36 / 508
アレクサンドル・クロムウェル
皇宮入りと婚約と/ 婚約紋*
しおりを挟む
恐る恐る覗き込んだ濡れた瞳に、嫌悪の色が見えないことに勇気を貰い、言葉を重ねる。
「今はまだ、同じ気持ちを返してくれとは言わない。ただ俺の想いを受け入れてくれるか?」
すると思考が止まったように、息を詰めていたレンは、“ボンッ!”と音が聞こえるほどの勢いで、耳や首まで赤くなった。
なんて純情で、可愛らしい人なんだ。
その純情に付け込む俺は、悪い大人なんだろうな。
「・・・口付けしても良いか?」
「へっ?・・・あの・・・・治療として?」
「いいや。レンに焦がれるオスとして」
「へぅっ!」
レンは口の中でモゴモゴと何か言っているが、上手く聞き取れない。
俺は何か間違えたのか?
「俺が・・・嫌いか?」
嫌いと言われたら、生きていけないのに、聞かずにはいられなかった。
「そんなことない・・・けど、ずるいと思う」
レンの言葉に、俺は思わずニヤリとした。
そう、俺は狡い。
その狡い大人に捕まった君は
もう逃げられないんだよ?
「同意と受け取っても?」
右手を赤く染まった頸に回し、レンの返事を待たずに、小さな唇に口付けを落とした。
「んッ!」
行為に慣れていない、硬く閉じた唇にチュ、チュっとわざと音を立て、角度を変えて何度もバードキスを繰り返す。
力が抜けてきたところで、赤い唇をペロリと舐めると、驚いて少し開いた唇に舌を捩じ込んだ。
レンは身じろいだが、腕の中にすっぽりと収まった体に、逃げ場など無いし、逃がさない。
舌先で歯列を一本々確かめて、口蓋を舐め回し、逃げ回る小さな舌を捕まえて絡め取ると、その甘さに背筋から腰にかけてビリビリと衝撃が走った。
「んッ・・・・ふぁ・・」
時折漏れる、レンの吐息も甘く官能的だ。
甘い・・・かわいい・・・・あまい
以前、番持ちの誰かが、番の体は全てが甘いと言っていたが、本当だった。
この世に、これ以上の甘露があるだろうか?
俺の流しこんだ唾液を、コクリと飲み込む白い喉の動きにも、欲情の熱が溜まる。
噛みたい。
細く白い首筋に獣歯を立て、俺の印を刻みたい。
レンの首元のボタンを片手で外し、襟元をくつろげた。
飲み込みきれずに唇の端から溢れた唾液を、ベロリと舐め取り、細い首から肩へと唇を滑らせる。
「あッ・・・やぁ」
可愛い声をもっと聞かせてくれ。
顕になった鎖骨を舐め上げ、強く吸い上げて所有の印を残す。
白い肌に咲いた、紅い花が美しい。
嗚呼!
噛みたい。
我慢できない!!
「レン?婚約の印を刻んでも良いか?」
「・・・・・しるし?」
快楽に溶けて、トロンとした瞳のレンが聞き返した。
「そう。ここに・・・」
黒髪に隠れた頸を撫でると、レンは小さく身を震わせた。
「俺の印を刻ませて?」
「・・・・・いたい?」
レンは今、まともに考えられる状態では無いだろう。だが、俺は狡いから、どんな手を使っても外堀を埋めてしまいたい。
「痛くない、ちょっとチクっとするくらい」
「・・・・いたくないなら、いいですよ?」
「いいのか?」
自分で言うのもなんだが、余りにもあっさり受け入れられて、驚いてしまった。
「だって、番なんでしょ?」
そう言って見上げられた俺の理性は、崩壊寸前だ。
「ありがとう!」
喜びの余り、食いつくように唇を奪い、首筋から頸へと舌を這わせ、よく見えるように、長い髪をかき上げた。
舌先に魔力を乗せ、頸から首筋を何度も舐め上げる。こうすると婚約紋を刻む時に、痛みを感じずに済むからだ。
最初はくすぐったそうに、身をくねらせていたレンも、俺が押さえ込んでいるせいか、今は艶っぽい息を吐きながら、大人しく身を任せてる。
頸に獣歯を立てようとして、ふと、ここではあまり見えないことに気付いた。
俺のものだと見せびらかしたい。
その欲求に負けた俺は、耳の下から肩にかけた、正面からでも見える位置に、ゆっくりと獣歯を埋めていった。
「あっ・・んん」
痛みがあったのだろうか、獣歯を一旦止めて、レンの様子を見ながら、魔力を流していく。魔力核の詰まりは、口付けを楽しむ間に、全て溶かし流れも良くなっている。
このまま、婚約紋を刻んでも大丈夫そうだ。
レンの首筋に、俺の印が浮かび上がってきた。
少しづつ獣歯を深く沈めては、もっと大きく・もっと深く・もっと濃くと紋を刻み続けた。
全ての紋を刻み終えた俺は、深く食い込んだ獣歯から、流し込んだ魔力が、レンの全身に行き渡るようにぐるりと回した。
「エッ?・・・なにこれ?ヤダ、やめて?!」
逃げようとするレンの体を強く抱きしめ、押さえ付けて魔力を流し続けた。
「やだッ!・・だめだめだめ!!」
「あぁ!!・・・・やあぁ~~!!」
腕の中で、レンの体がビクビクと跳ねて硬直し、やがてグッタリと沈み込んだ。
もしかして、今ので達してしまったのか?
