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謁見2
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「今日そなたたちを呼んだのは、旧プロミアス領の状況を説明してもらうためだ。呪詛ヒュドラが現れた土地は長きにわたって不毛の土地と化すと聞く。そのような一大事にまつわることを、報告書の情報だけで判断するのは心もとない。旧プロミアス領を間近で見たそなたらに、直接話を聞きたいと思ったのだ」
なるほど。
とはいえそれはブラド様だけでいいのでは……?
私は一体なぜ呼ばれたんでしょうか。
「かしこまりました、陛下。旧プロミアス領の現状ですが――」
ブラド様が旧プロミアス領の状況を語り、時々国王様が質問をする。
旧プロミアス領は魔物除けが正式採用されたおかげで魔物の襲撃が激減し、私が追放される前と同じくらいの安全度にはなっているようだ。
これから人里に近い場所を縄張りにする魔物を駆除し、さらに危険を減らす予定らしい。
浄化ポーションによる土壌の回復も問題ないようで、安全な作物が育っているとのこと。
嬉しい報告ですね。
「以上です。いくつか課題は残りますが、このまま進めば旧プロミアス領は以前よりも豊かな土地になっていくでしょう」
「――素晴らしい。呪詛ヒュドラに襲われた領地がこうも短期間で持ち直すとは。しかも回復を通り越して成長する見込みまであるとは信じられない」
「恐縮です、陛下」
「しかしブラドよ、そなたの手腕をもってしても、普通ならこうはうまくいかなかったのではないか? アリシアの特異なポーションがなければここまで短期間での復興はあり得なかった」
国王様は私を見た。
「アリシアよ、そなたのポーションはなぜそこまで効き目が強いのだ?」
……
私は深呼吸をしてから答えた。
覚悟を決めて答える。
「私が【調合EX】……【調合Ⅴ】よりも上位のスキルを持っているからです」
「「「!」」」
言った瞬間、それまで整然と並んでいた騎士や兵士たちが一斉に息を呑んだ。
ブラド様が隣から目を見開いたまま尋ねてくる。
「あ、アリシア君……君はそんなものを持っていたのか」
「隠していてすみません、ブラド様。騒ぎになるからとエリカに隠すよう言われていて……」
「エリカというと、あのスカーレル商会長の娘か。確かにいかにも言いそうだ。判断した理由も納得できるが……まさかレベルEXとは」
ブラド様は信じられないと言うように何度も呟く。
……私は領地を出るまで、【調合EX】をあまり大したものだと思っていなかった。
こんなものを持っていてもお母様は救えなかったからだ。
結局スキルより大切なのは知識なんだと考えていた。
けれど、こういう反応をされるとやはり異質なんだと感じる。
うーん……やっぱり、こう、叶うなら言いたくなかったかもしれません……嫌な感じの注目のされ方をしている気が。
「間違いではないのか?」
国王様は私ではなく、近くの文官に尋ねる。
その文官は青い顔をして私を見ながら頷いた。
「ま、間違いありません……私の鑑定スキルと看破スキルによれば、彼女は間違いなく【調合EX】のスキルを持っています。偽証はあり得ません」
「そうか……」
ああ、あの文官は鑑定役だったわけですか。
ん? 【看破】?
「アリシアよ、説明させてもらう。この者は【鑑定Ⅳ】に加え、相手の嘘や偽証を見抜く【看破Ⅳ】のスキルも持っている。仮にそなたがスキルレベルを偽る魔道具を身に着けていたとしても、この者の前では鑑定を欺くことはできない」
「え゛」
「疑うようなことをしてすまなかった。そなたは誠実なようだ」
「と、当然です……」
あ、危なかった……! エリカの忠告がなかったら今頃大変なことになっていたことだろう。交渉慣れした友人に感謝だ。
なるほど。
とはいえそれはブラド様だけでいいのでは……?
私は一体なぜ呼ばれたんでしょうか。
「かしこまりました、陛下。旧プロミアス領の現状ですが――」
ブラド様が旧プロミアス領の状況を語り、時々国王様が質問をする。
旧プロミアス領は魔物除けが正式採用されたおかげで魔物の襲撃が激減し、私が追放される前と同じくらいの安全度にはなっているようだ。
これから人里に近い場所を縄張りにする魔物を駆除し、さらに危険を減らす予定らしい。
浄化ポーションによる土壌の回復も問題ないようで、安全な作物が育っているとのこと。
嬉しい報告ですね。
「以上です。いくつか課題は残りますが、このまま進めば旧プロミアス領は以前よりも豊かな土地になっていくでしょう」
「――素晴らしい。呪詛ヒュドラに襲われた領地がこうも短期間で持ち直すとは。しかも回復を通り越して成長する見込みまであるとは信じられない」
「恐縮です、陛下」
「しかしブラドよ、そなたの手腕をもってしても、普通ならこうはうまくいかなかったのではないか? アリシアの特異なポーションがなければここまで短期間での復興はあり得なかった」
国王様は私を見た。
「アリシアよ、そなたのポーションはなぜそこまで効き目が強いのだ?」
……
私は深呼吸をしてから答えた。
覚悟を決めて答える。
「私が【調合EX】……【調合Ⅴ】よりも上位のスキルを持っているからです」
「「「!」」」
言った瞬間、それまで整然と並んでいた騎士や兵士たちが一斉に息を呑んだ。
ブラド様が隣から目を見開いたまま尋ねてくる。
「あ、アリシア君……君はそんなものを持っていたのか」
「隠していてすみません、ブラド様。騒ぎになるからとエリカに隠すよう言われていて……」
「エリカというと、あのスカーレル商会長の娘か。確かにいかにも言いそうだ。判断した理由も納得できるが……まさかレベルEXとは」
ブラド様は信じられないと言うように何度も呟く。
……私は領地を出るまで、【調合EX】をあまり大したものだと思っていなかった。
こんなものを持っていてもお母様は救えなかったからだ。
結局スキルより大切なのは知識なんだと考えていた。
けれど、こういう反応をされるとやはり異質なんだと感じる。
うーん……やっぱり、こう、叶うなら言いたくなかったかもしれません……嫌な感じの注目のされ方をしている気が。
「間違いではないのか?」
国王様は私ではなく、近くの文官に尋ねる。
その文官は青い顔をして私を見ながら頷いた。
「ま、間違いありません……私の鑑定スキルと看破スキルによれば、彼女は間違いなく【調合EX】のスキルを持っています。偽証はあり得ません」
「そうか……」
ああ、あの文官は鑑定役だったわけですか。
ん? 【看破】?
「アリシアよ、説明させてもらう。この者は【鑑定Ⅳ】に加え、相手の嘘や偽証を見抜く【看破Ⅳ】のスキルも持っている。仮にそなたがスキルレベルを偽る魔道具を身に着けていたとしても、この者の前では鑑定を欺くことはできない」
「え゛」
「疑うようなことをしてすまなかった。そなたは誠実なようだ」
「と、当然です……」
あ、危なかった……! エリカの忠告がなかったら今頃大変なことになっていたことだろう。交渉慣れした友人に感謝だ。
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