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寿限無
しおりを挟むどうも、高砂魚 唐練でございます。これから一席、お付き合い頂ければ幸いに存じます。
えぇ~……人や物などには「名前」というものが付けられております。
世の中では「名前」というのが大変重宝されておりますのは、皆さま十分ご存知であるかと思います。
物を指す際、アレやソレだけでは相手と意思疎通がままならない訳ですから、その物を指す、難しい言葉で固有名詞と申しますものが大切になってくるのです。
人であるなら、私のように「高砂魚 唐練」が名前となり、ご皆様のご家庭にたぶん在ると思います、底の付いた短い筒状の物を「湯呑み」もしくは「コップ」と申す訳です。
ご存知であるかどうか分かりませんが、この世の中には『キラキラネーム』と言うものが存在しているようでございます。
例を1つ挙げますと、黄色に熊で「黄熊」と読むそうでございます。
具体的に申しますと、表舞台から消されかねないので詳しくは申し上げられませんが、きっとあの黄色い熊のぬいぐるみが由来でございましょう。
個人的な意見ですが、これはデ◯◯ニーさんも怒ってよろしいかと思いますよ。あくまで2次元のキャラクターとしての存在であるはずなのに、無許可で3次元として生み出した訳ですから……著作権的にアウトじゃないですか?
まぁ、そこは我々が踏み込むところではないですね、それにしても、黄色い熊で「ぷう」は酷いですね。まだ、「与太郎」や「定吉」と名付けた方がマシだったかもしれません。
いったいどのような流れで、ご両親が名付けたのか気になってしまいます。たまたまテレビで、その映画がやっていたとかでしょうか。
あと、その子の親友の名前がク◯ス◯ファー・ロ◯ンだとかなり面白いですね。自宅が100エーカーの森でね……ますます表から消されかねないので、ここらで辞めたいと思います。
兎に角、親というものは子どもへ名付ける際、何かしらの願いを込めるものです。
先ほど述べましたキラキラネームにも、ご両親の素敵な願いが込められているのかもしれません。
「どうしようかな?……え?」
先週、初めての子どもが生まれたお宅。名前つけようと思ったけど、全くいい名前が浮かばない父親の吉之助は、足りない頭をフルに使ってどうにか絞り出そうとしている。
そんな吉之助の隣では、母親が赤ん坊にお乳をあげていた。
悩みに悩みまくっている吉之助に痺れを切らした母親は『寺の和尚に考えてもらいな』と言い放った。
その言葉に怒ったのか、考える事を諦めたのか、吉之助は何かを思い立ったかのようにバッと腰をあげると。
「ちょっくら和尚に聞いてくらぁ!」
すぐ隣に母親が居るのに、わざわざ響き渡るような大声でそう言うと、家を飛び出すなり駆け足で山のてっぺんにあるお寺へと向かった。
「こんちわ!……和尚居るかい!?こんちわぁ!」
扉をガンガンッと殴るよう乱暴に叩く吉之助。
その騒がしい音が堪らなかったのか、しわくちゃでつるっ禿げの和尚が辞めてくれと言わんばかりに急いで扉を開いた。
「はい、はい、はい。今行きますよ。どちら様です?…………おぉ!あらあらあら、吉ちゃんじゃないか。どうしたんだい。急に訪ねてきて。」
ここは田舎も田舎。うんと田舎の地域。事あるごとにお寺との関わり合いがあるため、地域住民全員とお寺の和尚、坊主連中はみんな顔馴染み。
子どもが生まれた時はお寺、人が亡くなるとお寺、祭りもお寺、何をするにもお寺お寺お寺尽くしの地域である。
「いやね、ウチに子どもが生まれたけど、名前が決めきれないんですよ。」
深刻そうな顔で、ここへ来た理由を話す吉之助。そんな彼は頭のネジが2、3本……いや、5、6本足りていない。ではなく、5、6本しかないような男である。
常識という武器があったとしても、それを打ち砕く精神の持ち主。
「うちの嫁さんが言うには、初七日だから名前を付けてくれって言うんだ。そのあとにね、お前さんの頭じゃまともな名前が付けられないだろうから、向こうの寺の和尚にでも聞いて来いって言われたんだよ。ボケが始まるとダメだから、うちの子の名前を考えさせて頭を働かしておやり。って言われたんだ。
そうゆうことでね、和尚さん。あなたにウチの子の名前を考えて欲しい!」
「本人を目の前にして、そんなことよく言えたものだな吉之助や。」
「あぁ……嫁さんも、本人の前では言うんじゃないよって言ってた。とりあえずだ、和尚!初七日なんだよ、名前考えてくれ。」
吉之助のマヌケさをよぉ~く知っている和尚は、呆れながらも話を前へ進めることにした。
仏の手前、感情的になることは許されないがためにグッと堪えて……
「何が、とりあえずだ。まったく。それで……初七日ってことは、誰か死んじまったのか?」
「いやいや、死んじゃいないよ。生まれたんだ!」
ここまできても吉之助のマヌケっぷりは止まらない。
「…………それなら初七日じゃない。お七夜だ」
「まぁ、何でもいいよ。和尚さん、ちょっくら名前考えてくれねぇか?」
初七日とお七夜の違いなんて、大した事じゃない!というのが吉之助の考え。
本人にしてしまえば、どちらも『七』の字が入ってるのだから、どれも縁起のいい言葉なのだろうという独自の解釈である。
「それでだ、吉之助。どんな名前を付けたいか……何か希望はあるかい?」
「そうだなぁ……健康ですくすく育つ名前にして欲しいな!病気一つしないような名前がよ。」
意外にも、しっかりと子どものことを考えている吉之助に、呆れ返っていた和尚もビックリ!!!