達した時の顔が見れなかった。
勿体無いことをしたな。
などと考えながら、獣歯を抜いて傷になったところを舐めて治す。
「んん・・・もうやだあ」
一度達して敏感になったレンは、俺の舌が肌を滑るたびに、涙声でビクビクと反応して・・。
それがまた良い。
あ~!このまま押し倒したら駄目だろうか?
「今はまだ、同じ気持ちを返してくれとは言わない。ただ俺の想いを受け入れてくれるか?」
すると思考が止まったように、息を詰めていたレンは、“ボンッ!”と音が聞こえるほどの勢いで、耳や首まで赤くなった。
なんて純情で、可愛らしい人なんだ。
その純情に付け込む俺は、悪い大人なんだろうな。
「・・・口付けしても良いか?」
「へっ?・・・あの・・・・治療として?」
「いいや。レンに焦がれるオスとして」
「へぅっ!」
レンは口の中でモゴモゴと何か言っているが、上手く聞き取れない。
俺は何か間違えたのか?
「俺が・・・嫌いか?」
嫌いと言われたら、生きていけないのに、聞かずにはいられなかった。
「そんなことない・・・けど、ずるいと思う」
レンの言葉に、俺は思わずニヤリとした。
そう、俺は狡い。
その狡い大人に捕まった君は
もう逃げられないんだよ?
「同意と受け取っても?」
右手を赤く染まった頸に回し、レンの返事を待たずに、小さな唇に口付けを落とした。
「んッ!」
行為に慣れていない、硬く閉じた唇にチュ、チュっとわざと音を立て、角度を変えて何度もバードキスを繰り返す。
力が抜けてきたところで、赤い唇をペロリと舐めると、驚いて少し開いた唇に舌を捩じ込んだ。
レンは身じろいだが、腕の中にすっぽりと収まった体に、逃げ場など無いし、逃がさない。
舌先で歯列を一本々確かめて、口蓋を舐め回し、逃げ回る小さな舌を捕まえて絡め取ると、その甘さに背筋から腰にかけてビリビリと衝撃が走った。
「んッ・・・・ふぁ・・」
時折漏れる、レンの吐息も甘く官能的だ。
甘い・・・かわいい・・・・あまい
以前、番持ちの誰かが、番の体は全てが甘いと言っていたが、本当だった。
この世に、これ以上の甘露があるだろうか?
俺の流しこんだ唾液を、コクリと飲み込む白い喉の動きにも、欲情の熱が溜まる。
噛みたい。
細く白い首筋に獣歯を立て、俺の印を刻みたい。
レンの首元のボタンを片手で外し、襟元をくつろげた。
飲み込みきれずに唇の端から溢れた唾液を、ベロリと舐め取り、細い首から肩へと唇を滑らせる。
「あッ・・・やぁ」
可愛い声をもっと聞かせてくれ。
顕になった鎖骨を舐め上げ、強く吸い上げて所有の印を残す。
白い肌に咲いた、紅い花が美しい。
嗚呼!
噛みたい。
我慢できない!!
