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商会長
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木製の扉が開くと同時に、最近取り付けたカウベルがからんころんと音を立てる。
「いらっしゃいませ」
「あなたが店主さん? ちょっとポーションのことで聞きたいことがあるんだけど」
「はい。どのポーションについてですか?」
「この『洗浄ポーション』についてなんだけど――」
お客の質問を聞き、私はそれらの点について一つずつ答えていく。
オールレイス卿との会談から半月ほど、私たちは「緑の薬師」に戻ってきて、またいつも通りの日々を過ごしていた。
ルークが会計、ランドが防犯兼マスコット兼簡単な質問対応、レンとブリジットは工房でポーション作成の作業中という布陣である。私は商品補充も兼ねて、店の様子を見に来たところだ。
「――という感じですね」
「そう、よくわかったわ。どうもありがとう! それじゃあこの洗浄ポーションと、それからヒールポーションも買っていこうかしら」
「かしこまりました。お買い上げありがとうございます」
私に質問していた女性客は、気になっていた部分が解決したのか、質問していた洗浄ポーションだけでなく他のポーションもいくつか買って行ってくれた。
会計を終えて去っていく女性客を、最近ようやくできるようになった営業スマイルで見送る。
「アリシアも随分接客に慣れたねえ」
「うむ。堂々とした対応じゃったな」
「二人とも、ありがとうございます」
ルークとランドから見ても、私の接客に不安な部分はなかったようだ。そう言われるとほっとする。
さて、そんなことを話していると再度店の扉が開いた。
「アリシアちゃん、いるかい?」
「はい、いらっしゃいま――」
やってきた人物に私は目を見開いた。
「ディーノさん!?」
「おうよ。久しぶりだなーアリシアちゃん! 元気そうで何よりだ!」
店に入ってきたのは洒脱な雰囲気を放つ、くすんだ金髪の男性。
いくつか開けられたボタンの奥からは鍛えられた胸板がわずかに覗き、耳飾りや派手な色のシャツも目を引く。
「アリシア、知り合いかい?」
ルークに尋ねられて頷く。
「はい。この方はエリカのお父さんです」
「ディーノ・スカーレルだ。よろしく!」
ニカッと白い歯を見せて挨拶するディーノさんに、ルークも驚いたように言う。
「エリカさんの父親って……もしかして、スカーレル商会の商会長?」
「ああ。うちの娘がいつも世話になってるな」
ルークの言う通り、ディーノさんはスカーレル商会の長だ。
この人がこの街にやってきたということは……
「もしかして、エリカに会うためにこの街に?」
「それもないとは言わんが、別件だ。アリシアちゃんに依頼があって来たんだよ。少し時間をもらえるかい?」
「それは構いませんが」
ディーノさんが私に直接依頼を……一体どんな用件だろうか。
接客をルークたちに任せ、応接室に案内する。見知らぬ相手との商談ならランドかルークの最低どちらかに護衛を頼むけれど、今回は知人ということで私一人での対応である。
応接用のソファに座ると、ディーノさんはまず私を気遣うように言った。
「今更だけど、体調とかは平気か? 最近プロミアス領のほうでいろいろあったって聞いてるぞ」
いろいろ、というのは例の呪詛ヒュドラのことだろう。
「大丈夫です。そっちはもう解決していますし、土壌の後始末なんかも済んでいますから」
「いや、領地の心配もあるけど……アリシアちゃんのほうだよ。トマス様は国外追放になっちまったんだろう?」
「それも、もう整理はついています。ご心配には及びません」
「……そうか。アリシアちゃんがそう言うなら俺がとやかく言うことじゃねえな。でも、何か困ったことがあれば遠慮なく相談してくれよ。俺はアリシアちゃんのことは二人目の娘みたいに思ってるからな」
「はい。ありがとうございます」
心配してくれるディーノさんに嬉しく思いつつ、私は小さく笑ってそう答えた。
私は王都にいたころ、エリカと友人になったことをきっかけに、ディーノさんとも知り合った。
母を亡くしたばかりの当時の私に親身になってくれたので、なんとなく親戚のように思っている。エリカと同じく、この人には頭が上がらない。
「ちなみにエリカにはもう会いましたか?」
「さっき会ってきた。今年度の利益勝負でこてんぱんにしたら、顔を真っ赤にして地団駄を踏んでたな」
「あ、その競争はまだやっているんですね」
ディーノさんは年に一度、エリカと売り上げの数値を使って勝負をしている。エリカを一人前の商人に育てるため、という名目だったはずだけれど、エリカが支部を任されるようになってからもそれは続いているらしい。
