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パーティー4
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「君は……ああ、最近ミリーリアが受け持ったという聖女候補か。今は大事な話をしているところなんだ。どいてくれるか?」
「いやです! せんせいは、だれかをかなしませたり、しません……! どうして、そんなにひどいことを、いうんですか!?」
ずっと高い位置にあるフェリックス殿下の顔を見上げながら、アイリスは大声で叫ぶ。威圧感のせいか足が震えているのがわかった。
一方、フェリックス殿下は苛立ったように舌打ちをする。
「鬱陶しい……誰か、この子供をつまみ出せ! 話が進まない!」
「は、はっ!」
見張りの兵士が数人寄ってくる。私は慌ててアイリスを兵士に渡すまいと手を伸ばすけど、それより早く、アイリスが驚くべき行動に出た。
「せいれいあるとみあさま、どうかちからをおかしください」
パアッ――
「「「――!?」」」
アイリスが目を閉じ祈りを捧げると、周囲に大きな白い光が発生した。
これって……“治癒”の光!? アイリスは精霊に呼びかけて強い力を放ったのだ。
「な、何だこの強い光は……!? 幼い子供の出せるものではないぞ!?」
その光は、さっきのカリナのものに迫る強さだった。フェリックス殿下が目を見開く中、肩で息をしながらアイリスが言う。
「せんせいに、おしえてもらいました」
「何だって!?」
「わたしでも、このくらい、できます。かりなさまも、できるとおもいます。いきなり、ちからがつよくなっても、さいしょからすごいひとだってことには、ならないはずです」
アイリスが言いたいことはこういうことだ――カリナの持つ強い力は、私が引退した後に手に入れた可能性がある。つまり、私に脅されて力を隠していた証拠にはならない、ということだ。
「そ、それは……」
「せんせいに、あやまってください!」
声が裏返りそうな勢いでフェリックス殿下に詰め寄るアイリス。おそらくこの国全体を見回しても、こんな真似ができる子供は他にいないだろう。けれど、さすがに王族相手にこの態度は無礼打ちになりかねない……!
「アイリス、落ち着いて」
「でも!」
「もう、大丈夫よ。ありがとう、庇ってくれて」
アイリスの手を引き、頭を撫でる。するとアイリスは興奮状態が落ち着いてきたのか、「かってにでてきて、すみませんでした」としゅんと俯いた。こんな時なのに可愛いと思ってしまう私はもう駄目かもしれない。
とりあえず、この場を収めないと。
「殿下。アイリスの言葉は一旦忘れてください。彼女は特別な才能があり、短期間で強力な“治癒”の力を扱えるようになったのは、誰にでもできることとは限りません」
「そ、そうか」
「ですが――カリナ様が初めから特別な力を持っていたかどうかは、今一度きちんと調べてください。私の記憶にある限り、カリナ様は……このように言うのは失礼ですが、圧倒的な才能はありませんでした。彼女は何らかの方法で、短期間のうちに急激に力を伸ばした可能性があります」
「そんなことを信じろと言うのか!?」
「……いえ、そこまでは。しかし改めて調べていただければ、新たにわかることもあるかと」
私が言うと、フェリックス殿下が迷うように視線を泳がせる。
目には目を、ではないけれど、アイリスのパフォーマンスはフェリックス殿下の思考に迷いを生んだようだ。これでカリナの言葉が嘘だとわかってくれればいいけれど……
「騙されないでください、フェリックス様! ミリーリア様は教え子を利用してフェリックス様をペテンにかけようとしているのですわ!」
カリナが騒ぎ出した。
ああもう、せっかくこの場を何とか収められそうだったのに!
「聞き捨てなりませんね、カリナ様。今の話のどこがペテンだと?」
「ミリーリア様は私の言葉を否定するために、その教え子を利用したのでしょう? 幼子に無理な訓練を強いてまで自分の身を守ろうとするなんて、どこまで極悪非道なのですか!? ……やはり彼女を連れてきて正解でした。ニナ、こちらに」
え? ……ニナ?
「はい、カリナ様」
人垣の陰から現れたのは、この場にそぐわない修道服を着た聖女候補の少女だった。間違いない、ニナだ。彼女は以前アイリスを虐めて、更生のために地方の教会に送られたと聞いていたけど、どうしてここに!?
カリナが周囲に聞こえるように告げる。
「彼女は聖女候補のニナ。私は少し前まで聖女としての力を示すため、国のあちこちを回っておりました。その際、滞在先の教会で彼女と出会ったのです。……ミリーリア様の行いを白日のもとにさらすため、この場にいるようニナに頼みました」
ニナが頷く。
「では、ニナ。あなたの話を聞かせてください」
「はい、カリナ様。……ミリーリア様は、アイリスにおぞましい訓練を毎日課していました。アイリスはろくに睡眠も食事も与えられず、常人なら気が狂うような訓練を続けていたのです」
「……」
まずい。
何がまずいって、ニナの言っていることは事実なのだ。ミリーリアは間違いなくアイリスに厳しい訓練を課していた。そしてそのことを利用して、アイリスを虐めていたニナを撃退した。
そのことが今更自分の首を絞めるなんて……!
「私はそのことを教皇様に報告しました! しかしミリーリア様への信頼は厚く、『アイリスの扱いはミリーリアに任せている』と聞き入れてもらえなかったのです! 私はその後、ミリーリア様の圧力によって辺境の教会へと移されました」
ニナはさらに続ける。
それも間違っていない。自分がアイリスを虐めていたことを棚に上げていることを除けば。ただし、今そのことを指摘しても何の意味もない。
「アイリスはミリーリア様に過酷な訓練をさせられ、その結果強い力を手に入れたのです。断じて、誰にでもできることではありません!」
そう、声高にニナは宣言した。
私は……何も言えない。
カリナの言葉は嘘だらけだし、ニナの言葉は都合のいいところだけ切り取っている。そこを指摘することはできる。けれどやっぱり、私が――ミリーリアがアイリスを利用して、聖女の座を間接的にでも手に入れようとしたのは事実だ。
カリナは声を張り上げた。
「聞きましたか、皆さま! これがミリーリア様の本性なのです! 他の聖女候補を非道な手段を持って蹴落とし、弟子さえ利用して自分の権力を保とうとする! このような方が王族の婚約者であってはならないのです!」
「ちがいます、せんせいは、わたしのために、きびしいくんれんを、してくれたんです! わたしは、じぶんがしたくて、せんせいにしたがったんです!」
「……アイリス。私にはわかります。あなたは私と同じで、ミリーリア様に脅されているんでしょう? 大丈夫ですよ、あなたは私が守ってあげます」
「そんなこと――!」
「ニナ、この子を外に。……これ以上、このような幼い子をこの場にいさせてはいけません」
「わかりました、カリナ様」
カリナに命じられたニナが、アイリスに近寄ってくる。私は咄嗟にアイリスを庇いながら、この場をどう切り抜けるか頭を回す。
私一人が何を言っても、入念に準備してきたカリナの言葉を引っくり返すのは難しい。
そういう空気を作られてしまった。
けれどこの場に明確な私の味方はいない。両親が仕事で国を出ているのもまずかった。今になって思うと、パーティーと両親の不在が重なったのもカリナの策略なのかもしれない。
その時、必死に策を練ろうとする私の背後で、硬い靴の音が聞こえた。
「――その二人にそれ以上近づかないでもらおう」
ぎょっとして振り返ると、そこにいたのは黒髪をなびかせる礼装の男性。
王立騎士団副団長、フォード・レオニスだった。
「フォード様……?」
「……何やら大変な騒ぎになっているな。これなら仕事をもっと早く切り上げてくるべきだったか」
溜め息交じりにそんなことを言うフォード。この人物が華やかな場にいるのは、ミリーリアの記憶からすると大変珍しいことだ。私が呆気に取られていると、カリナがフォードに声をかけた。
「あなたは……フォード・レオニス様ですね。招待状を送ったのは私ですが、まさかおいでいただけるとは思いませんでしたわ」
「少し気になることがあったものでしてね。早速ですが、状況を説明していただけますか?」
敬語ながら、低く鋭い口調で尋ねるフォード。この国では、公爵であっても聖女に対しては尊敬を示すのがならわしだ。けれどその口調や態度には、明らかに不快そうな気配がある。
フォードの態度の理由はおそらく、私のかたわらで震えているアイリスだろう。気にかけている少女がこんなに怯えさせられているんだから、腹も立とうというものだ。
「い、いいでしょう。あなたにも説明いたします。この場はミリーリア様の罪をつまびらかにし、正当なる裁きを与えるものなのです」
「ほう? ミリーリア様に罪?」
「ええ。まずは――」
カリナは今までのやり取りをそのままフォードに伝えた。
