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第2章〜少年と惑星〜
ep17. 少年、外から船の様子を確認する IV
しおりを挟む僕はエンジンがある船尾へと歩みを進める
歩みを進める……歩みを……歩み……あゆ……あ…………
500mって長いな!思った以上にある!!長い!
船の頭のてっぺんから足の先に向かって行くわけだよ。まだ船体中央部前半だよ!あれから1、2分は歩いてるよ?
まだ着かないの?
……なんかしんどいな~
乾いた風が歩くことをさらにキツくするよ
あっ、水筒の水飲もう。脱水症状になるとマズイしね……
お父さんやお母さんから、水は小まめに飲みなさいって言われてるから守らないと!
ングッ……ングッ……プハーッ!
あぁ~生き返るなぁ~
ん、あれ……?そろそろ日が暮れるのかな?
まぁ船から出た時、太陽は真上にあったから当たり前か
真上を12時だとすると、2時の位置に2つの太陽がある。やっぱり違和感を感じるな……2つの太陽って
さて、歩きますか。エンジンはまだまだ先だぞぉ~頑張ろう!
歩いて4分ぐらい経ったかな。ようやくエンジン部分が手に届きそうな距離になってきた!
なんだろう……この達成感。ただ500m歩き続けただけなのに
あと少し!頑張るんだ!エンジンをしっかり確認するんだ!
それからすぐに僕はエンジンの目の前へと着いた
ふと、後ろを確認するとさっき居た船首部分が小さく見える
「けっこう歩いたね。途中に見た船体中央部の縦ヒビは衝撃だったな~……あれじゃ飛んだとしてもすぐに真っ二つだよ」
そう、中央部のヒビが凄かった
幅1mほどの大きなヒビが船底部分から船の真ん中までビシィーって走ってたんだ
船が真っ二つになってないのが不思議なぐらいに……
現実って辛いね。船から出る前までは、ちょっと直せば大丈夫!って思ってたのに、いざ目の当たりにすると自分の考えが如何に甘かったかってのに気付かされるよ
「それじゃあ、エンジンがどうなっているか確認しようかな…………。これは詳しく見るまでもないか」
結果から言うと、エンジンを丸々替えないといけない状態だった
ダメになっていたところを挙げていくと
エンジンの噴射口が潰れている
4つあるはずのサブエンジンが2つ、外れて地面に落ちている
エンジンと繋がっているはずの配管が、折れて装甲から飛び出ている
見えるところにある配線がズタズタに切断されている
3つあるはずのメインエンジンの片方が無くなっている
見ただけでこれ程の被害が確認できた
こんなの素人目にも分かるよね。もう飛べないってことが
ここまでくると諦めもしっかりついてるよ……
次はどうやって帰るか。どうやって救助されるかを考えないといけないわけだけど……
まずは、生き残ることを最優先事項にしなきゃいけないね!
エミリーに電源回復できるかお願いしてるから、もし出来るのであれば回復させたい
電気って生活の一部で、ものすごく大切なものだからね!
生活必需品ってやつだよ
家族が眠っているままのコールドスリープ装置を維持するのにも電気が必要だもん
…………それじゃあ帰りますか。僕の家族とエミリーが待っている船に
僕が戻ろうとした時にはすでに日が落ち始めていた
タイミング的には、早くもなく、遅くもなく、ちょうど良い感じだよ
今日のご飯は何にしようかな~
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