41 / 52
第2章〜少年と惑星〜
ep40. 少年とトカゲもどき III
しおりを挟む「うぉっ!!!!あっぶないな~」
紙切れを手に取ろうとした瞬間、このトカゲの野郎が火を吹きやがった!
君、僕の手も一緒に燃やそうとしてなかった!?
どこはかとなく、悔しそうな表情をしてるのは気のせいだよね?
例えそうじゃなくても、気のせいであってほしいよ……
ともかく、コイツの名前は決まったね。危うく手が無くなるところだったけどさ
ーーージェイド
それがこのトカゲもどきに付いた新しい名前だ
決まった後に言うのもなんだけど、なんか悪者っぽい名前だよね?どことなく悪役感漂ってるよ……
「今から君の名前は、『ジェイド』だ!これは、君自身が選んだ名前だから一生大切にしなよ?……そして、この名前の意味は、翡翠。エメラルドグリーン色した君の身体から考えたんだ。宝石のように綺麗な色だしね」
「クゥ?……クヮッ!!!」
「気に入ったの?……そんな事より、もしかして僕の言葉分かってる?」
「クヮ???」
「そんなまさかね。人なんて居ないだろうこの惑星で、人の言語を理解する生き物なんて居ないよ。ゴメンゴメン、僕の思い違いさ!気にしないで」
理解は示してそうなんだけど……ね?
所詮は爬虫類だよ。人の言葉なんて分かるわけがない!
完全に僕の思い違いだし、勘違いだよね
早とちりはダメな事だし、もし、人の言葉が理解できる可能性があるなら、時間をかけて検証する必要があるよ
……さてと。そろそろ向こうにいるエミリーを呼んで帰ろうか。ちょっと疲れを感じてきたよ
ジェイドのこれからを考えないといけないし、何よりお腹が空いた!!!
腹が減っては戦ができぬ、だよ。もうお腹空いてクタクタです……
ただ今、エミリーは車から100mほど離れた所にしゃがみこんで何やら作業に勤しんでる
「エミリー!!!!!帰るよぉおおおおお」
「ジェム君、もう暫くお待ちをぉおおお!今、下処理の途中ですからぁああああ!!!!」
…………えっ?
し、下処理?なんの?僕たち、そんな道具なんか持ってきてないはずだよね
え~と。ゴメン、マジで意味がわからないんだけど……
これだけの距離があるからなぁ……うん。車で近くまで行こう。檻の中にジェイドも居ることだし
愛車のエンジンをかけて、目的地は2時方向に居る僕の相棒エミリー!
……もちろん、手前3mぐらいのところで止まるよ?
彼女クラスなら、車に突っ込まれたぐらいで壊れたりしないだろうけど……念の為ね
荷台に置いただけのジェイドの入っている檻が流されないように、適当なロープで車に縛り付けておく
正直、この作業は緊張する。火を吹かれないか、噛まれないか、長い爪で引っ掻かれないか等
ジェイドは、どうも、まだこちらを警戒しまくっている様子だからね。怪我をしないよう、細心の注意を払うよ
きっとダダじゃ済まないだろうし……
僕の指なら一本や二本簡単だろうし、何なら僕の姿焼きができちゃうよ。誰も喜ばない一品がね
そんな事を考えながらも出発準備を進めていく
と言っても、檻の固定と車両点検ぐらいなんだけどね……
「出発用意よし。檻の固定完了、タイヤ異常なし、装備品に不足なし、車両搭載品に不足や異常なし、オールクリア!!!……ジェイド、頼むからじっとしててね」
よし、それじゃあ出発だぁああああ!!!!!!!
これが初めての僕、単独の運転。ドキドキするね
この地点までは、エミリーが隣でフォローしてくれてたけど、今から単独運転だから少々不安が……
それでも、たった100m進むだけなんだけどさ
「側から見たら小さな一歩だが、僕からしたら大きな一歩だ!」
僕はそう叫びながら、ゆっくりとアクセルを踏み込んだ
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
あなたの記憶、買います。
鴨居ダンテ
SF
*ラノベ感ゼロの正統派SF
記憶が金になる2045年の日本。電気海馬の開発によって、記憶は自由性を獲得し、その利用は幅を広げていた。東京の一角で非合法となっている記憶の売買を引き受ける〈記憶屋〉には、連日様々な人間が記憶を売りに訪れ、そしてアジアの富裕層が記憶を買い取りに来る。そんな記憶屋の平坦な日常に現れる一人の老人。
*一番最初に書いたSFなので、ゲシュタルト崩壊ぎみ。長編の改版も書こうと思っています。
宇宙装甲戦艦ハンニバル ――宇宙S級提督への野望――
黒鯛の刺身♪
SF
毎日の仕事で疲れる主人公が、『楽な仕事』と誘われた宇宙ジャンルのVRゲームの世界に飛び込みます。
ゲームの中での姿は一つ目のギガース巨人族。
最初はゲームの中でも辛酸を舐めますが、とある惑星の占い師との出会いにより能力が急浮上!?
乗艦であるハンニバルは鈍重な装甲型。しかし、だんだんと改良が加えられ……。
更に突如現れるワームホール。
その向こうに見えたのは驚愕の世界だった……!?
……さらには、主人公に隠された使命とは!?
様々な事案を解決しながら、ちっちゃいタヌキの砲術長と、トランジスタグラマーなアンドロイドの副官を連れて、主人公は銀河有史史上最も誉れ高いS級宇宙提督へと躍進していきます。
〇主要データ
【艦名】……装甲戦艦ハンニバル
【主砲】……20.6cm連装レーザービーム砲3基
【装備】……各種ミサイルVLS16基
【防御】……重力波シールド
【主機】……エルゴエンジンD-Ⅳ型一基
(以上、第四話時点)
【通貨】……1帝国ドルは現状100円位の想定レート。
『備考』
SF設定は甘々。社会で役に立つ度は0(笑)
残虐描写とエロ描写は控えておりますが、陰鬱な描写はございます。気分がすぐれないとき等はお気を付けください ><。
メンドクサイのがお嫌いな方は3話目からお読みいただいても結構です (*´▽`*)
【お知らせ】……小説家になろう様とノベリズム様にも掲載。
表紙は、秋の桜子様に頂きました(2021/01/21)
星の記憶
鳳聖院 雀羅
ファンタジー
宇宙の精神とは、そして星の意思とは…
日本神話 、北欧神話、ギリシャ神話、 エジプト神話、 旧新聖書創世記 など世界中の神話や伝承等を、融合させ、独特な世界観で、謎が謎を呼ぶSFファンタジーです
人類が抱える大きな課題と試練
【神】=【『人』】=【魔】 の複雑に絡み合う壮大なるギャラクシーファンタジーです
【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる