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新しい世界
Ep.2 パッパ、マッマとご対面!!!
しおりを挟むさて、これからどうしましょう。
一旦整理すると。死にました、異世界に転生しました、目覚めたら女の子でした。
…………女の子でした。うん、はい。……はぁ
そもそもだけどーーー
転生したら女の子でした!やったね!いっぱいキャピキャピしちゃうぞ?……ってなるか!!!
あの神様……どうしてやろうか。今なら邪神だろうが何だろうが、あの野郎と相反する者と契約して滅してやりたいよ。
「あぁ~なんで、こんな事になっちまったんだろう……神様ぁ~神様ぁあああ!!!!」
男の姿にして欲しい 一心でなんとなく叫んでみた。ま、どうせ無駄なことですよ。叶いっこない夢ですよね。わかります。
テーテレ~テレレ~テッテレーテ~
どこからともなくヘンテコな音色が聴こえてきた。
「何これ怖い。変な音鳴ってる。壊れた電子音みたいな音聞こえる。マジ異世界怖いわ……」
不快な気持ちになりながら、音が鳴り止むまで耳を抑えて身を縮めていると、いつの日か某動画サイトで見たような光景が目の前に現れた。
雲に乗った神様が渦巻き模様をあしらったダッサイ眼鏡を掛け、雑な作りのつけ髭、ボッサボサな髪、擦り切れたボロボロの装衣を身に付けた姿で現れやがった!!!
俺、知ってるぞ…………これってあれだろ?ド◯フでやってたコント。加◯茶と志◯けんがやってたやつ。
あのなぁ……お前マジで怒られるぞ。著作権ガン無視な上に、クソみたいに低いクオリティ……
どうせ、著作権云々を言ったら『僕、神様だから』って片付けるわけだろ?ふざけやがって。
さて、どうしよう……あいつのボケにノっとく?無視する?1番無難なのは無視なんだけどね。野郎を調子乗せると大変な目に遭いそうなんだよね~
「あ、アンタ、神さまかい?」
『あんだって?!』
「アンタは、神さまかい?」
『あんだって?!?!もう随分と耳が遠くなってね。すまないね。』
「ふぅ~……ア・ン・タ・は・か・み・さ・ま・かい!?」
『……っ!とんでもない!!あたしゃ神様だよ!」
ごめん。ムリだった……無視できなかった。
アイツのボケにノっちゃった。誘惑に勝てなかった。我慢できませんでしたァ!!!サーセン、反省してます!
『あたしを呼んだのはアンタかい?願いは何だい?』
いや、それ続けるのかよ!!!
お前、ふざけるのも大概にしろよ!?さっきのやつで完全にアウトだよ!それより先を続けようとするお前はバカなの?
創造神や邪神なんて大層なもんじゃない。お前、本当に 神様だよ。
ちりちりヘアーにぐるぐるメガネを掛けて、ボロッボロの神主装束を身に纏った巫山戯た野郎が、俺のことチラチラ見てやがる。
そろそろ止めよう。そのボケに飽きたし。その姿で目の前に居られるのがイラってくる。マジ目障りだわぁ……。
「おい、そろそろ終われよ。テメェ、今頃になって何しに来やがった。……あっ、そうか。俺に殺されに来たんだな?そうだよな?」
『あんだって?…………いや、冗談だよ。そんな目で睨むなよ。君の憧れてた女の子の身体だよ~?嬉しいでしょ!いや~どの娘にしようか迷ったんだよね~……そうかそうか。気に入ってくれたか!」
「待てこの野郎。誰が気に入ったって?テメェの頭はお花畑か?今すぐ焼け野原にしてやろうか!えぇ!?」
『ん?なんで君はそんなに怒ってるの?君の憧れてた女の子ボディだよ?あっ、君の言葉を借りると おにゃのこだよ?発達途上のピチピチだよ?君みたいなロリコ……ヘブッ!!!ちょ、物を投げるのは反則でしょ!はい、反則負けぇー』
「誰がロリ◯ンだ!俺はな、こんなガキみてぇな身体に興味ねーんだよ!もっとボンキュッボンってなってる身体が好みなんだよ!!!ツルペタの何が良いってん………………だ。えっ?」
………………ガチャッ
神様と大声で口論していると突然、部屋の扉が開いた!誰か来ちゃったよ!
