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アレクサンドル・クロムウェル
誤解を解くならお早め / アルサク城2・sideレン
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「レン様、こちらはいかがですか?」
「どれですか?」
・・・この茶色い物体は!?
「これお味噌?」
「おっ!坊ちゃん、よく知ってるなぁ。これは愛し子のヨシタカ様、直伝のミソだ」
「おじさん、味見してもいい?」
「おう!良いぞ。ミソは三種類あるが、どれにする?」
「全部!ちょっとづつ」
「カアー!こんな可愛い坊ちゃんに頼まれたら、嫌とは言えねぇなぁ」
どれどれ・・・
これは、江戸甘味噌に近いかな?
こっちは信州味噌っぽい
最後のこれは、麦の甘味噌かなぁ・・?
うん。どれも美味しい
ちょっと香りが強めだけど
全然いけます。
やっぱ日本人はお味噌がなくっちゃね!
ヨシタカ様、良いものを残してくれて
ありがとう!
「どうだい?美味いだろ?」
「はい!とっても美味しいです。これ全部下さい!」
「嬉しいねぇ。量はどうする?」
「在庫って、どのくらい有りますか?」
「ざいこ?」
「はい。できるだけ沢山欲しいのですが」
「いや、坊ちゃん気に入ってくれたのは嬉しいけどよ。ミソは俺たちの地元で、細々造ってるようなもんだぜ?」
「えっ。じゃあ、希少価値が高いって事ですね?そっかぁ・・他のお客さんの分も取っておかなくちゃダメですよね」
「いや。そうじゃなくて・・・」
おじさんの話だと、こちらの味付けは岩塩と砂糖が主流なので、ミソは全く人気のない商品らしく、毎回売れ残るのだそう。ただ地元の味を知って貰いたいと、行商のついでに持ってきているだけらしいです。
おじさんは、人気のない商品を私が大量買いして、親に怒られるのではないかと、心配してくれたみたいです。
「おじさんありがとう。でも大丈夫だから、ある分を売ってもらえますか?」
お支払いはローガンさんに任せて、ミソを定期的に購入したいので、連絡先も控えてもらいました。
「ミソがあるなら、お醤油もあったりします?」
「なんだ、坊ちゃんショーウのことも知ってんのか?」
「はい、有りませんか?」
「ちょっと待てよ・・・おっ有ったあった。これは一本だけだ」
「お味見できます?」
おじさんはぶっとい指でプルプル震えながら、スプーンにチョロッとお醤油を出してくれました。
う~~~~!!
体に染みるお醤油の味!!
最高です。
欲を出して、煮干と鰹節もないか聞いてみましたが、おじさんの地元は山間部なので、海の物は扱っていないそう。
残念です。
私は今、上皇陛下のお住まい、アルサク城に滞在しています。
アルサク城に来てほんの数日ですが、私はすでにホームシックです。
アレクさんを怖がったくせに、彼が恋しくて仕方がありません。
身勝手な自分にウンザリします。
そのことをリリーシュ様に話すと「恋とは身勝手なものだぞ。それに帰るのも早過ぎる」と笑われてしまいました。
「帰るのには早いが、気晴らしついでに、アレクに土産でも買って来たらどうだ?」と提案して下さいました。
そうです。帰るにはまだ早いのです。
いくら私が帰りたくても、勝手な事ばかりは出来ません。
マークさんには内緒ですが、「マークとロロシュをくっつけるお膳立てが、あと少しで整うから、帰るのはその後にしてね」とウィリアムさんからダンプティーが送られて来ているのです。
アルサク城は、多くの商隊が行き来する街道近くにある為、その城下町には宿屋と商会の支部も多くて、皇都の次に帝国中の珍品・珍味が集まるのだそうです。
柘榴宮に帰って、アレクさんと仲直りが出来たら、美味しいものをいっぱい作ってあげたくて、食材探しにやって来ましたが、まさかお味噌とお醤油をゲットできるとは思ってもみませんでした。
予想外の収穫です。
でも本当に仲直りできるでしょうか。
アルサク城に来て、リリーシュ様と上皇陛下の仲睦まじいご様子を見ていると、私がアレクさんに甘えていただけなのだ、と痛感させられました。
お二人は、何か特別なことを言ったり、したりするわけではありませんが、お互いを思いやり、寄り添い合っていることが分かります。
それに比べて私は、アレクさんに優しくされて、有頂天になって、甘えていただけです。
彼方から渡ってきてからの展開が早すぎて着いて行けなかった、なんて言うのは言い訳にすぎません。
だって、私は婚約することを受け入れたのに、婚約者として、一番大事な事をしていない。
私はアレクさんに、大好きだって伝えていないのです。
相手が自分をどう思っているのか分からなければ、不安になるのは当たり前です。
アレクさんがあんなに怒ったのだって、私がマークさんと、ヤベちゃんと同じように接したことが原因です。
私は心の何処かで、何をしても、しなくても、番だからアレクさんは許してくれる、と甘えていたのだと思います。
彼の想いに真摯に向き合っていなかったのだと・・・・。
上皇陛下は、アレクさんのお話を聞く限り、もっと怠惰な感じの方を想像していましたが、実際にお会いしてみると、物静かで、突然押しかけた私にも、優しく接して下さる穏やかな方でした。
それに甘えて同じ獣人の番となった者として、どうしたら良いかと相談してみました。
すると上皇陛下は「私はリリーに、苦労も掛けたし、今も我慢を強いるばかりだから、参考にはならないだろう」と仰いました。
それでも「無条件で自分を愛してくれる人が居るということは、誰もが手にできる幸運ではない。その幸運に感謝することを忘れてはいけないよ」と優しく諭してくれました。
その寂しげな横顔は、アレクさんとウィリアムさんによく似ていて、この方は皇家なんて面倒な家柄ではなく、平凡な家庭に生まれていたら、良いお父さんになれたのでは?と想像すると、ちょっと切なくなりました。
兎に角。
私の今の目標は、アレクさんと仲直りして、自分の気持ちを伝える事です。
人生初の告白です。
気合いを入れ直さなければ!
◇◇
「マークさん、あれはなんですか?」
私が指差したのは、木箱の上に乗り、道ゆく人に説法を説いている、神官服っぽいローブを着た人です。
周りの人の多くは、その人を無視して通り過ぎて行きますが、いく人かは足を止めて、説法を聞いているようです。
それを見たマークさんは、眉根をギュッと寄せて、明らかに不機嫌な顔になりました。
「どうしたんですか?」
「レン様、お気になさらず」
ローガンさんも不機嫌そうです。
「レン様がご覧になる様なものでは有りません」
そう言って、マークさんがその場を離れようと私の背中を押した時、説法の声が一際大きくなりました。
「この世界は創造神アウラ様のものです。創造神が産み出した我々人族は、唯一の神の子なのです!!ドラゴンが創った獣人とは違うのです!!」
「なっ?!」
なんて事を言うのでしょう?!
あれでは、獣人だけで無く、アウラ様のお考えも冒涜しています。
「あれはヴァラク教の信徒です」
「ヴァラク教?」
「獣人差別を説いている宗教です」
「あれが?」
「さあ、レン様参りましょう」
「マークさん!あんな勝手なことを言わせておいて良いんですか?!」
「彼らは、金品を要求している訳でも、暴動を煽動している訳でもありません。自分の主義主張を口にしているだけで、捕縛は出来ません」
マークさんが指で合図を送ると、離れたところに居た近衛の方達が、あっという間に私の周りを固めてしまいました。
正に肉壁。
皆さん私より大きいので、周りの景色は見えなくなってしまいました。
そのままお城に帰る事になったのですが、馬車に向かう途中で、覚えの有る嫌な視線を感じました。
ねっとりと絡みついてくるような、嫌な感じです。
知り合いもいないこの街で、こんな視線を送ってくるのは誰なのかと、不快感の元に目を向けると、近衛騎士さんが作る肉壁の隙間から、謁見の間で見た顔を見つけました。
「!?」
私は思わず騎士さんの体を押しのけていました。
私が気付いたことに相手も気付き、ニタァ、と気味の悪い笑いを浮かべると、フードを目深に被り直して、人混みに紛れてしまいました。
「レン様?どうかされましたか?」
「大変だ!ひどい汗です。何処か具合でも?」
「どうして・・」
アガスさんがなんで?
黒いフードを被ったアガスさんは、全身から瘴気が立ち昇り、立ち昇った瘴気が渦を巻いて、一瞬ですが私の腕に絡みついて来ました。
血の気が引いて、背中に走る悪寒に体がガクガク震え、目の前が暗くなって行きます。
意識が途切れる寸前、マークさんの声が遠くに聞こえた気がします。
「どれですか?」
・・・この茶色い物体は!?
