもなかったし、政略結婚でしかなかったのでそれは良いとして。なんと彼らはエリンに「新しい縁談」を持ってきたという。その嫁ぎ先は“獣人”の住まう国、ジュード帝国だった。
人間からは野蛮で恐ろしいと蔑まれる獣人の国であるため、王子と親友の二人はほくそ笑みながらこの縁談を彼女に持ってきたのだが────。
「憧れの国に行けることになったわ!! なんて素晴らしい縁談なのかしら……!!」
エリンは嫌がるどころか、大喜びしていた。
なぜなら、彼女は無類の動物好きだったからである。
そんなこんなで憧れの帝国へ意気揚々と嫁ぎに行き、そこで暮らす獣人たちと仲良くなろうと働きかけまくるエリン。
いつも明るく元気な彼女を見た周りの獣人達や、新しい婚約者である皇弟殿下は、次第に彼女に対し好意を持つようになっていく。
動物を心底愛するが故、獣人であろうが何だろうがこよなく愛の対象になるちょっとポンコツ入ってる令嬢と、そんな彼女を見て溺愛するようになる、狼の獣人な婚約者の皇弟殿下のお話です。
※他サイト様にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる