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士官学校編
世界の成り立ちと宗教国家
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ワモンはふむ、と頷いたあと
「よいでしょう、では案内させます。エリーを小間使いにつけます。
エリーはいますか」
そう言ってエリーとやらを呼んだ。
「では来るまでの間この世界の成り立ちについて簡単に神話について
話しておきましょう。」
といって勝手に語りだした。
これは宗教の勧誘になるのだろうか。
その昔、記憶にも記録にも残らない太古の昔。
災厄が人類を襲った。
災厄が先か、それが先かは今となってはわからないが、邪な神が降臨した。
邪な神は全知全能であり、主神と対になる神だった。
主神は人を作り生き物を作った。
邪なる神は魔族を作り魔物を作った。
二柱の神は対立し、はるか昔に地の底深く主神により封印された。
しかし、災厄により封印が解け顕現してしまったのだ。
邪な神の眷属の魔物や悪魔が解き放たれた。
魔物達は生きとし生けるものを蹂躙し、昏い感情を糧として勢力を広めていった。
全知全能なる主神と邪な神は互いに拮抗し、
その星に住む生き物を守る神は自らが生み出した眷属を守護できなくなってしまった。
主神は自ら作った生き物たちを守護するため、
自らの力の一部で分身を作った。
人類を団結させるため、神ははるか昔に罰として分けられた人の言葉を一つに戻した。
一つの言葉で意思疎通を図ることができるようになった人類は
武器を手に取り対抗したが人を殺すための武器では悪魔へ
致命傷を与えることができず、その星に住む生き物は数を減らしていった。
人が数を減らしたことにより、文明のすべてが衰退し、様々なものが失われてゆく。
人類の中でも戦う術を持つもののなかに魔物や悪魔と対抗できるものがいたが
圧倒的に数は少なく、戦えない者は地下や打ち捨てられた洞窟へ隠れ住むようになった。
時が過ぎゆく中で主神の分身《わけみ》たる神の子の声を聴く少数の人間が現れ新たな信仰が始まった。
集まった信仰は新たな神の御名において奇跡を起こし、悪魔へ抵抗し始める。
文明のすべてが塵芥に帰してなお人類は立ち上がった。
だが奇跡を起こし悪魔へ対抗しうる神の使徒は多くは現れずほとんどの地域で人は数を減らしていった。
立ち上がった人類の中に英雄が生まれるのは祈りの奇跡か、必然か。
いつ現れたか、どこから来たかわからない英雄はマーリンと名乗り
たった一人の友、クロンシュタットという神官と共に幾多の魔物と悪魔を打ち滅ぼした。
マーリンはあまりにも強すぎた。
いつしか人々は自らの力で困難に立ち向かうことを忘れマーリンの到来だけを待ちわびることになった。
マーリンも魔法の力で寿命を延ばして生きながらえたが、マーリンの後継者は現れず
いつしかマーリンも戦うことができなくなってしまった。
マーリンは人々に戦う力を思い出させるため、人々の礎となるため自らを世界樹とし、世界に魔力を満たした。
友の神官クロンシュタットは最初の王として魔法王国を作った。
王はマーリンの存在と思いを歴史に埋もれさせないためその物語を語り継ぎ
世界樹を守ったという。
世界樹の場所は隠され、世界樹は天を突くように大きいとも、
大地のように広いとも言われるようになった。
「という歴史がある我が国の物語となるわけです。
他の国はこの国で罪人となり放逐された者たちが作った集落の末裔や
この国から派遣され資源採集を行っていた衛星都市が独立したものになります。」
「マーリン様のおかげで我々も魔法を行使できるようになりましたが、
本来であれば魔物や悪魔と戦うため、それを忘れて侵攻しようという異教徒を
打ち据えることも必要になりましょう、よろしくお願いしますね。」
そういってにっこりと笑った。
「よいでしょう、では案内させます。エリーを小間使いにつけます。
エリーはいますか」
そう言ってエリーとやらを呼んだ。
「では来るまでの間この世界の成り立ちについて簡単に神話について
話しておきましょう。」
といって勝手に語りだした。
これは宗教の勧誘になるのだろうか。
その昔、記憶にも記録にも残らない太古の昔。
災厄が人類を襲った。
災厄が先か、それが先かは今となってはわからないが、邪な神が降臨した。
邪な神は全知全能であり、主神と対になる神だった。
主神は人を作り生き物を作った。
邪なる神は魔族を作り魔物を作った。
二柱の神は対立し、はるか昔に地の底深く主神により封印された。
しかし、災厄により封印が解け顕現してしまったのだ。
邪な神の眷属の魔物や悪魔が解き放たれた。
魔物達は生きとし生けるものを蹂躙し、昏い感情を糧として勢力を広めていった。
全知全能なる主神と邪な神は互いに拮抗し、
その星に住む生き物を守る神は自らが生み出した眷属を守護できなくなってしまった。
主神は自ら作った生き物たちを守護するため、
自らの力の一部で分身を作った。
人類を団結させるため、神ははるか昔に罰として分けられた人の言葉を一つに戻した。
一つの言葉で意思疎通を図ることができるようになった人類は
武器を手に取り対抗したが人を殺すための武器では悪魔へ
致命傷を与えることができず、その星に住む生き物は数を減らしていった。
人が数を減らしたことにより、文明のすべてが衰退し、様々なものが失われてゆく。
人類の中でも戦う術を持つもののなかに魔物や悪魔と対抗できるものがいたが
圧倒的に数は少なく、戦えない者は地下や打ち捨てられた洞窟へ隠れ住むようになった。
時が過ぎゆく中で主神の分身《わけみ》たる神の子の声を聴く少数の人間が現れ新たな信仰が始まった。
集まった信仰は新たな神の御名において奇跡を起こし、悪魔へ抵抗し始める。
文明のすべてが塵芥に帰してなお人類は立ち上がった。
だが奇跡を起こし悪魔へ対抗しうる神の使徒は多くは現れずほとんどの地域で人は数を減らしていった。
立ち上がった人類の中に英雄が生まれるのは祈りの奇跡か、必然か。
いつ現れたか、どこから来たかわからない英雄はマーリンと名乗り
たった一人の友、クロンシュタットという神官と共に幾多の魔物と悪魔を打ち滅ぼした。
マーリンはあまりにも強すぎた。
いつしか人々は自らの力で困難に立ち向かうことを忘れマーリンの到来だけを待ちわびることになった。
マーリンも魔法の力で寿命を延ばして生きながらえたが、マーリンの後継者は現れず
いつしかマーリンも戦うことができなくなってしまった。
マーリンは人々に戦う力を思い出させるため、人々の礎となるため自らを世界樹とし、世界に魔力を満たした。
友の神官クロンシュタットは最初の王として魔法王国を作った。
王はマーリンの存在と思いを歴史に埋もれさせないためその物語を語り継ぎ
世界樹を守ったという。
世界樹の場所は隠され、世界樹は天を突くように大きいとも、
大地のように広いとも言われるようになった。
「という歴史がある我が国の物語となるわけです。
他の国はこの国で罪人となり放逐された者たちが作った集落の末裔や
この国から派遣され資源採集を行っていた衛星都市が独立したものになります。」
「マーリン様のおかげで我々も魔法を行使できるようになりましたが、
本来であれば魔物や悪魔と戦うため、それを忘れて侵攻しようという異教徒を
打ち据えることも必要になりましょう、よろしくお願いしますね。」
そういってにっこりと笑った。
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