どこか安心した様子で、任せなさいと言わんばかりに、ドンっと胸を叩くとお経の書かれた巻物を盆に乗せて持ってきた。
「それならお安い御用だ!寺には有難いお言葉が書かれたお経が沢山あるからな。そこから取って付けようじゃないか。どれも縁起ものばかりだよ。
う~ん…………よし。この『無量寿経』という経文から寿限無なんてどうだい?
意味はな、『寿限り無し』ってことだ」
「ほうほう。寿限無ね……頂きましょう。ちょっとメモとりますから待ってくださいね。よし、他には?」
吉之助は、懐に入れていた紙切れと鉛筆で、拙いながらも和尚の言った言葉をメモしていく。
なんかミミズが這っているように見えるが、本人からすると真剣に字を書いているのである。
とりあえず、誰かに見せるものではないから書いた本人さえ読めればそれで良しというところだろう。
「他にとなると…… 五劫の擦り切れってのはどうだ?」
「ゴボウのすりこぎ!?」
「……どう聞き間違ったらそう聞こえるんだ?全く違う。五劫の擦り切れだ。
3000年に一度、天女が地上に舞い降りて袖が大岩を擦る。それが一劫。一劫が5回も続くってことで永遠を表す。つまり縁起がいいわけだ。」
「はぁ~3000年に一度で一劫ねぇ。それが5回と。……和尚、こりゃ誰かがそれを見てたってことですよね?」
「それは知らないよ。この言葉は唐土から伝わったことなんだから、たぶんあっちでは見てた人が居るんだろう。」
「そうですか。……いや~他にも沢山教えてもらってすいやせんね!こりゃ徹夜で名前決めなくちゃいけなさそうですよ。……そんじゃ、すいやせん。お世話になりやした!そいじゃ。」
聞くだけ聞いておいて、適当な挨拶で寺を後にした吉之助は、来た時と同じように駆け足で家へと帰った。
「ただいま!今、帰った。」
大声でそう叫びながら、家の引き戸を乱暴にガラガラッと弾き飛ばすかのように開ける。
普段からそういう開け方をするもんだから、母親の方も全く気にしない。澄ました顔でお寺に行った成果を問い質す。
「どうだったい?」
「かぁ~和尚は大したもんだ。色んなこと知ってやがる。禿げ散らかってはいるが、ありゃ村一番の知識を持ってるよ」
感心したかのように唸りながら、思ってもいない事を口にする吉之助。
ミミズのような字でメモをした紙を母親に見せると、どれにするか相談し始めた。
そろそろ日付も変わるという時間なのに、どの候補も素晴らしい意味だから捨てきれない。
吉之助は、早く決めてくれねぇかな。と母親を見、母親の方はと言うと、とっとと決めておくれよ。と吉之助を見る。
お互いに無言で名付けを譲り合うマヌケな夫婦です。
「やっぱりこっち、やっぱりこっちで後悔するのは嫌だから、これ全部繋げてやるか!」
考えることを辞めた吉之助は、とんでもない事を口走った。
正直、名前がどうなろうと気にしない母親は、そうかい、そうかい。と満足そうな顔で抱き抱えている赤ん坊を見つめている。
全く、呑気な夫婦が居たもんです。
家にある1番大きな紙に、墨と筆を用意してビャアーっと書いた父親の吉之助。
名前が書き終わった大きな紙を持って立ち上がり、自慢げに両の手で端と端を摘むと、バッと母親の目の前で自信ありげに広げた。
和尚から聞いた名前を全て繋げて日本一、いや世界一長い名前が完成した。……してしまった。誰からも望まれてないのに。
『寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食寝処に住処、藪裏柑子、藪柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガ、シューリンガのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長介』
これほど長い名前。小さい時は問題ありませんが、大きくなるにつれて多くの問題が出てきます。
つまり、社会に出るとなると大きな支障となる訳です。
すくすく育って、小学校にあがりました。
小学校では、生徒の名前を記した名簿と言う物が作られますが、彼の名前の欄だけ10人分のスペースがとられていました。
だから、彼の居るクラスの名簿だけ用紙のサイズが一回り大きいのです。
ーーーある日のこと、学校の同級生である欽ちゃんが一緒に学校へ行こうと家へ向かうと。
「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食寝処に住処、藪裏柑子の藪柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガ、シューリンガのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長介くーん……ハァ、ハァ、ハァ。すぅううううっ一緒に学校、行ーこーおーー!!!!」
