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1巻
1-3
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後ろのほうで冒険者たちが爆笑している。一体どこに笑いどころがあったというのだろう。わからない。長期間貴族に囲まれて過ごしたせいで、感覚が麻痺しているのかもしれない。
「で、冒険者になるにはどうしたらいいんだ?」
「そうですね……まず、ギルドに加盟するための試験を受ける必要があります」
聞けば、冒険者は危険な魔獣と戦ったりする職業なので、最低限の実力は必要だということだった。なるほど。それで試験か。
「それはすぐに受けられるのか?」
「受けられますが、あの、本当にやるんですか? 大怪我をしてしまうかもしれませんよ?」
「誰に向かって言っている――先に言っておこう。どんな試練が待ち構えていようと、俺はかすり傷一つ負うことはない、と」
「うわぁ……」
なんだその反応は。
受付嬢は最後まで微妙な顔をしていたが、最終的にはこう言った。
「……では、試験官のいる修練場までご案内します」
冒険者ギルドの敷地内には修練場がある。受付嬢は俺をそこに案内した。
「あちらに試験官が……あれ、他の受験者がいますね」
受付嬢が指さす先には人影が二つ。
さっき建物の中で見たギルド職員と同じ制服を着ている男が一人。こっちが試験官だな。
もう一人の剣を持っている青年は受験者だろう。
そして、受験者と向かい合っているのは試験官ではなく――
「……あれは魔導ゴーレムか?」
「はい。あの魔導ゴーレムを試験に用います」
魔導ゴーレムというのは、魔鉱石を核にした、魔素で動く人形のことだ。
大気中から自動で魔素を吸いこむので、魔導士でなくても起動させることができる。魔導士にとっては馴染みのアイテムだ。
それにしても、修練場にある魔導ゴーレムはかなり大きい。身をかがめた状態で三М以上あるのではないだろうか。樽をつなげたようなずんぐりした体形なので、やたら威圧感がある。
魔導ゴーレムの制御石はというと、どうやら試験官が持っているらしい。
「それで、これはどういう試験なんだ?」
「えっとですね……あ、始まります。見ていただいたほうが早いですよ」
受付嬢に促され、俺は修練場に視線を戻した。
「試験を始めるぞ!」
試験官が宣言し、魔導ゴーレムの頭部に赤い光が灯る。ずんっ……と重い音を立ててゴーレムが大木のような足を踏みだした。歩幅が広いせいでみるみる受験者との距離が縮まっていく。
「うおおおっ!」
受験者は躊躇なく駆けだし――魔導ゴーレムから思いっきり距離を取った。
そのまま迂回するように修練場の中を逃げ回り始める。それを追いかける魔導ゴーレム。
「……あれはどういうルールなんだ?」
魔導ゴーレムと受験者が追いかけっこをしているようにしか見えない。
「あれは生存能力を見る試験なんです。指定されたエリアの中だけで、魔導ゴーレムの攻撃から三分間逃げ切れば合格になります」
「ほう……」
俺は思わず唸った。
冒険者というのは命がけと聞く。自分より圧倒的に強い魔獣に遭遇してしまうこともあるだろう。そうした場合に冷静に判断して行動する、というのはなにより大切な能力といえるかもしれない。
「しかし、逃げるだけなら剣はいらなくないか」
「そうでもありません。剣があれば、捕まりそうになっても抵抗できますから。見てください」
再び受付嬢に言われて視線を戻すと、修練場では受験者が指定範囲のギリギリまで追い詰められていた。
指定範囲から出てしまえば失格らしいので、受験者はもう崖っぷちだ。
受験者はそこで初めて剣を抜く。
「うおおおおおおおおっ!」
『――――』
ガァンッ! と剣で近づいていた魔導ゴーレムの巨腕を弾き飛ばした。
おお。
「身体強化か」
「はい。冒険者の中には身体強化を使える人もいます。そういう人なら、ああして自分より大きな魔導ゴーレムに対抗できます」
身体強化とは、大気の魔素を体内に送りこんで身体能力を強化する技術だ。厳密には魔術ではないので、センスがあれば平民でも使える。もちろん俺も。
ちなみに貴族はこの身体強化が苦手だったりする。あいつら、「貴族が激しく動き回って戦うのは優雅ではない」とか言って練習しないからな……
……ん?
「はあっ、はあっ……」
魔導ゴーレムを吹っ飛ばした受験者は、せっかく相手に隙ができたのに、その場にへたりこんでしまった。
『――――』
そのまま再び襲いかかってきたゴーレムにがっしり掴まれ、締め上げられる。受験者はぐったりして動かない。
「なぜあいつは逃げないんだ?」
俺が聞くと、受付嬢はなにを当たり前のことをと言わんばかりの顔で答えた。
「それは無茶ですよ。身体強化は一度使うだけでものすごく精神力を使うんですから」
「いや、大気から魔素を補充すればいいだけの話だろう?」
「大気から魔素を……? そんなこと、貴族様でもない限りできませんよ」
なにを言っているのだと思ったが、そう言えばと思いだす。
貴族は魔術の扱い方を平民に秘密にしているのだ。魔素を取りこむには相応の訓練を行う必要があるので、そのやり方を知らない平民たちは身体強化をそうそう気軽に扱えないのだろう。
「そこまで! 受験者は試験に失格とする!」
「はい……」
どうやら試験が終わったようだ。受験者はがっくりとうなだれ、魔導ゴーレムから解放された後、試験官からアドバイスを受けていた。それから受験者はとぼとぼと修練場を出ていく。腕を押さえていたのでどこか怪我でもしているのかもしれない。剣は魔導ゴーレムに当てた衝撃で歪んでしまっていた。
受付嬢が言った。
「この通り、試験はかなりハードです。武器を持っていても怪我をする可能性はありますし、滅多にありませんが受験者が亡くなるケースも存在します。本当に試験を受けますか?」
「無論だ」
俺が即答すると、受付嬢はため息を吐いた。
「……わかりました。怪我しても知りませんからね。――リブさん、次の受験者です!」
受付嬢が声を張ると、試験官の男がこちらに歩いてきた。
「次の受験者、ってのはこの兄ちゃんかい?」
「はい」
受付嬢が頷くと、試験官はじろじろと俺を無遠慮に見た。
「ずいぶんひょろっちいな。それに珍しい髪の色だ。真っ白じゃねえか」
「髪は気にするな。昔いろいろあったんだ」
「いろいろねえ……にしても、武器もなしかい。それで試験を受けるつもりか? 剣くらい持ったらどうだ」
そう言って、試験官がいきなり自分の腰に差していた長剣を差しだしてくる。
俺は反射的にそれを受け取り――
「ぐおお!?」
馬鹿な、なんだこの重さは……ッ!? この男はこんなものを腰につけて平然としていたのか!? 身体強化も使わずに!? 慌てて俺は身体強化を使い、重たい鋼の剣を持ち上げる。
「ハアッハアッ……か、返すぞ」
「兄ちゃん、悪いこと言わねえから試験やめとけよ」
くっ、屈辱だ! この俺がこんな憐れむような視線を向けられるとは!