私がいかに極悪人であるか、自分はいかに可哀そうな被害者であるかを大げさに、噓泣きまで使って伝える。聞いているだけでひっぱたきたくなるような語り口だ。
「……」
フォードは黙ってそれを聞いている。
「――以上の理由で、ミリーリア様はフェリックス様の婚約者にふさわしくないと判断した次第です。この暴君ぶり、国外追放すら視野に入れるべきでしょう。ミリーリア様は認めようとしませんが、常識的に考えて、どちらが正しいかは明らかかと思いますわ」
カリナは語り終えると満足げにそう言った。それを聞いたフォードもゆっくりと頷く。
「ああ、貴女の言う通りだ。これは実にわかりやすい」
「そうでしょう? さすが、レオニス家当主であらせられるお方。ことの真偽を見分ける目をお持ちなのですね」
「ええ、よくわかりますよ。――貴女がくだらない法螺吹きだということが」
「いやです! せんせいは、だれかをかなしませたり、しません……! どうして、そんなにひどいことを、いうんですか!?」
ずっと高い位置にあるフェリックス殿下の顔を見上げながら、アイリスは大声で叫ぶ。威圧感のせいか足が震えているのがわかった。
一方、フェリックス殿下は苛立ったように舌打ちをする。
「鬱陶しい……誰か、この子供をつまみ出せ! 話が進まない!」
「は、はっ!」
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「せいれいあるとみあさま、どうかちからをおかしください」
パアッ――
「「「――!?」」」
アイリスが目を閉じ祈りを捧げると、周囲に大きな白い光が発生した。
これって……“治癒”の光!? アイリスは精霊に呼びかけて強い力を放ったのだ。
「な、何だこの強い光は……!? 幼い子供の出せるものではないぞ!?」
その光は、さっきのカリナのものに迫る強さだった。フェリックス殿下が目を見開く中、肩で息をしながらアイリスが言う。
「せんせいに、おしえてもらいました」
「何だって!?」
「わたしでも、このくらい、できます。かりなさまも、できるとおもいます。いきなり、ちからがつよくなっても、さいしょからすごいひとだってことには、ならないはずです」
アイリスが言いたいことはこういうことだ――カリナの持つ強い力は、私が引退した後に手に入れた可能性がある。つまり、私に脅されて力を隠していた証拠にはならない、ということだ。
「そ、それは……」
「せんせいに、あやまってください!」
声が裏返りそうな勢いでフェリックス殿下に詰め寄るアイリス。おそらくこの国全体を見回しても、こんな真似ができる子供は他にいないだろう。けれど、さすがに王族相手にこの態度は無礼打ちになりかねない……!
「アイリス、落ち着いて」
「でも!」
「もう、大丈夫よ。ありがとう、庇ってくれて」
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「そ、そうか」
「ですが――カリナ様が初めから特別な力を持っていたかどうかは、今一度きちんと調べてください。私の記憶にある限り、カリナ様は……このように言うのは失礼ですが、圧倒的な才能はありませんでした。彼女は何らかの方法で、短期間のうちに急激に力を伸ばした可能性があります」
「そんなことを信じろと言うのか!?」
「……いえ、そこまでは。しかし改めて調べていただければ、新たにわかることもあるかと」
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目には目を、ではないけれど、アイリスのパフォーマンスはフェリックス殿下の思考に迷いを生んだようだ。これでカリナの言葉が嘘だとわかってくれればいいけれど……
「騙されないでください、フェリックス様! ミリーリア様は教え子を利用してフェリックス様をペテンにかけようとしているのですわ!」
カリナが騒ぎ出した。
ああもう、せっかくこの場を何とか収められそうだったのに!
「聞き捨てなりませんね、カリナ様。今の話のどこがペテンだと?」
「ミリーリア様は私の言葉を否定するために、その教え子を利用したのでしょう? 幼子に無理な訓練を強いてまで自分の身を守ろうとするなんて、どこまで極悪非道なのですか!? ……やはり彼女を連れてきて正解でした。ニナ、こちらに」
え? ……ニナ?
「はい、カリナ様」
人垣の陰から現れたのは、この場にそぐわない修道服を着た聖女候補の少女だった。間違いない、ニナだ。彼女は以前アイリスを虐めて、更生のために地方の教会に送られたと聞いていたけど、どうしてここに!?
