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第2章〜少年と惑星〜

ep40. 少年とトカゲもどき III

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「うぉっ!!!!あっぶないな~」


紙切れを手に取ろうとした瞬間、このトカゲの野郎が火を吹きやがった!

君、僕の手も一緒に燃やそうとしてなかった!?

どこはかとなく、悔しそうな表情をしてるのは気のせいだよね?

例えそうじゃなくても、気のせいであってほしいよ……


ともかく、コイツの名前は決まったね。危うく手が無くなるところだったけどさ


ーーージェイド


それがこのトカゲもどきに付いた新しい名前だ

決まった後に言うのもなんだけど、なんか悪者っぽい名前だよね?どことなく悪役感漂ってるよ……


「今から君の名前は、『ジェイド』だ!これは、君自身が選んだ名前だから一生大切にしなよ?……そして、この名前の意味は、翡翠。エメラルドグリーン色した君の身体から考えたんだ。宝石のように綺麗な色だしね」

「クゥ?……クヮッ!!!」

「気に入ったの?……そんな事より、もしかして僕の言葉分かってる?」

「クヮ???」

「そんなまさかね。人なんて居ないだろうこの惑星で、人の言語を理解する生き物なんて居ないよ。ゴメンゴメン、僕の思い違いさ!気にしないで」


理解は示してそうなんだけど……ね?

所詮は虫類だよ。人の言葉なんて分かるわけがない!

完全に僕の思い違いだし、勘違いだよね

早とちりはダメな事だし、もし、人の言葉が理解できる可能性があるなら、時間をかけて検証する必要があるよ


……さてと。そろそろ向こうにいるエミリーを呼んで帰ろうか。ちょっと疲れを感じてきたよ

ジェイドのこれからを考えないといけないし、何よりお腹が空いた!!!

腹が減っては戦ができぬ、だよ。もうお腹空いてクタクタです……

ただ今、エミリーは車から100mほど離れた所にしゃがみこんで何やら作業にいそしんでる


「エミリー!!!!!帰るよぉおおおおお」

「ジェム君、もうしばらくお待ちをぉおおお!今、下処理の途中ですからぁああああ!!!!」


…………えっ?

し、下処理?なんの?僕たち、そんな道具なんか持ってきてないはずだよね

え~と。ゴメン、マジで意味がわからないんだけど……

これだけの距離があるからなぁ……うん。車で近くまで行こう。檻の中にジェイドも居ることだし


愛車のエンジンをかけて、目的地は2時方向に居る僕の相棒エミリー!

……もちろん、手前3mぐらいのところで止まるよ?

彼女クラスなら、車に突っ込まれたぐらいで壊れたりしないだろうけど……念の為ね


荷台に置いただけのジェイドの入っている檻が流されないように、適当なロープで車に縛り付けておく

正直、この作業は緊張する。火を吹かれないか、噛まれないか、長い爪で引っ掻かれないか等

ジェイドは、どうも、まだこちらを警戒しまくっている様子だからね。怪我をしないよう、細心の注意を払うよ

きっとダダじゃ済まないだろうし……

僕の指なら一本や二本簡単だろうし、何なら僕の姿焼きができちゃうよ。誰も喜ばない一品がね


そんな事を考えながらも出発準備を進めていく

と言っても、檻の固定と車両点検ぐらいなんだけどね……


「出発用意よし。檻の固定完了、タイヤ異常なし、装備品に不足なし、車両搭載品に不足や異常なし、オールクリア!!!……ジェイド、頼むからじっとしててね」


よし、それじゃあ出発だぁああああ!!!!!!!


これが初めての僕、単独の運転。ドキドキするね

この地点までは、エミリーが隣でフォローしてくれてたけど、今から単独運転だから少々不安が……

それでも、たった100m進むだけなんだけどさ


はたから見たら小さな一歩だが、僕からしたら大きな一歩だ!」


僕はそう叫びながら、ゆっくりとアクセルを踏み込んだ


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