「……フッ。今のは少々油断しただけだ。問題ない。そして試験は受ける」
「まあどうしてもってんなら受験させてやるけどよ……後悔しても知らねえからな」
いかにも気の進まない感じで試験官は試験内容を説明してくれた。
「試験はあの魔導ゴーレムから三分間逃げ切れば合格だ。ラインで範囲を区切ってあるだろ? あれを出たら失格。ゴーレムに触れられても失格。武器の使用は自由。質問は?」
「特にない。では早速始めようではないか」
俺はバサァッ! とローブを翻し修練場の中に入っていく。
そんな俺を見て受付嬢と試験官は絶句していた。無理もない。このローブは格好いいからな。言葉を失うのも当然と言える。
修練場に入った俺の目の前には、巨大な魔導ゴーレムが鎮座している。身の丈が俺の倍以上もある巨体だ。捕まればただでは済まないだろう。それはさっきの受験者が証明している。俺はこれより三分間、この魔導ゴーレムから逃げ切らなくてはならない。捕まれば即失格。指定範囲から出ても失格。
……ふむ。となれば、やることは一つだな。
「はー……そんじゃ、始めるぞ。試験開始!」
試験官が宣言すると同時、魔導ゴーレムは大きく足を踏みだし。
「【火球】」
次の瞬間、ゴウッ! と、俺が放った直径四Мの火球がその全身を呑みこんだ。
「「……………………は?」」
試験官と受付嬢が唖然としている。俺の行動が予想外だったようだな。だが、実に理にかなった行動だと思うぞ。
試験に合格するための条件は、魔導ゴーレムに三分間触れられずにいること。
つまり――魔導ゴーレムを破壊してしまえば失格しようがない。
「ま、待て待て待て! なんだ今の!?」
「【火球】。火属性魔術の初歩だ」
「魔術って、じゃ、じゃああんたもしかして魔導士か!?」
「ああ。そう言わなかったか?」
試験官の質問に対してそう答えると、受付嬢はぶんぶん首を横に振った。
む。言っていなかったか? ……確かに言っていなかった気がする。階級章の腕輪もローブに隠れて見えんしな。
『――――』
「ほう。あれを耐えるか」
【火球】の炎が収まると、そこには焼けて変色しところどころが融解しながらも、どうにか原形をとどめている魔導ゴーレムの姿があった。
それなりに魔素を込めたはずだが、なかなか頑丈なゴーレムだ。素材がいいのかもしれない。ミスリルあたりか? まあ、なんでもいい。
俺は手を天に掲げた。
「一撃で壊れないなら壊れるまで撃ちこめばいい」
「待て白髪! なにをしようとしてる!?」
「追撃する。あの魔導ゴーレムを破壊せねば確実な合格とは言えないからな」
「いやもう十分で――」
「【氷槍】」
ドガガガガガガッ! と、ぴったり百本の氷の槍がゴーレムの胴を貫通した。
軽度の水蒸気爆発が起こり、白色の暴風が巻き上がる。だがゴーレムはまだ壊れていない。
「【風槌】」
風の槌で叩き潰す。ひしゃげてゴーレムの体長が半分になった。
「【石拳】」
石の拳で殴り飛ばす。ゴーレムの体が粉々に砕けた。
「白髪の兄ちゃん! 落ち着け! もうやめろ!」
「落ち着くのはお前だ試験官。見ていろ。今からあの魔導ゴーレムを消し炭にしてくれる。基礎属性六種のうち、もっとも攻撃力に優れた魔素の力をしかと目に焼きつけるがいい」
「これそういう試験じゃねーから! おい! 聞いて」
「――【雷光】!」
試験官の声は最後まで聞こえなかった。ズガンッッ! という俺が発生させた雷魔術の着弾音がそれをかき消したからだ。
修練場に大穴を開け、雷撃は見事にバラバラになっていた魔導ゴーレムの破片をすべて消し飛ばした。
完璧だ……
俺は腕を組み、こう言った。
「これでよし。後は三分待つだけだな。いや、二分くらいか? 試験官、残り時間を教えてもらえるか」
「……」
俺が尋ねても試験官は目を見開いたまま動かない。受付嬢も同じ。まるで化け物でも見たように硬直していた。
「試験官。おい、試験官」
「……」
駄目だ。意思疎通ができない。
「「「なんだこりゃあ――――!?」」」
入り口のほうから絶叫が聞こえた。見れば、ギルド内にいたはずの冒険者たちがぞろぞろ修練場に入ってきている。
ああ、そういえばこの修練場の音が響いて近所迷惑にならないように【消音】を使っていたんだった。窓から修練場の惨状を見て仰天、というところだろうか。
建物から出てきた一人の男性が、青ざめた顔で俺のほうに歩いてきた。ラフな格好だが、服のところどころに凝った装飾が見られる。
「これは君がやったのか」
「ああ」
「……修練場を元の形に修復できるか?」
ちなみに修練場は現在【雷光】によって大穴が開けられた状態になっている。久々に気持ちよく魔術を使えるとあって、少しやりすぎてしまった感は否めない。
