大好きな貴方への手紙

03

文字の大きさ
上 下
11 / 24

好きな人

しおりを挟む

この公爵家で生活を始めてどれぐらい経っただろうか、親に迷惑をかけ自分勝手に動いて挙句には公爵様に甘えている生活

公爵様は未だ婚約や婚姻ついて話をされない

ここへ到着した時に一言『君が落ち着いてからにしないと不幸になるからね』とだけ言われ今に至る

それでも気にはなる、私の心には彼が居続けていて逃げてしまった。

何に逃げたかって嫌われてるのは知っている、彼が他の女性と幸せそうにしているのが耐えられなかったのだ

彼の為と言いつつ自分の為に逃げて、馬鹿な女だとつくづく思う

みえて居なければ幸せを願えると思って居た。

なのに・・・・彼に逢いたい、声を聴きたい

弱い自分を叱咤し奮い立たせる為思い出させる、彼は行かなくなった私を心配もしてくれず、その前には私なんか誰が欲しがる?とさえ言っていた。

期待して馬鹿をみて・・・・。



思考を巡らせ目頭が熱くなった時、扉をノック音に考えを辞めれた


「どうぞ」

「すまない、少し時間をいただけるかな?」

「公爵様どうされましたか?」

椅子から立ち上がり扉へと足を向ける

「あ、良いそのままで座ってて」

「はい」

私が座ると離れた席のソファーへ腰を下ろした。
距離をきちんと取ってくれる紳士的な方と頭の片隅に思いながら公爵様を見る

公爵様がソファー前のテーブルへ手紙を一通置いた

「実は隣国の知人から面白い話を手紙で頂いてね」

「隣国とは私の居た国ですか?」

「そうだよ、君はまだ彼をアルベル侯爵を好いているだろう?」

「・・・・・」

「ハハハ、大丈夫怒りもしなければ幻滅もしないから、人の気持ちは容易く変わるものじゃない」

「何かあったのですか?」

「君の幼馴染がね失踪した君を探していて事故にあったらしいのだ」

「・・・事故?」

「話に聞くと君に似た女性を目撃したと聞き急いで向かいそこで落馬事故にあったらしい」

「・・・エルヴィス様は無事なのですか?」

「さぁどうだろう?事故に遭った後社交界へ顔を出さなくなったとしか教えてもらえてないから」

「・・・面白い話ではないです」

「ん?面白いじゃないか、君を蔑ろにしていて居なくなったから探してるって君を蔑ろにしていたのに面白くないかい?」

「幼馴染だから・・・・探していただけなのでは」

「情ってやつ?」

「・・・・」

「まぁ事故してるのは面白くも楽しくもないな、そこは言葉が悪かったすまない」

「いえ、彼が私を探してくれていると聞いて少しうれしく思いましたのでありがとうございます、只事故でけがなどしているのではと心配になりました」

「そうだな、社交界へ顔を出さないとなると寝込んでいるか動けない状態なのだろう」

「そ、そんな、私を探して・・・・どうしましょ」

「勝手に事故したのだから関係ないだろう?」

「でも、私が居なくならなかったら探して事故になど」

「ん~、でもアルベル侯爵邸へ行かなくなった時は音沙汰なかったのだろう?」

「・・・・はい」

「いなくなりますって手紙観て実際居なくなってから探すってパフォーマンスなだけじゃないかな?」

「ッ!!彼は、そんな方じゃありません!」

公爵様の口元が軽く上がるのを見逃していた

「そうか、実は内々に彼について今どんな状態かを調べてもらって届いた手紙がこれなのだ」

公爵様の前に置かれた手紙にはエルヴィス様の今がわかることが書かれている

「私はね別に君が彼を好きでも待てるけど、君は後悔しないかい?彼がこの世界から居なくなってしまってからだと?」

「・・・・手紙は読まれてないみたいですが」

「うん、そうだね。これを必要としてるのは私ではなく君だから、読む読まないも自由にしていいよ」

そう言って手紙をテーブルに残し公爵様は部屋を出ていかれた。

この時の公爵の顔を見ていたら何か引っかかっていたかもしれないが私は手紙を凝視していて何も気づきもしなかった




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

催眠術にかかったフリをしたら、私に無関心だった夫から「俺を愛していると言ってくれ」と命令されました

めぐめぐ
恋愛
