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手紙
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公爵様が部屋を出ていかれて私は手紙を手に持っていた
読んでも読まなくてもいい・・・・エルヴィス様が今どうなっているのかだけ知りたい。
彼の無事を確認したいだけ!
公爵様が置いていった手紙を開ける
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
オルエクタ公爵殿
先日依頼を受けましたエルヴィス・アルベル侯爵の事故につき調査結果をお知らせいたします。
事故の前に向かわれていたのは郊外に位置する森との事でした。
余りにもあり得ない事なのですが、ベルベッツ伯爵令嬢が森近くで生活していると話を聞き急ぎ向かわれたとの内容
森へは数名で向かわれたみたいなのですが、アルベル侯爵は急いでいたのでしょう一人先に馬を走らせていたそうです。
後から追いついた者たちは賊と対峙している侯爵を見つけ加勢していた時、一人の賊が放った矢に侯爵が打たれ落馬、打ちどころが悪かったのと矢に塗られていた毒による物で意識が戻られていないそうです。
食事もとれていないなどの為あと何日もつかと医療関係者の話を確認いたしました。
これにて調査終了をお伝えいたします。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
胸がギュッと苦しくなる
エルヴィス様が・・・・本当にこの世から居なくなる
私が、私が居なくなったりしたから、手紙なんて書いたから
探してほしいなんて書いてないけど探さないでとも書かなかった
嫌だ・・・嫌だ
どうしよう、もう本当に逢えなくなる
別の場所で幸せにって願って居たいのにそれさえもできないの?
なんで?彼は幸せにならないと
私が彼を不幸にさせすぎている
どうしよう
手紙で約束した、二度と姿を見せないと
でも、エルヴィス様に逢いたい
逢ってどうするの・・・・もう先は短い
考えても考えても答えは出てこない
あれもダメ、これもダメ、自分の思いに雁字搦めになり身動きが取れない
苦しい、息がし難い
コンコン 「お嬢様、お食事の用意ができました。お部屋の移動お願いいたします」
ハッとする
一体どれぐらい考えを巡らせていたのか
外を見ると赤く空が染まっていた。
「今行きます」
ハァ、ため息が出る、ため息なんて幸せが逃げると言われているのに・・・・。
私に幸せは必要ないのかもしれない、でもおなかは減るし睡眠も取る
彼が倒れて苦しんでいるのに自分は・・・・。
部屋を出て食堂へ入ると席には公爵様がすでに座られていた
「遅くなり申し訳ございません」
頭を深々と下げた
「いや、手紙を読まれたのだな」
頭を上げ公爵様を見る、優しい眼差しでこちらを向かれている
「・・・はい」
「・・・良い内容ではなかったと言う事か、可愛らしい顔が台無しだよ」
「・・・可愛くなど」
すっと公爵様が立ち上がり私に近づいてきた。
手を私の目元へとやると涙を拭う
泣いて・・・・いたのか私は
「ほら、悲しい顔してる。辛い内容だった?」
「・・・・か、かれ・が、ほんとぉぅうに居なくなる・・うっぅ」
涙で声がうまく出ない
「そうか、君はどうしたい?」
「・・・わ、わたし?」
「そう、君が今一番したいのは何?」
もう声が出せそうにない
鳴き声を上げ泣き出してしまった
暖かい腕に包まれ少しの間泣いているのを慰めてもらってから伝える
「あいたい・・・彼にあいたいよお・・・」
「うん、一緒に逢いにいこう?」
バッと顔を上げて公爵様を見る、優しく微笑まれる
「・・・いいのですか?」
「ああ、良いよ、一緒に彼に逢いに明日の朝一で出発しよう!さぁその前に食事にしよう」
「・・・はい、ありがとうございます」
公爵様に背中を押していただいたおかげで素直に逢いたいと伝えられた
公爵様は本当にお優しく寛大なお方だ
読んでも読まなくてもいい・・・・エルヴィス様が今どうなっているのかだけ知りたい。
彼の無事を確認したいだけ!
公爵様が置いていった手紙を開ける
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
オルエクタ公爵殿
先日依頼を受けましたエルヴィス・アルベル侯爵の事故につき調査結果をお知らせいたします。
事故の前に向かわれていたのは郊外に位置する森との事でした。
余りにもあり得ない事なのですが、ベルベッツ伯爵令嬢が森近くで生活していると話を聞き急ぎ向かわれたとの内容
森へは数名で向かわれたみたいなのですが、アルベル侯爵は急いでいたのでしょう一人先に馬を走らせていたそうです。
後から追いついた者たちは賊と対峙している侯爵を見つけ加勢していた時、一人の賊が放った矢に侯爵が打たれ落馬、打ちどころが悪かったのと矢に塗られていた毒による物で意識が戻られていないそうです。
食事もとれていないなどの為あと何日もつかと医療関係者の話を確認いたしました。
これにて調査終了をお伝えいたします。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
胸がギュッと苦しくなる
エルヴィス様が・・・・本当にこの世から居なくなる
私が、私が居なくなったりしたから、手紙なんて書いたから
探してほしいなんて書いてないけど探さないでとも書かなかった
嫌だ・・・嫌だ
どうしよう、もう本当に逢えなくなる
別の場所で幸せにって願って居たいのにそれさえもできないの?
なんで?彼は幸せにならないと
私が彼を不幸にさせすぎている
どうしよう
手紙で約束した、二度と姿を見せないと
でも、エルヴィス様に逢いたい
逢ってどうするの・・・・もう先は短い
考えても考えても答えは出てこない
あれもダメ、これもダメ、自分の思いに雁字搦めになり身動きが取れない
苦しい、息がし難い
コンコン 「お嬢様、お食事の用意ができました。お部屋の移動お願いいたします」
ハッとする
一体どれぐらい考えを巡らせていたのか
外を見ると赤く空が染まっていた。
「今行きます」
ハァ、ため息が出る、ため息なんて幸せが逃げると言われているのに・・・・。
私に幸せは必要ないのかもしれない、でもおなかは減るし睡眠も取る
彼が倒れて苦しんでいるのに自分は・・・・。
部屋を出て食堂へ入ると席には公爵様がすでに座られていた
「遅くなり申し訳ございません」
頭を深々と下げた
「いや、手紙を読まれたのだな」
頭を上げ公爵様を見る、優しい眼差しでこちらを向かれている
「・・・はい」
「・・・良い内容ではなかったと言う事か、可愛らしい顔が台無しだよ」
「・・・可愛くなど」
すっと公爵様が立ち上がり私に近づいてきた。
手を私の目元へとやると涙を拭う
泣いて・・・・いたのか私は
「ほら、悲しい顔してる。辛い内容だった?」
「・・・・か、かれ・が、ほんとぉぅうに居なくなる・・うっぅ」
涙で声がうまく出ない
「そうか、君はどうしたい?」
「・・・わ、わたし?」
「そう、君が今一番したいのは何?」
もう声が出せそうにない
鳴き声を上げ泣き出してしまった
暖かい腕に包まれ少しの間泣いているのを慰めてもらってから伝える
「あいたい・・・彼にあいたいよお・・・」
「うん、一緒に逢いにいこう?」
バッと顔を上げて公爵様を見る、優しく微笑まれる
「・・・いいのですか?」
「ああ、良いよ、一緒に彼に逢いに明日の朝一で出発しよう!さぁその前に食事にしよう」
「・・・はい、ありがとうございます」
公爵様に背中を押していただいたおかげで素直に逢いたいと伝えられた
公爵様は本当にお優しく寛大なお方だ
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