「セ、セイラ……目覚めたのか!おぉ……愛しの我が娘。もう二度と目が覚めないかと思っていたが。あぁ……創造神ウスタルニス様、感謝いたします。」
…………えっ。いや、そもそもアンタ誰?
見た目30代後半ぐらいか。見るからに高そうな衣服をゴリラのようにガタイ体格の上から身に纏い、髪はオールバックで固めてる。
そんな男が、震える手足で一歩、また一歩とフラフラしながらこちらに近づいてくる。
ちょ、近寄るな!これ以上近寄るのはやめろ……やめろぉおおおお!!!!!
ーーー現在、私は滝のように涙を流す全く知らないオッサンに抱きつかれてます。
はっ!もしかして、これが俗に言うセクハラ!?
「ちょ、オッサン離れろや!急に抱きつくとか、セクハラだぞ!とっとと離れろよ!!」
俺は、力一杯抱きつくオッサンを強引に引き剥がそうと藻搔いたが、微動だにしない。むしろ抱きつく力が強くなってる!?
「おい、なぁ、分かったから。分かったから、一旦離れてくれ。頼む。苦しいんだよ……息ができな……」
ギューっと力の限り抱き締められているせいで、息をしようにも肺が膨らまない。
単純に言うと、窒息寸前です。転生したばかりなのに、なんの変哲も無い偉そうなオッサンに殺されかけてます。頼む、神さま…………助けてくれ。
『いや~感動だな~。うんうん、父と娘の感動の再会だよね。……しかし、ちょっとばかし眠らせ過ぎたかな。ま、過ぎたるは及ばざるが如しだよ!一件落着!!!じゃ、僕はここらで。バイチャ~』
待てこの野郎!何が父と娘の感動の再会だ。……えっ?父と娘?
…………いやいやいや。嘘やん。今、俺を抱き締めて殺そうとしてるコイツが、この世界での親父?コレ、野生のゴリラじゃないんですか?
あっ、ヤバイ。マジで逝きそう。ごめんなさい、神さま。もう一度お世話になりそうです。次こそは、ちゃんと男の姿でお願いします。
「ちょっと、アナタ!セイラが死んでしまいます!早く離しなさい!!!!」
飛びかけで朦朧とする意識のなか、俺と同じ髪色、白金色をした長い髪の女性が慌ててながら、ガッチリと抱き締めるオッサンを強引に引き剥がした。
どうやら死なずに済んだようだ。一命を取り留めたってこう言う状況で使うのかな。……兎に角、一安心ってやつだよ。
「……ゲホッ、ゲボッ。ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……。し、死ぬかと思った。綺麗なお姉さん、助かりました。ありがとうございます。」
「あっ、あぁ……そうだった。セイラ、苦しかっただろ……ごめんな。あまりの驚きに完全に無意識だったんだ。この父を許してほしい。」
苦しがってるのが分かってたのなら、すぐに離さんかい!このゴリラ野郎!!!
そもそもな話、無意識に娘を殺そうとするのは、父親どころか人間としてどうかと思うぞ。
もしそれが本当なら、一度医者に行ったほうがいい。脳外科と精神科の両方を受診しろ。完璧にそのどっちかがイかれてやがるだろうからな。
全く……この異世界転生どうなってやがる!
死んで転生したら、次の瞬間死にかけ……いや、殺されかけるって。展開がおかしすぎるだろ!!
俺を殺しかけた奴が父親って信じられんわ!