「これお味噌?」
「おっ!坊ちゃん、よく知ってるなぁ。これは愛し子のヨシタカ様、直伝のミソだ」
「おじさん、味見してもいい?」
「おう!良いぞ。ミソは三種類あるが、どれにする?」
「全部!ちょっとづつ」
「カアー!こんな可愛い坊ちゃんに頼まれたら、嫌とは言えねぇなぁ」
どれどれ・・・
これは、江戸甘味噌に近いかな?
こっちは信州味噌っぽい
最後のこれは、麦の甘味噌かなぁ・・?
うん。どれも美味しい
ちょっと香りが強めだけど
全然いけます。
やっぱ日本人はお味噌がなくっちゃね!
ヨシタカ様、良いものを残してくれて
ありがとう!
「どうだい?美味いだろ?」
「はい!とっても美味しいです。これ全部下さい!」
「嬉しいねぇ。量はどうする?」
「在庫って、どのくらい有りますか?」
「ざいこ?」
「はい。できるだけ沢山欲しいのですが」
「いや、坊ちゃん気に入ってくれたのは嬉しいけどよ。ミソは俺たちの地元で、細々造ってるようなもんだぜ?」
「えっ。じゃあ、希少価値が高いって事ですね?そっかぁ・・他のお客さんの分も取っておかなくちゃダメですよね」
「いや。そうじゃなくて・・・」
おじさんの話だと、こちらの味付けは岩塩と砂糖が主流なので、ミソは全く人気のない商品らしく、毎回売れ残るのだそう。ただ地元の味を知って貰いたいと、行商のついでに持ってきているだけらしいです。
おじさんは、人気のない商品を私が大量買いして、親に怒られるのではないかと、心配してくれたみたいです。
「おじさんありがとう。でも大丈夫だから、ある分を売ってもらえますか?」
お支払いはローガンさんに任せて、ミソを定期的に購入したいので、連絡先も控えてもらいました。
「ミソがあるなら、お醤油もあったりします?」
「なんだ、坊ちゃんショーウのことも知ってんのか?」
「はい、有りませんか?」
「ちょっと待てよ・・・おっ有ったあった。これは一本だけだ」
「お味見できます?」
おじさんはぶっとい指でプルプル震えながら、スプーンにチョロッとお醤油を出してくれました。
う~~~~!!
体に染みるお醤油の味!!
最高です。
欲を出して、煮干と鰹節もないか聞いてみましたが、おじさんの地元は山間部なので、海の物は扱っていないそう。
残念です。
私は今、上皇陛下のお住まい、アルサク城に滞在しています。
アルサク城に来てほんの数日ですが、私はすでにホームシックです。
アレクさんを怖がったくせに、彼が恋しくて仕方がありません。
身勝手な自分にウンザリします。
そのことをリリーシュ様に話すと「恋とは身勝手なものだぞ。それに帰るのも早過ぎる」と笑われてしまいました。
「帰るのには早いが、気晴らしついでに、アレクに土産でも買って来たらどうだ?」と提案して下さいました。
そうです。帰るにはまだ早いのです。
いくら私が帰りたくても、勝手な事ばかりは出来ません。
マークさんには内緒ですが、「マークとロロシュをくっつけるお膳立てが、あと少しで整うから、帰るのはその後にしてね」とウィリアムさんからダンプティーが送られて来ているのです。
アルサク城は、多くの商隊が行き来する街道近くにある為、その城下町には宿屋と商会の支部も多くて、皇都の次に帝国中の珍品・珍味が集まるのだそうです。
柘榴宮に帰って、アレクさんと仲直りが出来たら、美味しいものをいっぱい作ってあげたくて、食材探しにやって来ましたが、まさかお味噌とお醤油をゲットできるとは思ってもみませんでした。
予想外の収穫です。
でも本当に仲直りできるでしょうか。
アルサク城に来て、リリーシュ様と上皇陛下の仲睦まじいご様子を見ていると、私がアレクさんに甘えていただけなのだ、と痛感させられました。
お二人は、何か特別なことを言ったり、したりするわけではありませんが、お互いを思いやり、寄り添い合っていることが分かります。
それに比べて私は、アレクさんに優しくされて、有頂天になって、甘えていただけです。
彼方から渡ってきてからの展開が早すぎて着いて行けなかった、なんて言うのは言い訳にすぎません。
だって、私は婚約することを受け入れたのに、婚約者として、一番大事な事をしていない。
