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アレクサンドル・クロムウェル
閑話休題 /ある朝の二人
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「う~む」
今日は浄化のために森に入る。
レンにマントかローブを羽織らせた方が良いのだが。
レンの衣装には似合わんなぁ
こちらの服を着せると、体が小さくて子供のように見えてしまうし。
レンはいつ何時でも、美しく可愛らしいのだが、もっとこう・・・レンの美しさを引き立たせる上着はないものだろうか。
レンの入浴中に、今日の衣装を選んでしまおうと思ったのだが、どうしたものか。
頭を悩ませていると、入浴を終えレンが風呂から出てきてしまった。
湯で温められ上気した頬に、前髪の先から落ちる雫がなんとも艶かしい。
もう一度ベットに戻っては駄目だろうか。
「どうしたんですか?」
「今日の衣装をどれにしようかと思ってな?」
「いつも通りじゃ駄目なんですか?」
「衣装は良いんだが、森に入るとなると何があるか分からんからな、できればマントかローブを羽織った方が良いのだが、どうも君の衣装に合わなくてなぁ」
「あ~虫対策とかですか?」
「それもあるが・・・風邪を引いてしまう。先に髪を乾かしてしまおう」
「はい、お願いします」
風と火の魔法を組み合わせ、温かい風を吹かせてレンの髪を乾かした。
レンはこれを "どらいやー" と呼んでいる。
艶やかに輝くが風に揺れるたびに、レンの香しい香りが立って、この時間は至福のひと言だ。
香油を揉み込みブラシで梳いて艶をました髪を見ると、この上ない達成感を感じることができる。
さて、問題の衣装は・・・。
「じゃあ、今日は自分で選びますね?アレクさんもそろそろ支度しないと」
とレンはニッコリ笑って、衣装部屋に行ってしまった。
俺は団服に着替えるだけで、時間はかからないのだがな。
レンの衣装を選びたかったのに。
少し拗ねた気分で茶を啜っていると、着替えを済ませたレンが衣装部屋から出てきたのだが・・・。
いつもは愛らしい番が、何故か格好良く見える。
「どうですか?これなら森でも大丈夫そうですか?」」
「とても似合っているし、森に入るのも問題ないな。しかしこれは・・・」
俺が見た事無い上着だ。
「アレクさんに内緒で作って貰ったのですが・・・ごめんなさい、勝手に作ったらダメですよね」
黙って注文した事を俺が怒ると思ったのか、元気が無くなってしまった。
そんな事くらいで怒ったりしないのに。
「いや。そんな事ない。いくらでも好きに頼んでいいのだぞ?」
そう言うと、レンも安心したのか顔が明るくなった。
「昨日の昼、ルナコルテさんが届けてくれたんです。羽織って言うんですけど、丈を長めに作ってもらって正解でしたね!」
昨日の昼に届けられたなら、俺が知らないのは当然だな。
レンが選んだのは、黒の上下にいつもの“かりぎぬ”と言う上着ではなく、同じく黒の”はおり“だった。
普段は俺の色以外は、淡い色を好むレンが、今日は全身黒尽くめで、キリッとして見える。
それにこの ”はおり“ には団服と同じ刺繍が施されていた。
「この刺繍・・」
「ふふふ。アレクさんとお揃いにしてもらいました。なんか、いつも一緒って感じで嬉しくなります」
「グフッ!・・・」
なんだこの生物は?!
可愛すぎる!!
俺と揃いの上着で喜ぶとか
反則だろう!
我慢しようと思ったのに!
