秘事

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呪い返し

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魔女として何百年人々をみてきた。
人とは哀れでいて面白い生き物だ。
私はロジーと母に呼ばれていた、だから名はロジーなのだろうと思う。
母も魔女だが、数十年前に家を出ていった

『ロジー、ママ少し旅に出るわ!』

それが母との最後に交わした会話だった
そして数十年帰って来ていない

父は普通の人だったから人間としての寿命で亡くなったので、既に顔さえ忘れてしまっている

母はとても父を愛していたらしく、多分父の生まれ変わりを見つける旅にでたのだと思っている
最後の朝早く母は興奮して水晶を眺めていた。
父を見つけたのだろうと確証に似た実感を抱いている
いつか父を連れて帰ってくるだろう

さて、我が家には色々な欲求を抱き人が訪ねてくる
何時から魔女は何でも屋になったのか不明だが、暇潰しに人に付き合っている

チリン♪

また悩める人が我が家の門を潜ったみたいだ

「・・・あのぉ、此方で願いを叶えてくれると聞いて来たのですが」

玄関の扉から顔を覗かせた少女が此方を見ている

「どうぞお入りくださいな、願いと言われても叶えられるか叶えられないか聞いてから決めますよ」

家に招きいれる
我が家の門を潜ったら嘘はつけなくなる
そして、私にとって楽しそうな願いなら叶えてあげようかと思う
あぁ、今回は楽しめるか気持ちが興奮してきたよ

少女は恐る恐る部屋へ足を踏み入れた。

「そちらの椅子に座りなさいな」

「はい、ありがとうございます」

ゆっくりと進めた椅子に座る少女は不安気な雰囲気で周りを見回した

「あまり我が家を見回さないで欲しい、さぁ願いとやら話しておくれ」

「あ、ごめんなさい。あの私は自分に返ってきた呪いを解いて欲しいのです」

呪いが返ってきただって!ワクワクするねぇ

「何の呪いを誰にかけたんだい?」

「私の友達に胸がギューギューと苦しくなる呪いをかけたのですが、先日私に帰って来てしまい自分が胸がギューギューと苦しくて辛いので・・・」

ふむ、簡潔に話しているが詳しく話す気が無さそうだ。

「詳しくは呪いに聞くとするよ」

「え?」

驚いた少女の額に指を突いて気を失わせる
そしてグタリと意識を失った少女の額から黒い球体が現れた。

「さぁ、主の姿を見せてくれ」

黒い球体へ手をかざし力を込める
黒から白へ色を変えて形も変化しだした
モフモフ白い丸い変な物に変わった

「お?何だお主呪いじゃ無いのか?何で白いんだ?」

『魔女、彼女がかけたのは呪いみたいな言葉を使うが祝福じゃよ』

「はっ、何だそれ面白い」

人間は何を考えているのか想像出来ない
笑える!

