大好きな貴方への手紙

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過去

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アルベル侯爵とベルベッツ伯爵令嬢が仲を取り持つ理由を聞かせてくれとか言ってきた

ただ面白そうだったからとか言っても信じてくれないだろうな

理由と言えるかはわからないが自分の過去を少し話しておいた






公爵家にて跡取りが3人もいる為、誰が優秀で跡取りになるかと周りはとても気にしていた

当人達は仲の良い兄弟として育っていた

上の兄は勉学ができ

自分は社交に優れていた

下の弟は剣の才に恵まれている

3人3要に才能があり誰に爵位を譲るかは大人になってから当公爵が決断するだろう兄弟は何も気にしていなかった

兄は早々に婚約者を得

跡取りには兄が決まるだろうと下二人は思って居る

そんな中幼馴染の伯爵令嬢がそろそろ婚約者を決めなくては行けなくなったと伝えてきた

自分は勝手に伯爵令嬢の婚約者には自分が決まると思って居た

好意を持って居るし、好意を向けられているのをわかっていたからだ

ある日彼女に言われる言葉を聞くまでは

『ジルは誰にでも優しくて、誰にでも笑顔だよね!私は・・・私だけを大事にしてくれる方がいいの』

何を言い出すんだと思った

確かに社交性は優れ居た為親に色々駆り出され他の令嬢とも優しく接してはいたが彼女を特別視していたではないか

だが彼女が選んだのは下の弟だった

未だに婚約自体は結ばれていないが事実上弟と彼女が婚約する話となっている

弟が彼女の為にと爵位は必要ないから騎士団へ入団しある位置まで登ったら婚約すると家族へ報告したからだ

彼女は今幸せそうにしている

少し違うがお互いの意思と結果が伴わないアルベル侯爵とベルベッツ伯爵令嬢を見て手助けしたくなったのかもしれない




そんな話をしたらベルベッツ伯爵令嬢が『なぜ抗わない?私達には手助けして自分は動かない理由は何ですか?』
と直球な言葉を受けた
今更・・・と伝えたら好きなのであれば動くべきだと言われた
ベルベッツ伯爵令嬢は自分は好きな人の為に姿を消した、自分の為でもあったけどと付け加え
だから相手の為に自分の気持ちを伝えてあげるべきだと言う

難しい事を軽々しく言うものだ・・・。

婚約はまだしていない、よし!邸へ戻ったら彼女へ花一輪もって愛を伝えてみるかと決意した

自分の恋はうまくいかないだろうけど今回自分の取り持った恋が上手くいった事へ笑顔が出る

良き縁ができた事へ気持ちは前向きになってきた




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