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第一章 第4話 就活と日々の中で
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就活は順調に進んだ。
あれから2社目、3社目と筆記試験を受け続けて4社中3社が結果待ちとなった。
「出版社どんな感じ?」
と卒研をやりに大学に来ていた僕に話しかけてきたのは部活仲間達だった。
今は休憩なので学食で昼食を食べている。
「まぁまぁかな。3つ結果待ちで、それ次第で面接になると思うよ。そっちはどうなんだよ」
「こっちもまぁぼちぼちだな。一昨日と昨日に面接に行って、明日も面接だよ。卒研やる時間ねぇよ」
彼の目の下にはクマが出来ていた。
正直この時期の大学4年生はみんなこんな感じである。
それを考えたら僕はまだ余裕がある方なのかもしれない。
「まだ焦ることは無いんじゃないのか? 内定なんて持ってる人の方が少ないわけだし」
「そうやって言うけどな、飯菜はもう既に最終面接までいっているところがいくつかあるらしいぞ」
「まぁ飯菜は器用だし、なんやかんやでやる時はやるからな。それに、飯菜のことだ。さっさと就活と卒論を終わらせて残りの大学生生活を楽しみたいんだろうな」
「飯菜らしいな」
実際そう考えているのはみんな同じだろう。
やるべき事をいかに効率よく、且つスマートに終えるかが土壇場での見せ所なのだ。
「そろそろ研究室に戻るよ」
「そうか。今日は部活どうするんだ?」
「余裕が出来たら出るかな。他のみんなは?」
「分からん」
「そうか。お互いに頑張ろう」
そうして僕は研究室に戻った。
***
『明日はバイトに来るの?』
結局卒研には余裕が出ずに部活にも出れなかった僕は、終電にて帰宅をしていた。
その途中で真由からLINEを受け取った。
『あれ? 僕のシフトって店に展開されてるよね?』
『あるけど、翔くんのシフトは不定期ってなってて、次はいつ来るのか分からないんだよ』
そういえば店長のはからいで、可能なら週2か3で来てくれればいいということであえて埋めていないんだった。
『そうだったね。明日は行けないかな。まだ卒研があるし、次の企業が本命でいきなり面接だから対策しておかないとだし』
『そっか。それなら次はいつ来るの?』
『それも分からないかな』
「ちなみにさー…」
といくつかの日にちが送られてきた。
『このどれかで来る日ある?』
『そうだね。多分だけどー』
僕は今のところで行けることが確定している日にちを記して返した。
『なんか、多くない?』
『そんなことないよ。まぁ今のところだから変わるかもしれないし』
『ふーん、そうなんだ』
『まぁ、行ける時は行くからさ』
それから真由からの返信は無かった。
****
「あれ? 今日は出勤なんだ」
「まぁバイトもしないと金銭的に苦しくなるので」
LINEで記した日に出勤した僕は事務所にて芹乃さんに話しかけられた。
「今日は芹乃さんだけですか?」
「うん。鈴谷さんはお休みだよ」
あとは鷹谷も休みだった。
まぁあいつは公務員志望だから勉強が忙しいんだろうな。
それから僕は久々の出勤を難なく終えた。
それからまた別の日。
「あれ? 今日は出勤なんだ。今日も鈴谷さんはいないよ」
「なんかデジャブですね」
着替えたばかりの芹乃さんが話しかけてきた。
また別の日もメンバーが同じだった。
「芹乃さん。芹乃さんのシフトを教えてもらってもいいですか?」
「別にいいけど、もしかして私と被る日が気になるの?」
「まぁ。というか鈴谷さんがいなくて芹乃さんだけの日が知りたいんです」
「なに? もしかして私に何かするつもり? 変に年上をからかわない方がいいよ?」
「別にそうじゃなくて、ただ気になっただけです」
芹乃さんの悪戯染みた表情や言葉を冷静に返す僕を前に、芹乃さんはメンバーのシフトが貼ってある場所に案内してくれた。
「これが私のシフト。それでこっちが鈴谷さんのシフトよ」
僕はそれを見てやっぱりかと思った。
そして別のとあることにも気が付いてしまった。
「中村さん」
という事で、僕は前回もその前もシフトが同じだった中村さんに話しかけた。
あれから2社目、3社目と筆記試験を受け続けて4社中3社が結果待ちとなった。
「出版社どんな感じ?」
と卒研をやりに大学に来ていた僕に話しかけてきたのは部活仲間達だった。
今は休憩なので学食で昼食を食べている。
「まぁまぁかな。3つ結果待ちで、それ次第で面接になると思うよ。そっちはどうなんだよ」
「こっちもまぁぼちぼちだな。一昨日と昨日に面接に行って、明日も面接だよ。卒研やる時間ねぇよ」
彼の目の下にはクマが出来ていた。
正直この時期の大学4年生はみんなこんな感じである。
それを考えたら僕はまだ余裕がある方なのかもしれない。
「まだ焦ることは無いんじゃないのか? 内定なんて持ってる人の方が少ないわけだし」
「そうやって言うけどな、飯菜はもう既に最終面接までいっているところがいくつかあるらしいぞ」
「まぁ飯菜は器用だし、なんやかんやでやる時はやるからな。それに、飯菜のことだ。さっさと就活と卒論を終わらせて残りの大学生生活を楽しみたいんだろうな」
「飯菜らしいな」
実際そう考えているのはみんな同じだろう。
やるべき事をいかに効率よく、且つスマートに終えるかが土壇場での見せ所なのだ。
「そろそろ研究室に戻るよ」
「そうか。今日は部活どうするんだ?」
「余裕が出来たら出るかな。他のみんなは?」
「分からん」
「そうか。お互いに頑張ろう」
そうして僕は研究室に戻った。
***
『明日はバイトに来るの?』
結局卒研には余裕が出ずに部活にも出れなかった僕は、終電にて帰宅をしていた。
その途中で真由からLINEを受け取った。
『あれ? 僕のシフトって店に展開されてるよね?』
『あるけど、翔くんのシフトは不定期ってなってて、次はいつ来るのか分からないんだよ』
そういえば店長のはからいで、可能なら週2か3で来てくれればいいということであえて埋めていないんだった。
『そうだったね。明日は行けないかな。まだ卒研があるし、次の企業が本命でいきなり面接だから対策しておかないとだし』
『そっか。それなら次はいつ来るの?』
『それも分からないかな』
「ちなみにさー…」
といくつかの日にちが送られてきた。
『このどれかで来る日ある?』
『そうだね。多分だけどー』
僕は今のところで行けることが確定している日にちを記して返した。
『なんか、多くない?』
『そんなことないよ。まぁ今のところだから変わるかもしれないし』
『ふーん、そうなんだ』
『まぁ、行ける時は行くからさ』
それから真由からの返信は無かった。
****
「あれ? 今日は出勤なんだ」
「まぁバイトもしないと金銭的に苦しくなるので」
LINEで記した日に出勤した僕は事務所にて芹乃さんに話しかけられた。
「今日は芹乃さんだけですか?」
「うん。鈴谷さんはお休みだよ」
あとは鷹谷も休みだった。
まぁあいつは公務員志望だから勉強が忙しいんだろうな。
それから僕は久々の出勤を難なく終えた。
それからまた別の日。
「あれ? 今日は出勤なんだ。今日も鈴谷さんはいないよ」
「なんかデジャブですね」
着替えたばかりの芹乃さんが話しかけてきた。
また別の日もメンバーが同じだった。
「芹乃さん。芹乃さんのシフトを教えてもらってもいいですか?」
「別にいいけど、もしかして私と被る日が気になるの?」
「まぁ。というか鈴谷さんがいなくて芹乃さんだけの日が知りたいんです」
「なに? もしかして私に何かするつもり? 変に年上をからかわない方がいいよ?」
「別にそうじゃなくて、ただ気になっただけです」
芹乃さんの悪戯染みた表情や言葉を冷静に返す僕を前に、芹乃さんはメンバーのシフトが貼ってある場所に案内してくれた。
「これが私のシフト。それでこっちが鈴谷さんのシフトよ」
僕はそれを見てやっぱりかと思った。
そして別のとあることにも気が付いてしまった。
「中村さん」
という事で、僕は前回もその前もシフトが同じだった中村さんに話しかけた。
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