上 下
18 / 52
第2章〜少年と惑星〜

ep17. 少年、外から船の様子を確認する IV

しおりを挟む

僕はエンジンがある船尾へと歩みを進める

歩みを進める……歩みを……歩み……あゆ……あ…………

500mって長いな!思った以上にある!!長い!

船の頭のてっぺんから足の先に向かって行くわけだよ。まだ船体中央部前半だよ!あれから1、2分は歩いてるよ?

まだ着かないの?

……なんかしんどいな~

乾いた風が歩くことをさらにキツくするよ

あっ、水筒の水飲もう。脱水症状になるとマズイしね……

お父さんやお母さんから、水は小まめに飲みなさいって言われてるから守らないと!


ングッ……ングッ……プハーッ!

あぁ~生き返るなぁ~


ん、あれ……?そろそろ日が暮れるのかな?

まぁ船から出た時、太陽は真上にあったから当たり前か

真上を12時だとすると、2時の位置に2つの太陽がある。やっぱり違和感を感じるな……2つの太陽って

さて、歩きますか。エンジンはまだまだ先だぞぉ~頑張ろう!


歩いて4分ぐらい経ったかな。ようやくエンジン部分が手に届きそうな距離になってきた!

なんだろう……この達成感。ただ500m歩き続けただけなのに

あと少し!頑張るんだ!エンジンをしっかり確認するんだ!

それからすぐに僕はエンジンの目の前へと着いた

ふと、後ろを確認するとさっき居た船首部分が小さく見える


「けっこう歩いたね。途中に見た船体中央部の縦ヒビは衝撃だったな~……あれじゃ飛んだとしてもすぐに真っ二つだよ」


そう、中央部のヒビが凄かった

幅1mほどの大きなヒビが船底部分から船の真ん中までビシィーって走ってたんだ

船が真っ二つになってないのが不思議なぐらいに……


現実って辛いね。船から出る前までは、ちょっと直せば大丈夫!って思ってたのに、いざ目の当たりにすると自分の考えが如何に甘かったかってのに気付かされるよ


「それじゃあ、エンジンがどうなっているか確認しようかな…………。これは詳しく見るまでもないか」


結果から言うと、エンジンを丸々替えないといけない状態だった

ダメになっていたところを挙げていくと


エンジンの噴射口が潰れている

4つあるはずのサブエンジンが2つ、外れて地面に落ちている

エンジンと繋がっているはずの配管が、折れて装甲から飛び出ている

見えるところにある配線がズタズタに切断されている

3つあるはずのメインエンジンの片方が無くなっている


見ただけでこれ程の被害が確認できた

こんなの素人目にも分かるよね。もう飛べないってことが


ここまでくると諦めもしっかりついてるよ……

次はどうやって帰るか。どうやって救助されるかを考えないといけないわけだけど……

まずは、生き残ることを最優先事項にしなきゃいけないね!

エミリーに電源回復できるかお願いしてるから、もし出来るのであれば回復させたい

電気って生活の一部で、ものすごく大切なものだからね!

生活必需品ってやつだよ

家族が眠っているままのコールドスリープ装置を維持するのにも電気が必要だもん


…………それじゃあ帰りますか。僕の家族とエミリーが待っている船に


僕が戻ろうとした時にはすでに日が落ち始めていた

タイミング的には、早くもなく、遅くもなく、ちょうど良い感じだよ

今日のご飯は何にしようかな~
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

性転換タイムマシーン

廣瀬純一
SF
バグで性転換してしまうタイムマシーンの話

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

あなたの記憶、買います。

鴨居ダンテ
SF
*ラノベ感ゼロの正統派SF 記憶が金になる2045年の日本。電気海馬の開発によって、記憶は自由性を獲得し、その利用は幅を広げていた。東京の一角で非合法となっている記憶の売買を引き受ける〈記憶屋〉には、連日様々な人間が記憶を売りに訪れ、そしてアジアの富裕層が記憶を買い取りに来る。そんな記憶屋の平坦な日常に現れる一人の老人。 *一番最初に書いたSFなので、ゲシュタルト崩壊ぎみ。長編の改版も書こうと思っています。

星の記憶

鳳聖院 雀羅
ファンタジー
宇宙の精神とは、そして星の意思とは… 日本神話 、北欧神話、ギリシャ神話、 エジプト神話、 旧新聖書創世記 など世界中の神話や伝承等を、融合させ、独特な世界観で、謎が謎を呼ぶSFファンタジーです 人類が抱える大きな課題と試練 【神】=【『人』】=【魔】 の複雑に絡み合う壮大なるギャラクシーファンタジーです

宇宙装甲戦艦ハンニバル ――宇宙S級提督への野望――

黒鯛の刺身♪
SF
 毎日の仕事で疲れる主人公が、『楽な仕事』と誘われた宇宙ジャンルのVRゲームの世界に飛び込みます。  ゲームの中での姿は一つ目のギガース巨人族。  最初はゲームの中でも辛酸を舐めますが、とある惑星の占い師との出会いにより能力が急浮上!?  乗艦であるハンニバルは鈍重な装甲型。しかし、だんだんと改良が加えられ……。  更に突如現れるワームホール。  その向こうに見えたのは驚愕の世界だった……!?  ……さらには、主人公に隠された使命とは!?  様々な事案を解決しながら、ちっちゃいタヌキの砲術長と、トランジスタグラマーなアンドロイドの副官を連れて、主人公は銀河有史史上最も誉れ高いS級宇宙提督へと躍進していきます。 〇主要データ 【艦名】……装甲戦艦ハンニバル 【主砲】……20.6cm連装レーザービーム砲3基 【装備】……各種ミサイルVLS16基 【防御】……重力波シールド 【主機】……エルゴエンジンD-Ⅳ型一基 (以上、第四話時点) 【通貨】……1帝国ドルは現状100円位の想定レート。 『備考』  SF設定は甘々。社会で役に立つ度は0(笑)  残虐描写とエロ描写は控えておりますが、陰鬱な描写はございます。気分がすぐれないとき等はお気を付けください ><。  メンドクサイのがお嫌いな方は3話目からお読みいただいても結構です (*´▽`*) 【お知らせ】……小説家になろう様とノベリズム様にも掲載。 表紙は、秋の桜子様に頂きました(2021/01/21)

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】

一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。 しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。 ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。 以前投稿した短編 【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて の連載版です。 連載するにあたり、短編は削除しました。

宇宙人へのレポート

廣瀬純一
SF
宇宙人に体を入れ替えられた大学生の男女の話

処理中です...