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紫藤 蓮(シトウ レン)
イマミアの祠
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ブルークラブが棲息して居るのは、端から端までが500メートルぐらいの小さな入江の浜です。
こんな小さな浜で大きさがプレハブ小屋程もあるブルークラブが、異常繁殖したと言うのですから、討伐前はこの浜にギッチリみっちり巨大ガニが犇めいていたのでしょうか?
あまり想像したくない絵面です。
つい何日か前に討伐があった割に、浜が荒れている様子はなくて不思議です。
「ブルークラブは高級食材で、殻も素材になると教えただろう?討伐されたブルークラブは、もげた脚も含め全て氷結して、回収済みだな」
「氷結魔法・・・カニは痛みやすいですからね」
って、呑気な会話をしていますが、甲羅干し中のピンクドットのブルークラブが、たまに目や触覚を動かしてますけど?
あれ、こっちに気づいていませんか?
海洋生物の魔物は初めてですが、この巨大ガニからはなんの感情も伝わって来ません。
陸地の魔物からは、頭が痛くなるくらい色々な感情が流れ込んでくるのですが・・。
ブルークラブから伝わってくるのは完全な無です。これって元になる生物と、ある程度意思疎通が出来るかどうかも関係しているのでしょうか?
そう言えば、タマスの蜘蛛とかケブラーの蜂の魔物など、昆虫系の魔物からは何も声が聞こえませんでした。
食欲の塊みたいな気配はビシビシ感じていましたが・・・。
生態系の違いなのかな?
もし、もしもの話ですが、あの声が瘴気に侵され、魔物に変わる事に抗う声だとしたら、抗わなかった生き物達はどうなるのかしら?
このカニみたいに、なんの声も聞こえなくなるのかな?
生き物達が、別の生き物に変質していく事を拒まなかったら?人の進化にミッシングリングがある様に、突然変異種として、新たな生物として定着してしまうのでしょうか?
・・・あ~もう!やめやめっ!!
どうして私は、こう余計なことばかり考えちゃうんだろう。
この前もアレクさんに心配かけて、ギデオンの話なんかで嫌な思いさせちゃったのに。
反省しなくちゃダメでしょ!?
目の前の事に集中しなくちゃ!!
無駄に回る思考を頭の中でパッパと手で払って、思考の波に飲まれないように、目の前でヒラヒラするマントを手で摑まえると、その持ち主がチラッと私を見下ろして、頭をポンポンしてくれました。
アレクさんのこういうとこ好き。
でも、際限なく甘えたくなるから、お外では止めて頂きたいです。
私が益体もない事を、ウダウダ考えている間に、浜の反対側にある、洞窟の前に着きました。
みんなが乗ってきたブルーベルちゃん達エンラは、見張りの人と一緒に浜の入り口で待機しています。浜に入ってからも一定間隔で見張りの人が残って、洞窟の入り口にロロシュさんを入れた4人が見張りに立って。
洞窟の中には私とアレクさん、マークさんとあと2名の団員さんの、5名で入る事になりました。
「洞窟の中は、足場が悪そうだから、自分で歩きますね?」
「何を言っている?足場が悪いのだから、君は歩いちゃダメだろう?」
「いえ。抱っこしてたら手が使えないでしょ?転んだら危ないですよ?」
「そうだな。転ぶと危ないから、俺が抱えていこうな?」
「???」
どうしましょう、話が噛み合いません。
助けを求めて、マークさんを見たら、苦笑しながら首を横に振られたので、諦めてアレクさんの好きにさせろって事なんですね?
だけど私、結構身体能力高めですよ?
アウラ様のバフがえげつない事になっていますよ?
アレクさん気付いて!