「無論だ。【埋め立て】」
俺は土属性の魔術で、修練場を元の状態に戻した。
「なんてことだ……なんてことだ……」
男性は頭を押さえてぶつぶつ呟く。
「ところでお前は誰だ? 今は試験中なんだが」
俺の質問に対し男性はこう答えた。
「試験なんてもうどうでもいいよ。それより今から僕の部屋に来てくれ」
「部屋?」
「執務室だよ。ギルドマスターの」
どうやらこの男性は冒険者ギルドの長らしかった。
◇ ◇ ◇
「つまり君は……ウィズ君は、魔導学院を追いだされて冒険者になろうと思ったと」
ギルドマスターの執務室に案内された俺は、応接用のソファに座り頷いた。
「ああ」
「貴族ではない、というのは本当かい?」
「本当だ。俺の師匠が大魔導士だったから、特例で魔導士になることができた。それに俺が平民というのは名前でわかるだろう」
貴族は自分の名前と家名の間に家格を示すミドルネームを持つ。これは、どの貴族も爵位によって同じものが用いられるのだが、平民である俺にはそれがない。
「それはそうなんだけど、平民の魔導士など聞いたことがないものだからね……それにしても、師匠が大魔導士様か。どうりであんなにすさまじい魔術を扱うわけだ」
ギルドマスターは、ふむ、と顎に手を当てた。
「参考までに、君のお師匠様の名前を聞いてもいいかな」
「悪いが言えない。師匠に迷惑がかかる」
俺が即答すると、ギルドマスターは気にした様子もなく頷いた。
「ところで……俺は試験には合格なのだろうか?」
ギルドマスターに聞くと、彼は難しい顔をする。
「それなんだけどね。君は自分がなにをしたのかわかっているかい?」
「魔導ゴーレムを破壊したな」
「そう、それだ。先に言っておこうか。あれはギルドでこつこつ金を貯めて、それでも足りない分は借金をしてようやく買ったおそろしく高価な魔導具だ。値段は四百万リタ」
「そうか。……なに?」
――四百万リタ?
びきり、と俺は固まる。それだけあれば平民の家族が六、七年は暮らせるだろう。言うまでもなく大金である。
「……ほ、ほう。奮発したのだな」
「そうとも。簡単に壊されたらたまらないから、魔導具店で一番高いものを買ってきたんだ。当然代用品なんて用意していない。というか、そもそもあれを買うためにした借金も返せていない」
「……」
正直、いたたまれない。四百万リタ。学院には魔導ゴーレムなどうじゃうじゃいたので、あれがそんなに高価だとは知らなかった。
いや、そういえばあれは俺の魔術に耐えるほど頑丈だった。そのくらい値が張ってもおかしくない。
「だから君の処遇をどうしようか、うちとしても迷いどころなんだ。こんなことになるとは思っていなかったからね」
難しい顔で唸るギルドマスター。俺は口元を引きつらせた。
しまった……やはりあれはやりすぎだったか。ギルドマスターの心証はおそらく最悪。まずい、これでは冒険者になるどころではない。
どうする。どうすればいい。
やはりここは弁償か。四百万リタなどという金はもちろん持っていないが、俺には魔術がある。手っ取り早いポーション作成……は魔素合成ができないので却下として、魔獣退治で金を稼ぐという手段はある。時間はかかるだろうが。
……そうだ。俺はどうしても魔導士階級を上げなくてはならない。〈賢者〉になるために!
そのためには冒険者になり名を揚げる必要がある。ここは誠意を示してどうにか冒険者ギルドへの所属許可をもぎ取ってみせる……!
「ギルドマスター! ゴーレムを壊したことは謝罪する! だが、どうか挽回の機会を与えてほしい。どうか俺を冒険者にしてくれ!」
ここで引いてはいよいよ俺に打つ手はなくなる。
どうにかしてギルドマスターの首を縦に振らせてみせる! 最底辺の評価からのスタートとなるだろうが、どんな逆境からでも這い上がって――
「え、うん。元からそのつもりだけど」
「……へ?」
思わず俺は間抜けな声を出した。
元からそのつもり……? つまりギルドマスターは、もともと俺の冒険者ギルドへの所属を許す気だったと?
「当然だろう! 君は魔導士で、しかも絶対壊れないだろうと思ってた魔導ゴーレムを木っ端みじんにしたんだよ? こんなに有能な志望者を門前払いする理由はないよ」
あっけらかんと言うギルドマスターに、俺は目を見開いた。
「だ、だが、さっき俺の処遇をどうするか迷っていると……」
「ああ、それね。冒険者って最初は誰でも一番下のFランクからスタートなんだけど、正直君の実力ってそれどころじゃないんだよ。かといってBとかAとかから始めると、他の冒険者が不満に思うかもしれないから、どうしようかと」
「な……」
迷っているというのはそっちの意味か!