負けず嫌いのエリカのことだから、さぞ悔しがっていることだろう。
今頃来年のリベンジに向けて燃えているんじゃないだろうか。
「エリカのことはいいとして、アリシアちゃんへの依頼についてだ」
「どんな依頼ですか?」
「アリシアちゃん、俺と一緒に流通の歴史を変えない?」
「……え?」
なにやら笑顔でとんでもないことを言っていませんか、この人。
「私に何をさせようと?」
「ポーションの作成……というか開発だな。簡単に言うと、水竜の餌についての相談だ」
「水竜の餌?」
ディーノさんは話を続ける。
「俺たちのいるナディア王国の西には、海を挟んで別の大陸がある。向こうに行くには海を渡るしかないが、簡単にいかない。理由は知ってるか?」
「西の大陸との間にある海には、絶えず『渦』が発生しているから、ですよね」
「ああ。無策で渡るのはまず無理だ。おかげで西の大陸との交流はお世辞にも盛んとは言えねえな」
西の大陸にはいくつか栄えた国があるらしいけれど、残念ながらうちの国とはあまり接点がない。渦で荒れる海が間に横たわっているので仕方のないことだ。
「だが逆に言えば、そこを渡れるようになれば大きな商売になるだろう。そのためにうちでは今、水竜――水棲の竜型の魔物を調教してる」
「そんなことができるんですか?」
「【テイム】ってスキルがある。それを使えば可能だ。珍しいスキルではあるけどな」
「それはすごいことだと思いますが……水竜と渦の突破にどんな関係が?」
「水竜には特殊な能力があってな。あいつらは自分の近くの水を操ることができるんだ。それを利用すれば、厄介な渦も難なく突破することができる」
ディーノさんが説明するところによると、実はすでに水竜に船を引かせて渦を超える試みは成功しているらしい。
「…………よくそんなことを試しましたね……」
「部下にも死ぬほど止められたよ。『商会長に何かあったらうちはどうなるんですか』って」
「ディーノさんがやったんですか!?」
「スリルがあって最高だったぜ」
久しぶりに会うから忘れていたけれど、そういえばこういう人だった。
破天荒というか、自由人というか……こういう行動力のある人でないと大商会の長は務まらないんだろうか。
「話を続けるが、水竜にひかせた船で商売をするにあたって問題がある。水竜ってのは偏食で、決まった種類の生魚しか食わねえんだ。けど、生魚なんて簡単には持ち運べねえ」
「【氷魔術】のスキルで凍らせるのは……さすがに無理がありますか」
「ああ。魔術系スキル持ちは貴重だし、特に氷属性は需要が高い。それを何人も雇うってのは、できなくはねえが……まあ採算が合わないな」
腕組みをしながら言うディーノさん。
魔術スキル持ちはそもそも数が少ないし、炎や水といった属性魔術や回復魔術など、使い手がいくつもの種類に分岐してしまう。特定の魔術スキルを持っている人間を集めるのはとても難しいのだ。
「つまり、生魚を長期間保存するためのポーションを作ればいいんですね?」
「ああ。魚はだいたい五日間保存できれば何とかなるだろう」
「わかりました」
ディーノさんには子どもの頃にお世話になったし、エリカには現在進行形でいろいろと助けてもらっている。恩を返す意味でも依頼は受けさせてもらおう。
「助かるよ。報酬だが、アリシアちゃんはお母さんのかかっていた病気を治すためのポーションを開発しようとしてるんだって?」
私はぎくりとした。
「な、なぜそれを?」
「ふっふっふ、商人の情報網を舐めちゃいかんよアリシアちゃん。最近は貴重な素材の入手方法をいろいろと探っていたみたいじゃないか」
プロミアス領が平和になった今、次の私の目標はお母様を奪った病を根絶することだ。しかし既存の研究の中にはそれに応じたポーションはなかった。
だから私は研究の進んでいない、稀少素材を用いたポーションの研究をしようと、薬師ギルドや冒険者ギルドで情報収集をしていたんだけど……どうやらディーノさんはそれを知っているようだ。なんという情報網……
「アリシアちゃんがまだ扱ったことのないような稀少素材を報酬として出す。それならどうだ?」
「……念のため、その素材の名前を聞いても?」
「『ビーストフラワー』ってやつだ。南部の島国で偶然見つけた魔力植物だな」
ビーストフラワー。書物で読んだことはある。確かほぼ絶滅している魔力植物で、それを用いたポーションの研究は途中で止まっていたはず。それなら私の求める素材である可能性がある。
こんなものを即座に提示できるあたり、ディーノさんがやり手の商人であることがうかがえる。
「わかりました。そういうことなら、喜んで協力させていただきます」