そんな私の思いも虚しく、初めての洞窟探検もやっぱり抱っこ移動で決まりです。
今日の朝起きてから、100歩も歩いていないんじゃないでしょうか。
「しっかり掴まっていろよ?」
そう言われて、半ばヤケクソでアレクさんの首にしがみつくと、この話の通じない虎は嬉しそうに、グルルと喉を鳴らしています。
洞窟の中は薄暗く、奥の方からサラサラと音を立てて水が流れてきます。
この洞窟は、海水の侵食でできたのではなく地下水の出口になっている様です。
奥に行くにつれ外の光が弱まって、足場も見えにくくなって来ました。
するとマークさんが、光の玉をいくつか天井近くに浮かべてくれたので、中の様子が良く見えるようになりました。
洞窟の中は思ったよりも広くて、高さは4tトラックが楽に通れるくらい、幅は二車線道路くらいの広さです。
私の勝手な思い込みですが、海岸の岩場にはフナムシが絨毯みたいにいっぱいるイメージだったけれど、この洞窟には生き物の気配が全くありません。
それは、この地下水の川が原因でしょうか?
足元を流れる地下水の川はそれほど深くはないですが、薄らと瘴気が渦を巻いているのが見えます。
「アレクさん、薄いけど水に瘴気が混じってます。あまり触れないように気を付けてね」
「わかった」
そう答えたアレクさんは、私を左腕に抱えたままで、でこぼこした洞窟の岩場を、危なげなくスタスタと進んでいきます。
暫く進むと、洞窟は行き止まりになりました。
行き止まりの岩の間。アレクさんの頭より少し上の辺りから、地下水が滝になって流れ落ちて、その滝壺はかなり深そうです。
流れ落ちる滝の脇にあるのが問題の祭壇の様です。
祭壇は簡素な教机の上に蓋の閉まった厨子に似た箱が置かれています。
厨子の蓋は閉められていますが、厨子の前には、小型の動物の死骸が置かれていました。
お供物にしては、悪趣味過ぎます。
「アレクさん降ろして?」
「いや。しかし・・」
「ここからはダメです。アレクさん達はこれ以上、あれに近寄らないでください」
厨子を指さすとアレクさんは、鼻の頭に皺を寄せました。
「・・・・分かった」
「マークさん? 念の為、防護結界を張って下さいね?」
「了解しました」
渋々下に下ろされた私は、マークさんが結界を張るのを見てから、祭壇に近づいて行きました。
私が近づくに連れ、厨子の周りの瘴気の揺らめきが、はっきり見えるようになって行き、後ろで見守ってくれている、4人が緊張していくのがわかります。
厨子の前に立つと、滝の流れが良く見えます。この祭壇と厨子は、滝を竜神に見立ててお祀りする祠の様です。
祝福と浄化を二重に掛け、厨子の蓋に手を伸ばすと、蓋に触れた途端、バチッ!火花が散って手が弾かれてしまいました。
アレクさん達の、息を呑む音が聞こえて来ました。
けれど、この程度で諦めると思ったら大間違いです。日本のOLの我慢強さを、舐めてもらっては困ります。
今度は小さく火花を散らす厨子に手をかざし、厨子に向かって右手で浄化を、左手で祝福をかけて行きました。
浄化に抗うように瘴気が渦を巻き、バチバチと火花を散らして行きます。
押さえ込むのではなく、厨子から瘴気を引き剥がすイメージで浄化をかけ続けると、バチン!!と大きな音を立て、厨子の扉が開きました。
厨子の中に入れられていたのは、魔法陣が描かれたお札が一枚。
恐る恐るお札を手に取ると、魔法陣に込められた魔力と一緒に瘴気が滝の中に吸い込まれて行きました。
「どこに行ったの?」
滝に近づき、瘴気が吸い込まれた場所に目を凝らすと、水の流れの中に何かが見えます。
この馴染みのある嫌な感覚は、あの滝の中に呪具がある証拠です。
「レン!!」
「まだです!! マークさん灯りを滝に近づけられますか?」
「はい!どこにしますか?」
「ちょうど真ん中あたりにお願いします」
マークさんが照らしてくれる灯りを頼りに、岩場に手を掛けて滝の中の呪具の処迄、滑らないように気をつけながら、登って行きました。
滝の飛沫であっという間に全身ずぶ濡れになりながら腕を伸ばし、浄化に抗う火花も無視して、岩の隙間に嵌め込まれた呪具を掴んで引き抜きました。
「やった!とれた」
手の中に収まった呪具に、目を向けた私は、目にしたものが信じられず、呪具に気を取られてしまいました。
そのせいで、私を呼ぶアレクさんの声に気付いた時には、滝壺から這い出したブルークラブの甲羅が、目の前で壁のように聳り立っていたのでした。
こんな小さな浜で大きさがプレハブ小屋程もあるブルークラブが、異常繁殖したと言うのですから、討伐前はこの浜にギッチリみっちり巨大ガニが犇めいていたのでしょうか?
