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紫藤 蓮(シトウ レン)
アウラとヴァラク
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ぬくぬくとした微睡の中、夢と現の境界線で、アウラ様の話しを忘れてはいけないと、アウラ様の声を何度も何度も、繰り返し思い出していました。
私が目覚めたのは、あの夜から一週間も経った後でした。
知らせを受けて寝室に駆け込んできたアレクさんは、涙を流しながらギュウギュウと私を抱き締め、目覚めを喜んでくれました。
私の枕元で見慣れない生き物が、丸くなって眠っているのを見てビックリしていると、私が眠っている間に孵化したドラゴンの赤ちゃんだと教えてられて、二重にビックリです。
アウラ様から聞いた事を忘れてしまわないうちに、全て話したいと言うと、アレクさんは心配しながらも、マークさんとロロシュさんを呼んで、応接室で話す事となりました。
こんな時でも、二人の寝室にお掃除担当の人以外は、誰も入れようとしないアレクさんのブレなさ加減に、ちょっと笑ってしまいました。
マークさんとロロシュさんも、私の目覚めをとても喜んでくれて、心配をお掛けした事が心苦しくて仕方がありません。
でも、眠っていた一週間で、二人の距離がグッと近くなっているのを見ると、顔には出さないように気をつけながら、内心では “そうかそうか、上手く行ってるのか” とニマニマ、によによ してしまいます。
みんなは香りの良いお茶を、私は滋養に良い薬湯で、のどを湿らせてから、アウラ様から教えてもらったお話しを語りました。
アウラ様のお話しは、創世神話の頃に遡り、ヴァラクが手勢を引き連れ、地底から地上に逃げたところから始まりました。
ヴァラクが地上へ逃げた当初の理由は、地上を魔族の物にする事でした。
ヴァラクは、魔族よりも力の劣る人と獣人を憎み蔑んでいました。
魔族は創世により、世界に満ちたアウラ様とクレイオス様のお力の残滓から生まれた種族です。
身体能力と魔力に優れ、只人から見れば神に近い存在と言えるでしょう。
それ故にヴァラクは地上を追われ、地底で暮らさなければならない事が許せなかった。
この世界の全ては、神の力より生まれ出た、魔族の物だと考えて居たからだそうです。
手勢を引き連れ、地上に逃げたヴァラクは、魔族が地底に移り住む以前よりも、もっと激しく人族と獣人族を蹂躙して行ったそうです。
そして、そんな彼を討ち果たし、蛮行を阻止したのは、ヴァラクの父、魔族の王アザエルと第一王子だったそうです。
しかしヴァラクは次子ではありましたが、武に関しての力は、アザエル王を遥かに凌いでいました。
アウラ様との契約を守ろうと、我が子を打つ事に決めた王も、やはり親子の情には敵わなかったのか、ヴァラクを攻め倦ね、やがて劣勢に追いやられてしまいました。
父王の不甲斐無さに、危機感を持った第一王子は、アウラ様とクレイオス様に祈りを捧げ、ヴァラクを打ち倒す力を求めました。
王子の祈りに応えたのは、クレイオス様でした。
クレイオス様は、ご自身の尾の棘から魔封じの宝剣を創りだし、王子に与えたのだそうです。
宝剣によって魔力を封じられたヴァラクとその一派は、アザエル王と第一王子の手で打ち取られました。
しかし、ヴァラク一派の魂は、その妄執と怨念から地上に留まり続け、災害を引き起こし、疫病を流行らせ、まさに厄災そのものだったそうです。
怨霊となったヴァラク達の魂を鎮めるために、初代の愛し子が招来されたのです。
怨霊達は、初代の愛し子の力により、一人また一人と、その魂が空へと帰され,輪廻の輪へと戻って行きました。
狡猾なヴァラクの魂だけが逃げ果せ、姿を隠してしまいました。
ヴァラクは、地上へしがみ付き、多くの人達の体を乗っ取り、悠久の時を彷徨い続けたのだそうです。
恐ろしい程の執着と執念ですが、生前の力を失ったヴァラクに出来たのは、細々とヴァラク教の教えを広める事ぐらいでした。