「んッツ・・・ちょっと・・んん~」
食い付くようにレンの唇を奪った俺は、そのまま番を抱き上げて、ベットに逆戻りだ。
抗議の声を上げるレンの口を唇で塞いで、襟から手を差し入れ、柔い胸を揉みしだき、そこら中に所有の花を散らしまくった。
出立の時刻を告げるローガンの声に、渋々唇を離した時には、レンの髪も、綺麗に着付けた衣装も乱れ切っていて、涙目のレンに叱られてしまった。
きみが可愛い過ぎるのが悪いんだ。
そう言ったら、ますます君は怒るのだろうな。
今日は浄化のために森に入る。
レンにマントかローブを羽織らせた方が良いのだが。
レンの衣装には似合わんなぁ
こちらの服を着せると、体が小さくて子供のように見えてしまうし。
レンはいつ何時でも、美しく可愛らしいのだが、もっとこう・・・レンの美しさを引き立たせる上着はないものだろうか。
レンの入浴中に、今日の衣装を選んでしまおうと思ったのだが、どうしたものか。
頭を悩ませていると、入浴を終えレンが風呂から出てきてしまった。
湯で温められ上気した頬に、前髪の先から落ちる雫がなんとも艶かしい。
もう一度ベットに戻っては駄目だろうか。
「どうしたんですか?」
「今日の衣装をどれにしようかと思ってな?」
「いつも通りじゃ駄目なんですか?」
「衣装は良いんだが、森に入るとなると何があるか分からんからな、できればマントかローブを羽織った方が良いのだが、どうも君の衣装に合わなくてなぁ」
「あ~虫対策とかですか?」
「それもあるが・・・風邪を引いてしまう。先に髪を乾かしてしまおう」
「はい、お願いします」
風と火の魔法を組み合わせ、温かい風を吹かせてレンの髪を乾かした。
レンはこれを "どらいやー" と呼んでいる。
艶やかに輝くが風に揺れるたびに、レンの香しい香りが立って、この時間は至福のひと言だ。
香油を揉み込みブラシで梳いて艶をました髪を見ると、この上ない達成感を感じることができる。
さて、問題の衣装は・・・。
「じゃあ、今日は自分で選びますね?アレクさんもそろそろ支度しないと」
とレンはニッコリ笑って、衣装部屋に行ってしまった。
俺は団服に着替えるだけで、時間はかからないのだがな。
レンの衣装を選びたかったのに。
少し拗ねた気分で茶を啜っていると、着替えを済ませたレンが衣装部屋から出てきたのだが・・・。
いつもは愛らしい番が、何故か格好良く見える。
「どうですか?これなら森でも大丈夫そうですか?」」
「とても似合っているし、森に入るのも問題ないな。しかしこれは・・・」
俺が見た事無い上着だ。
「アレクさんに内緒で作って貰ったのですが・・・ごめんなさい、勝手に作ったらダメですよね」
黙って注文した事を俺が怒ると思ったのか、元気が無くなってしまった。
そんな事くらいで怒ったりしないのに。
「いや。そんな事ない。いくらでも好きに頼んでいいのだぞ?」
そう言うと、レンも安心したのか顔が明るくなった。
「昨日の昼、ルナコルテさんが届けてくれたんです。羽織って言うんですけど、丈を長めに作ってもらって正解でしたね!」
昨日の昼に届けられたなら、俺が知らないのは当然だな。
レンが選んだのは、黒の上下にいつもの“かりぎぬ”と言う上着ではなく、同じく黒の”はおり“だった。
普段は俺の色以外は、淡い色を好むレンが、今日は全身黒尽くめで、キリッとして見える。
それにこの ”はおり“ には団服と同じ刺繍が施されていた。
「この刺繍・・」
「ふふふ。アレクさんとお揃いにしてもらいました。なんか、いつも一緒って感じで嬉しくなります」
「グフッ!・・・」
なんだこの生物は?!
可愛すぎる!!
俺と揃いの上着で喜ぶとか
反則だろう!
我慢しようと思ったのに!
「んッツ・・・ちょっと・・んん~」
食い付くようにレンの唇を奪った俺は、そのまま番を抱き上げて、ベットに逆戻りだ。
抗議の声を上げるレンの口を唇で塞いで、襟から手を差し入れ、柔い胸を揉みしだき、そこら中に所有の花を散らしまくった。
出立の時刻を告げるローガンの声に、渋々唇を離した時には、レンの髪も、綺麗に着付けた衣装も乱れ切っていて、涙目のレンに叱られてしまった。
きみが可愛い過ぎるのが悪いんだ。
そう言ったら、ますます君は怒るのだろうな。
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