「俺はてっきり、合格させるかどうかで迷っているのかと……」
「いやあ、ないない。それはないよ」
「だが、俺は魔導ゴーレムを壊したぞ」
「まあ試験はちょっと困るけど、別に職員にやらせればいいだけだし。借金も、君が頑張ってくれればすぐに返せるような気がするし――というか」
ギルドマスターは心底不思議そうに言った。
「冒険者ってのは実力主義だよ。どんな人間であれ、強者を歓迎する」
「――ッ」
「まあ、あんまりギルドに迷惑かけられるのは困るけど。って、聞いてる? ……え? 泣いてる!?」
俺は不覚にも、感涙してしまっていた。
実力主義。どんな人間であれ強者を歓迎する。あの無能でプライドの高い貴族ばかりがのさばっていた魔導学院とはまったく違う考え方だ。魔導学院では出る杭は権力で叩き潰されるというのに。
「すばらしいな……冒険者というのは……」
「そ、そうかな。学のいらない底辺職ってよく言われるんだけどね」
「そんなことはない。この国の貴族どもは全員冒険者になればいいんだ」
「お願いだウィズ君。貴族様に聞かれたら投獄されそうな台詞を簡単に口にしないでくれ」
さすが師匠だ。俺に冒険者という新たな世界を見せてくれたその慧眼には感服する他ない。
「とにかく、君は今日から冒険者だ。ランクについては後で伝達するから、頑張って活動してくれたまえ」
「ああ! 期待するがいい!」
俺はギルドマスターの差しだしてきた手を強く握り返した。
「で、冒険者になるにはどうしたらいいんだ?」
「そうですね……まず、ギルドに加盟するための試験を受ける必要があります」
聞けば、冒険者は危険な魔獣と戦ったりする職業なので、最低限の実力は必要だということだった。なるほど。それで試験か。
「それはすぐに受けられるのか?」
「受けられますが、あの、本当にやるんですか? 大怪我をしてしまうかもしれませんよ?」
「誰に向かって言っている――先に言っておこう。どんな試練が待ち構えていようと、俺はかすり傷一つ負うことはない、と」
「うわぁ……」
なんだその反応は。
受付嬢は最後まで微妙な顔をしていたが、最終的にはこう言った。
「……では、試験官のいる修練場までご案内します」
冒険者ギルドの敷地内には修練場がある。受付嬢は俺をそこに案内した。
「あちらに試験官が……あれ、他の受験者がいますね」
受付嬢が指さす先には人影が二つ。
さっき建物の中で見たギルド職員と同じ制服を着ている男が一人。こっちが試験官だな。
もう一人の剣を持っている青年は受験者だろう。
そして、受験者と向かい合っているのは試験官ではなく――
「……あれは魔導ゴーレムか?」
「はい。あの魔導ゴーレムを試験に用います」
魔導ゴーレムというのは、魔鉱石を核にした、魔素で動く人形のことだ。
大気中から自動で魔素を吸いこむので、魔導士でなくても起動させることができる。魔導士にとっては馴染みのアイテムだ。
それにしても、修練場にある魔導ゴーレムはかなり大きい。身をかがめた状態で三М以上あるのではないだろうか。樽をつなげたようなずんぐりした体形なので、やたら威圧感がある。
魔導ゴーレムの制御石はというと、どうやら試験官が持っているらしい。
「それで、これはどういう試験なんだ?」
「えっとですね……あ、始まります。見ていただいたほうが早いですよ」
受付嬢に促され、俺は修練場に視線を戻した。
「試験を始めるぞ!」
試験官が宣言し、魔導ゴーレムの頭部に赤い光が灯る。ずんっ……と重い音を立ててゴーレムが大木のような足を踏みだした。歩幅が広いせいでみるみる受験者との距離が縮まっていく。
「うおおおっ!」
受験者は躊躇なく駆けだし――魔導ゴーレムから思いっきり距離を取った。
そのまま迂回するように修練場の中を逃げ回り始める。それを追いかける魔導ゴーレム。
「……あれはどういうルールなんだ?」
魔導ゴーレムと受験者が追いかけっこをしているようにしか見えない。
「あれは生存能力を見る試験なんです。指定されたエリアの中だけで、魔導ゴーレムの攻撃から三分間逃げ切れば合格になります」