あまり想像したくない絵面です。
つい何日か前に討伐があった割に、浜が荒れている様子はなくて不思議です。
「ブルークラブは高級食材で、殻も素材になると教えただろう?討伐されたブルークラブは、もげた脚も含め全て氷結して、回収済みだな」
「氷結魔法・・・カニは痛みやすいですからね」
って、呑気な会話をしていますが、甲羅干し中のピンクドットのブルークラブが、たまに目や触覚を動かしてますけど?
あれ、こっちに気づいていませんか?
海洋生物の魔物は初めてですが、この巨大ガニからはなんの感情も伝わって来ません。
陸地の魔物からは、頭が痛くなるくらい色々な感情が流れ込んでくるのですが・・。
ブルークラブから伝わってくるのは完全な無です。これって元になる生物と、ある程度意思疎通が出来るかどうかも関係しているのでしょうか?
そう言えば、タマスの蜘蛛とかケブラーの蜂の魔物など、昆虫系の魔物からは何も声が聞こえませんでした。
食欲の塊みたいな気配はビシビシ感じていましたが・・・。
生態系の違いなのかな?
もし、もしもの話ですが、あの声が瘴気に侵され、魔物に変わる事に抗う声だとしたら、抗わなかった生き物達はどうなるのかしら?
このカニみたいに、なんの声も聞こえなくなるのかな?
生き物達が、別の生き物に変質していく事を拒まなかったら?人の進化にミッシングリングがある様に、突然変異種として、新たな生物として定着してしまうのでしょうか?
・・・あ~もう!やめやめっ!!
どうして私は、こう余計なことばかり考えちゃうんだろう。
この前もアレクさんに心配かけて、ギデオンの話なんかで嫌な思いさせちゃったのに。
反省しなくちゃダメでしょ!?
目の前の事に集中しなくちゃ!!
無駄に回る思考を頭の中でパッパと手で払って、思考の波に飲まれないように、目の前でヒラヒラするマントを手で摑まえると、その持ち主がチラッと私を見下ろして、頭をポンポンしてくれました。
アレクさんのこういうとこ好き。
でも、際限なく甘えたくなるから、お外では止めて頂きたいです。
私が益体もない事を、ウダウダ考えている間に、浜の反対側にある、洞窟の前に着きました。
みんなが乗ってきたブルーベルちゃん達エンラは、見張りの人と一緒に浜の入り口で待機しています。浜に入ってからも一定間隔で見張りの人が残って、洞窟の入り口にロロシュさんを入れた4人が見張りに立って。
洞窟の中には私とアレクさん、マークさんとあと2名の団員さんの、5名で入る事になりました。
「洞窟の中は、足場が悪そうだから、自分で歩きますね?」
「何を言っている?足場が悪いのだから、君は歩いちゃダメだろう?」
「いえ。抱っこしてたら手が使えないでしょ?転んだら危ないですよ?」
「そうだな。転ぶと危ないから、俺が抱えていこうな?」
「???」
どうしましょう、話が噛み合いません。
助けを求めて、マークさんを見たら、苦笑しながら首を横に振られたので、諦めてアレクさんの好きにさせろって事なんですね?
だけど私、結構身体能力高めですよ?
アウラ様のバフがえげつない事になっていますよ?
アレクさん気付いて!
そんな私の思いも虚しく、初めての洞窟探検もやっぱり抱っこ移動で決まりです。
今日の朝起きてから、100歩も歩いていないんじゃないでしょうか。
「しっかり掴まっていろよ?」
そう言われて、半ばヤケクソでアレクさんの首にしがみつくと、この話の通じない虎は嬉しそうに、グルルと喉を鳴らしています。
洞窟の中は薄暗く、奥の方からサラサラと音を立てて水が流れてきます。
この洞窟は、海水の侵食でできたのではなく地下水の出口になっている様です。
奥に行くにつれ外の光が弱まって、足場も見えにくくなって来ました。
するとマークさんが、光の玉をいくつか天井近くに浮かべてくれたので、中の様子が良く見えるようになりました。
洞窟の中は思ったよりも広くて、高さは4tトラックが楽に通れるくらい、幅は二車線道路くらいの広さです。
私の勝手な思い込みですが、海岸の岩場にはフナムシが絨毯みたいにいっぱいるイメージだったけれど、この洞窟には生き物の気配が全くありません。
それは、この地下水の川が原因でしょうか?
