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処刑後の世界
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「「「衛兵!この女を捕らえよ!」」」
突如響き渡る声に民衆は眼を向けた
そこには蒼白な顔したこの国の王子と最近婚約者となった平民から選ばれた女性が見えた
「「「私へ何をした!何故愛するビアンカを処刑させた!」」」
「邪魔だったからあの女、殿下?私の眼を見て下さい、大丈夫直ぐに楽になれますから」
この女は危険だと今更ながら気が付く
「殿下?私を見て」
怖い、そして失った者への喪失感が体から力を抜いていく感じがした
その時
「離しなさいよ!」
ハッと気が付くと衛兵により女は拘束されていた
「殿下!助けて、私を見て!殿下!殿下!」
・・・・・目の前から女が連れてかれて行くが女へ感じるのは嫌悪感だけだった
そして、処刑台へ目を向ける
・・・・ビアンカの元へ行ってあげなくては
フラフラした足取りで処刑台へと向かう
民衆は私を見、道を開いていく
目の前にビアンカの頭が落ちていた。
民衆により踏まれ、蹴られ、土まみれの頭をそっと抱き上げた
「・・・・ビアンカ、ごめん・・・私が弱いが為に・・・・こんな・・・・」
そう気が付いたのだ、自分の弱さの為に魅了などと言った術にかかっていたことに今更ながら気が付く
「ビアンカ・・・・」
両方の眼から涙が止まらない
頭を抱え胴体の方へ足を向ける
処刑台へ上がると兵が行く手を阻み「いけません、罪人へ触れないでください!」
「どけ・・・・」
「殿下!いけません!」
「「「「どけぇぇぇぇぇ!!!」」」」
泣きながら大声で兵をどかせる
胴体を自分の膝へ寝かせ頭を今まで繋がっていた場所へ着けようとする
「ビアンカ・・・ビアンカ・・・着け!着け!起きてくれ!!」
この姿を民衆はどう見たのか、どれぐらいそうしていたのか分からないが気が付けば広場には兵とビアンカの両親しか姿はなかった
「殿下、どうか娘を・・・・籍を外しましたが血のつながる娘を返してくださいませんか」
「伯爵殿・・・・この度は済まなかった・・・・ビアンカが目覚めないのだ・・・・」
「殿下・・・娘はもうこの世には居ません、お忘れください。ただ亡骸は私どもが供養いたしたく思います」
「・・・嫌だ、ビアンカと離れたくない、彼女は何もしていなかったんだ!そりゃ当たり前だ・・・・后妃教育の為朝から晩まで王城で居たのにあの女に何ができる?できるわけがないのだ・・・・なら何故誰も言わない?」
「殿下・・・・誰が発言できましょう?」
「・・・そうだな、私が言ったのだから止められる者など居るわけがないか」
「娘を籍に戻し伴ないたく思います」
「私は・・・・ビアンカを愛している」
「ありがたき言葉、我が伯爵家はこれからも王族を守り尊重していくしだいです」
「・・・・この私を許せるのか」
「・・・・娘の希望ですから」
「そうか・・・・ビアンカは素敵な女性だな」
ビアンカの亡骸を伯爵へ渡す際、私はビアンカの唇へ口付けをそっとした。
土と血の味が口に広がった。ビアンカは土と血まみれながら表情は優しく微笑んでいる
「ビアンカ・・・・お別れだね」
ビアンカの胴体を伯爵が抱え、頭を伯爵夫人が大事そうに連れて行った
伯爵達は私への憎しみよりも娘を取り戻した安堵に涙を流し帰って行った
もうこの世にはビアンカは存在しない・・・・あの愛する笑顔を向けて話しかけてくれることは二度とないのだ
正気に戻る機会はあったはずなのに・・・・弱さなのだろう
心の弱い所へ魅了などと・・・・涙がとめどなく出ているが止める術を今は持ち合わせて居なかった
王族としてこれは頂けない事なのだろう・・・・王位を退こう
弟へ王位継承を促し、自分はビアンカの為補佐としてこの国を良きものへ導こう
その前にするべきことをしなくては
そっと立ち上がり兵へ声をかけた
「あの女の所へ行く」
衛兵が一人近づいて来て「ご案内いたします」
部屋の外にまで聞こえる声に吐き気がする
「「殿下を呼びなさいよ!こんな部屋に押し込んで後悔するわよ!」」
女は自分が何をしたのか判っているのだろうか?
ここへ来る前に魔導士の所で術を撥ねる魔道具を借り着けてきた
この魔道具さえ肌身離さず着けて居ればこんな事にならなかったのにと後悔はあったが、この平和な国で魅了を使い王族へ禁忌と判っていながら行動する者が居るとさえ思いもよらなかった
平和過ぎたのだ・・・・ただの甘えでしかない
戸を開けると豪華な部屋に女は優雅に座っていた
こんな部屋に押し込んでと良く言えたものだ・・・・ビアンカの居た場所は冷たく暗い場所だったのに
突如響き渡る声に民衆は眼を向けた
そこには蒼白な顔したこの国の王子と最近婚約者となった平民から選ばれた女性が見えた
「「「私へ何をした!何故愛するビアンカを処刑させた!」」」
「邪魔だったからあの女、殿下?私の眼を見て下さい、大丈夫直ぐに楽になれますから」
この女は危険だと今更ながら気が付く
「殿下?私を見て」
怖い、そして失った者への喪失感が体から力を抜いていく感じがした
その時
「離しなさいよ!」
ハッと気が付くと衛兵により女は拘束されていた
「殿下!助けて、私を見て!殿下!殿下!」
・・・・・目の前から女が連れてかれて行くが女へ感じるのは嫌悪感だけだった
そして、処刑台へ目を向ける
・・・・ビアンカの元へ行ってあげなくては
フラフラした足取りで処刑台へと向かう
民衆は私を見、道を開いていく
目の前にビアンカの頭が落ちていた。
民衆により踏まれ、蹴られ、土まみれの頭をそっと抱き上げた
「・・・・ビアンカ、ごめん・・・私が弱いが為に・・・・こんな・・・・」
そう気が付いたのだ、自分の弱さの為に魅了などと言った術にかかっていたことに今更ながら気が付く
「ビアンカ・・・・」
両方の眼から涙が止まらない
頭を抱え胴体の方へ足を向ける
処刑台へ上がると兵が行く手を阻み「いけません、罪人へ触れないでください!」
「どけ・・・・」
「殿下!いけません!」
「「「「どけぇぇぇぇぇ!!!」」」」
泣きながら大声で兵をどかせる
胴体を自分の膝へ寝かせ頭を今まで繋がっていた場所へ着けようとする
「ビアンカ・・・ビアンカ・・・着け!着け!起きてくれ!!」
この姿を民衆はどう見たのか、どれぐらいそうしていたのか分からないが気が付けば広場には兵とビアンカの両親しか姿はなかった
「殿下、どうか娘を・・・・籍を外しましたが血のつながる娘を返してくださいませんか」
「伯爵殿・・・・この度は済まなかった・・・・ビアンカが目覚めないのだ・・・・」
「殿下・・・娘はもうこの世には居ません、お忘れください。ただ亡骸は私どもが供養いたしたく思います」
「・・・嫌だ、ビアンカと離れたくない、彼女は何もしていなかったんだ!そりゃ当たり前だ・・・・后妃教育の為朝から晩まで王城で居たのにあの女に何ができる?できるわけがないのだ・・・・なら何故誰も言わない?」
「殿下・・・・誰が発言できましょう?」
「・・・そうだな、私が言ったのだから止められる者など居るわけがないか」
「娘を籍に戻し伴ないたく思います」
「私は・・・・ビアンカを愛している」
「ありがたき言葉、我が伯爵家はこれからも王族を守り尊重していくしだいです」
「・・・・この私を許せるのか」
「・・・・娘の希望ですから」
「そうか・・・・ビアンカは素敵な女性だな」
ビアンカの亡骸を伯爵へ渡す際、私はビアンカの唇へ口付けをそっとした。
土と血の味が口に広がった。ビアンカは土と血まみれながら表情は優しく微笑んでいる
「ビアンカ・・・・お別れだね」
ビアンカの胴体を伯爵が抱え、頭を伯爵夫人が大事そうに連れて行った
伯爵達は私への憎しみよりも娘を取り戻した安堵に涙を流し帰って行った
もうこの世にはビアンカは存在しない・・・・あの愛する笑顔を向けて話しかけてくれることは二度とないのだ
正気に戻る機会はあったはずなのに・・・・弱さなのだろう
心の弱い所へ魅了などと・・・・涙がとめどなく出ているが止める術を今は持ち合わせて居なかった
王族としてこれは頂けない事なのだろう・・・・王位を退こう
弟へ王位継承を促し、自分はビアンカの為補佐としてこの国を良きものへ導こう
その前にするべきことをしなくては
そっと立ち上がり兵へ声をかけた
「あの女の所へ行く」
衛兵が一人近づいて来て「ご案内いたします」
部屋の外にまで聞こえる声に吐き気がする
「「殿下を呼びなさいよ!こんな部屋に押し込んで後悔するわよ!」」
女は自分が何をしたのか判っているのだろうか?
ここへ来る前に魔導士の所で術を撥ねる魔道具を借り着けてきた
この魔道具さえ肌身離さず着けて居ればこんな事にならなかったのにと後悔はあったが、この平和な国で魅了を使い王族へ禁忌と判っていながら行動する者が居るとさえ思いもよらなかった
平和過ぎたのだ・・・・ただの甘えでしかない
戸を開けると豪華な部屋に女は優雅に座っていた
こんな部屋に押し込んでと良く言えたものだ・・・・ビアンカの居た場所は冷たく暗い場所だったのに
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