「ほう……」
俺は思わず唸った。
冒険者というのは命がけと聞く。自分より圧倒的に強い魔獣に遭遇してしまうこともあるだろう。そうした場合に冷静に判断して行動する、というのはなにより大切な能力といえるかもしれない。
「しかし、逃げるだけなら剣はいらなくないか」
「そうでもありません。剣があれば、捕まりそうになっても抵抗できますから。見てください」
再び受付嬢に言われて視線を戻すと、修練場では受験者が指定範囲のギリギリまで追い詰められていた。
指定範囲から出てしまえば失格らしいので、受験者はもう崖っぷちだ。
受験者はそこで初めて剣を抜く。
「うおおおおおおおおっ!」
『――――』
ガァンッ! と剣で近づいていた魔導ゴーレムの巨腕を弾き飛ばした。
おお。
「身体強化か」
「はい。冒険者の中には身体強化を使える人もいます。そういう人なら、ああして自分より大きな魔導ゴーレムに対抗できます」
身体強化とは、大気の魔素を体内に送りこんで身体能力を強化する技術だ。厳密には魔術ではないので、センスがあれば平民でも使える。もちろん俺も。
ちなみに貴族はこの身体強化が苦手だったりする。あいつら、「貴族が激しく動き回って戦うのは優雅ではない」とか言って練習しないからな……
……ん?
「はあっ、はあっ……」
魔導ゴーレムを吹っ飛ばした受験者は、せっかく相手に隙ができたのに、その場にへたりこんでしまった。
『――――』
そのまま再び襲いかかってきたゴーレムにがっしり掴まれ、締め上げられる。受験者はぐったりして動かない。
「なぜあいつは逃げないんだ?」
俺が聞くと、受付嬢はなにを当たり前のことをと言わんばかりの顔で答えた。
「それは無茶ですよ。身体強化は一度使うだけでものすごく精神力を使うんですから」
「いや、大気から魔素を補充すればいいだけの話だろう?」
「大気から魔素を……? そんなこと、貴族様でもない限りできませんよ」
なにを言っているのだと思ったが、そう言えばと思いだす。
貴族は魔術の扱い方を平民に秘密にしているのだ。魔素を取りこむには相応の訓練を行う必要があるので、そのやり方を知らない平民たちは身体強化をそうそう気軽に扱えないのだろう。
「そこまで! 受験者は試験に失格とする!」
「はい……」
どうやら試験が終わったようだ。受験者はがっくりとうなだれ、魔導ゴーレムから解放された後、試験官からアドバイスを受けていた。それから受験者はとぼとぼと修練場を出ていく。腕を押さえていたのでどこか怪我でもしているのかもしれない。剣は魔導ゴーレムに当てた衝撃で歪んでしまっていた。
受付嬢が言った。
「この通り、試験はかなりハードです。武器を持っていても怪我をする可能性はありますし、滅多にありませんが受験者が亡くなるケースも存在します。本当に試験を受けますか?」
「無論だ」
俺が即答すると、受付嬢はため息を吐いた。
「……わかりました。怪我しても知りませんからね。――リブさん、次の受験者です!」
受付嬢が声を張ると、試験官の男がこちらに歩いてきた。
「次の受験者、ってのはこの兄ちゃんかい?」
「はい」
受付嬢が頷くと、試験官はじろじろと俺を無遠慮に見た。
「ずいぶんひょろっちいな。それに珍しい髪の色だ。真っ白じゃねえか」
「髪は気にするな。昔いろいろあったんだ」
「いろいろねえ……にしても、武器もなしかい。それで試験を受けるつもりか? 剣くらい持ったらどうだ」
そう言って、試験官がいきなり自分の腰に差していた長剣を差しだしてくる。
俺は反射的にそれを受け取り――
「ぐおお!?」
馬鹿な、なんだこの重さは……ッ!? この男はこんなものを腰につけて平然としていたのか!? 身体強化も使わずに!? 慌てて俺は身体強化を使い、重たい鋼の剣を持ち上げる。
「ハアッハアッ……か、返すぞ」
「兄ちゃん、悪いこと言わねえから試験やめとけよ」
くっ、屈辱だ! この俺がこんな憐れむような視線を向けられるとは!