「よし、交渉成立だな」
そういうわけで、私はディーノさんの依頼を受けることになった。
「いらっしゃいませ」
「あなたが店主さん? ちょっとポーションのことで聞きたいことがあるんだけど」
「はい。どのポーションについてですか?」
「この『洗浄ポーション』についてなんだけど――」
お客の質問を聞き、私はそれらの点について一つずつ答えていく。
オールレイス卿との会談から半月ほど、私たちは「緑の薬師」に戻ってきて、またいつも通りの日々を過ごしていた。
ルークが会計、ランドが防犯兼マスコット兼簡単な質問対応、レンとブリジットは工房でポーション作成の作業中という布陣である。私は商品補充も兼ねて、店の様子を見に来たところだ。
「――という感じですね」
「そう、よくわかったわ。どうもありがとう! それじゃあこの洗浄ポーションと、それからヒールポーションも買っていこうかしら」
「かしこまりました。お買い上げありがとうございます」
私に質問していた女性客は、気になっていた部分が解決したのか、質問していた洗浄ポーションだけでなく他のポーションもいくつか買って行ってくれた。
会計を終えて去っていく女性客を、最近ようやくできるようになった営業スマイルで見送る。
「アリシアも随分接客に慣れたねえ」
「うむ。堂々とした対応じゃったな」
「二人とも、ありがとうございます」
ルークとランドから見ても、私の接客に不安な部分はなかったようだ。そう言われるとほっとする。
さて、そんなことを話していると再度店の扉が開いた。
「アリシアちゃん、いるかい?」
「はい、いらっしゃいま――」
やってきた人物に私は目を見開いた。
「ディーノさん!?」
「おうよ。久しぶりだなーアリシアちゃん! 元気そうで何よりだ!」
店に入ってきたのは洒脱な雰囲気を放つ、くすんだ金髪の男性。
いくつか開けられたボタンの奥からは鍛えられた胸板がわずかに覗き、耳飾りや派手な色のシャツも目を引く。
「アリシア、知り合いかい?」
ルークに尋ねられて頷く。
「はい。この方はエリカのお父さんです」
「ディーノ・スカーレルだ。よろしく!」
ニカッと白い歯を見せて挨拶するディーノさんに、ルークも驚いたように言う。
「エリカさんの父親って……もしかして、スカーレル商会の商会長?」
「ああ。うちの娘がいつも世話になってるな」
ルークの言う通り、ディーノさんはスカーレル商会の長だ。
この人がこの街にやってきたということは……
「もしかして、エリカに会うためにこの街に?」
「それもないとは言わんが、別件だ。アリシアちゃんに依頼があって来たんだよ。少し時間をもらえるかい?」
「それは構いませんが」
ディーノさんが私に直接依頼を……一体どんな用件だろうか。
接客をルークたちに任せ、応接室に案内する。見知らぬ相手との商談ならランドかルークの最低どちらかに護衛を頼むけれど、今回は知人ということで私一人での対応である。
応接用のソファに座ると、ディーノさんはまず私を気遣うように言った。
「今更だけど、体調とかは平気か? 最近プロミアス領のほうでいろいろあったって聞いてるぞ」
いろいろ、というのは例の呪詛ヒュドラのことだろう。
「大丈夫です。そっちはもう解決していますし、土壌の後始末なんかも済んでいますから」
「いや、領地の心配もあるけど……アリシアちゃんのほうだよ。トマス様は国外追放になっちまったんだろう?」
「それも、もう整理はついています。ご心配には及びません」
「……そうか。アリシアちゃんがそう言うなら俺がとやかく言うことじゃねえな。でも、何か困ったことがあれば遠慮なく相談してくれよ。俺はアリシアちゃんのことは二人目の娘みたいに思ってるからな」
「はい。ありがとうございます」
心配してくれるディーノさんに嬉しく思いつつ、私は小さく笑ってそう答えた。
私は王都にいたころ、エリカと友人になったことをきっかけに、ディーノさんとも知り合った。
母を亡くしたばかりの当時の私に親身になってくれたので、なんとなく親戚のように思っている。エリカと同じく、この人には頭が上がらない。
「ちなみにエリカにはもう会いましたか?」
「さっき会ってきた。今年度の利益勝負でこてんぱんにしたら、顔を真っ赤にして地団駄を踏んでたな」
「あ、その競争はまだやっているんですね」
ディーノさんは年に一度、エリカと売り上げの数値を使って勝負をしている。エリカを一人前の商人に育てるため、という名目だったはずだけれど、エリカが支部を任されるようになってからもそれは続いているらしい。
負けず嫌いのエリカのことだから、さぞ悔しがっていることだろう。
今頃来年のリベンジに向けて燃えているんじゃないだろうか。
