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アレクサンドル・クロムウェル
タマス平原/ 婚約式3
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神殿から皇宮迄のパレードは、恙なく終えることが出来た。
沿道に詰め掛けた民衆は、レンの姿に魅了され。余りの熱狂振りにレンは「どうしてこんな事に」と首を傾げていた。
俺もレンが招来されるまでは、愛し子の存在自体に懐疑的であったから、民衆がこれ程喜ぶとは思っていなかった。
「そんな捻くれた考え方すんのは、あんただけだ」とロロシュに言われてしまった。
俺が捻くれているのは事実だが、番相手に本心を隠そうとする奴にだけは、言われたくなかった。
式を終えたら、さっさと宮へ帰りレンを休ませるつもりで居たが、思いの外パレードに時間を取られてしまい、衣装替えをするレンは、あまり休むことが出来なかった。
浄化を終えたばかりで、体調も万全ではない状態で大丈夫だろうか?
その後のパーティーは、ひたすら挨拶と祝いの言葉を受け続け、誰が誰やら、分からなくなってしまった。
立場的に全くパーティに出ない訳には行かながったが、俺は社交には関心がなく、華やかな場での情報収集はマークに任せっぱなしだった。
若い頃には、見合い相手をエスコートした事もある。
しかし俺に怯え、会話もまともにできない相手とでは、一緒にいることが只々苦痛で、言い訳程度に一曲踊って、それっきりだった。
しかし、今夜の主役は一応俺達だ。
最初のダンスは俺とレンが踊らなければならない。
これ迄暇を見つけては、レンとダンスの練習をして来たのだが、レンは身体を鍛えているからか、ダンスも危なげなく習得していた。
ただ、大勢に注目されて踊ると云うのは、レンのような恥ずかしがり屋には、辛いものがあるようだ。
怒涛の挨拶ラッシュが、ひと段落した処で、皇帝の合図によって、会場に音楽が流れ始めた。
レンが今日一番恐れていた、ダンスタイムだ。
「緊張してるな?」
「緊張してます」
「心配しなくても、レンはダンスが上手だぞ?」
「でも、アレクさんの足踏んじゃったらどうしよう」
「君に踏まれるくらい、大した事はない。それより、折角踊りやすい服に着替えたんだ、皆に見せびらかしたらいい」
「そうなんですけど~」
レンは、白シャツに青灰色のネクタイを結び。裏地がガーネットの黒いテイルコートと異界のロングスカートという黒いヒラヒラした下履きに幅広のベルトを締めた、なんとも妖艶な姿になっている。
そんな妖艶な姿で、半べそで見上げられたら、俺の感情の処理能力がどうにかなりそうだ。
「なら、誰かの剣を借りて“弔舞”を踊ってもいいぞ?」
「流石に、そういう訳には・・」
「そうだなぁ腹黒い貴族達が浄化されて、誰も居なくなってしまうかもしれんな?」
「ふふふ、なにそれ」
ふむ、俺のつまらない冗談でも、笑ってくれるのか。緊張は解けたか?
