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紫藤 蓮(シトウ レン)
巡る思考
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必ず約束は守る、と誓っては居ますが、今の所手掛かりらしい物は、クレイオス様の鱗だけ。
タマスの泉を浄化している時、 “クレイオスが近くに居る!!” と頭の中にアウラ様の声が直接響いて、あの鱗を見つけることが出来ました。
ただ、クレイオス様の像の口の中から鱗を引っ張り出した時、アウラ様の悲痛な叫びが聞こえました。
あんな絶望に満ちた悲しい声を、私は他に聞いたことが有りません。
あれから何度も、ボイチャでアウラ様を呼んでいますが、いまだ応答は無く・・・・。
人である私が、神であるアウラ様を心配するなど、烏滸がましいとは思います。
でも、あんなに悲しい叫びをあげたアウラ様を、心配せずにいられるでしょうか。
どんなに辛いことがあっても、私にはアレクさんが居てくれます。
アレクさんが側に居てくれる。
ただそれだけで、どれ程励まされ慰められているか、言葉で言い表すことが出来ない程です。
それに第2騎士団の人達、皇家の方々、柘榴宮の人達。本当に多くの人達に私は支えられているのです。
でもアウラ様は?
一番側に居てほしいクレイオス様を奪われたアウラ様を誰が励まし、お慰めするのでしょう。
アウラ様のお庭で、遠くの方に天使が飛んでいるのが見えました。
あの天使様達が、アウラ様のことを慰めてくれていると良いのですが・・・。
こんな事考えるなんて、其れこそ烏滸がましく出過ぎた真似かもしれませんね。
浄化ができた4枚の鱗は、柘榴宮の一室でアウラ様の像と共に祀って有ります。
僅かでも良い、アウラ様とクレイオス様の慰めになって居るでしょうか。
「レン?」
「あっアレク。お帰りなさい」
アレクさんは私を抱き上げると、額にキスをくれました。
あんなに恥ずかしかったのに、今はアレクさんのキスでホッとしている自分に驚きです。
「こんな所でどうしたんだ?体が冷えてしまうぞ」
「アウラ様とクレイオス様の事を考えていて」
「それで、あんな悲しげな歌を歌ってたのか?」
「聞いてたんですか?」
「君の声はよく通る。それに俺は耳が良いからな」
そんな大声で歌ってたのでしょうか。
次からは、バルコニーじゃなくて、部屋の中で一人カラオケにしないと。
「恥ずかしがることはない、異界の言葉は分からないが、胸に沁みるような歌だった。どんな意味の歌なんだ?」
「恋歌なんです。遠く離れた愛しい人を想って、川の流れに自分の心を届けてくれるように願う歌詞なんですよ?」
「・・・俺はレンのそばを離れないから」
「じゃあ私はアレクにずっとくっ付いてますね?」
「そうしてくれ」
アレクさんの腕の中はあったかくて、すごく安心できる。
こうやって、アレクさんが甘やかしてくれるから、故郷を離れた寂しさも、浄化の辛さも我慢できる。
討伐される、魔物の多くは瘴気の所為で、魔物に変えられてしまった生き物達。
魔物達から、瘴気に穢され苦しんで助けを求める声が聞こえる。
なんて言ったら、アレクさん困るだろうな。
彼らは元は生きた動物だから、浄化すれば元の姿に戻れる子達も居る。
だけど、瘴気に心まで蝕まれた子達は、元の姿に戻ることは出来ない。
怒り、悲しみ、怨みそんな負の感情に支配され、本当の魔物になってしまうから。
だから、そんな子達は浄化しても、心と魂を解放してあげることしか、私には出来ない。
人型の魔物や瘴気溜まりから産まれた魔物は、死んだ者達の思念の塊。
痛い怖い死にたくない、なんで自分が死なないといけないんだ。
そんな人の思念が集まって、瘴気が内包する怨念と言えるほどの負の感情と、世界に満ちた魔力が寄り合わさって生まれてくる魔物達。
祟り神と似てると思う。
だから私は、歌と踊りを奉納して、怒りを鎮め弔って魂を解放する。
何も知らなかった時は、歌と踊りなんて巫山戯たスキルだと思ったけど、ちゃんと意味はありました。
騎士団の皆んなは、命懸けで魔物と戦っています。そんな人達に可哀想だから、魔物を傷つけないで。なんて言う事なんて出来ません。
魔物がどんなに哀れな存在だとしても、人々を苦しめる限り、互いが相容れる事はないのだから。
これらの事は、討伐に参加して魔物と関わり、実際に瘴気に触れて知ったことばかりです。
瘴気は元から、この世界にあった物です。
人だとか動物だとかは関係なく、生きて居る限り、負の感情は生まれます。
植物も葉っぱを食べられたら痛みを感じるし、相手を恨むかもしれない。
動物も捕食されたら恐怖を感じるでしょう。
それが積もれば、瘴気になる。
それは自然の摂理だから、以前は自然の中に帰って行けた。
でも今は違う。
人が持つ強い感情が瘴気をより強く濃くして、世界に留まらせてしまって居るのだと思う。
“瘴気はね。負の感情が凝った物。その負の感情を最も多く生み出すのは人だ。誰かを蔑んで貶めるのも人。争いを好み戦を起こして多くの命を奪うのも人だ。そのせいで瘴気が絶える事もない。人が脆弱なのは体だけじゃない、精神も脆弱だ。愛よりも負の感情を懐きやすい” そうアウラ様は仰った。
だとしたら、ギデオン帝はやり過ぎた。
侵略戦争で多くの命を奪い、圧政を強いて人々を苦しめ、今もまだギデオンの残した傷の多くは癒えていない。
ギデオンは怖くなかったのかな、戦争で怨みを買い、守るべき民を虐げ、自分の身内をも傷つけ壊して、わざわざ怨みを買うようなことばかりして。
人としての感情が無いみたいに・・・・。
わざわざ?
