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紫藤 蓮(シトウ レン)
大穴4
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あざと女子の力を借りて、我を通した私は、傲慢でした。
ロロシュさんに “ちびっ子と呼ぶな“ と生意気なことまで言ってしまいましたが、彼の優しさに、私は感謝するべきだったのです。
この時の私はそれにも気付かず、アレクさんにコアラの様に引っ付いたまま奥の部屋に向かったのです。
ロロシュさんは、閉ざされた扉を開けることを最後まで躊躇って居ました.
「いつまでウジウジして居るのですか?さっさと扉を開けなさい」とマークさんのドヤされて、ロロシュさんは渋々魔力を流して、ドアの鍵を開けてくれました。
開かれた扉の中に入った瞬間、アレクさんの体がカッと熱くなり、噛み締めた歯の間から唸り声が漏れて居ます。
「・・・うそ・・」
「なんてことだ・・・」
「・・・・・奥はもっとひでぇぞ」
バスケットコート一面分くらいの部屋の中には、地底湖の周りに置かれていた物と似た作りの水槽が3.40個びっしりと並べられています。
水槽の中には人が入れられて、魔素水でしょうか、液体の中でユラユラと揺れて居ました。
「人・・・で良いのですよね?」
全員の心を、マークさんが代弁してくれましたが、その声は震えて居ました。
「人だと思いてぇが、今のこれを人って呼んで良いのか、オレには分からねぇよ」
吐き捨てるようなロロシュさんの言葉に、マークさんは黙り込んでしまいました。
地底湖の魔物が入った水槽は透き通っていて、魔素水だけが入って居る様でしたが、こちらの水槽は違います。
瘴気が混ざり込んで、黒く渦を巻いています。
この水槽に入れられた人達は、前の部屋の記録にあった、魔薬の実験体にされた人達なのでしょうか。
だとすれば、麻薬の実験体にされ、自我を奪われた上に、魔物から抽出した瘴気を注がれた事になります。
瘴気を注がれた人達の姿は、人と言うより、魔物の体を移植したかの様です。
グリフォンの体に人の顔、サハギンの腕、腕の代わりにワイバーンの翼が生えてる人も居ます。
これが奥に行くともっと酷くなるの?
「オレはよ。神殿奴らが獣人を嫌ってることは分かってんだ。だからこんな実験に使われたのは獣人かと思ったんだが、ここに居るのは全員人族だぜ?同じ人族同士で、何がしてぇのか、さっぱり分かんねぇんだよ」
それはみんな同じだと思う。
逆にこれを理解出来たら、人として終わって居ると思います。
「これも、アガスの指示なのでしょうか?」
「さあな。・・・ただ10年やそこらで、これだけの施設を作れたとは思えん。ジルベールは魔薬の犠牲になったが、あの頃アガスはまだ下っ端のはずだ。この施設はかなり昔からあったと考えるべきだな」
「その辺りは、実験記録を調べれば分かんだろ?」
「そうですね・・・」
考え込むマークさんを、気遣わしげに見つめて居たロロシュさんが振り向いて、私に真剣な眼差しを向けてきました。
「愛し子様よ。あんたこれを癒せるのか?」
ロロシュさんは、嫌味を言った訳ではありません。
事実確認をしたかっただけだと思います。
この人達に浄化と治癒を施せば、生きながらえさせる事はできるかもしれない。
でも、浄化して体を元に戻せたとしても、彼らの精神は?
私は神様じゃない・・・何もかも全てを癒し救う事は出来ない。
けど、・・・諦めたく無い。
助けられる可能性があるなら、力を尽くしたいと思うのは、私の自己満足なのでしょうか?