「エリカのことはいいとして、アリシアちゃんへの依頼についてだ」
「どんな依頼ですか?」
「アリシアちゃん、俺と一緒に流通の歴史を変えない?」
「……え?」
なにやら笑顔でとんでもないことを言っていませんか、この人。
「私に何をさせようと?」
「ポーションの作成……というか開発だな。簡単に言うと、水竜の餌についての相談だ」
「水竜の餌?」
ディーノさんは話を続ける。
「俺たちのいるナディア王国の西には、海を挟んで別の大陸がある。向こうに行くには海を渡るしかないが、簡単にいかない。理由は知ってるか?」
「西の大陸との間にある海には、絶えず『渦』が発生しているから、ですよね」
「ああ。無策で渡るのはまず無理だ。おかげで西の大陸との交流はお世辞にも盛んとは言えねえな」
西の大陸にはいくつか栄えた国があるらしいけれど、残念ながらうちの国とはあまり接点がない。渦で荒れる海が間に横たわっているので仕方のないことだ。
「だが逆に言えば、そこを渡れるようになれば大きな商売になるだろう。そのためにうちでは今、水竜――水棲の竜型の魔物を調教してる」
「そんなことができるんですか?」
「【テイム】ってスキルがある。それを使えば可能だ。珍しいスキルではあるけどな」
「それはすごいことだと思いますが……水竜と渦の突破にどんな関係が?」
「水竜には特殊な能力があってな。あいつらは自分の近くの水を操ることができるんだ。それを利用すれば、厄介な渦も難なく突破することができる」
ディーノさんが説明するところによると、実はすでに水竜に船を引かせて渦を超える試みは成功しているらしい。
「…………よくそんなことを試しましたね……」
「部下にも死ぬほど止められたよ。『商会長に何かあったらうちはどうなるんですか』って」
「ディーノさんがやったんですか!?」
「スリルがあって最高だったぜ」
久しぶりに会うから忘れていたけれど、そういえばこういう人だった。
破天荒というか、自由人というか……こういう行動力のある人でないと大商会の長は務まらないんだろうか。
「話を続けるが、水竜にひかせた船で商売をするにあたって問題がある。水竜ってのは偏食で、決まった種類の生魚しか食わねえんだ。けど、生魚なんて簡単には持ち運べねえ」
「【氷魔術】のスキルで凍らせるのは……さすがに無理がありますか」
「ああ。魔術系スキル持ちは貴重だし、特に氷属性は需要が高い。それを何人も雇うってのは、できなくはねえが……まあ採算が合わないな」
腕組みをしながら言うディーノさん。
魔術スキル持ちはそもそも数が少ないし、炎や水といった属性魔術や回復魔術など、使い手がいくつもの種類に分岐してしまう。特定の魔術スキルを持っている人間を集めるのはとても難しいのだ。
「つまり、生魚を長期間保存するためのポーションを作ればいいんですね?」
「ああ。魚はだいたい五日間保存できれば何とかなるだろう」
「わかりました」
ディーノさんには子どもの頃にお世話になったし、エリカには現在進行形でいろいろと助けてもらっている。恩を返す意味でも依頼は受けさせてもらおう。
「助かるよ。報酬だが、アリシアちゃんはお母さんのかかっていた病気を治すためのポーションを開発しようとしてるんだって?」
私はぎくりとした。
「な、なぜそれを?」
「ふっふっふ、商人の情報網を舐めちゃいかんよアリシアちゃん。最近は貴重な素材の入手方法をいろいろと探っていたみたいじゃないか」
プロミアス領が平和になった今、次の私の目標はお母様を奪った病を根絶することだ。しかし既存の研究の中にはそれに応じたポーションはなかった。
だから私は研究の進んでいない、稀少素材を用いたポーションの研究をしようと、薬師ギルドや冒険者ギルドで情報収集をしていたんだけど……どうやらディーノさんはそれを知っているようだ。なんという情報網……
「アリシアちゃんがまだ扱ったことのないような稀少素材を報酬として出す。それならどうだ?」
「……念のため、その素材の名前を聞いても?」
「『ビーストフラワー』ってやつだ。南部の島国で偶然見つけた魔力植物だな」
ビーストフラワー。書物で読んだことはある。確かほぼ絶滅している魔力植物で、それを用いたポーションの研究は途中で止まっていたはず。それなら私の求める素材である可能性がある。
こんなものを即座に提示できるあたり、ディーノさんがやり手の商人であることがうかがえる。
「わかりました。そういうことなら、喜んで協力させていただきます」
「よし、交渉成立だな」
そういうわけで、私はディーノさんの依頼を受けることになった。
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