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第10話 美しい親子
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考えるにしろスチームがもうもうと立ち込める街で会話をするのが嫌で、三人は街道に出ようと足早で石畳を歩いていた。
その石畳に、一つ二つと黒い跡がついてくゆく。
アズが頭上を仰ぎ見ると、白いスチームの中から頬に水滴が落ちてきた。
「雨だ……スモッグで曇ってるのかと思ってたけど、雨雲だったのか」
マリア=エリー=レラの唸り声が響く。
「最悪。髪の毛が濡れたらセットが崩れちゃうじゃない!」
「雨宿りしよう」
ハリが近くの店の軒下に駆け込んだので、二人もそれに続く。
ほどなくしてテンテンとした音が頭上の軒下の屋根から聞こえてくると、石畳に打ち付ける雨音も強くなり、ざあと降り始めた。
「空がスチームのせいで見えないから、どのくらいでやむかもこれじゃ分からないな」
「アレキのところに戻った方がいいのかしら……?」
「とか言っても、結構歩いてきちゃってるしなあ」
戻ってもずぶ濡れ確定なので動くに動けず、三人は軒下から空を見上げながら立ち往生となってしまった。
雨で蒸気が消されてくると、アズは目前にある建物の二階窓から誰かがこちらを見ているのに気がついた。
遠目なので相手の表情は分からなかったが、ずっと見ているのも気まずいので自然な位置に視線を戻す。
それから一、二分したあたりで、その建物の扉が開いた。
シルエットは先ほどの人物だ。
「家の中へどうぞ」
少し大人びた少年だったが、おそらく自分達とさして年齢は変わらないように見える。
三人は一瞬躊躇したが、お互い顔を見合わせてから前の家に走った。
「はあ、助かった」
そう言うハリの元に、水色のドレスを着た女性がタオルを持ってやってくる。
「さあ、これで身体を拭いて」
マリア=エリー=レラはその一つを受け取り、慎ましくお辞儀をして返す。
「ありがとうございます。助かりました」
「災難だったわね。この街は雨が多いの。知らないとその時間帯に出歩いてしまうから、旅行者はよく軒下に立たされてしまうの」
落ち着いた雰囲気の上品なマダムといった人で、村では見かけないタイプのオーラを真正面から受けた三人は、思わず照れくさくなって頬を染めた。
先ほどの少年がお茶を淹れてくれている。
「空気が汚れているから、それを洗い流そうとして頻繁に雨が降る。今度この街に来る時は、傘かコートを持ってくるといい」
そう言いながら温かい紅茶の入ったカップとソーサーをアズに手渡してきたので、思わず至近距離で目を合わせた。
婦人とよく似た雰囲気の少年は、ブルーに黄金の虹彩を持っていた。とても珍しく、天と地が合わさったかのような輝きにアズは見惚れてしまい、慌てて視線を逸らす。
「ごめんなさいね、この子ちょっとセオリストすぎるきらいがあって……」
夫人が申し訳なさそうに言うのは、自分たちがジノヴィオスを信仰していると分かっているからだろう。アズたち三人はナチュラルな素材の衣服しか身に纏っていないので、一目見ればすぐ分かる。逆に、オデッセフス信仰なら科学で作られた布と金属の装飾がついているので、そちらも一目で分かる。
マリア=エリー=レラが使ったタオルを夫人に返すと、彼女は少女の髪に少し近づいた。
「まあいい香り。ジャコウね? でももっと澄んだ香りみたい。この雨に濡れても嫌な匂いに変わらないなんて、貴方がたの作る香水はとても質が良いのね」
価値が理解できる女性に出会えた喜びで、マリア=エリー=レラは頬を染める。
「そうなんです! パパが職人さんに魔法で作ってもらった香水なの!」
「まあ、羨ましい」
「あっ……で、でも、これがジャコウっていうのかどうかは分からなくて……」
婦人は少し首を傾げていたが、その子供の少年は言った。
「文化が異なるので、ジャコウであるかどうかの判断がつかない。違う名称か、はたまた全く違うものか。そういうことだろう?」
「そ、そう。それ」
そこで三人は、頭の中が少し整理できたようなスッキリ感を覚えた。
「そんなところに突っ立ってないで、腰掛けて」
夫人の言葉でテーブルに案内されると、天井から暖かい風が吹いてきた。
これならすぐ濡れた服は乾くだろうが、不思議な構造の家だと三人が上を向いている。
アズが徐にその少年に問う。
「君は、魔法のアイテムを、科学で作れると……思う?」
少年は天と地の瞳でアズに視線を移し、少し眉を動かした。
奇妙なことを問いかけてくると思ったのだろう、考えもしていなかった内容に思考を巡らせているような表情を見せた。
「……そうだな、できないことはないんじゃないかな。成分を近づけて、寄せることは可能だと思う」
「同じものじゃないってこと?」
「限りなく、近いもの。かな」
「じゃあ、作れない……のかな?」
「それは分からない。まだ誰もそんなことをした人はいないだろうから。あくまでも不確定要素の一つにしかすぎない」
話を聞いているうち、三人は混乱してきた。使う言葉も難しすぎる。
「お……オデッセフスの人たちは、頭が良すぎて、私たちにはついていけないや……」
アズは自らエクフィリズモスを証明したような形となったが、その少年は落ち着いた様子で少しだけ柔らかく微笑んだ。
「異なる文化を生きてきただけだよ。僕たちのことを学べば、君たちだって理解できるようになるはず」
以前マリア=エリー=レラが言っていた、『品行方正こそエクセリクシ』という言葉が、この少年にピッタリであった。