『彼女はな、幼馴染が好きなんだが、彼は彼女の友達と良い感じになっていると思っていて彼が幸せになる事を願っているのだよ』

「それで何故呪いが出てくる?祝福がでてくる?」

『彼が幸せになるには友達が幸せでいないといけない、そう考えた彼女は友達に幸せで無いと胸が苦しくなる呪いをそして幸せだと幸福が訪れる祝福を載せて友達にかけたんだ』

「彼では無く友達に祝福をか・・・。不幸になれば苦しくなるし狙いはいいのかもしれないな」

『・・・彼女は苦しんでいる、只これは呪いではないんだが・・・。』

「ほう?違うとは?」

『実は・・・・幼馴染の彼は彼女が好きだったんだよ、だから彼女の友達に仲を取り持ってもらうつもりで近づいた、要は彼女の勘違いだ。ハハハハハ』

「馬鹿らしい奴らだな!口にして気持ちを伝えたら早かっただろうに」

『そう言ってやるな、彼女も真剣よ、そして彼も真剣よ』

「なぜ呪い返しを食らってるんだ?祝福じゃろう?」

『彼女の友達も彼を好いておる、そして友達は今幸せではないわなぁー』

「あーーなるほど、そりゃそうだ!両想いの横恋慕か!そりゃ不幸だ」

『魔女、気が付いておるじゃろう?呪い返しを手伝った者を』

「ん?あー母さんだろ?お主に魔力が混じってた」

『彼女がここへ来るのも判っていそうだったぞ』

「だろうなーあの人は凄い人だから、そうだ!母さんは一人だったか?誰かといたか?」

『わしが知っているのは一人だったぞ、あと魔女の母上は元気にしておったしわしを使ってお前にコンタクト取った感じじゃな』

「母さんらしいなぁー何か言付けでもあるのか?」

『うむ、もう直ぐ帰れるから待っててねロジー!だったかな?』

「そうか、じゃそろそろ彼女の呪いだけ消してやるか、でも彼女今幸せじゃないのか?」

『拗らせてて胸の痛みは呪いのせいだと思ってる、ハッキリ言って胸の高鳴りのキュンキュンしているのを苦しみだと勘違いしているな』

「じゃ呪い解いただけでは上手くいかないか!んーお主動けるだろう少し姿変えてやるから手伝え」

モフモフ生き物に手をかざし更に力を加える
モフモフの丸い奴から白い小鳥へと愛くるしい生き物へと姿を変えた

「よし!彼女が好きそうな生き物にした!じゃ次は彼を此処へお主が連れてこい」

『ちょっとまて!!!どうやって連れてこいと言うのだ!』

「その幼馴染の彼とそこに眠る彼女だけはお主の姿が見えるようにした」

『それでどうしろと?』

私は片側の口端をあげ笑う

「そうだなー魔女に彼女が捕らわれたという筋書きでどうだ?」

何かいいものは無いかと彼女を見ると首から大事にしているであろうネックレスを見つける
いとも容易くネックレスを魔女は手元へ取り寄せる
動かずとも力を使えば何でもできてしまう
魔女とは怖い生き物だと鳥の姿になった祝福たる者は思う

「これは幼馴染の彼が彼女へプレセントしたものだな気持ちが入っている、大事に扱っている物見える。これを彼に届けれ上げろ、それだけで感づくだろう馬鹿でなければだが」

『彼とて、ネックレスを小鳥が運べば何かあったと思うだろうが、どこの誰に何をされて居てとかまでは先を見る力があるものぐらいしか解らないだろう』

呆れた奴だと言わんばかりに冷たい目で魔女は小鳥を見た

「お主が言えばいいではないか?」

『え?喋れるのか?』

「見えるまでしてるのに話せないのは不都合だろう?設定って伝えたのだから上手く誘導しろよ」

この魔女姿は可憐な少女だが中身は本当に魔女そのものだ、絶対に怒らせたり敵にしてはいけないタイプだと肝に免じなければ

「そうだ、お主が出た後自分も少し出かける」

『すぐ戻るのか?』

「んー、彼女の友達とやら厄介そうだから話をつけてこなければいけないだろう?」

『あ・・・。』

「まぁお主にしたら忘れていて構わない相手だろうが彼女には友達のだから」

『奴は・・・心が綺麗ではなかった。』

「ふん、そんなの判っておるわ」

『奴は彼女から幼馴染を奪う事ばかり考えていた、祝福と言われ呪い返しを少し躊躇ったが良い事思いついたと呪いを返してしまった。その後に彼女に囁いたのだ、自分は彼と恋仲だから祝ってくれと・・・』

「醜い女は好きじゃないが楽しめそうだから会ってくるし、もう彼女へ故意に傷つける事は出来なくするぞ?」

『魔女、全て任せる』

「アハハハハ、お主も面白いから好きだ。母も彼女を応援しているのだろう私の冷酷さをしっていてお主を私に向かわせた、それが答えだ」

さぁ行けと窓から魔女は小鳥になった私を放った
後ろで見える姿は彼女をベットにそっと魔法で下ろしている柔らかな優しい笑顔の魔女
冷酷さとは多分本当だろう、あー彼女の友達あの女はどうなるのか少し楽しみだ
急いで幼馴染の彼に逢いに行こう!眠る彼女の為に



可愛らしい寝顔の少女を見下ろす
いい夢を見れるようにそっと頭に手を翳し踵を返した
窓から見える外の景色
ふむ、空を飛んでいくのも一興か
クルリと一回転してみる
その姿はロジーとしての姿ではなく鷹となり窓枠に立っている
鷹の目がキラリと光ったきがした
バサリと羽を広げ飛び立つ、醜い女を目指して








目の前に突然鷹が飛び降りてきた

「きゃああああああ」

目をつぶり身体を震わせるが衝撃は無いもない
そっと目を開くとそこには可憐な少女が立っていた
綺麗な黒い髪、瞳は何もかも見透かすような黒い透き通った色、肌は白く誰が見ても美しいというだろう
ただ数日前に似たような人物を自分は知っている気がする

「え?あれ?鳥が・・・?あれ?」

「ギャーギャー騒ぐな耳が痛くなる」

目の前の少女は姿に似合わない口調と低い声、そして冷たい表情で私を見て言い放った

「はい?誰です?」

「誰でも良いだろう?お前はこの世界から居なくなるのだから」

「!?」

「あー違うな誰にも認識してもらえなくなるが正しいな!」

「な、なんで?」

「要らないだろう?人の幸せを願う相手を簡単に踏みつぶせる奴なんて」

「何言ってるの?わけわからないわ!」

「醜いな、心からの醜さがオーラになって出てきてるぞ、このまま居るとお前は悪魔とでも契約しかねないから居なくなっていいと思うんだが」

「突然出てきてなに意味不明は事言ってるの?気分が悪いわ!」

「ふむ、まぁ只の横恋慕でってだけなら別に何も言わないし何もしなかったが、お前母の魔女に何頼んだ」

判った!この前呪いを返してもらった魔女に似ているんだ
ただあの魔女は違う雰囲気だった、あちらは優し気な雰囲気だが此方は冷淡が似合う

「何も頼んでないわよ!」

「そう言うだろう?醜いんだよ言わなきゃ無いも判らないとか人間は愚かだ、魔女ってのはな魔力で簡単な会話ぐらいはできる言葉にしなくても意思疎通ができる。女、母がお前を怖いと言っているぞ」

「うるさい!!うるさい!!呪いを返してと頼んだわよ!それだけよ!」

「はぁーまだ言うか、あとギャーギャーうるさいわ、お前呪い返して祝福消して、なんだ数日後永遠の眠りについてほしいとか言っただろ?」

「言ってないわよ!」

「なぁ、人の不幸は楽しいか?蜜の味か?すでに悪魔にでもなってしまったのか?魔女になんの薬頼んだのだ?」

何故今来るのか、何故何もかも知っているのか
辻褄はあっている魔女とはそんな生き物なのか?
バックを軽く握った

「母は毒をお前などに渡してなどいないぞ」

「はい!?じゃ何よこれ」

バックに入った禍々しい色の液体の入る瓶を取り出した

「アハハハハ、只のだけの栄養剤だな」

「魔女って嘘つけないのでしょ!あの魔女な苦しむと言ってたわ」

「ククククク、にがいから苦しむかもしれないな」

目の前の魔女は肩を震わせ笑いながら私を見て言い続けた

「魔女は嘘つけないとかが嘘だな、お前の目の前の私を見て年齢言い当てれるか?」

「今関係なでしょ?17か18じゃないの?」

「ふふふ、私はこう見えて300歳は超えているぞ」

「バカバカしい」

「そのバカバカしいのが魔女だ、そして魔女とて生きているのだから生活がある、同じ年の奴がずっと居たら周りは嫌だろう?気味悪いだろう?ごまかす為に姿を変えるし嘘も言う、何簡単にお前にすり替わる事もできる」

クルリと可憐な少女は回り私とそっくりな人物が今目の前に現れる

「ひぃ!」

「まぁこの姿は醜いから嫌いだ、さて大体毒を望んだからと世界から消されるいわれはないだろう?恋の横恋慕しただけでもだ、私が言いたいのは己だけしか見えて居ない心の醜さにお前はこの世界に要らないと思った」

またクルリと周り可憐な少女へと戻り言い続ける

「お前は自分より下の者へ対しての対応は酷いな、何人殺した?何人死に追いやった?聞いても無駄だろうな覚えてないだろうし」

「いなくて良い人なんて知らないわ」

「私も同じ考えだ!だからお前はいらないから消えろ、もう喋るのも疲れたしお前は面白くない」

私に向けて手を翳す
風は吹いて居ないのに痛い風が当たった感じがする

「きゃあああ」

「さて、もう帰るか、お前はもう誰でも無いし誰にもなれない」

意味不明な言葉を残し彼女はクルリと回ったら姿が消えた。

「何言ってるの?誰でもない?生きてるし!私は私だし!」

早速目的地のの家へ向かう、この便の中身が毒ではなくても苦しむのなら見てみたいわ

目的地の玄関を叩くもでてきたの母は私にこう言った

「どちら様?」

「え?おばさんミスティアの友達のセフィリアじゃないですか?昨日も逢いましたよね?」

「え?セフィリアちゃんは貴方じゃないわ、何言ってるの?何かの冗談?娘への何かのサプライズ?ごめんね娘は今お出かけしてて、えっと何ちゃんかしら?」

「まって、私よセフィリアですよ?何言ってるの?おばさん私だって」

「・・・?えっと、間に合ってますから」

玄関のドアを閉められ頭が混乱する

まさか姿を変えられた!近くにある噴水の水辺にて姿を見るが自分は自分の姿で間違いなかった
近くを通る知り合いにも話しかけるが誰だと言われる
私は誰でもないし誰にもなれない?
急いで家に帰るも玄関で誰ですか?と締め出された
では私の家に居るセフィリアって誰?と家の前で待ってみる
そこに私とうり二つのセフィリアが家から出てきた

