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アイリスの趣味
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「今日もアイリスは訓練が終わるなりどこかに行っちゃうし……暇ね……」
馬車で教会から屋敷に戻りながら、私は陰鬱な溜め息を吐いた。
前の休日の翌日から、アイリスはずっと何か忙しそうにしている。
アイリスが楽しそうだし、無理をしている様子はないので構わないけど……寂しい! とっても寂しいわ! アイリス成分の不足があまりにも深刻だ。
「修道士に頼んだアイリス観察記録も妙に内容がスカスカだし……」
アイリスの付き添いをしている修道士に頼んでいた行動記録。
一応ちょくちょく渡してくれているんだけど、なんか内容が不自然に少ないのよね……まるで私には知らせられない何かがあるみたいじゃない! 気になる……!
ん?
「ちょっとごめん! 馬車を止めてくれる?」
「……? かしこまりました」
御者台にいる使用人に声をかけて、馬車を止めてもらう。馬車から降りて、さっきちらっと見えた知り合いの元に駆け寄る。
「こんにちは、フォード様!」
「ミリーリア・ノクトール……殿」
「いや、殿は別にいらないですよ」
そこにいたのは王立騎士団の人たちだった。鎧を着こみ、馬に乗り込んだ一団の先頭には、見覚えのある黒髪の男性がいた。副団長のフォードだ。
「これから任務ですか?」
「盗賊団の討伐だ」
盗賊団の討伐ねえ。基本的に王都から動かない騎士団が動員されるとなると、かなり厄介な仕事なんだろう。
「何か用があったか?」
「え? あ、いえそういうわけでは。見かけたので声をかけただけです」
「……それだけか?」
「それだけですが? ……あ、そういえばこの前いただいたお菓子、とても美味しかったですよ。アイリスも喜んでいました」
「そうか」
無表情のまま頷くフォードだったけど、その表情にわずかに安堵の色が混ざる。ホッとしているんだろうか。
お菓子をもらった、というのは、以前突然変異の森蜘蛛に襲われた騎士を助けたお礼のことだ。わざわざフォードが買ってきてくれたのである。
あの後騎士たちはきちんと助かり、突然変異の森蜘蛛もきっちり討伐された。
それ以降もフォードはちょくちょくアイリスの訓練の様子を見に来てくれているので、さすがにもう私に対する疑いは晴れたと思う。けれど油断は禁物。フォードとの良好な関係をキープするために、こうしてたびたび声をかけることにしている。
フォード様が尋ねてくる。
「今は何をしているところだったんだ?」
「アイリスの聖女教育を終えて、屋敷に戻るところでした」
「聖女教育は順調か?」
「順調ですよ……聖女教育は」
「他に何か気にかかることでもあるのか?」
「……最近どうもアイリスに避けられている気がするんですよねえ……」
ああ、アイリス成分が足りない。
落ち込んでいる私を見て、フォードは溜め息を吐いた。
「心配する必要はないと思うがな」
「そうですか?」
「俺の見る限り、アイリスはお前のことを心から好いている。アイリスがお前のことを避けているなら、何か特別な事情があるんだろう。いずれ聞けばいい」
「あら、励ましてくれるんですか?」
「……その意外そうな反応は何だ?」
「いえいえ、意外なんてことは!」
とか口では言うけど、意外だ……! 原作のフォード、めちゃくちゃ主人公に塩対応だったのに! 人のことを励ましてくれるなんて!
「わかりました。フォード様がそう言うなら、気にしないことにします」
「そうしろ」
「あ、引き留めてしまってすみませんでした。それじゃあせっかくなので聖女っぽく祈りを――どうか、ウェイン様の導きがあらんことを」
「――」
「……何ですか?」
「いや……そういえばお前は、元々聖女だったと思い出した」
「それはどういう意味ですか?」
「祈りの言葉、ありがたく聞き届けた。それでは行ってくる」
「ちょっと!」
フォード様は騎士たちを従えて去っていった。最後の言葉は何? まるで私が聖女らしさをかけらももっていないような言い方だ。そんなことは……そんなことは……ッ!
…………あるかもしれない……!!
普通の聖女は少なくともお菓子のつまみ食いはしないだろうし。
とりあえず、フォードと話して少し気分が晴れた。
そう、私はアイリスと関係良好な教育係。
アイリスが多少よそよそしくなったところで、どーんと構えていようじゃないの。きっとアイリスは彼女にとって大切な何かを見つけたのだ。それを頑張るなんて素敵じゃない(無理をしない限りは)。
アイリスが私のことを忘れてしまっても、私は全然気にしないわ!
「せんせい、このけーきをどうぞ! せんせいのために、がんばってつくりました!」
「…………………………!?!?」
何か美味しそうなケーキをアイリスが差し出してる!
前回の休日からしばらく経ち、聖女教育が終わったタイミングでアイリスが私にプレゼントがあると言い出した。えー何かしらー、とワクワクしていたら、渡されたのは少し不格好ながらもちゃんとしたケーキ。
これは一体……!?