「君は誰より美しい。だから自信を持て」
「アレクさんも素敵です」
ホールの中央に進んで向かい合い、音楽に合わせてステップを踏む。
最初は緊張が残っていたレンも、次第にリラックスし始め、段々楽しくなって来た様だ。
一度ターンする時に俺の歩幅が広くなり過ぎて、レンが倒れそうになってしまった。
リードするべき俺の失敗だ。
だがレンは、慌てて腰を引き寄せた俺の腕に身体を預け、グッと背を逸せてポーズを取った。
振り付けのフリをして、俺の失敗をカバーしてくれたのだ。
「すまない」
「なにがですか?」
こういう処なんだよな。
嬉しくなった俺はつい、いつもの調子でレンを持ち上げ、その場でクルクルと回ってしまった。
大変行儀の悪い行いだ。
しかしレンは、そんな事は全く気にした様子もなく、子供の様にキャッキャと喜んでいる。
それに気をよくした俺は、レンと三曲も続けて踊ってしまった。
これは更に行儀の悪い行いだ。
だがこんなに楽しいダンスは生まれて初めてなのだから、大目に見て欲しい。
三曲目を踊り終えたところで、見兼ねた皇帝が、レンにダンスを申し込み、本当に不本意だが嫌々レンを手放した。
すぐにレンを返してくれるだろうと思っていたのだが、考えが甘かった。
曲が終わると、俺の番はアーノルドの手に渡り、次はロイド様へと渡された。
俺のもとに返された時には、続けて6曲も踊ったレンはヘトヘトだった。
「大丈夫か?」
「さっさすがに、疲れました。ちょっと涼みたいです」
襟に指を入れてパタパタと風を送っているが、レンの香りが際立って頭がクラクラする。
「分かった」
左腕に番を抱き上げ、通り掛かった侍従の盆から発泡酒を2杯さらって、夜の庭園へレンを連れて行った。
「あ~涼しい」
「さぁどうぞ」
差し出したグラスに紅唇を寄せたレンは、喉が乾いていたらしく、コクコクと喉を鳴らしている。
「ダンスは楽しかったか?」
「はい。アレクさんと踊れて楽しかったです」
俺と踊ったのが楽しかったのか。
そうか、そうか。
「俺も楽しかった」
ふふっと微笑んだレンは、ふと夜空を見上げた。
「異界のセリフに"月が綺麗ですね" "死んでもいいわ"と云う遣り取りがあるんです」
「月が綺麗で人が死ぬのか?」
「あはは。昔の日本人は、愛してると云う直接的な言葉をあまり使わなかったんです。“月が綺麗ですね”にはずっとあなたが好きでした"とか”愛してる“と云う意味が込められています。だから返しの言葉でセンスが問われるんですよ?」
「それは難しいな」
「でしょ?・・・・こちらの月は三つだけれど、異界では月は一つしかないんです」
異界の事を思い出したのか・・・
そんな悲しそうな顔で月を見ないで。
俺を見て。
「・・・月が綺麗ですね」
「今ならあなたの手で、月を捕まえられますよ?」
これなら俺にも意味が分かる。
潤んだ瞳、薄く開いた唇。
恥ずかしがりのレンが、口付けを強請るときの、この顔が好きだ。
薄く開いた唇に唇を寄せ、舌を忍び込ませて、小さくて可愛い舌に、俺の厚い舌を絡ませると、その甘さに酔ってしまいそうだ。
何度も角度を変え唇を合わせ、吐息が見える程、深く互いを味わい合った。
レンの唇の端から流れ出た、飲み込みきれなかった唾液を舐めとると、俺の胸にレンがコテンと倒れてきた。
「どうした?」
「・・・お部屋に帰りたい」
「じゃあ。帰るか」
「怒られない?」
「婚約した二人は、途中で消えるものだ」
「そっか」
番の身体を抱き直して立ち上がり、会場には戻らず、そのまま馬車迄歩いて行った。
柘榴宮に戻ると、夜通し宴に出ている筈の主人が戻ったことに、使用人や護衛の団員達が何事かとざわついた。
ローガンとセルジュに明日まで人払いを命じると、俺に呆れた目を向けて来たが知ったことか。
レンを抱いたまま寝室に入り、後手に鍵と遮音魔法をかけた。
ベットに戻る間も惜しく、番の唇を奪い服を寛げ、もつれ合う様にベットに倒れ込んだ。
無駄に多いシャツの釦に苛立ちながら番の身体を弄り、途中で我慢が出来ずに無理やりシャツを開いて、釦が幾つか弾け飛んでいった。
レンの肌が好きだ。
俺の手で形を変えるまろい胸も、快感でのけぞる白い喉も、俺と離れないようにしがみついてくる腕も全部好きだ。
婚姻まであと半年近く。
所有欲に負け、目立つ場所に婚約紋を刻んだ自分を、これ程恨めしく思う日が来るとは思いもしなかった。
沿道に詰め掛けた民衆は、レンの姿に魅了され。余りの熱狂振りにレンは「どうしてこんな事に」と首を傾げていた。
俺もレンが招来されるまでは、愛し子の存在自体に懐疑的であったから、民衆がこれ程喜ぶとは思っていなかった。
「そんな捻くれた考え方すんのは、あんただけだ」とロロシュに言われてしまった。
俺が捻くれているのは事実だが、番相手に本心を隠そうとする奴にだけは、言われたくなかった。
式を終えたら、さっさと宮へ帰りレンを休ませるつもりで居たが、思いの外パレードに時間を取られてしまい、衣装替えをするレンは、あまり休むことが出来なかった。
浄化を終えたばかりで、体調も万全ではない状態で大丈夫だろうか?