セクハラって殺されかけるんだな。初めて知ったよ……勉強なったわ~
あぁー疲れた!転生初日なのに疲れた!こんな事になるなら、転生しなかった方が良かったって思うわ。
…かぁ~何で転生なんてもの選んじゃったかな~
女として転生した途端、殺されかけるんだよ?そんな未来が分かってたなら、絶対に選ばない選択だわ。
俺が猛烈に後悔している中、目の前では殺そうとしていた父親が、助けてくれたお姉さんにボコボコにされていた。
「す、すまない。あまりの嬉しさに無我夢中で……」
「何が『無我夢中で……』ですか!長い間、目覚めなかった娘を寝起き早々に普通、殺しかけますか!?どうなんです!アナタ、自分が何をしたかお分かりですか?」
「すいません……。私の愛娘が目を覚ました嬉しさで、つい……」
「私の愛娘でもありますよ!!!ついつい絞め殺したじゃ、説明になりませんよ!?もっと、ご自身の力がどれ程強いのかをお考えになってください。」
「すいません……。」
「はぁ……今日のところは私が偶然、セイラが生きてるタイミングで到着したから良かったものを。あと少しでも遅ければ確実に死んでましたよ!ちゃんと反省してください。」
ふっ……良い様だ。ザマァ見やがれってんだ!
こんな幼気な女の子を無意識に絞め殺そうとした罰だ。まだまだ生温いぐらいだよ。
…………ん?ちょっと待てよ。今、『私の愛娘』って言わなかった?
えぇ~と………2人が私のご両親ですか?
いや、おかしな質問ってのは知ってるよ!知ってるけど、あの2人が親ってのは知らないのよ。変態ゴリラ野郎が父親ってのは把握したけどさ。
えっ、いや、マジで両親なん?
……ってことは、白金色でロングヘアーのお姉さんが母親?
へぇ~。鏡で自分を見たときに美人だな~って思ったけど、アナタの遺伝ですか!それなら納得ですわ。
それにしても、良かったぁ~。あんなセクハラ野郎に似てなくて!母親譲りで安心ですわ。今、認識できたけど彼女、結構お胸がおっきいの。
E……いや、Fは確実にありそうだね!やったね!!!パフパフできるぞ!ゲヘヘヘヘッ……
……おっと。本音が漏れちまった。思わずガッツポーズも決めちまったよ。ま、お二人さん気付いてないみたいだから良いけどね。
そういえば、初めてなんだよな~。この世界での親に会うのって。
ご挨拶しなきゃいけないね。これ大事よ。一般常識でございますよ。俺、かなり常識を弁えてる方だと自負してるからね!
挨拶ぐらいお茶の子さいさいってもんよ!!!
「えぇ~お取り込み中失礼します。話の腰を折るようで大変申し訳ございませんが、私この度からお世話になることになりました。日野一馬と申します。以後良しなに。恐れ入りますが、ご両名の御名をお聞きしたく存じます。」
ベッドの上だが、しっかり正座をして姿勢を正し、相手と目線が合わないように少し顔を下に向けての挨拶口上。……我ながら完璧だと思う!
もちろん言い終わった後は深々と頭を下げたぞ。親指は手の内側に隠しながらね。某国営放送の時代劇ドラマさながらさ!
ーーー手応えしか感じなかったはずなのに、2人の反応は俺の予想だにしないものだった。全くもっての想定外。イレギュラーってやつだ。
「お、お前…………娘が可笑しくなってるぞ。」
「ア、アナタ…………娘が可笑しくなっています。」
「こ、こここれは……何か良からぬ者に取り憑かれたに違いない。セバス、急ぎ馬車の用意をしろ。王都に向かうぞ!!!」
2人は何故か、顔面蒼白の上に大慌てのご様子。
タイミングを計ったかのように、二人とも息を揃えて同時に同じことを口にした。
「 急いで教会に向かうぞ!!!」
「 急いで教会に向かいましょう!!!」
……はて、俺何か変なこと言ったかな?
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