「あ、アイリスが作ったの!? 本当に!?」
「はい。わたしがつくりました。あんまりじょうずじゃ、ないですけど……がんばりました」
そう言ってエヘヘとはにかむアイリス。
はぁ~~~~……可愛い。世界で一番可愛い。
聞けばアイリスは、例の“ユーグリー・パティスリー”に弟子入りをしたらしい。といっても店主に食べてもらってアドバイスをもらうだけの、ごくインスタントな関係らしいけど。
……確か“ユーグリー・パティスリー”の店主ってものすごい頑固だって話じゃなかった?
そんな相手に教わるなんて、一体どんな手を使ったのか。
「最近アイリスが私に隠れてやっていたのは、これだったのね。でも、どうして内緒だったの?」
「せんせいに、びっくりしてもらおうと、おもいました」
「びっくりしたわよ……というか、何で手作りケーキ? しかもプロに教わってまで」
「それが、わたしのしゅみです」
「趣味?」
「はい。せんせいは、わたしに、しゅみをみつけてほしいと、いってました」
確かに言った。アイリスが魔物への復讐を忘れて楽しく生きるためには、趣味があったほうがいいだろう。
「それで、かんがえてみたんですけど……わたしがしゅみにするなら、せんせいによろこんでもらえることがいいなって」
「私が? でも、アイリスの趣味なのよ?」
「わたし、せんせいがうれしそうにしてると、うれしいです」
「あ、アイリス……!」
そういえば前に“ユーグリー・パティスリー”のケーキを家族みんなで食べた時、アイリスはケーキに夢中になっている私の様子を凝視していたっけ。おそらくアイリスが自分の趣味を決めたのはあの時だったんだろう。
それにしても、私が嬉しそうだと嬉しいですって?
な、なんていじらしいの!?
「アイリス、ケーキ作りは楽しかった?」
「はい!」
ぺかー、と満面の笑み。これは本気の笑みね。間違いない。
私のため、というのは引っかからないでもないけど……何にしても、アイリスが自分なりの趣味を見つけてくれてよかった。これできっと死亡フラグからは遠ざかったはずだし――何より、アイリスが楽しそうにしているのが私も嬉しい。
「それじゃ、いただくわね。せっかくだから半分こしましょうか、アイリス」
「いいんですか?」
「ええ。一緒に食べた方が美味しいもの」
ちなみに初めて食べたアイリスのケーキは、嬉しさのあまり味がよくわからなかった。美味しかったと思う。うん、美味しかった。幸せ……
馬車で教会から屋敷に戻りながら、私は陰鬱な溜め息を吐いた。
前の休日の翌日から、アイリスはずっと何か忙しそうにしている。
アイリスが楽しそうだし、無理をしている様子はないので構わないけど……寂しい! とっても寂しいわ! アイリス成分の不足があまりにも深刻だ。
「修道士に頼んだアイリス観察記録も妙に内容がスカスカだし……」
アイリスの付き添いをしている修道士に頼んでいた行動記録。
一応ちょくちょく渡してくれているんだけど、なんか内容が不自然に少ないのよね……まるで私には知らせられない何かがあるみたいじゃない! 気になる……!
ん?
「ちょっとごめん! 馬車を止めてくれる?」
「……? かしこまりました」
御者台にいる使用人に声をかけて、馬車を止めてもらう。馬車から降りて、さっきちらっと見えた知り合いの元に駆け寄る。
「こんにちは、フォード様!」
「ミリーリア・ノクトール……殿」
「いや、殿は別にいらないですよ」
そこにいたのは王立騎士団の人たちだった。鎧を着こみ、馬に乗り込んだ一団の先頭には、見覚えのある黒髪の男性がいた。副団長のフォードだ。
「これから任務ですか?」
「盗賊団の討伐だ」
盗賊団の討伐ねえ。基本的に王都から動かない騎士団が動員されるとなると、かなり厄介な仕事なんだろう。
「何か用があったか?」
「え? あ、いえそういうわけでは。見かけたので声をかけただけです」
「……それだけか?」
「それだけですが? ……あ、そういえばこの前いただいたお菓子、とても美味しかったですよ。アイリスも喜んでいました」
「そうか」
無表情のまま頷くフォードだったけど、その表情にわずかに安堵の色が混ざる。ホッとしているんだろうか。
お菓子をもらった、というのは、以前突然変異の森蜘蛛に襲われた騎士を助けたお礼のことだ。わざわざフォードが買ってきてくれたのである。
あの後騎士たちはきちんと助かり、突然変異の森蜘蛛もきっちり討伐された。
それ以降もフォードはちょくちょくアイリスの訓練の様子を見に来てくれているので、さすがにもう私に対する疑いは晴れたと思う。けれど油断は禁物。フォードとの良好な関係をキープするために、こうしてたびたび声をかけることにしている。
フォード様が尋ねてくる。
「今は何をしているところだったんだ?」
「アイリスの聖女教育を終えて、屋敷に戻るところでした」
「聖女教育は順調か?」
「順調ですよ……聖女教育は」
「他に何か気にかかることでもあるのか?」
「……最近どうもアイリスに避けられている気がするんですよねえ……」
ああ、アイリス成分が足りない。
落ち込んでいる私を見て、フォードは溜め息を吐いた。
「心配する必要はないと思うがな」
「そうですか?」
「俺の見る限り、アイリスはお前のことを心から好いている。アイリスがお前のことを避けているなら、何か特別な事情があるんだろう。いずれ聞けばいい」
「あら、励ましてくれるんですか?」
「……その意外そうな反応は何だ?」
「いえいえ、意外なんてことは!」
とか口では言うけど、意外だ……! 原作のフォード、めちゃくちゃ主人公に塩対応だったのに! 人のことを励ましてくれるなんて!
「わかりました。フォード様がそう言うなら、気にしないことにします」
「そうしろ」
「あ、引き留めてしまってすみませんでした。それじゃあせっかくなので聖女っぽく祈りを――どうか、ウェイン様の導きがあらんことを」
「――」
「……何ですか?」
「いや……そういえばお前は、元々聖女だったと思い出した」
「それはどういう意味ですか?」
「祈りの言葉、ありがたく聞き届けた。それでは行ってくる」
「ちょっと!」
フォード様は騎士たちを従えて去っていった。最後の言葉は何? まるで私が聖女らしさをかけらももっていないような言い方だ。そんなことは……そんなことは……ッ!
…………あるかもしれない……!!
普通の聖女は少なくともお菓子のつまみ食いはしないだろうし。
とりあえず、フォードと話して少し気分が晴れた。
そう、私はアイリスと関係良好な教育係。
アイリスが多少よそよそしくなったところで、どーんと構えていようじゃないの。きっとアイリスは彼女にとって大切な何かを見つけたのだ。それを頑張るなんて素敵じゃない(無理をしない限りは)。
アイリスが私のことを忘れてしまっても、私は全然気にしないわ!
「せんせい、このけーきをどうぞ! せんせいのために、がんばってつくりました!」
「…………………………!?!?」
何か美味しそうなケーキをアイリスが差し出してる!
前回の休日からしばらく経ち、聖女教育が終わったタイミングでアイリスが私にプレゼントがあると言い出した。えー何かしらー、とワクワクしていたら、渡されたのは少し不格好ながらもちゃんとしたケーキ。
これは一体……!?
「あ、アイリスが作ったの!? 本当に!?」
「はい。わたしがつくりました。あんまりじょうずじゃ、ないですけど……がんばりました」
そう言ってエヘヘとはにかむアイリス。
はぁ~~~~……可愛い。世界で一番可愛い。
聞けばアイリスは、例の“ユーグリー・パティスリー”に弟子入りをしたらしい。といっても店主に食べてもらってアドバイスをもらうだけの、ごくインスタントな関係らしいけど。
……確か“ユーグリー・パティスリー”の店主ってものすごい頑固だって話じゃなかった?
そんな相手に教わるなんて、一体どんな手を使ったのか。
「最近アイリスが私に隠れてやっていたのは、これだったのね。でも、どうして内緒だったの?」
「せんせいに、びっくりしてもらおうと、おもいました」
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「それが、わたしのしゅみです」
「趣味?」
「はい。せんせいは、わたしに、しゅみをみつけてほしいと、いってました」
確かに言った。アイリスが魔物への復讐を忘れて楽しく生きるためには、趣味があったほうがいいだろう。
「それで、かんがえてみたんですけど……わたしがしゅみにするなら、せんせいによろこんでもらえることがいいなって」
「私が? でも、アイリスの趣味なのよ?」
「わたし、せんせいがうれしそうにしてると、うれしいです」
「あ、アイリス……!」
そういえば前に“ユーグリー・パティスリー”のケーキを家族みんなで食べた時、アイリスはケーキに夢中になっている私の様子を凝視していたっけ。おそらくアイリスが自分の趣味を決めたのはあの時だったんだろう。
それにしても、私が嬉しそうだと嬉しいですって?
な、なんていじらしいの!?
「アイリス、ケーキ作りは楽しかった?」
「はい!」
ぺかー、と満面の笑み。これは本気の笑みね。間違いない。
私のため、というのは引っかからないでもないけど……何にしても、アイリスが自分なりの趣味を見つけてくれてよかった。これできっと死亡フラグからは遠ざかったはずだし――何より、アイリスが楽しそうにしているのが私も嬉しい。
「それじゃ、いただくわね。せっかくだから半分こしましょうか、アイリス」
「いいんですか?」
「ええ。一緒に食べた方が美味しいもの」
ちなみに初めて食べたアイリスのケーキは、嬉しさのあまり味がよくわからなかった。美味しかったと思う。うん、美味しかった。幸せ……
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