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第2章〜少年と惑星〜
ep39. 少年とトカゲもどき II
しおりを挟むやってないのに、やったことになってるってのは許し難い事ですよ!
まさかエミリーが、こんな可愛らしい男の子である僕のことを疑いの目で見るなんて……
さすがの僕でも、危険か危険じゃないかぐらいの判断はできるよ!善悪の判断ぐらいさ。それが分からないほど幼くはないよ!!!
すぐ僕を疑ったエミリーを軽蔑するね!
一体全体、僕のどこを見て、犯人だと決めつけてるんだろうね。頭ごなしに犯人扱いするのは酷いよ。
先入観だけで物事を判断するのは危険だよ?
…………ってお父さんが言ってた。あまり意味は理解してないけど、今さっきの状況にはもってこいの言葉だよね?
はぁ~………なんでコイツが怒られないで、僕が怒られるのさ
檻の中にいるトカゲもどきは、澄ました顔でジッとどこかを見つめていた
その視線の先には、濃い青をした空がどこまでも広がっている
僕も同じように見つめると、雲ひとつない空の向こうには、どんな世界が広がってるんだろう……などと不意に考えてしまった
「あっ、いけない!まずはコイツの観察からだ。……それにしても名前がないのは不便だね。とりあえずの名前だけ付けとく?」
このトカゲもどきを捕獲してから、早くも1時間が経とうとしていた
なんか、コイツ呼ばわりされるのは不憫に思ってしまうよね
愛車を燃やされたけど……
とりあえず名前だけは付けておこうか。……と言っても、良い名前が思いつかないんだよね~
う~ん……何か良い名前ないかな?
ホームズ。違う!そんな感じのやつじゃない!
ワトソン?……いや、完全にシャーロック・ホームズじゃん!!!
どっちのイメージもアイツとは違う!ナシナシ!
なんか、こう……カッコイイ名前が良いな。ドラゴンっぽいやつ!
『ドラゴ』とかは、ん~ありきたりだよなぁ。あっ、色から取れば良いんじゃない!?
コイツの体って、エメラルドグリーン色の鱗で覆われてるから…………ん~ラルド?
違うよね。うん。わかる。僕自身、何言ってるんだろうってなったもん
エメラルドグリーン……緑色………エメラルド……翡翠………翡翠!
そう、それだ!!!
翡翠を英語にしたらジェイド、フランス語でジャッドだから、格好良さが出るよね!
なんだけど、どっちもカッコイイんだよね~
エミリーに相談しようかな?
いや、頭ごなしに犯人扱いされたばかりだ。あんなヤツに聞いたりするもんか!
これは僕が決める。僕だけで決めてやる!
そうなれば、どれにするかだけど……悩むよねぇ
『ジェイド』か『ジャッド』、どっちもカッコイイんだよな~
名前って、基本的に一生変わることのないものだから、責任重大だし、決めた後から後悔なんてしたくない。……なら、いっそのこと繋げちゃう?
『ジェイドジャッド』?
『ジャッドジェイド』?
なんか訳わからないから止めよう。一周回ってダサいし、アホらしいわ
でも、まぁどっちにしろ意味は同じだから、発音の問題なんだよね
よし!もうこうなったら、直接コイツに聞くしかないよね
僕は、持っていたメモ用紙を2つに裂き、1つずつ単語を書いて、トカゲもどきの目の前へと置いた
「なぁ、お前さんは『ジェイド』と『ジャッド』、どっちが良い?どれも意味は翡翠の事だよ。どの発音が良いかな?」
「クヮ……?」
「ま、僕の言ってる言葉わからないよね~。ゴメンゴメン、もう少し1人でじっくり考えるよ」
僕がそう言って両方の紙切れを拾い上げようとすると……再びコイツの口から炎が!!!
『ジャッド』と書いた紙だけを跡形もなく燃やし尽くした
ーーー手元には『ジェイド』と書かれた紙切れが残っていた
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