「ロロシュ。この者達の処遇を決めるのはレンじゃない。魔素湖やここの技術も含め重要度、危険性、どれを取っても秘匿性が高過ぎる。俺の一存で許可は出来ない。陛下の御裁可が必要だ」
「・・・了解」
「レンもいいな?」
「はい」
この場所で神官達が行って居た事は、国の根幹を揺るがしかねない悪行です。
ここで行われて居たことに憤って居るのはアレクさんも同じ。
いえ、誰よりも怒りを感じているのはアレクさんだと思います。
それでも、指揮官として冷静な判断を下す事の出来る彼を尊敬します。
感情だけで動こうとする、自分が恥ずかしいです。
「ロロシュ。シッチンはどうした?」
「あ? あいつは卵を調べさせてる」
ここに居ても、今は出来ることも無いので、隣の卵を集めた部屋に移動する事になりました。
踵を返したアレクさんに抱かれたまま、水槽の前を通り過ぎようとした時、ゴボッ と空気を吐き出す音が聞こえて、そちらに目を向けると、こちらを見ている真っ赤な瞳と目が合いました。
その目はすぐに閉じられてしまいましたが、なんの感情も見られない虚な瞳を、私は生涯忘れる事は出来ないと思いました。
隣の卵部屋は思ったより小さくて、大体20畳くらいの広さです。
そこに、スーパーの陳列棚に似た棚に、大きな卵が綺麗に並べられて、何の卵なのか分かる様に名前の札まで付けられています。
卵を温めている様子がないので、唯のコレクションかと思ったいたら、こちらでは魔力を与えれば卵を孵すことが出来るのだそうで。アレクさんは「魔素湖の水槽は、卵を孵す為に使われて居る様だな」と言っています。
たしかに此方の技術力なら、クローンよりも人工孵化の方が納得できます。
「でも魔獣を孵してどうするの?普通に危ないでしょ?」
「使役目的だろう。前にダンプティーの話をしたのを覚えているか?」
「ええ・・そうか卵から世話をすると人に懐くって」
ヨルムガンドの解説にも載ってましたね。
「ダンプティーの様に魔獣も使役出来れば役に立つ。弱い魔獣なら人の魔力でも卵を孵すことが出来るが、ドラゴンや、バジリスクなどは、人の魔力で如何にか出来る物ではないから、魔素水を利用したのだろう。まぁ、あれらはどれだけ懐こうと、危険な事には変わりは無いのだが・・・・此処にもドラゴンの卵があるな・・・」
ドラゴンの卵は一つだけでしたが、他の卵とは扱いが別格で、豪華なクッションの上に載せられています。
その卵は、青みがかったオパールの様にキラキラと輝いて、殻自体が宝石の様です。
アレクさんにお願いして、ドラゴンの卵を持たせてもらうと、ほんのり暖かくて、この卵が生きて居ることが感じられました。
「ドラゴンって大昔に居なくなったって聞いたけど、なんで卵があるのかな?」
「さあな。ドラゴンが消えた理由も分からんからな。入手方法となると更に分からん」
「地底から持ってきたのかもな」
「地底?・・・魔族か?」
「頻繁じゃねぇけど、一応交易はあるだろ?神殿の奴等なら、裏で取引できたんじゃねぇか?」
「ふむ・・・」
「通関で引っ掛かりませんか?」
「荷物の全てを調べられる訳では無いからな。無いとは言い切れん。それにドラゴンの卵の売買を禁じてはいないのだから、違法とも言えん」
「そりゃあ、地上から消えちまって残ってないと思われてたんだから、禁止もクソもねぇわな」
「ねえアレク。この卵、ここに置いて帰って良いの?」
何かが有るとも思えませんが、ドラゴンの卵の存在を知ってしまうと、置いて帰るのは心許ない気がします。
「そうだな・・・ドラゴンの卵は持って帰ったほうが良いだろうな」
アレクさんに、卵を持っているように言われて、卵を大事に抱え込むと最初に触れた時よりも、暖かさが増した様な気がします。
「まだ通路の先に部屋がありそうだな。一通り確認しよう」
アレクさんに促され、残りの部屋を確認してみましたが、空の水槽や、薬草の保管庫、此処で働いていた神官達の無駄に豪華な休憩所があるだけでした。
ロロシュさんに “ちびっ子と呼ぶな“ と生意気なことまで言ってしまいましたが、彼の優しさに、私は感謝するべきだったのです。
この時の私はそれにも気付かず、アレクさんにコアラの様に引っ付いたまま奥の部屋に向かったのです。
ロロシュさんは、閉ざされた扉を開けることを最後まで躊躇って居ました.
「いつまでウジウジして居るのですか?さっさと扉を開けなさい」とマークさんのドヤされて、ロロシュさんは渋々魔力を流して、ドアの鍵を開けてくれました。
開かれた扉の中に入った瞬間、アレクさんの体がカッと熱くなり、噛み締めた歯の間から唸り声が漏れて居ます。
「・・・うそ・・」
「なんてことだ・・・」
「・・・・・奥はもっとひでぇぞ」
バスケットコート一面分くらいの部屋の中には、地底湖の周りに置かれていた物と似た作りの水槽が3.40個びっしりと並べられています。
水槽の中には人が入れられて、魔素水でしょうか、液体の中でユラユラと揺れて居ました。
「人・・・で良いのですよね?」
全員の心を、マークさんが代弁してくれましたが、その声は震えて居ました。
「人だと思いてぇが、今のこれを人って呼んで良いのか、オレには分からねぇよ」
吐き捨てるようなロロシュさんの言葉に、マークさんは黙り込んでしまいました。
地底湖の魔物が入った水槽は透き通っていて、魔素水だけが入って居る様でしたが、こちらの水槽は違います。
瘴気が混ざり込んで、黒く渦を巻いています。
この水槽に入れられた人達は、前の部屋の記録にあった、魔薬の実験体にされた人達なのでしょうか。
だとすれば、麻薬の実験体にされ、自我を奪われた上に、魔物から抽出した瘴気を注がれた事になります。
瘴気を注がれた人達の姿は、人と言うより、魔物の体を移植したかの様です。
グリフォンの体に人の顔、サハギンの腕、腕の代わりにワイバーンの翼が生えてる人も居ます。
これが奥に行くともっと酷くなるの?
「オレはよ。神殿奴らが獣人を嫌ってることは分かってんだ。だからこんな実験に使われたのは獣人かと思ったんだが、ここに居るのは全員人族だぜ?同じ人族同士で、何がしてぇのか、さっぱり分かんねぇんだよ」
それはみんな同じだと思う。
逆にこれを理解出来たら、人として終わって居ると思います。
「これも、アガスの指示なのでしょうか?」
「さあな。・・・ただ10年やそこらで、これだけの施設を作れたとは思えん。ジルベールは魔薬の犠牲になったが、あの頃アガスはまだ下っ端のはずだ。この施設はかなり昔からあったと考えるべきだな」
「その辺りは、実験記録を調べれば分かんだろ?」
「そうですね・・・」
考え込むマークさんを、気遣わしげに見つめて居たロロシュさんが振り向いて、私に真剣な眼差しを向けてきました。
「愛し子様よ。あんたこれを癒せるのか?」
ロロシュさんは、嫌味を言った訳ではありません。
事実確認をしたかっただけだと思います。
この人達に浄化と治癒を施せば、生きながらえさせる事はできるかもしれない。
でも、浄化して体を元に戻せたとしても、彼らの精神は?
私は神様じゃない・・・何もかも全てを癒し救う事は出来ない。
けど、・・・諦めたく無い。
助けられる可能性があるなら、力を尽くしたいと思うのは、私の自己満足なのでしょうか?