それを見たアウラ様とクレイオス様は、ヴァラクもやがて輪廻の輪に戻って行くだろうと考え、次第に彼を警戒しなくなったのです。
アウラ様は、それが間違いだったと仰って、とても悔いている様でした。
永遠を生きる神様と人とでは、時間の概念が違います。
アウラ様達がほんの少し目を離した積もりでも、地上では何百年もの時が立経っていたのです。
アウラ様達が気が付いた時には、ヴァラクが広めた教えが、人の世界の裏側で深く広く根を張り、クレイオス様の神殿は捨てられ、多くのドラゴンが人に害をなす獣として、妙薬の素材として狩られて行きました。
クレイオス様は、ご自分の神殿が打ち捨てられて行く事は気にされませんでしたが、仲間のドラゴンが狩られる事は許す事ができず、ドラゴン達に他国に逃げる様に命じたのです。
クレイオス様の警告を受け、ほとんどのドラゴンがこの国を去って行きました。
けれど、住み慣れた地を離れたがらない者や、卵を抱え去ることが出来ないドラゴンも居て、そんな仲間を守る為にクレイオス様は何度も地上に降りたのだそうです。
そしてアウラ様は何度も何度も、神官を通して行いを正すよう神託を与えました。
ですが、クレイオス様の神殿が捨てられ、いつの間にかアウラ様の神殿の神官は、人族だけになっていて、しかも、神官達はヴァラクの教えの影響を受け、創世の神に背を向ける様になっていたのです。
そんな時ヴァラクは、強い魔力を持つ者の中に入り込み、クレイオス様を襲いました。
不意を突かれたクレイオス様は、傷つきヴァラクの呪いを受けてしまいます。
辛くもヴァラクの手を逃れたクレイオス様は、ミーネの神殿に逃げ込むことが出来ましたが、其処で受けた呪いによって、石化してしまったそうです。
ミーネの神殿は他の神殿とは違い、クレイオス様自らが、憩いの場として創り出した異空間に建てられたものでした。
地上からの入り口はミーネに有りますが、中に入れるのは、クレイオス様ご本人と、クレイオス様が認めた人達だけなのだそうです。
クレイオス様は、ミーネの神殿に逃げ込んだ時に強力な結界を張り、空間を閉じてしまいました。
アウラ様でさえも、この空間に干渉することは出来ず、ミーネの神殿に仕えていた神官達と、その末裔を通して解呪を試みることしか出来なかったのです。
神官との繋がりが弱くなり初めた頃からアウラ様は、ヴァラクの諫言に負けない人の心を育てる為に、愛し子の招来の回数を増やしていました。
そして、クレイオス様が石化してからは、愛し子にはミーネの神殿に赴き、クレイオス様の解呪の助けとして、アウラ様の加護の力を分け与える事が使命とされたのだそうです。
悠久の時を経て、数えきれない人々の体を渡り歩いたヴァラクは、その存在が徐々に変質して行きました。
この世の全てを統べることへの執着は、世界を破壊する事へと変じて行きます。
ヴァラクが厄災を引き寄せる度、アウラ様は厄災へ対処する技能や能力を持った人を、愛し子として異界から招来しました。
アウラ様は、クレイオス様の解呪以外には愛し子たちに使命与えませんでした。
それは、厄災が起こっても愛し子達は対処法を知っていたから。
愛し子達は皆、命ぜられなくとも己の能力を使い、人々を救ってくれたからだと言います。
650年前に将来されたヨシタカ様も、干魃や飢饉、災害に対する造詣が深い方だったそうです。
毎回自分の企みを邪魔する愛し子をヴァラクは憎んでいました。
けれど、ヨシタカ様だけは違っていた。
ヴァラクはヨシタカ様を求めたのだそうです。
でも、ヨシタカ様はヴァラクを拒んだ。
歴代の愛し子は皆、何故か獣人の番であったと言います。
生涯独身を貫いたと言われているヨシタカ様も、番を得て北の大地マイオールへと去って行きました。
そのことが記録に残されていないのは、神の愛し子を他国に奪われたという事実を、当時の王家の人達が、認めたくなかったからではないでしょうか。
ヨシタカ様を獣人に奪われ、拒まれたヴァラクの妄執は、さらに激しくなりました。
そして、ヴァラクを神と崇める者を着実に増やし続け、神官を使いギデオン帝を煽動し、麻薬を使って人心を惑わせた。
25年前、ザンド村の村長を操り、ミーネの神殿に入り込んだヴァラクは、石化したクレイオス様から魂を抜き取り封印したのです。
私が目覚めたのは、あの夜から一週間も経った後でした。
知らせを受けて寝室に駆け込んできたアレクさんは、涙を流しながらギュウギュウと私を抱き締め、目覚めを喜んでくれました。
私の枕元で見慣れない生き物が、丸くなって眠っているのを見てビックリしていると、私が眠っている間に孵化したドラゴンの赤ちゃんだと教えてられて、二重にビックリです。
アウラ様から聞いた事を忘れてしまわないうちに、全て話したいと言うと、アレクさんは心配しながらも、マークさんとロロシュさんを呼んで、応接室で話す事となりました。
こんな時でも、二人の寝室にお掃除担当の人以外は、誰も入れようとしないアレクさんのブレなさ加減に、ちょっと笑ってしまいました。
マークさんとロロシュさんも、私の目覚めをとても喜んでくれて、心配をお掛けした事が心苦しくて仕方がありません。
でも、眠っていた一週間で、二人の距離がグッと近くなっているのを見ると、顔には出さないように気をつけながら、内心では “そうかそうか、上手く行ってるのか” とニマニマ、によによ してしまいます。
みんなは香りの良いお茶を、私は滋養に良い薬湯で、のどを湿らせてから、アウラ様から教えてもらったお話しを語りました。
アウラ様のお話しは、創世神話の頃に遡り、ヴァラクが手勢を引き連れ、地底から地上に逃げたところから始まりました。
ヴァラクが地上へ逃げた当初の理由は、地上を魔族の物にする事でした。
ヴァラクは、魔族よりも力の劣る人と獣人を憎み蔑んでいました。
魔族は創世により、世界に満ちたアウラ様とクレイオス様のお力の残滓から生まれた種族です。
身体能力と魔力に優れ、只人から見れば神に近い存在と言えるでしょう。
それ故にヴァラクは地上を追われ、地底で暮らさなければならない事が許せなかった。
この世界の全ては、神の力より生まれ出た、魔族の物だと考えて居たからだそうです。
手勢を引き連れ、地上に逃げたヴァラクは、魔族が地底に移り住む以前よりも、もっと激しく人族と獣人族を蹂躙して行ったそうです。
そして、そんな彼を討ち果たし、蛮行を阻止したのは、ヴァラクの父、魔族の王アザエルと第一王子だったそうです。
しかしヴァラクは次子ではありましたが、武に関しての力は、アザエル王を遥かに凌いでいました。
アウラ様との契約を守ろうと、我が子を打つ事に決めた王も、やはり親子の情には敵わなかったのか、ヴァラクを攻め倦ね、やがて劣勢に追いやられてしまいました。
父王の不甲斐無さに、危機感を持った第一王子は、アウラ様とクレイオス様に祈りを捧げ、ヴァラクを打ち倒す力を求めました。
王子の祈りに応えたのは、クレイオス様でした。
クレイオス様は、ご自身の尾の棘から魔封じの宝剣を創りだし、王子に与えたのだそうです。
宝剣によって魔力を封じられたヴァラクとその一派は、アザエル王と第一王子の手で打ち取られました。
しかし、ヴァラク一派の魂は、その妄執と怨念から地上に留まり続け、災害を引き起こし、疫病を流行らせ、まさに厄災そのものだったそうです。
怨霊となったヴァラク達の魂を鎮めるために、初代の愛し子が招来されたのです。
怨霊達は、初代の愛し子の力により、一人また一人と、その魂が空へと帰され,輪廻の輪へと戻って行きました。
狡猾なヴァラクの魂だけが逃げ果せ、姿を隠してしまいました。
ヴァラクは、地上へしがみ付き、多くの人達の体を乗っ取り、悠久の時を彷徨い続けたのだそうです。
恐ろしい程の執着と執念ですが、生前の力を失ったヴァラクに出来たのは、細々とヴァラク教の教えを広める事ぐらいでした。
それを見たアウラ様とクレイオス様は、ヴァラクもやがて輪廻の輪に戻って行くだろうと考え、次第に彼を警戒しなくなったのです。
アウラ様は、それが間違いだったと仰って、とても悔いている様でした。
永遠を生きる神様と人とでは、時間の概念が違います。