その後のパーティーは、ひたすら挨拶と祝いの言葉を受け続け、誰が誰やら、分からなくなってしまった。
立場的に全くパーティに出ない訳には行かながったが、俺は社交には関心がなく、華やかな場での情報収集はマークに任せっぱなしだった。
若い頃には、見合い相手をエスコートした事もある。
しかし俺に怯え、会話もまともにできない相手とでは、一緒にいることが只々苦痛で、言い訳程度に一曲踊って、それっきりだった。
しかし、今夜の主役は一応俺達だ。
最初のダンスは俺とレンが踊らなければならない。
これ迄暇を見つけては、レンとダンスの練習をして来たのだが、レンは身体を鍛えているからか、ダンスも危なげなく習得していた。
ただ、大勢に注目されて踊ると云うのは、レンのような恥ずかしがり屋には、辛いものがあるようだ。
怒涛の挨拶ラッシュが、ひと段落した処で、皇帝の合図によって、会場に音楽が流れ始めた。
レンが今日一番恐れていた、ダンスタイムだ。
「緊張してるな?」
「緊張してます」
「心配しなくても、レンはダンスが上手だぞ?」
「でも、アレクさんの足踏んじゃったらどうしよう」
「君に踏まれるくらい、大した事はない。それより、折角踊りやすい服に着替えたんだ、皆に見せびらかしたらいい」
「そうなんですけど~」
レンは、白シャツに青灰色のネクタイを結び。裏地がガーネットの黒いテイルコートと異界のロングスカートという黒いヒラヒラした下履きに幅広のベルトを締めた、なんとも妖艶な姿になっている。
そんな妖艶な姿で、半べそで見上げられたら、俺の感情の処理能力がどうにかなりそうだ。
「なら、誰かの剣を借りて“弔舞”を踊ってもいいぞ?」
「流石に、そういう訳には・・」
「そうだなぁ腹黒い貴族達が浄化されて、誰も居なくなってしまうかもしれんな?」
「ふふふ、なにそれ」
ふむ、俺のつまらない冗談でも、笑ってくれるのか。緊張は解けたか?