私はアレクさんに、大好きだって伝えていないのです。
相手が自分をどう思っているのか分からなければ、不安になるのは当たり前です。
アレクさんがあんなに怒ったのだって、私がマークさんと、ヤベちゃんと同じように接したことが原因です。
私は心の何処かで、何をしても、しなくても、番だからアレクさんは許してくれる、と甘えていたのだと思います。
彼の想いに真摯に向き合っていなかったのだと・・・・。
上皇陛下は、アレクさんのお話を聞く限り、もっと怠惰な感じの方を想像していましたが、実際にお会いしてみると、物静かで、突然押しかけた私にも、優しく接して下さる穏やかな方でした。
それに甘えて同じ獣人の番となった者として、どうしたら良いかと相談してみました。
すると上皇陛下は「私はリリーに、苦労も掛けたし、今も我慢を強いるばかりだから、参考にはならないだろう」と仰いました。
それでも「無条件で自分を愛してくれる人が居るということは、誰もが手にできる幸運ではない。その幸運に感謝することを忘れてはいけないよ」と優しく諭してくれました。
その寂しげな横顔は、アレクさんとウィリアムさんによく似ていて、この方は皇家なんて面倒な家柄ではなく、平凡な家庭に生まれていたら、良いお父さんになれたのでは?と想像すると、ちょっと切なくなりました。
兎に角。
私の今の目標は、アレクさんと仲直りして、自分の気持ちを伝える事です。
人生初の告白です。
気合いを入れ直さなければ!
◇◇
「マークさん、あれはなんですか?」
私が指差したのは、木箱の上に乗り、道ゆく人に説法を説いている、神官服っぽいローブを着た人です。
周りの人の多くは、その人を無視して通り過ぎて行きますが、いく人かは足を止めて、説法を聞いているようです。
それを見たマークさんは、眉根をギュッと寄せて、明らかに不機嫌な顔になりました。
「どうしたんですか?」
「レン様、お気になさらず」
ローガンさんも不機嫌そうです。
「レン様がご覧になる様なものでは有りません」
そう言って、マークさんがその場を離れようと私の背中を押した時、説法の声が一際大きくなりました。
「この世界は創造神アウラ様のものです。創造神が産み出した我々人族は、唯一の神の子なのです!!ドラゴンが創った獣人とは違うのです!!」
「なっ?!」
なんて事を言うのでしょう?!
あれでは、獣人だけで無く、アウラ様のお考えも冒涜しています。
「あれはヴァラク教の信徒です」
「ヴァラク教?」
「獣人差別を説いている宗教です」
「あれが?」
「さあ、レン様参りましょう」
「マークさん!あんな勝手なことを言わせておいて良いんですか?!」
「彼らは、金品を要求している訳でも、暴動を煽動している訳でもありません。自分の主義主張を口にしているだけで、捕縛は出来ません」
マークさんが指で合図を送ると、離れたところに居た近衛の方達が、あっという間に私の周りを固めてしまいました。
正に肉壁。
皆さん私より大きいので、周りの景色は見えなくなってしまいました。
そのままお城に帰る事になったのですが、馬車に向かう途中で、覚えの有る嫌な視線を感じました。
ねっとりと絡みついてくるような、嫌な感じです。
知り合いもいないこの街で、こんな視線を送ってくるのは誰なのかと、不快感の元に目を向けると、近衛騎士さんが作る肉壁の隙間から、謁見の間で見た顔を見つけました。
「!?」
私は思わず騎士さんの体を押しのけていました。
私が気付いたことに相手も気付き、ニタァ、と気味の悪い笑いを浮かべると、フードを目深に被り直して、人混みに紛れてしまいました。
「レン様?どうかされましたか?」
「大変だ!ひどい汗です。何処か具合でも?」
「どうして・・」
アガスさんがなんで?
黒いフードを被ったアガスさんは、全身から瘴気が立ち昇り、立ち昇った瘴気が渦を巻いて、一瞬ですが私の腕に絡みついて来ました。
血の気が引いて、背中に走る悪寒に体がガクガク震え、目の前が暗くなって行きます。
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