人の感情がない?
まさかね・・・いくら何でも考え過ぎ。
でも・・・
「俺の番は、可愛らしい頭で何をそんなに考え込んでるんだ?」
「えっ?・・・あっごめんなさい」
考え過ぎて、アレクさんを放置してしまいました。
世界最強のイケメンが拗ねてます。
それを可愛いとか思っちゃう私も、大概ですよね?
「謝らなくていい。ただ君が一人で悩んでいるようで心配になっただけだ」
「ちょっと、嫌なことを思いついちゃって」
「嫌なこと?俺に話したくない?」
「そんなことは無いけど、考えが飛躍し過ぎて突拍子もないというか、単なる想像なので」
「・・・・俺以外の何が、番の心を独占して居るのか聞きたいな」
ひぃーー!
怖い怖い怖い!!
手指の一本一本に、キスしてくるなんて甘々な事してるくせに、目がマジです。
瞳孔開いてますよ?
思考にまで嫉妬するんですか?
このイケメンはッ!?
「・・・大した話しじゃ無いけどいいの?」
「君の事ならなんでも知りたい」
クゥーーッ。
この人絶対分かってやってる
瞳孔は開いてるけど。
私が、その甘えたな顔に弱いの知っててやってるでしょ!
結局、イケメンの破壊力に負けた私は、ギデオン帝の行いについて、思いついたことを話すことにしました。
ギデオン帝は、アレクさんにとって辛い思い出なので、あまり話したくはなかったのですが、言葉に詰まると、急かすでもなく穏やかに先を促され、気付けば想像したことを洗いざらい話していたのです。
単に思いついただけの話しを、アレクさんは一笑に付したっていいはずなのに、とても真剣に聞いてくれたのでした。
タマスの泉を浄化している時、 “クレイオスが近くに居る!!” と頭の中にアウラ様の声が直接響いて、あの鱗を見つけることが出来ました。
ただ、クレイオス様の像の口の中から鱗を引っ張り出した時、アウラ様の悲痛な叫びが聞こえました。
あんな絶望に満ちた悲しい声を、私は他に聞いたことが有りません。
あれから何度も、ボイチャでアウラ様を呼んでいますが、いまだ応答は無く・・・・。
人である私が、神であるアウラ様を心配するなど、烏滸がましいとは思います。
でも、あんなに悲しい叫びをあげたアウラ様を、心配せずにいられるでしょうか。
どんなに辛いことがあっても、私にはアレクさんが居てくれます。
アレクさんが側に居てくれる。
ただそれだけで、どれ程励まされ慰められているか、言葉で言い表すことが出来ない程です。
それに第2騎士団の人達、皇家の方々、柘榴宮の人達。本当に多くの人達に私は支えられているのです。
でもアウラ様は?