子爵令嬢ソフィアは、とある出来事と謎すぎる言い伝えによって、アレクトラ侯爵家の若き当主であるオーバルと結婚することになった。 だがオーバルはソフィアに侯爵夫人以上の役目を求めてない様子。ソフィアも、本来であれば自分よりももっと素晴らしい女性と結婚するはずだったオーバルの人生やアレクトラ家の利益を損ねてしまったと罪悪感を抱き、彼を愛する気持ちを隠しながら、侯爵夫人の役割を果たすために奮闘していた。 そんなある日、義妹で友人のメーナに、催眠術の実験台になって欲しいと頼まれたソフィアは了承する。 催眠術は明らかに失敗だった。しかし失敗を伝え、メーナが落ち込む姿をみたくなかったソフィアは催眠術にかかったフリをする。 このまま催眠術が解ける時間までやり過ごそうとしたのだが、オーバルが突然帰ってきたことで、事態は一変する―― ※1話を分割(2000字ぐらい)して公開しています。 ※頭からっぽで

根暗令嬢の華麗なる転身

しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」 ミューズは茶会が嫌いだった。 茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。 公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。 何不自由なく、暮らしていた。 家族からも愛されて育った。 それを壊したのは悪意ある言葉。 「あんな不細工な令嬢見たことない」 それなのに今回の茶会だけは断れなかった。 父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。 婚約者選びのものとして。 国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず… 応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*) ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。 同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。 立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。 一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。 描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。 ゆるりとお楽しみください。 こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。

好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

【完結】初夜の晩からすれ違う夫婦は、ある雨の晩に心を交わす

春風由実
恋愛
公爵令嬢のリーナは、半年前に侯爵であるアーネストの元に嫁いできた。 所謂、政略結婚で、結婚式の後の義務的な初夜を終えてからは、二人は同じ邸内にありながらも顔も合わせない日々を過ごしていたのだが── ある雨の晩に、それが一変する。 ※六話で完結します。一万字に足りない短いお話。ざまぁとかありません。ただただ愛し合う夫婦の話となります。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中です。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

【完結】婚約から始まる恋愛結婚

水仙あきら
恋愛
「婚約を解消しましょう。私ではあなたの奥方にはなれそうもありませんから」 貧乏貴族のセレスティアにはものすごく横柄な婚約者がいる。そんな彼も最近ではずいぶん優しくなってきたと思ったら、ある日伯爵令嬢との浮気が発覚。そこでセレスティアは自ら身を引こうとするのだが…?前向き娘とツンデレ男のすれ違い恋物語。

【完結】悪女のなみだ

じじ
恋愛
「カリーナがまたカレンを泣かせてる」 双子の姉妹にも関わらず、私はいつも嫌われる側だった。 カレン、私の妹。 私とよく似た顔立ちなのに、彼女の目尻は優しげに下がり、微笑み一つで天使のようだともてはやされ、涙をこぼせば聖女のようだ崇められた。 一方の私は、切れ長の目でどう見ても性格がきつく見える。にこやかに笑ったつもりでも悪巧みをしていると謗られ、泣くと男を篭絡するつもりか、と非難された。 「ふふ。姉様って本当にかわいそう。気が弱いくせに、顔のせいで悪者になるんだもの。」 私が言い返せないのを知って、馬鹿にしてくる妹をどうすれば良かったのか。 「お前みたいな女が姉だなんてカレンがかわいそうだ」 罵ってくる男達にどう言えば真実が伝わったのか。 本当の自分を誰かに知ってもらおうなんて望みを捨てて、日々淡々と過ごしていた私を救ってくれたのは、あなただった。

処理中です...