はるけき世界の英雄譚

白澤建吾

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士官学校編

二日酔いと魔法講義

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しばらくして次の講義が始まった。

しかし二日酔いのルイス教官は講義を始めない。

どうしてかと思うとイレーネが目を覚ましたから席に着くのを待ったらしい。

「さて、今日は黒魔法の仕組みについてだが。
以前の講義で『黒魔法、自分の魔力を糧として世の理にアクセスし、行使する。』と言ったが
世の理の正体というのはわかっていない。」

なんと。

「言葉、動き、音程を正しく行使すると世の理が魔力を引き出し発現する。
 というのが黒魔法の概要となる。
 この時複雑な手順を要するほど引き出される魔力が増え威力が上がるというわけになる。」

「個人で行使できる最も複雑な魔法は歌って踊りながら魔法陣を描いて
 発動するというものがあるが持てるだけ全ての魔力を使って
 魔力量に応じた大爆発を起こすというものだが、
 今は複雑すぎてできる者はいないといわれるし、
 もしできても使った後根こそぎ持っていかれて死ぬ。」


「精霊魔法との違いは力を借りる先を指定するかしないかという所が大きいが、
 あとは黒魔法は世界の理に登録された通りに行使する必要があるが、
 精霊魔法はそこまで厳密に要求されないということと、
 先に魔力をささげるか後に引きだされるか、ということになる。」

「神は普通は信仰が必要なんだが、破壊神だけは呼んで捧げれば力を貸してもらえる、
 さっきの大爆発の魔法は魔力量によってはこっちを使った方がだいぶいい。」

「あとは信仰による奇跡だな、癒し、浄化、精神系に作用するものが主になる。
 祈りをささげる対象の神、信仰の深さ、詰んだ徳、あとは魔法と一緒だが才能もあるが
 こっちの場合はもう一つの才能としてどれだけ神に愛されているか、ということが重要になる。」

「戦の神に平穏や旅の無事を祈ってもほど遠いものが叶えられるだろうし、
 昨日今日祈り始めましたなんて人に奇跡が届くわけもなく、
 実績もないのに大きな奇跡は起こらずという所だな。」

「まあ、必要な場合は信仰するより修行中の修道士を連れてきた方が早いし確実だ。
 向こうも徳を積む必要があるからな、持ちつ持たれつだ。」

「世界の理に登録されていない方法で行使して認められれば登録ということになるが
 同じ方法でも登録できる人とできない人がいるため、相性や血統などなんらかの条件が
 必要らしいということがわかってるがどんな条件かは厳密にはわかっていないし、
 わかってる条件は国家機密にあたるらしく公開はされていないが、まあ、推測はできるわな。」

「あぁ、最後に一つ、同じ効果でも言葉が違うとか動きが違っても登録はできるらしいから狙うなら
炎の矢フェゴ・エクハ辺りに別名付けることもできるぞ。」

といって今日は解散になった。

いつかやってみよう。
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