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第2章〜少年と惑星〜

ep13. 少年は仲間を得る

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こんな惑星に不時着したなんて…………

どう生き残れっていうの?

僕まだ10歳だよ?

普通なら学校行ったり、外で友達とワイワイ遊んだりしてるはずなのに

それなのに!………1人何もない惑星にポツンと

助けはいつ来るの?

僕、また学校に行けるのかな……

友達と遊べるのかな……

ねぇ、誰か答えてよ

僕をひとりにしないで……


「グスッ……グスッ……エ、エミリー居る?エミリー?」


寂しさがこみ上げてきた僕は、涙で濡らしたままの顔で艦橋へと戻ってきた

誰かが側に居てくれないと心細くて死んでしまいそうだから

両親と妹が眠ったままでひとりぼっちの僕には、誰かが側に居てくれないとダメみたいだ……


「……はい。ジェム君、どうかしましたか?」

「グスッ……うん。ちょっと側に居てほしいんだ」

「それならお気に召すまでお側に居ますよ?どうされたのです?涙を流されて……」


エミリーは、涙を流す僕を見てAIであるにも関わらず心配してくれている

AIなのに……

でも、そんな心遣いが嬉しく感じた


「いや、その……」

「もしかして、外をご覧になったからですか?草木も生えてなく、乾いた大地が延々と広がっている惑星の様子を目の当たりにして」

「……うん。この惑星に居て、本当に助けが来るのかなって。僕、死んじゃうんのかなって」

「そうですか。……事実、このままだと確実にそうなります」

「……だよね」


AIに断言されて、僕のボロボロになっている心は崩壊しそうになった

全てことを把握して、最善の選択を取るAIが断言したんだ

彼女が無理だと言えば無理なんだよ

助けが来ることなんてことは諦めるしかないんだ……


「でも、ジェム君がどうしても生き残りたいと仰れば、私は持ち得る全ての力を貴方のために使いますよ」

「…………それってどういうこと?」

「諦めないでという事です。全くもって人間は不思議な生き物ですよ。私のデータベースの中に不思議な事が書いてありました。その昔…………」


エミリーが語った物語はこうだ

その昔、とある辺境の無人惑星に取り残された1人の男が自力で脱出しようと試みる

限りある資材を使って自作ロケットを製作し、なんとか宇宙空間に出たのは良いが、そこで燃料が切れてしまった

真っ暗な宇宙空間を漂流する事になった男は、物資節約のため、コールドスリープ装置に入り救助されるまでを過ごした

宇宙を漂流し続けて5年。警備航行中だった警備隊に偶然にも救助されて事なきを得た。と

その後、救助された男が言った言葉は《決して諦めるな。努力する者に救いはある。希望の光を見失うな》だったそうだ


「……まるで僕みたいな始まりだ。でも、彼は強かった」

「いいえ、彼も貴方のように泣いたりもしたでしょう。しかし生き延びようと努力をしました。決して諦めずに」

「でも……僕には」

「ネガティヴに考えるのはやめましょう。貴方の側には私が居ます。1人ではありません。で力を合わせれば不可能も可能になります!」

「…………そうかな。僕なんかが本当にできるかな」

「私は信じています。私のマスターであるジェム君、貴方ならこの惑星から脱出できることを。その為に私を使ってください。全力を持ってサポート致します」


AI……いや、エミリーに励まされたことで心がだいぶ楽になった


希望の光…………か


まだまだ見えない光だけど、いつか掴み取るべきものだ

僕は決してひとりじゃない


エミリーという大切な仲間が居る!
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