否、この夫人からしてもまさにそれで、この親子はまさしく三人の考える文明人というイメージそのものだった。
その石畳に、一つ二つと黒い跡がついてくゆく。
アズが頭上を仰ぎ見ると、白いスチームの中から頬に水滴が落ちてきた。
「雨だ……スモッグで曇ってるのかと思ってたけど、雨雲だったのか」
マリア=エリー=レラの唸り声が響く。
「最悪。髪の毛が濡れたらセットが崩れちゃうじゃない!」
「雨宿りしよう」
ハリが近くの店の軒下に駆け込んだので、二人もそれに続く。
ほどなくしてテンテンとした音が頭上の軒下の屋根から聞こえてくると、石畳に打ち付ける雨音も強くなり、ざあと降り始めた。
「空がスチームのせいで見えないから、どのくらいでやむかもこれじゃ分からないな」
「アレキのところに戻った方がいいのかしら……?」
「とか言っても、結構歩いてきちゃってるしなあ」
戻ってもずぶ濡れ確定なので動くに動けず、三人は軒下から空を見上げながら立ち往生となってしまった。
雨で蒸気が消されてくると、アズは目前にある建物の二階窓から誰かがこちらを見ているのに気がついた。
遠目なので相手の表情は分からなかったが、ずっと見ているのも気まずいので自然な位置に視線を戻す。
それから一、二分したあたりで、その建物の扉が開いた。
シルエットは先ほどの人物だ。
「家の中へどうぞ」
少し大人びた少年だったが、おそらく自分達とさして年齢は変わらないように見える。
三人は一瞬躊躇したが、お互い顔を見合わせてから前の家に走った。
「はあ、助かった」
そう言うハリの元に、水色のドレスを着た女性がタオルを持ってやってくる。
「さあ、これで身体を拭いて」
マリア=エリー=レラはその一つを受け取り、慎ましくお辞儀をして返す。
「ありがとうございます。助かりました」
「災難だったわね。この街は雨が多いの。知らないとその時間帯に出歩いてしまうから、旅行者はよく軒下に立たされてしまうの」
落ち着いた雰囲気の上品なマダムといった人で、村では見かけないタイプのオーラを真正面から受けた三人は、思わず照れくさくなって頬を染めた。
先ほどの少年がお茶を淹れてくれている。
「空気が汚れているから、それを洗い流そうとして頻繁に雨が降る。今度この街に来る時は、傘かコートを持ってくるといい」
そう言いながら温かい紅茶の入ったカップとソーサーをアズに手渡してきたので、思わず至近距離で目を合わせた。
婦人とよく似た雰囲気の少年は、ブルーに黄金の虹彩を持っていた。とても珍しく、天と地が合わさったかのような輝きにアズは見惚れてしまい、慌てて視線を逸らす。
「ごめんなさいね、この子ちょっとセオリストすぎるきらいがあって……」
夫人が申し訳なさそうに言うのは、自分たちがジノヴィオスを信仰していると分かっているからだろう。アズたち三人はナチュラルな素材の衣服しか身に纏っていないので、一目見ればすぐ分かる。逆に、オデッセフス信仰なら科学で作られた布と金属の装飾がついているので、そちらも一目で分かる。
マリア=エリー=レラが使ったタオルを夫人に返すと、彼女は少女の髪に少し近づいた。
「まあいい香り。ジャコウね? でももっと澄んだ香りみたい。この雨に濡れても嫌な匂いに変わらないなんて、貴方がたの作る香水はとても質が良いのね」
価値が理解できる女性に出会えた喜びで、マリア=エリー=レラは頬を染める。
「そうなんです! パパが職人さんに魔法で作ってもらった香水なの!」
「まあ、羨ましい」
「あっ……で、でも、これがジャコウっていうのかどうかは分からなくて……」
婦人は少し首を傾げていたが、その子供の少年は言った。
「文化が異なるので、ジャコウであるかどうかの判断がつかない。違う名称か、はたまた全く違うものか。そういうことだろう?」
「そ、そう。それ」
そこで三人は、頭の中が少し整理できたようなスッキリ感を覚えた。
「そんなところに突っ立ってないで、腰掛けて」
夫人の言葉でテーブルに案内されると、天井から暖かい風が吹いてきた。
これならすぐ濡れた服は乾くだろうが、不思議な構造の家だと三人が上を向いている。
アズが徐にその少年に問う。
「君は、魔法のアイテムを、科学で作れると……思う?」
少年は天と地の瞳でアズに視線を移し、少し眉を動かした。
奇妙なことを問いかけてくると思ったのだろう、考えもしていなかった内容に思考を巡らせているような表情を見せた。
「……そうだな、できないことはないんじゃないかな。成分を近づけて、寄せることは可能だと思う」
「同じものじゃないってこと?」
「限りなく、近いもの。かな」
「じゃあ、作れない……のかな?」
「それは分からない。まだ誰もそんなことをした人はいないだろうから。あくまでも不確定要素の一つにしかすぎない」
話を聞いているうち、三人は混乱してきた。使う言葉も難しすぎる。
「お……オデッセフスの人たちは、頭が良すぎて、私たちにはついていけないや……」
アズは自らエクフィリズモスを証明したような形となったが、その少年は落ち着いた様子で少しだけ柔らかく微笑んだ。
「異なる文化を生きてきただけだよ。僕たちのことを学べば、君たちだって理解できるようになるはず」
以前マリア=エリー=レラが言っていた、『品行方正こそエクセリクシ』という言葉が、この少年にピッタリであった。
否、この夫人からしてもまさにそれで、この親子はまさしく三人の考える文明人というイメージそのものだった。
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