アウラ様達がほんの少し目を離した積もりでも、地上では何百年もの時が立経っていたのです。
アウラ様達が気が付いた時には、ヴァラクが広めた教えが、人の世界の裏側で深く広く根を張り、クレイオス様の神殿は捨てられ、多くのドラゴンが人に害をなす獣として、妙薬の素材として狩られて行きました。
クレイオス様は、ご自分の神殿が打ち捨てられて行く事は気にされませんでしたが、仲間のドラゴンが狩られる事は許す事ができず、ドラゴン達に他国に逃げる様に命じたのです。
クレイオス様の警告を受け、ほとんどのドラゴンがこの国を去って行きました。
けれど、住み慣れた地を離れたがらない者や、卵を抱え去ることが出来ないドラゴンも居て、そんな仲間を守る為にクレイオス様は何度も地上に降りたのだそうです。
そしてアウラ様は何度も何度も、神官を通して行いを正すよう神託を与えました。
ですが、クレイオス様の神殿が捨てられ、いつの間にかアウラ様の神殿の神官は、人族だけになっていて、しかも、神官達はヴァラクの教えの影響を受け、創世の神に背を向ける様になっていたのです。
そんな時ヴァラクは、強い魔力を持つ者の中に入り込み、クレイオス様を襲いました。
不意を突かれたクレイオス様は、傷つきヴァラクの呪いを受けてしまいます。
辛くもヴァラクの手を逃れたクレイオス様は、ミーネの神殿に逃げ込むことが出来ましたが、其処で受けた呪いによって、石化してしまったそうです。
ミーネの神殿は他の神殿とは違い、クレイオス様自らが、憩いの場として創り出した異空間に建てられたものでした。
地上からの入り口はミーネに有りますが、中に入れるのは、クレイオス様ご本人と、クレイオス様が認めた人達だけなのだそうです。
クレイオス様は、ミーネの神殿に逃げ込んだ時に強力な結界を張り、空間を閉じてしまいました。
アウラ様でさえも、この空間に干渉することは出来ず、ミーネの神殿に仕えていた神官達と、その末裔を通して解呪を試みることしか出来なかったのです。
神官との繋がりが弱くなり初めた頃からアウラ様は、ヴァラクの諫言に負けない人の心を育てる為に、愛し子の招来の回数を増やしていました。
そして、クレイオス様が石化してからは、愛し子にはミーネの神殿に赴き、クレイオス様の解呪の助けとして、アウラ様の加護の力を分け与える事が使命とされたのだそうです。
悠久の時を経て、数えきれない人々の体を渡り歩いたヴァラクは、その存在が徐々に変質して行きました。
この世の全てを統べることへの執着は、世界を破壊する事へと変じて行きます。
ヴァラクが厄災を引き寄せる度、アウラ様は厄災へ対処する技能や能力を持った人を、愛し子として異界から招来しました。
アウラ様は、クレイオス様の解呪以外には愛し子たちに使命与えませんでした。
それは、厄災が起こっても愛し子達は対処法を知っていたから。
愛し子達は皆、命ぜられなくとも己の能力を使い、人々を救ってくれたからだと言います。
650年前に将来されたヨシタカ様も、干魃や飢饉、災害に対する造詣が深い方だったそうです。
毎回自分の企みを邪魔する愛し子をヴァラクは憎んでいました。
けれど、ヨシタカ様だけは違っていた。
ヴァラクはヨシタカ様を求めたのだそうです。
でも、ヨシタカ様はヴァラクを拒んだ。
歴代の愛し子は皆、何故か獣人の番であったと言います。
生涯独身を貫いたと言われているヨシタカ様も、番を得て北の大地マイオールへと去って行きました。
そのことが記録に残されていないのは、神の愛し子を他国に奪われたという事実を、当時の王家の人達が、認めたくなかったからではないでしょうか。
ヨシタカ様を獣人に奪われ、拒まれたヴァラクの妄執は、さらに激しくなりました。
そして、ヴァラクを神と崇める者を着実に増やし続け、神官を使いギデオン帝を煽動し、麻薬を使って人心を惑わせた。
25年前、ザンド村の村長を操り、ミーネの神殿に入り込んだヴァラクは、石化したクレイオス様から魂を抜き取り封印したのです。
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