足元を流れる地下水の川はそれほど深くはないですが、薄らと瘴気が渦を巻いているのが見えます。
「アレクさん、薄いけど水に瘴気が混じってます。あまり触れないように気を付けてね」
「わかった」
そう答えたアレクさんは、私を左腕に抱えたままで、でこぼこした洞窟の岩場を、危なげなくスタスタと進んでいきます。
暫く進むと、洞窟は行き止まりになりました。
行き止まりの岩の間。アレクさんの頭より少し上の辺りから、地下水が滝になって流れ落ちて、その滝壺はかなり深そうです。
流れ落ちる滝の脇にあるのが問題の祭壇の様です。
祭壇は簡素な教机の上に蓋の閉まった厨子に似た箱が置かれています。
厨子の蓋は閉められていますが、厨子の前には、小型の動物の死骸が置かれていました。
お供物にしては、悪趣味過ぎます。
「アレクさん降ろして?」
「いや。しかし・・」
「ここからはダメです。アレクさん達はこれ以上、あれに近寄らないでください」
厨子を指さすとアレクさんは、鼻の頭に皺を寄せました。
「・・・・分かった」
「マークさん? 念の為、防護結界を張って下さいね?」
「了解しました」
渋々下に下ろされた私は、マークさんが結界を張るのを見てから、祭壇に近づいて行きました。
私が近づくに連れ、厨子の周りの瘴気の揺らめきが、はっきり見えるようになって行き、後ろで見守ってくれている、4人が緊張していくのがわかります。
厨子の前に立つと、滝の流れが良く見えます。この祭壇と厨子は、滝を竜神に見立ててお祀りする祠の様です。
祝福と浄化を二重に掛け、厨子の蓋に手を伸ばすと、蓋に触れた途端、バチッ!火花が散って手が弾かれてしまいました。
アレクさん達の、息を呑む音が聞こえて来ました。
けれど、この程度で諦めると思ったら大間違いです。日本のOLの我慢強さを、舐めてもらっては困ります。
今度は小さく火花を散らす厨子に手をかざし、厨子に向かって右手で浄化を、左手で祝福をかけて行きました。
浄化に抗うように瘴気が渦を巻き、バチバチと火花を散らして行きます。
押さえ込むのではなく、厨子から瘴気を引き剥がすイメージで浄化をかけ続けると、バチン!!と大きな音を立て、厨子の扉が開きました。
厨子の中に入れられていたのは、魔法陣が描かれたお札が一枚。
恐る恐るお札を手に取ると、魔法陣に込められた魔力と一緒に瘴気が滝の中に吸い込まれて行きました。
「どこに行ったの?」
滝に近づき、瘴気が吸い込まれた場所に目を凝らすと、水の流れの中に何かが見えます。
この馴染みのある嫌な感覚は、あの滝の中に呪具がある証拠です。
「レン!!」
「まだです!! マークさん灯りを滝に近づけられますか?」
「はい!どこにしますか?」
「ちょうど真ん中あたりにお願いします」
マークさんが照らしてくれる灯りを頼りに、岩場に手を掛けて滝の中の呪具の処迄、滑らないように気をつけながら、登って行きました。
滝の飛沫であっという間に全身ずぶ濡れになりながら腕を伸ばし、浄化に抗う火花も無視して、岩の隙間に嵌め込まれた呪具を掴んで引き抜きました。
「やった!とれた」
手の中に収まった呪具に、目を向けた私は、目にしたものが信じられず、呪具に気を取られてしまいました。
そのせいで、私を呼ぶアレクさんの声に気付いた時には、滝壺から這い出したブルークラブの甲羅が、目の前で壁のように聳り立っていたのでした。
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