一番側に居てほしいクレイオス様を奪われたアウラ様を誰が励まし、お慰めするのでしょう。
アウラ様のお庭で、遠くの方に天使が飛んでいるのが見えました。
あの天使様達が、アウラ様のことを慰めてくれていると良いのですが・・・。
こんな事考えるなんて、其れこそ烏滸がましく出過ぎた真似かもしれませんね。
浄化ができた4枚の鱗は、柘榴宮の一室でアウラ様の像と共に祀って有ります。
僅かでも良い、アウラ様とクレイオス様の慰めになって居るでしょうか。
「レン?」
「あっアレク。お帰りなさい」
アレクさんは私を抱き上げると、額にキスをくれました。
あんなに恥ずかしかったのに、今はアレクさんのキスでホッとしている自分に驚きです。
「こんな所でどうしたんだ?体が冷えてしまうぞ」
「アウラ様とクレイオス様の事を考えていて」
「それで、あんな悲しげな歌を歌ってたのか?」
「聞いてたんですか?」
「君の声はよく通る。それに俺は耳が良いからな」
そんな大声で歌ってたのでしょうか。
次からは、バルコニーじゃなくて、部屋の中で一人カラオケにしないと。
「恥ずかしがることはない、異界の言葉は分からないが、胸に沁みるような歌だった。どんな意味の歌なんだ?」
「恋歌なんです。遠く離れた愛しい人を想って、川の流れに自分の心を届けてくれるように願う歌詞なんですよ?」
「・・・俺はレンのそばを離れないから」
「じゃあ私はアレクにずっとくっ付いてますね?」
「そうしてくれ」
アレクさんの腕の中はあったかくて、すごく安心できる。
こうやって、アレクさんが甘やかしてくれるから、故郷を離れた寂しさも、浄化の辛さも我慢できる。
討伐される、魔物の多くは瘴気の所為で、魔物に変えられてしまった生き物達。
魔物達から、瘴気に穢され苦しんで助けを求める声が聞こえる。
なんて言ったら、アレクさん困るだろうな。
彼らは元は生きた動物だから、浄化すれば元の姿に戻れる子達も居る。
だけど、瘴気に心まで蝕まれた子達は、元の姿に戻ることは出来ない。
怒り、悲しみ、怨みそんな負の感情に支配され、本当の魔物になってしまうから。
だから、そんな子達は浄化しても、心と魂を解放してあげることしか、私には出来ない。
人型の魔物や瘴気溜まりから産まれた魔物は、死んだ者達の思念の塊。
痛い怖い死にたくない、なんで自分が死なないといけないんだ。
そんな人の思念が集まって、瘴気が内包する怨念と言えるほどの負の感情と、世界に満ちた魔力が寄り合わさって生まれてくる魔物達。
祟り神と似てると思う。
だから私は、歌と踊りを奉納して、怒りを鎮め弔って魂を解放する。
何も知らなかった時は、歌と踊りなんて巫山戯たスキルだと思ったけど、ちゃんと意味はありました。
騎士団の皆んなは、命懸けで魔物と戦っています。そんな人達に可哀想だから、魔物を傷つけないで。なんて言う事なんて出来ません。
魔物がどんなに哀れな存在だとしても、人々を苦しめる限り、互いが相容れる事はないのだから。
これらの事は、討伐に参加して魔物と関わり、実際に瘴気に触れて知ったことばかりです。
瘴気は元から、この世界にあった物です。
人だとか動物だとかは関係なく、生きて居る限り、負の感情は生まれます。
植物も葉っぱを食べられたら痛みを感じるし、相手を恨むかもしれない。
動物も捕食されたら恐怖を感じるでしょう。
それが積もれば、瘴気になる。
それは自然の摂理だから、以前は自然の中に帰って行けた。
でも今は違う。
人が持つ強い感情が瘴気をより強く濃くして、世界に留まらせてしまって居るのだと思う。
“瘴気はね。負の感情が凝った物。その負の感情を最も多く生み出すのは人だ。誰かを蔑んで貶めるのも人。争いを好み戦を起こして多くの命を奪うのも人だ。そのせいで瘴気が絶える事もない。人が脆弱なのは体だけじゃない、精神も脆弱だ。愛よりも負の感情を懐きやすい” そうアウラ様は仰った。
だとしたら、ギデオン帝はやり過ぎた。
侵略戦争で多くの命を奪い、圧政を強いて人々を苦しめ、今もまだギデオンの残した傷の多くは癒えていない。
ギデオンは怖くなかったのかな、戦争で怨みを買い、守るべき民を虐げ、自分の身内をも傷つけ壊して、わざわざ怨みを買うようなことばかりして。
人としての感情が無いみたいに・・・・。
わざわざ?
人の感情がない?
まさかね・・・いくら何でも考え過ぎ。
でも・・・
「俺の番は、可愛らしい頭で何をそんなに考え込んでるんだ?」
「えっ?・・・あっごめんなさい」
考え過ぎて、アレクさんを放置してしまいました。
世界最強のイケメンが拗ねてます。
それを可愛いとか思っちゃう私も、大概ですよね?
「謝らなくていい。ただ君が一人で悩んでいるようで心配になっただけだ」
「ちょっと、嫌なことを思いついちゃって」
「嫌なこと?俺に話したくない?」
「そんなことは無いけど、考えが飛躍し過ぎて突拍子もないというか、単なる想像なので」
「・・・・俺以外の何が、番の心を独占して居るのか聞きたいな」
ひぃーー!
怖い怖い怖い!!
手指の一本一本に、キスしてくるなんて甘々な事してるくせに、目がマジです。
瞳孔開いてますよ?
思考にまで嫉妬するんですか?
このイケメンはッ!?
「・・・大した話しじゃ無いけどいいの?」
「君の事ならなんでも知りたい」
クゥーーッ。
この人絶対分かってやってる
瞳孔は開いてるけど。
私が、その甘えたな顔に弱いの知っててやってるでしょ!
結局、イケメンの破壊力に負けた私は、ギデオン帝の行いについて、思いついたことを話すことにしました。
ギデオン帝は、アレクさんにとって辛い思い出なので、あまり話したくはなかったのですが、言葉に詰まると、急かすでもなく穏やかに先を促され、気付けば想像したことを洗いざらい話していたのです。
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