カリナが周囲に聞こえるように告げる。
「彼女は聖女候補のニナ。私は少し前まで聖女としての力を示すため、国のあちこちを回っておりました。その際、滞在先の教会で彼女と出会ったのです。……ミリーリア様の行いを白日のもとにさらすため、この場にいるようニナに頼みました」
ニナが頷く。
「では、ニナ。あなたの話を聞かせてください」
「はい、カリナ様。……ミリーリア様は、アイリスにおぞましい訓練を毎日課していました。アイリスはろくに睡眠も食事も与えられず、常人なら気が狂うような訓練を続けていたのです」
「……」
まずい。
何がまずいって、ニナの言っていることは事実なのだ。ミリーリアは間違いなくアイリスに厳しい訓練を課していた。そしてそのことを利用して、アイリスを虐めていたニナを撃退した。
そのことが今更自分の首を絞めるなんて……!
「私はそのことを教皇様に報告しました! しかしミリーリア様への信頼は厚く、『アイリスの扱いはミリーリアに任せている』と聞き入れてもらえなかったのです! 私はその後、ミリーリア様の圧力によって辺境の教会へと移されました」
ニナはさらに続ける。
それも間違っていない。自分がアイリスを虐めていたことを棚に上げていることを除けば。ただし、今そのことを指摘しても何の意味もない。
「アイリスはミリーリア様に過酷な訓練をさせられ、その結果強い力を手に入れたのです。断じて、誰にでもできることではありません!」
そう、声高にニナは宣言した。
私は……何も言えない。
カリナの言葉は嘘だらけだし、ニナの言葉は都合のいいところだけ切り取っている。そこを指摘することはできる。けれどやっぱり、私が――ミリーリアがアイリスを利用して、聖女の座を間接的にでも手に入れようとしたのは事実だ。
カリナは声を張り上げた。
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「……アイリス。私にはわかります。あなたは私と同じで、ミリーリア様に脅されているんでしょう? 大丈夫ですよ、あなたは私が守ってあげます」
「そんなこと――!」
「ニナ、この子を外に。……これ以上、このような幼い子をこの場にいさせてはいけません」
「わかりました、カリナ様」
カリナに命じられたニナが、アイリスに近寄ってくる。私は咄嗟にアイリスを庇いながら、この場をどう切り抜けるか頭を回す。
私一人が何を言っても、入念に準備してきたカリナの言葉を引っくり返すのは難しい。
そういう空気を作られてしまった。
けれどこの場に明確な私の味方はいない。両親が仕事で国を出ているのもまずかった。今になって思うと、パーティーと両親の不在が重なったのもカリナの策略なのかもしれない。
その時、必死に策を練ろうとする私の背後で、硬い靴の音が聞こえた。
「――その二人にそれ以上近づかないでもらおう」
ぎょっとして振り返ると、そこにいたのは黒髪をなびかせる礼装の男性。
王立騎士団副団長、フォード・レオニスだった。
「フォード様……?」
「……何やら大変な騒ぎになっているな。これなら仕事をもっと早く切り上げてくるべきだったか」
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「あなたは……フォード・レオニス様ですね。招待状を送ったのは私ですが、まさかおいでいただけるとは思いませんでしたわ」
「少し気になることがあったものでしてね。早速ですが、状況を説明していただけますか?」
敬語ながら、低く鋭い口調で尋ねるフォード。この国では、公爵であっても聖女に対しては尊敬を示すのがならわしだ。けれどその口調や態度には、明らかに不快そうな気配がある。
フォードの態度の理由はおそらく、私のかたわらで震えているアイリスだろう。気にかけている少女がこんなに怯えさせられているんだから、腹も立とうというものだ。
「い、いいでしょう。あなたにも説明いたします。この場はミリーリア様の罪をつまびらかにし、正当なる裁きを与えるものなのです」
「ほう? ミリーリア様に罪?」
「ええ。まずは――」
カリナは今までのやり取りをそのままフォードに伝えた。
私がいかに極悪人であるか、自分はいかに可哀そうな被害者であるかを大げさに、噓泣きまで使って伝える。聞いているだけでひっぱたきたくなるような語り口だ。
「……」
フォードは黙ってそれを聞いている。
「――以上の理由で、ミリーリア様はフェリックス様の婚約者にふさわしくないと判断した次第です。この暴君ぶり、国外追放すら視野に入れるべきでしょう。ミリーリア様は認めようとしませんが、常識的に考えて、どちらが正しいかは明らかかと思いますわ」
カリナは語り終えると満足げにそう言った。それを聞いたフォードもゆっくりと頷く。
「ああ、貴女の言う通りだ。これは実にわかりやすい」
「そうでしょう? さすが、レオニス家当主であらせられるお方。ことの真偽を見分ける目をお持ちなのですね」
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