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第2章〜少年と惑星〜
ep51. 少年は自室で。エミリーは研究室(仮)で I
しおりを挟む「ふんふふん♪ ふふんふん♪ ジェ~イド~く~ん、遊びましょ~」
陽気な鼻歌を歌いながら、ルンルン気分で進んでいく
暇すぎて死にそうだったから、ジェイドとどんな遊びをしようか考えてると自然と笑みが 溢れちゃうよね~
「ゲヘッ……ゲヘヘヘヘッ。グフフフフッ…ジュルッ」
おっと、思わずヨダレが出ちゃった。油断大敵だよ。エミリーに見られたら、お腹空いてるのかと思われちゃう
平常心、平常心。
僕は早る気持ちを抑え、廊下を軽快なステップを刻みながらジェイドの居るNo4.倉庫へと向かっていく
「ジェーイドく~んっ!あーそびーましょー!!!」
彼に向かって声をかけながら扉が開くと、目の前に飛び込んできたのは、思いもよらない光景だった
ジェイドは檻の中でぐったりとしながら、横たわっていた!
「……ジェ、ジェイドっ!?どうしたのっ!何で動いてないの!?何があったの!?ねぇ、ジェイド!?」
急いで檻から解放して、必死に身体を摩るが一向に反応がない。それでも僕は、めげずに彼を目覚めさせようと摩る
彼の鋭く尖った鱗が僕の手の皮膚を突き刺すけど、そんなこと気にしていられない
一刻を争う事態だから、でき得ることはやらなきゃだよ
「ダメだ、これじゃ埒が明かない!エミリーっ!?エミリーっ!!!!」
こうなったら、万能AI & スペシャル助っ人のエミリーさんを呼ぶしかないよ
彼女ならどうにかしてくれるだろうし、こういう事態にも詳しそうだからね
僕が大声で叫んで間もなく、ものの30秒ほどで彼女は到着した
「ジェム君、どうかしましたかっ!?何かあったんですか?」
エミリーは僕にそう問いかけると、僕の身体をペタペタと触りながら、どこか異常がないか確認し始めた
「いや、エミリー。僕じゃないよ。ジェイドが……ジェイドが動かないんだっ!ーー助け…」
僕が全てを言い終える前に、無表情のエミリーが全てを曝け出した
「ご安心ください。このトカゲもどきは、薬で眠ってもらっているだけです。決して死んではいません。あと30分もしたら覚醒するでしょう」
「なんで……なんで薬で眠ってるのさ!エミリー何をしたの!?」
「このトカゲもどきが、どういった生き物で何を捕食し、どのような体構造をしているのかデータを集める為、安全を考慮して念には念をで麻酔をかけたまでです。私の主人である、ジェムくんを守るためのデータでもあるのです。ご理解ください」
僕は彼女が何を言っているのか分からない
そこまで考えているのであれば、僕に一言言ってくれれば良いのに、それもなしに無断で実験まがいの事をした
例え、未知の生物であれ彼らには僕らと同じ『命』がある。それを無下に扱う非倫理的な身勝手な行動は許されるものじゃない
ましてや、彼女は僕を補助するAI……もといロボットだ。所有者登録している者に無断で勝手な行動をとるとは言語道断。欠陥品として処分されてもおかしくはない
ーー彼女はそれに等しい行動をした
……それ以前の話として、僕の友達であるジェイドに薬を盛ったんだ
一歩間違えれば、最悪『死』。意識が戻ったとしても機能障害を起こす危険性があるんだ
僕は、だんだんと彼女に対して怒りが込み上げてきた
「君のしたことは許されないことだ!!!僕の友達を傷つけ、命の危険に晒した!たかが機械の分際でありながら、主人である僕に無断で勝手な行動をとり、主人の大切な友人である彼を実験台にした。エミリーなんて、大っ嫌いだっ!!!!!顔も見たくない!」
彼女は僕の言葉を表情一つ変えずに聞いていた
頷く動作や瞬き一つせず、ただただ黙って
そんな彼女を1人格納庫に残し、僕はジェイドが入った檻を抱えて自室へと走った
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いや久しぶりに読みましたがホントに読みやすいですね。
話に夢中になってしまいました。
少し刺激的な内容がちょくちょく入ってきていますがとても面白いです()
ジェイドも現れて、
とても状況が変わってきていますね、
これから何が起きるのか予測がつきませんが、
これからもよろしくお願いいたします!
お褒め頂きありがとうございますm(_ _)m
地に頭を擦り付けてお礼を言いたいぐらいです!
やはり、少しはそんな内容を入れた方が良いかと思いましてw
あまり多くは入れませんが、ちょっとぐらいは………ね?w
そうです!新しい仲間が増えました!!!
彼が本格的に登場するのは、もう少し後になりそうですが、作品名にもある通り中心的な登場人物の1人です。
これからも、ジェムとエミリー、ジェイド共々 宜しくお願いしますm(_ _)m
当作品の再開はもう少し時間を頂く予定ですが、もっともっと面白い内容をお届けできるよう精進いたします!
これからも、ご愛読と応援をよろしくお願いします!!!!
お久しぶりです。
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お久しぶりです!
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お待ちしておりました!!戻って来てくださり嬉しいですw
これからもよろしくお願いします(^^)
あけましておめでとうございます。
連載ありがとうございました。
現在私忙しくてですね、ちょっと小説読めないときがあります。
さて、息抜きに見ました。
すごい面白かったですよ。
ジェムのドライブいいですね
エミリーが土を口に入れる場面は少し驚きました。
楽しみです。
明けましておめでとうございます!
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学生さんですからね。自由な時間は僅かだとは思いますが、息抜き程度に読んで頂けたら幸いです!!
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