「ロロシュ。この者達の処遇を決めるのはレンじゃない。魔素湖やここの技術も含め重要度、危険性、どれを取っても秘匿性が高過ぎる。俺の一存で許可は出来ない。陛下の御裁可が必要だ」
「・・・了解」
「レンもいいな?」
「はい」
この場所で神官達が行って居た事は、国の根幹を揺るがしかねない悪行です。
ここで行われて居たことに憤って居るのはアレクさんも同じ。
いえ、誰よりも怒りを感じているのはアレクさんだと思います。
それでも、指揮官として冷静な判断を下す事の出来る彼を尊敬します。
感情だけで動こうとする、自分が恥ずかしいです。
「ロロシュ。シッチンはどうした?」
「あ? あいつは卵を調べさせてる」
ここに居ても、今は出来ることも無いので、隣の卵を集めた部屋に移動する事になりました。
踵を返したアレクさんに抱かれたまま、水槽の前を通り過ぎようとした時、ゴボッ と空気を吐き出す音が聞こえて、そちらに目を向けると、こちらを見ている真っ赤な瞳と目が合いました。
その目はすぐに閉じられてしまいましたが、なんの感情も見られない虚な瞳を、私は生涯忘れる事は出来ないと思いました。
隣の卵部屋は思ったより小さくて、大体20畳くらいの広さです。
そこに、スーパーの陳列棚に似た棚に、大きな卵が綺麗に並べられて、何の卵なのか分かる様に名前の札まで付けられています。
卵を温めている様子がないので、唯のコレクションかと思ったいたら、こちらでは魔力を与えれば卵を孵すことが出来るのだそうで。アレクさんは「魔素湖の水槽は、卵を孵す為に使われて居る様だな」と言っています。
たしかに此方の技術力なら、クローンよりも人工孵化の方が納得できます。
「でも魔獣を孵してどうするの?普通に危ないでしょ?」
「使役目的だろう。前にダンプティーの話をしたのを覚えているか?」
「ええ・・そうか卵から世話をすると人に懐くって」
ヨルムガンドの解説にも載ってましたね。
「ダンプティーの様に魔獣も使役出来れば役に立つ。弱い魔獣なら人の魔力でも卵を孵すことが出来るが、ドラゴンや、バジリスクなどは、人の魔力で如何にか出来る物ではないから、魔素水を利用したのだろう。まぁ、あれらはどれだけ懐こうと、危険な事には変わりは無いのだが・・・・此処にもドラゴンの卵があるな・・・」
ドラゴンの卵は一つだけでしたが、他の卵とは扱いが別格で、豪華なクッションの上に載せられています。
その卵は、青みがかったオパールの様にキラキラと輝いて、殻自体が宝石の様です。
アレクさんにお願いして、ドラゴンの卵を持たせてもらうと、ほんのり暖かくて、この卵が生きて居ることが感じられました。
「ドラゴンって大昔に居なくなったって聞いたけど、なんで卵があるのかな?」
「さあな。ドラゴンが消えた理由も分からんからな。入手方法となると更に分からん」
「地底から持ってきたのかもな」
「地底?・・・魔族か?」
「頻繁じゃねぇけど、一応交易はあるだろ?神殿の奴等なら、裏で取引できたんじゃねぇか?」
「ふむ・・・」
「通関で引っ掛かりませんか?」
「荷物の全てを調べられる訳では無いからな。無いとは言い切れん。それにドラゴンの卵の売買を禁じてはいないのだから、違法とも言えん」
「そりゃあ、地上から消えちまって残ってないと思われてたんだから、禁止もクソもねぇわな」
「ねえアレク。この卵、ここに置いて帰って良いの?」
何かが有るとも思えませんが、ドラゴンの卵の存在を知ってしまうと、置いて帰るのは心許ない気がします。
「そうだな・・・ドラゴンの卵は持って帰ったほうが良いだろうな」
アレクさんに、卵を持っているように言われて、卵を大事に抱え込むと最初に触れた時よりも、暖かさが増した様な気がします。
「まだ通路の先に部屋がありそうだな。一通り確認しよう」
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