「レン?婚約の印を刻んでも良いか?」
「・・・・・しるし?」
快楽に溶けて、トロンとした瞳のレンが聞き返した。
「そう。ここに・・・」
黒髪に隠れた頸を撫でると、レンは小さく身を震わせた。
「俺の印を刻ませて?」
「・・・・・いたい?」
レンは今、まともに考えられる状態では無いだろう。だが、俺は狡いから、どんな手を使っても外堀を埋めてしまいたい。
「痛くない、ちょっとチクっとするくらい」
「・・・・いたくないなら、いいですよ?」
「いいのか?」
自分で言うのもなんだが、余りにもあっさり受け入れられて、驚いてしまった。
「だって、番なんでしょ?」
そう言って見上げられた俺の理性は、崩壊寸前だ。
「ありがとう!」
喜びの余り、食いつくように唇を奪い、首筋から頸へと舌を這わせ、よく見えるように、長い髪をかき上げた。
舌先に魔力を乗せ、頸から首筋を何度も舐め上げる。こうすると婚約紋を刻む時に、痛みを感じずに済むからだ。
最初はくすぐったそうに、身をくねらせていたレンも、俺が押さえ込んでいるせいか、今は艶っぽい息を吐きながら、大人しく身を任せてる。
頸に獣歯を立てようとして、ふと、ここではあまり見えないことに気付いた。
俺のものだと見せびらかしたい。
その欲求に負けた俺は、耳の下から肩にかけた、正面からでも見える位置に、ゆっくりと獣歯を埋めていった。
「あっ・・んん」
痛みがあったのだろうか、獣歯を一旦止めて、レンの様子を見ながら、魔力を流していく。魔力核の詰まりは、口付けを楽しむ間に、全て溶かし流れも良くなっている。
このまま、婚約紋を刻んでも大丈夫そうだ。
レンの首筋に、俺の印が浮かび上がってきた。
少しづつ獣歯を深く沈めては、もっと大きく・もっと深く・もっと濃くと紋を刻み続けた。
全ての紋を刻み終えた俺は、深く食い込んだ獣歯から、流し込んだ魔力が、レンの全身に行き渡るようにぐるりと回した。
「エッ?・・・なにこれ?ヤダ、やめて?!」
逃げようとするレンの体を強く抱きしめ、押さえ付けて魔力を流し続けた。
「やだッ!・・だめだめだめ!!」
「あぁ!!・・・・やあぁ~~!!」
腕の中で、レンの体がビクビクと跳ねて硬直し、やがてグッタリと沈み込んだ。
もしかして、今ので達してしまったのか?
達した時の顔が見れなかった。
勿体無いことをしたな。
などと考えながら、獣歯を抜いて傷になったところを舐めて治す。
「んん・・・もうやだあ」
一度達して敏感になったレンは、俺の舌が肌を滑るたびに、涙声でビクビクと反応して・・。
それがまた良い。
あ~!このまま押し倒したら駄目だろうか?
75
お気に入りに追加
1,296
あなたにおすすめの小説
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
私の愛する夫たちへ
エトカ
恋愛
日高真希(ひだかまき)は、両親の墓参りの帰りに見知らぬ世界に迷い込んでしまう。そこは女児ばかりが命を落とす病が蔓延する世界だった。そのため男女の比率は崩壊し、生き残った女性たちは複数の夫を持たねばならなかった。真希は一妻多夫制度に戸惑いを隠せない。そんな彼女が男たちに愛され、幸せになっていく物語。
*Rシーンは予告なく入ります。
よろしくお願いします!
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
召喚されたのに、スルーされた私
ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。
地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。
ちなみに、召喚されたのは3人。
2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。
ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。
春休みは、残念異世界への入り口でした。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】レスだった私が異世界で美形な夫達と甘い日々を過ごす事になるなんて思わなかった
むい
恋愛
魔法のある世界に転移した割に特に冒険も事件もバトルもない引きこもり型エロライフ。
✳✳✳
夫に愛されず女としても見てもらえず子供もなく、寂しい結婚生活を送っていた璃子は、ある日酷い目眩を覚え意識を失う。
目覚めた場所は小さな泉の辺り。
転移して若返った?!と思いきやなんだか微妙に違うような…。まるで自分に似せた入れ物に自分の意識が入ってるみたい。
何故ここにいるかも分からないまま初対面の男性に会って5分で求婚されあれよあれよと結婚する事に?!
だいたいエロしかない異世界専業主婦ライフ。
本編完結済み。たまに番外編投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる