24 / 83
第一章 第4話 就活と日々の中で
4-3
しおりを挟む
「卒業研究と就活は順調なの?」
「まぁまぁだね」
久々にシフトが被った真由とバイト終わりにファミレスにやってきた。
時刻は深夜1時。
こんな時間までやっている店はそうそう無いので、必然的に選択肢が絞られてしまう。
ラーメン屋かファミレスかということになり、真由の希望でファミレスとなったのだ。
「真由はバイトは大丈夫そう?」
「まぁ平気だね。芹乃さんとはよく被るし」
真由がいない時のバイトで芹乃さんや中村さんからも真由は特に問題無いと聞いている。そして真由本人からも特段問題が無いとのことなので安心する。
「芹乃さんとはよく話すようになったの?」
「全然。でも、同じシフトだと安心するの」
「まぁ、芹乃さんは元々は社員だったし、仕事はしっかり出来るからね」
すると真由は黙ってしまった。
まもなくして注文した料理が運ばれてきた。
「翔くんは私がいない間は芹乃さんとどういう感じ?」
「どういうって、今まで通り普通に話すくらいだよ」
「それだけ?」
「うん」
料理を口に運ぶ真由はどこか暗いというか、芹乃さんの話をし始めた時から異様な重い雰囲気を醸し出していた。
視線も下ばかりで、僕とあまり目が合わない。
「僕がいない間はどこかに行ってたりしたの?」
と話題を変えた。
「友達と秋葉原とか池袋とかに行ったよ」
「その二つってアニメとか漫画とかの物がけっこう多いよね。真由ってそういうのも好きなんだ」
「そうだね。話してなかったけど、私ってフィギュアとかゲームセンターとかが好きで、それ関係の店によく行くんだよね」
「そっか。それにしても、フィギュアとかクレーンゲームなんかはハマると結構お金飛んじゃうよね」
「うん。気がついたらたくさん使っちゃってる」
真由は少し前の僕よりもシフトには入っていないので、月の給料としてもそこまで多くはないはず。
実家暮らしだからそのへんはどうにかなるにしても、そういう類にハマりすぎてたら大変だ。
そうは思っても、僕はそこまで深掘りした質問はしなかった。
「明日もその友達と出かけることになってるの。また秋葉原かな」
「そうか。それなら気をつけてね。というか、出発が早いなら遅くまでは悪いね」
「午後からだから大丈夫だよ。それに、久しぶりに翔くんに会えたんだし、少しくらい遅くなっても平気だよ」
「ご両親からは何か言われない?」
「うん。それも大丈夫。何かあったらお母さんがどうにかしてくれるから」
真由はさっきの陰鬱な様子からは一変し、いつもの調子に戻った。
僕とも目が合うようになってきたし、自然な笑顔も出てきた。
やはり芹乃さんが絡むと駄目なようだ。
前に芹乃さんについては説明して納得してくれたのに、やはり今も心のどこかでは気になっているのかもしれない。
料理を食べ終え、流石に遅くなりすぎてしまうので帰路に立ち、いつもの分かれ道で解散した。
帰宅後にLINEで「次にバイトに来れるのはいつ?」と来たのでその日にちを伝えると、「そっか」という返事とともに悲しそうなスタンプが一つ送られてきた。
***
後日、就職活動において僕が受けていた出版社から書類審査の合否が通達された。
結果は合格。
続けて2つ目、3つ目と続々と通達がありいずれも通過した。
結果的に全5社中、4社が通過となり自分でもこの成果に驚いた。
何はともあれ、これにて次のステップだ。
面接のところもあれば、筆記試験が入るところもある。
割合としては面接が1つ、筆記試験が3つだ。
それから僕は卒研を進めつつ、本格的に就活を進めるべく対策を練った。
「まぁまぁだね」
久々にシフトが被った真由とバイト終わりにファミレスにやってきた。
時刻は深夜1時。
こんな時間までやっている店はそうそう無いので、必然的に選択肢が絞られてしまう。
ラーメン屋かファミレスかということになり、真由の希望でファミレスとなったのだ。
「真由はバイトは大丈夫そう?」
「まぁ平気だね。芹乃さんとはよく被るし」
真由がいない時のバイトで芹乃さんや中村さんからも真由は特に問題無いと聞いている。そして真由本人からも特段問題が無いとのことなので安心する。
「芹乃さんとはよく話すようになったの?」
「全然。でも、同じシフトだと安心するの」
「まぁ、芹乃さんは元々は社員だったし、仕事はしっかり出来るからね」
すると真由は黙ってしまった。
まもなくして注文した料理が運ばれてきた。
「翔くんは私がいない間は芹乃さんとどういう感じ?」
「どういうって、今まで通り普通に話すくらいだよ」
「それだけ?」
「うん」
料理を口に運ぶ真由はどこか暗いというか、芹乃さんの話をし始めた時から異様な重い雰囲気を醸し出していた。
視線も下ばかりで、僕とあまり目が合わない。
「僕がいない間はどこかに行ってたりしたの?」
と話題を変えた。
「友達と秋葉原とか池袋とかに行ったよ」
「その二つってアニメとか漫画とかの物がけっこう多いよね。真由ってそういうのも好きなんだ」
「そうだね。話してなかったけど、私ってフィギュアとかゲームセンターとかが好きで、それ関係の店によく行くんだよね」
「そっか。それにしても、フィギュアとかクレーンゲームなんかはハマると結構お金飛んじゃうよね」
「うん。気がついたらたくさん使っちゃってる」
真由は少し前の僕よりもシフトには入っていないので、月の給料としてもそこまで多くはないはず。
実家暮らしだからそのへんはどうにかなるにしても、そういう類にハマりすぎてたら大変だ。
そうは思っても、僕はそこまで深掘りした質問はしなかった。
「明日もその友達と出かけることになってるの。また秋葉原かな」
「そうか。それなら気をつけてね。というか、出発が早いなら遅くまでは悪いね」
「午後からだから大丈夫だよ。それに、久しぶりに翔くんに会えたんだし、少しくらい遅くなっても平気だよ」
「ご両親からは何か言われない?」
「うん。それも大丈夫。何かあったらお母さんがどうにかしてくれるから」
真由はさっきの陰鬱な様子からは一変し、いつもの調子に戻った。
僕とも目が合うようになってきたし、自然な笑顔も出てきた。
やはり芹乃さんが絡むと駄目なようだ。
前に芹乃さんについては説明して納得してくれたのに、やはり今も心のどこかでは気になっているのかもしれない。
料理を食べ終え、流石に遅くなりすぎてしまうので帰路に立ち、いつもの分かれ道で解散した。
帰宅後にLINEで「次にバイトに来れるのはいつ?」と来たのでその日にちを伝えると、「そっか」という返事とともに悲しそうなスタンプが一つ送られてきた。
***
後日、就職活動において僕が受けていた出版社から書類審査の合否が通達された。
結果は合格。
続けて2つ目、3つ目と続々と通達がありいずれも通過した。
結果的に全5社中、4社が通過となり自分でもこの成果に驚いた。
何はともあれ、これにて次のステップだ。
面接のところもあれば、筆記試験が入るところもある。
割合としては面接が1つ、筆記試験が3つだ。
それから僕は卒研を進めつつ、本格的に就活を進めるべく対策を練った。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説






淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる