大好きな貴方への手紙

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笑顔

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「いやー見違えたね」

第一声がこの掛け声だった

「オルエクタ公爵殿、お世話になっております。」

「あははは、お世話したのはそちらのお嬢様だがね、君も良くなったね」

ウンウンと嬉しそうに頷かれている

「イブレクト嬢も元気そうで、益々きれいになられて居て驚いた」

「あら、嬉しいお言葉ありがとうございます。」

微笑ましい会話している風であるが突然公爵様は笑い出した

「君、今もそうやって威嚇してるの?あきれる」

え?威嚇?チラッとエルを見ると確かに今までと違い冷たい目をしていた

「エル?駄目よ、約束守らないなら私も離れるわよ?」

「!!駄目だよ、イブ本当に君は判ってない!自分がどれだけ狙われているのか!」

「またそんなこと言って!」

公爵様がプルプルしている

「本当に君たちは面白い、確かにイブレクト嬢は危機感を持った方がいいね。あと君はもっとどっしり構えてないと余裕情けな奴が相手ならと同等な立場の奴が狙ってきたら危ないよ」

「意見ありがたく参考にいたします」

「え?私も危機感持つべき?」

「イブ、僕が守るから大丈夫だよ」

耳元で囁かれて真っ赤になるが公爵様は微笑まれていた

「まぁ話したい事は多々あるが今日は君達が主役だ、あいさつ回りで大変だろう又時間を作り逢いに伺うよ」

「心使いありがたく存じます。是非逢いに来ていただけると幸いです。」

公爵様は笑顔で手を振り離れていった
何か話したいことがあると言っていたが、彼は常に笑顔なため感情が読みにくい
良い話なら嬉しいのだけど




挨拶周りが一通り終わりパーティーも終盤

「イブ疲れた?」

「ありがとう、私よりエルのが疲れたでしょ、挨拶とか色々ありがとう」

「みんなにさイブは僕の婚約者って言えるのが凄く嬉しくて張り切ってしまったよ」

こんなに幸せで良いのかしらと思えるぐらい優しくされ心強いパートナーに恵まれて
もっと早くに自分の意見を声を出せていたらと少しは後悔する


「これからがあるから焦らず行こうね」

「はい」

そっと手を繋ぎ見つめあう

婚約者となり此れからは堂々と彼の隣に居られる

今まではそっと後ろをついて歩いていた

あの頃の私に教えてあげたい、あなたは愛されてますよと


クスクス笑っていると不思議そうな顔でエルが「どうしたの?」と聞いてきた

「幸せだなと噛みしめてました」

目に見えて赤面する彼に私はとっておきの笑顔をみせる

「・・・後で後悔しないでね」

え?なんで?意味は分からず首をかしげると

「さて、後は軽く食事でもとって帰ろう、馬車で送り届けるからね」

「ありがとう」



この後馬車の中で私はこれでもかと恥ずかしい言葉を浴びせられることとなった


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