名前が無駄に長いせいで、友達は彼の名前を呼ぶのも一苦労。
たかだか名前を呼ぶだけで、肺の中の空気を全部使ってしまう。だから、名前の後に続けて他の事を言えない。一度息を整えてからでないと、酸欠を起こしてしまう。
それを知らずにやった人が1人、救急車で運ばれたとか、運ばれてないとか…………
同級生の欽ちゃんが呼び掛けると、寿限無本人ではなく、その母親が割烹着を着けたまま急ぎ足で出てきた。
「あら、まぁ欽ちゃん、おはようさんね!ごめんなさいね。まだ、ウチの 寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食寝処に住処、藪裏柑子の藪柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガ、シューリンガのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長介ったら、寝てるのよぉ~。……ちょっと待っていてちょうだい。今起こしてくるから!!!」
母親は、クルッと180度回ると、ドタドタと息子の寝ている寝室に走って起こしに向かった。
「ちょっと!こら!起きなさい、寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食寝処に住処、藪裏柑子の藪柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガ、シューリンガのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長介!!!欽ちゃんが、学校へ一緒に行こうとわざわざ来てるのよ。早く起きなさい!」
「んん……あと5分…ムニャムニャ」
「あと5分じゃありません!早く起きて支度しなさい!欽ちゃんが表に来てるのよ?」
母親が身体を激しく揺すったりして起こそうとするが、なかなか起きない。
痺れを切らした母親は、父親の吉之助に相談することにした。
「アナタ、ちょっとアナタ!……今ね、家の前に欽ちゃんが来てるのよ。息子と一緒に学校へ行きたいんですって。だからね、私、あの子を起こそうと名前を呼んで身体も揺すったのに、全然起きないんですよ。どうにかしてください。」
「なに!?寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食寝処に住処、藪裏柑子の藪柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガ、シューリンガのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長介は、まだ寝てるだと!!!あんの寝坊助野郎……よし、俺に任せておけ。しっかり起こしてやる!」
床の間で新聞片手にお茶を啜っていた吉之助は、読んでいた新聞を乱暴に床へと置くとドシンドシンッと力強く息子の寝る寝室へと向かった。
「おい!いつまで寝てるんだ、寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食寝処に住処、藪裏柑子の藪柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガ、シューリンガのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長介ぇ!!!!欽坊が一緒に学校へ行きたいと来てるそうじゃねぇか!とっとと起きろぉおおおお!!!!!」
3軒隣まで届きそうなほど大きな声で、息子を起こそうと試みるが、うんともすんとも言わずに、グースカピースカ……寝息を立てながら布団の中で寝ている。
吉之助は同じことを何度も何度も繰り返しやるが、一度たりとも反応なしの効果なし。
ここまでしても一向に起きない息子。
母親は、玄関で待っている欽ちゃんに申し訳ないから、先に学校へ向かってちょうだいと伝えた。
それを言われた欽ちゃんは、もっと早くに言ってくれ。と言わんばかりにのトーンで。
「あんまり名前が長いから、学校夏休みになっちゃったよ……」
ーーー以上、『寿限無』というお噺でございました。
※ 本話の用語注釈は、別途用意しますのでしばらくお待ちください。
登場順に用語の意味を書きますので、行ったり来たりしながら読んでいただく事が出来るかと思います。
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