「ちょっとあなたは誰よ!」

「え?誰ってあなたこそ誰?私はセフィリアって言います」

「私がセフィリアよ!姿まで似せて何様?!私の場所を奪わないで!」

「似せるって・・・似てませんけど、それにどこかでお会いしました?」

「なっ!なに言ってるのソックリじゃない!何なのよこれ!!」

家の前で騒いでいる娘を心配して両親が出てきてくれた

「パパ、ママ、私のソックリが家にいたからわからなかったのよね!私よセフィリアよ」

両親へ期待を込めて声をかけるも、困惑の顔をされて

「えっと誰でしょう?娘のセフィリアが何かしたのでしょうか?パパとかママとか言われても・・・」

「なんで!私よ!わからないの?娘よ!!顔だけソックリでも私をみたらわかるわよね!!」

何故か偽自分と両親は顔を見合わせ首をかしげている

「すみませんが娘とは似ても似つかないかと・・・」

まって、さっき姿を確認したわ!何も変わってなかったじゃない!じゃ・・・・私は誰?
魔女は何をしていったの?目の前の私の偽物が私になって自分は私とみてもらえないし似てもないと言われる
周りにはどう見えているの?
これからどうしていけばいいの?

途方に暮れて歩くと前に呪い返しをしてくれた魔女が現れた

「あらあら、ロジーたら説明なしにやっぱり意地悪ねあの子」

「ちょっと!これどういうことなの?薬だって聞いたわよ!」

「あのね、貴女は貴女ではないの、この世界では誰にも貴女を認識できない、日がないの仕事探して頑張って生きてね、その栄養剤凄くニガイけど凄く効き目あるのよ!大事に飲んでね」

「まって!認識されないて姿形ソックリなのに似てないと言われたのだけど!」

「ええ、だって認識できないもの似てないわよ、見えているようで見えないの、そんな魔法を娘がかけたの貴女が酷い性格だったから」

「な、なんでそこまでされなきゃいけないの」

「だって友達殺そうとしたわよね?祝福されてたのに、それを外した呪いを返して」

「呪いよ!私に呪いをかけたのはミスティアの方だわ!」

「あなたの幸せを願って呪いっていう言葉を使って幸せになれたら幸福が舞い込むようにね」

「友達だもの祝うのが当り前よ!でも胸が苦しくなる呪いは本当につらかったのよ!!」

「それ本当に苦しかった?あの子ほんのちょっとギュッとする苦しみ与えるだけの呪いしかかけてなかったわ、それに凄く呪いに抵抗あったのね倍は自分へ痛みが来ますようにって組み込んでいたのよ」

「だからって何よ呪いは呪いでしょ!」

「そうね、貴女には何も伝わらないわごめんなさい、娘に頼んで正解だった」

「ちょっと魔法を説いて!」

「無理よ、もう私もそろそろ貴女を認識できなくなるわ」

「・・・いやだ、誰も私を認識しないって」

「ごめんなさいね、貴女がいつか心を入れ替えて清らかな気持ちで誤れると思ったらロジーへ会いに行きなさい、戻してくれるしれないわ、さようなら」

そして私の前から誰も居なくなった
一人でこれからどうしていけばいいの?
魔女が残していった栄養剤と魔女がかけていった魔法
あと自分はどれだけ生きていけるだろう・・・・。








部屋へ瞬間的に戻ってきた
ベットにスヤスヤ眠る彼女を見届け子鳥姿の祝福と幼馴染の彼が来るのを待つ

あの醜い女は数日後戻してやるつもりだ、反省したらいいのだが・・・。まぁあの栄養剤あれば数日は死なないな
最初は心が折れるだろうが、あいつは醜かったから面白くなかった。