「君は誰より美しい。だから自信を持て」
「アレクさんも素敵です」
ホールの中央に進んで向かい合い、音楽に合わせてステップを踏む。
最初は緊張が残っていたレンも、次第にリラックスし始め、段々楽しくなって来た様だ。
一度ターンする時に俺の歩幅が広くなり過ぎて、レンが倒れそうになってしまった。
リードするべき俺の失敗だ。
だがレンは、慌てて腰を引き寄せた俺の腕に身体を預け、グッと背を逸せてポーズを取った。
振り付けのフリをして、俺の失敗をカバーしてくれたのだ。
「すまない」
「なにがですか?」
こういう処なんだよな。
嬉しくなった俺はつい、いつもの調子でレンを持ち上げ、その場でクルクルと回ってしまった。
大変行儀の悪い行いだ。
しかしレンは、そんな事は全く気にした様子もなく、子供の様にキャッキャと喜んでいる。
それに気をよくした俺は、レンと三曲も続けて踊ってしまった。
これは更に行儀の悪い行いだ。
だがこんなに楽しいダンスは生まれて初めてなのだから、大目に見て欲しい。
三曲目を踊り終えたところで、見兼ねた皇帝が、レンにダンスを申し込み、本当に不本意だが嫌々レンを手放した。
すぐにレンを返してくれるだろうと思っていたのだが、考えが甘かった。
曲が終わると、俺の番はアーノルドの手に渡り、次はロイド様へと渡された。
俺のもとに返された時には、続けて6曲も踊ったレンはヘトヘトだった。
「大丈夫か?」
「さっさすがに、疲れました。ちょっと涼みたいです」
襟に指を入れてパタパタと風を送っているが、レンの香りが際立って頭がクラクラする。
「分かった」
左腕に番を抱き上げ、通り掛かった侍従の盆から発泡酒を2杯さらって、夜の庭園へレンを連れて行った。
「あ~涼しい」
「さぁどうぞ」
差し出したグラスに紅唇を寄せたレンは、喉が乾いていたらしく、コクコクと喉を鳴らしている。
「ダンスは楽しかったか?」
「はい。アレクさんと踊れて楽しかったです」
俺と踊ったのが楽しかったのか。
そうか、そうか。
「俺も楽しかった」
ふふっと微笑んだレンは、ふと夜空を見上げた。
「異界のセリフに"月が綺麗ですね" "死んでもいいわ"と云う遣り取りがあるんです」
「月が綺麗で人が死ぬのか?」
「あはは。昔の日本人は、愛してると云う直接的な言葉をあまり使わなかったんです。“月が綺麗ですね”にはずっとあなたが好きでした"とか”愛してる“と云う意味が込められています。だから返しの言葉でセンスが問われるんですよ?」
「それは難しいな」
「でしょ?・・・・こちらの月は三つだけれど、異界では月は一つしかないんです」
異界の事を思い出したのか・・・
そんな悲しそうな顔で月を見ないで。
俺を見て。
「・・・月が綺麗ですね」
「今ならあなたの手で、月を捕まえられますよ?」
これなら俺にも意味が分かる。
潤んだ瞳、薄く開いた唇。
恥ずかしがりのレンが、口付けを強請るときの、この顔が好きだ。
薄く開いた唇に唇を寄せ、舌を忍び込ませて、小さくて可愛い舌に、俺の厚い舌を絡ませると、その甘さに酔ってしまいそうだ。
何度も角度を変え唇を合わせ、吐息が見える程、深く互いを味わい合った。
レンの唇の端から流れ出た、飲み込みきれなかった唾液を舐めとると、俺の胸にレンがコテンと倒れてきた。
「どうした?」
「・・・お部屋に帰りたい」
「じゃあ。帰るか」
「怒られない?」
「婚約した二人は、途中で消えるものだ」
「そっか」
番の身体を抱き直して立ち上がり、会場には戻らず、そのまま馬車迄歩いて行った。
柘榴宮に戻ると、夜通し宴に出ている筈の主人が戻ったことに、使用人や護衛の団員達が何事かとざわついた。
ローガンとセルジュに明日まで人払いを命じると、俺に呆れた目を向けて来たが知ったことか。
レンを抱いたまま寝室に入り、後手に鍵と遮音魔法をかけた。
ベットに戻る間も惜しく、番の唇を奪い服を寛げ、もつれ合う様にベットに倒れ込んだ。
無駄に多いシャツの釦に苛立ちながら番の身体を弄り、途中で我慢が出来ずに無理やりシャツを開いて、釦が幾つか弾け飛んでいった。
レンの肌が好きだ。
俺の手で形を変えるまろい胸も、快感でのけぞる白い喉も、俺と離れないようにしがみついてくる腕も全部好きだ。
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