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第2章〜少年と惑星〜

ep21. 少年、プレゼントを贈る

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「ハァ……ハァ……ハァ………。こいつは素晴らし……じゃなかった、危険だ。いったい誰だ、こんな所に説明書を挟んだ奴は……」


僕は、手に汗にじむ緊張をしながら、義体に付いているの2つのボインに挟まっていた『義体取扱説明書』を抜き取った

ただでさえ刺激が強い状態で入っているのに、こんなサービs……いや、嫌がらせまでされるなんて思ってもいなかったよ……

船内に、僕以外の人が居なかったのが唯一の救いかな?

ふぅ~……ホント、精神衛生上悪いや

いつか、あんな説明書の置き方をした奴にクレームお礼を言ってやる!!!

けしからん。実に、けしからん……フフフッ


ムフフな時間はさておき、そろそろ艦橋に行かなきゃな

あと少し……ってか、もう目の前じゃん!!!


「エミリー!!!今戻ったよ~」


大声で彼女の名前を呼びながら、帰ってきたことを報告するが……


「エミリー?ねぇ、居る?……エミリー?」


いつもならすぐに返事をしてくるはずなのに、まだケーブル内を移動しているのか、うんともすんとも言ってこない……

もしかして、あの時、無理言っちゃったかな?

僕、少し反省しなきゃいけないね……

実体が無いものに、大きな仕事を任せるのはダメだよね……


僕が素直に反省をしていると、いつものモニターから声が聞こえてきた


「は、はい!ジェム君。お帰りなさい!……主人あるじのお帰りでありますのに、仕えている私が後になったこと深く反省致します」


上ずった声で、返事をしたエミリーは、シュンとした感じのトーンで詫びを入れてきた

いやいや、かしこまり過ぎでしょ……


「あっ、いや。エミリー?そこまで謝らなくても良いんだよ?別に怒ってなんかないしさ……。それに、僕も大変な仕事を命じちゃったな~って反省してるし」

「いえ!滅相もございません。主人であるジェム君の帰りを待っているのが、従者としての心構えでございますから。そして、主人の命令……いえ、お願いとあらば、しっかりと遂行しなければなりませんし」


おいおいおいおい!そこまで言われたら、何も言い返せないじゃないか!!!

ヤダよ。このAI…………忠実過ぎるでしょ

なんか、プレゼントを渡すタイミングがおかしくなっちゃったな……

う~ん……………まぁ良いか。もう渡しちゃおう!!


「エミリー…………君に渡したい物があるんだ」

「はい。何でございますか?ジェム君から頂けるものなら、何であっても嬉しいですよ!」

「そう?そう言ってくれるとありがたいな。あのね、エミリー、ビックリすると思うよ!プレゼントはね~……じゃじゃん!!『AI船外活動用汎用義体』さ!」

「えぇ!?そんな重たい物をよくここまで運べましたね。さすが、私のご主人様です!…………あの~さっそく使ってみても、よろしいですか?」


あっ、AIなのに良い反応するじゃん……

エミリー、本当にAI???

これ中に人間が入っているとかのドッキリじゃないよね?

まぁ喜んでるから結果オーライだけどさ


「もちろん!それじゃあ、義体の接続用ケーブルをモニターに繋げるね」

「よろしくお願いします。アァッ!アッフ~ン……アッ」

「ブフッ!!…………ちょ、エミリー?変な声出さないで。マジでやめて」


ケーブルの端子をモニターへと指すと同時に、モニターが強く輝き、光の玉がケーブルを伝って義体へと移動していくのが見えた

しばらくすると、モニターの光は弱まり、そして消えた

静寂が艦橋内を包み込んだ
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