チリン♪と門を通る音が鳴る

来たか、小鳥はなんていって連れてきたのだろう楽しみだ

玄関を思い切り開け放つと男は声を大にして言った

「彼女を返してくれ!俺から奪わないでくれ!」

「そんな大きな声出すでない、落ち着いてお喋りしようではないか」

男の肩に優雅に小鳥の姿で祝福は乗っていた
あの姿気に入ってるな・・・。

「ミスティアはどこに居るだ」

「ん?あーあの子の名前か、彼女ならベットに寝かせて居るよ」

「まさか、二度と目が覚めないとか!」

「お望みか?」

「そんなわけあるか!彼女を返してくれ」

「怒るな、怒らせたいわけではない、そうだな彼女が目覚めるには真実の愛ってやつが必要って事にする」

『魔女遊んでないか?』

「ん?わかるか?こんなに楽しい事は無いぞ」

「お願いだ・・・・俺からミスティアを奪わないでくれ」

「男たるものもっとしっかりしろ、大丈夫だ彼女は寝ているだけだしお前が気持ちを込めてキスでもすれば目覚める」

「ミスティアの気持ちを聞いてもないのに彼女に触れる事はできない!」

「だってよ祝福よどうする?」

『本人寝てるのに言うのか?かわいそうに』

「大丈夫だろう?目覚めたら幸せになれる、恥ずかしくなってはしまうかもしれないがな」

『なぁアイザックとやら、言っては何だか彼女は君の幸せを願っている、君の幸せには彼女が不可欠ではないのか?では行動へ出てみてはどうだ?なぜ彼女は君の幸せを願う?君への愛があるからだと何故気がつかない?』

「・・・・いいのだろうか」

「いいんじゃないか?キスなんて口と口合わせるだけだろう?それに口にとか言ってないぞ?」

「・・・・・え?」

「赤面してるものいいけど勘違いで自分の願望付け加えるなよー」

『魔女、彼が可哀そうだ辞めてあげてくれ』

「はいはい、まぁ何にしろ気持ちを込めてキスしたらいいんだよ」

真っ赤な顔した彼はベットへ眠る彼女の額にキスを落とした
彼女は軽く光ったと思ったら、すっと光が消えていくと彼女の瞼がゆっくりと開いた

「・・・・・えっと、どうしたの顔真っ赤だよ?」

「・・・・うん、あのさミスティア、俺の彼女になってくれないか?」

「・・・え?セフィリアは?あの子と付き合ってるんだよね?」

「ん?付き合って無いよ、ミスティアの相談はしていたけど」

「あれだろう、恋のスパイスをかけるためにワザと付き合ってるとか言って二人を応援していたのではないのか?あと、勝手に私の家で盛り上がらないで欲しいぞ」

「私!ベットに寝かせてもらっているってなんで?!え?」

「話しは後でしてやるから先にこ奴に返事してやれ、お前も色々話さなくてはいけないだろうし」

少女は少年を見つめ二人真っ赤になりながら微笑みあっている
うんうん、こういうのは好きだ
自分は感情を表に出すのが苦手だが嬉しくなる

「あのねアイザック、私貴方が好きよ」

「じゃ!」

「えぇ、ぜひ喜んで彼女にしてください」

「やった!俺のミスティア!」

抱きしめあう二人を見守るつもりもない私は指をパチンと鳴らすと二人は別々の席へ座っている形で現れた

「あのな、さっきも言ったが私の家で勝手に盛り上がるな」

『魔女・・・・そりゃないわ』

二人は真っ赤になりながら俯き「はい」と返事をしたので彼女が誤解している事、呪いの話、祝福の話すべて二人に聞かせる
そして彼女の友たちについては逢えて邪魔をしていただけで本当は祝福しているのだと嘘を伝えた
後日彼女が反省して帰る場所ができたとき二人の前に素直に立てるように
今は私が作った偽物が彼女の役目を果たしてくれるだろう

「では呪い事態は消し去った、祝福について残してやるから二人で幸せを築いていくといい」

『残るのはいいが姿も見えるままか?』

「それを二人が望むならな」

「お願いします!」二人息ぴったりに言うのだ小鳥は残してやろう

「いいぞ、祝福もう少し言葉使い直せよ!二人を見守ってあげてくれ」

『言葉使いは言われたくないが、任せろ!二人にしか見えない私が見守っていく!』

「だそうだ!また困った事があれば言いに来ると言い、面白いと思えたなら助けなくもない」

「ありがとうございました」

二人と小鳥の形をした祝福は帰って行った

数年後あの二人は子供を授かるが、子供にも祝福は見える事は内緒としておいた
楽しみは取っておいた方が面白いからな!


あー今回は楽しい時間を過ごせた
暇つぶしにはもってこいだな!




祝福は彼に逢いに行ってネックレスを渡し「ミスティアが捕まった!魔女が彼女を」
と言っただけで何も言わずとも彼は走り出していたらしい
落ち着きない男性には彼女の様な女性がいっしぃになるのが一番かもしれないな


後日無事に泣きながら魔女の元へ現れたセフィリアとやらは反省をしっかりしていたので許してやった
二人には自分から素直に全部話したらしい
それでも二人は笑顔で許していたのでこれでよかったのだろう

醜いのはだめだが救いを残すあたり私もまだまだかもしれない

さぁまた暇な毎日が繰り返される
何か刺激的な出来事はやってこないか日永に待つとしようか





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