「……フッ。今のは少々油断しただけだ。問題ない。そして試験は受ける」
「まあどうしてもってんなら受験させてやるけどよ……後悔しても知らねえからな」
いかにも気の進まない感じで試験官は試験内容を説明してくれた。
「試験はあの魔導ゴーレムから三分間逃げ切れば合格だ。ラインで範囲を区切ってあるだろ? あれを出たら失格。ゴーレムに触れられても失格。武器の使用は自由。質問は?」
「特にない。では早速始めようではないか」
俺はバサァッ! とローブを翻し修練場の中に入っていく。
そんな俺を見て受付嬢と試験官は絶句していた。無理もない。このローブは格好いいからな。言葉を失うのも当然と言える。
修練場に入った俺の目の前には、巨大な魔導ゴーレムが鎮座している。身の丈が俺の倍以上もある巨体だ。捕まればただでは済まないだろう。それはさっきの受験者が証明している。俺はこれより三分間、この魔導ゴーレムから逃げ切らなくてはならない。捕まれば即失格。指定範囲から出ても失格。
……ふむ。となれば、やることは一つだな。
「はー……そんじゃ、始めるぞ。試験開始!」
試験官が宣言すると同時、魔導ゴーレムは大きく足を踏みだし。
「【火球】」
次の瞬間、ゴウッ! と、俺が放った直径四Мの火球がその全身を呑みこんだ。
「「……………………は?」」
試験官と受付嬢が唖然としている。俺の行動が予想外だったようだな。だが、実に理にかなった行動だと思うぞ。
試験に合格するための条件は、魔導ゴーレムに三分間触れられずにいること。
つまり――魔導ゴーレムを破壊してしまえば失格しようがない。
「ま、待て待て待て! なんだ今の!?」
「【火球】。火属性魔術の初歩だ」
「魔術って、じゃ、じゃああんたもしかして魔導士か!?」
「ああ。そう言わなかったか?」
試験官の質問に対してそう答えると、受付嬢はぶんぶん首を横に振った。
む。言っていなかったか? ……確かに言っていなかった気がする。階級章の腕輪もローブに隠れて見えんしな。
『――――』
「ほう。あれを耐えるか」
【火球】の炎が収まると、そこには焼けて変色しところどころが融解しながらも、どうにか原形をとどめている魔導ゴーレムの姿があった。
それなりに魔素を込めたはずだが、なかなか頑丈なゴーレムだ。素材がいいのかもしれない。ミスリルあたりか? まあ、なんでもいい。
俺は手を天に掲げた。
「一撃で壊れないなら壊れるまで撃ちこめばいい」
「待て白髪! なにをしようとしてる!?」
「追撃する。あの魔導ゴーレムを破壊せねば確実な合格とは言えないからな」
「いやもう十分で――」
「【氷槍】」
ドガガガガガガッ! と、ぴったり百本の氷の槍がゴーレムの胴を貫通した。
軽度の水蒸気爆発が起こり、白色の暴風が巻き上がる。だがゴーレムはまだ壊れていない。
「【風槌】」
風の槌で叩き潰す。ひしゃげてゴーレムの体長が半分になった。
「【石拳】」
石の拳で殴り飛ばす。ゴーレムの体が粉々に砕けた。
「白髪の兄ちゃん! 落ち着け! もうやめろ!」
「落ち着くのはお前だ試験官。見ていろ。今からあの魔導ゴーレムを消し炭にしてくれる。基礎属性六種のうち、もっとも攻撃力に優れた魔素の力をしかと目に焼きつけるがいい」
「これそういう試験じゃねーから! おい! 聞いて」
「――【雷光】!」
試験官の声は最後まで聞こえなかった。ズガンッッ! という俺が発生させた雷魔術の着弾音がそれをかき消したからだ。
修練場に大穴を開け、雷撃は見事にバラバラになっていた魔導ゴーレムの破片をすべて消し飛ばした。
完璧だ……
俺は腕を組み、こう言った。
「これでよし。後は三分待つだけだな。いや、二分くらいか? 試験官、残り時間を教えてもらえるか」
「……」
俺が尋ねても試験官は目を見開いたまま動かない。受付嬢も同じ。まるで化け物でも見たように硬直していた。
「試験官。おい、試験官」
「……」
駄目だ。意思疎通ができない。
「「「なんだこりゃあ――――!?」」」
入り口のほうから絶叫が聞こえた。見れば、ギルド内にいたはずの冒険者たちがぞろぞろ修練場に入ってきている。
ああ、そういえばこの修練場の音が響いて近所迷惑にならないように【消音】を使っていたんだった。窓から修練場の惨状を見て仰天、というところだろうか。
建物から出てきた一人の男性が、青ざめた顔で俺のほうに歩いてきた。ラフな格好だが、服のところどころに凝った装飾が見られる。
「これは君がやったのか」
「ああ」
「……修練場を元の形に修復できるか?」
ちなみに修練場は現在【雷光】によって大穴が開けられた状態になっている。久々に気持ちよく魔術を使えるとあって、少しやりすぎてしまった感は否めない。
「無論だ。【埋め立て】」
俺は土属性の魔術で、修練場を元の状態に戻した。
「なんてことだ……なんてことだ……」
男性は頭を押さえてぶつぶつ呟く。
「ところでお前は誰だ? 今は試験中なんだが」
俺の質問に対し男性はこう答えた。
「試験なんてもうどうでもいいよ。それより今から僕の部屋に来てくれ」
「部屋?」
「執務室だよ。ギルドマスターの」
どうやらこの男性は冒険者ギルドの長らしかった。
◇ ◇ ◇
「つまり君は……ウィズ君は、魔導学院を追いだされて冒険者になろうと思ったと」
ギルドマスターの執務室に案内された俺は、応接用のソファに座り頷いた。
「ああ」
「貴族ではない、というのは本当かい?」
「本当だ。俺の師匠が大魔導士だったから、特例で魔導士になることができた。それに俺が平民というのは名前でわかるだろう」
貴族は自分の名前と家名の間に家格を示すミドルネームを持つ。これは、どの貴族も爵位によって同じものが用いられるのだが、平民である俺にはそれがない。
「それはそうなんだけど、平民の魔導士など聞いたことがないものだからね……それにしても、師匠が大魔導士様か。どうりであんなにすさまじい魔術を扱うわけだ」
ギルドマスターは、ふむ、と顎に手を当てた。
「参考までに、君のお師匠様の名前を聞いてもいいかな」
「悪いが言えない。師匠に迷惑がかかる」
俺が即答すると、ギルドマスターは気にした様子もなく頷いた。
「ところで……俺は試験には合格なのだろうか?」
ギルドマスターに聞くと、彼は難しい顔をする。
「それなんだけどね。君は自分がなにをしたのかわかっているかい?」
「魔導ゴーレムを破壊したな」
「そう、それだ。先に言っておこうか。あれはギルドでこつこつ金を貯めて、それでも足りない分は借金をしてようやく買ったおそろしく高価な魔導具だ。値段は四百万リタ」
「そうか。……なに?」
――四百万リタ?
びきり、と俺は固まる。それだけあれば平民の家族が六、七年は暮らせるだろう。言うまでもなく大金である。
「……ほ、ほう。奮発したのだな」
「そうとも。簡単に壊されたらたまらないから、魔導具店で一番高いものを買ってきたんだ。当然代用品なんて用意していない。というか、そもそもあれを買うためにした借金も返せていない」
「……」
正直、いたたまれない。四百万リタ。学院には魔導ゴーレムなどうじゃうじゃいたので、あれがそんなに高価だとは知らなかった。
いや、そういえばあれは俺の魔術に耐えるほど頑丈だった。そのくらい値が張ってもおかしくない。
「だから君の処遇をどうしようか、うちとしても迷いどころなんだ。こんなことになるとは思っていなかったからね」
難しい顔で唸るギルドマスター。俺は口元を引きつらせた。
しまった……やはりあれはやりすぎだったか。ギルドマスターの心証はおそらく最悪。まずい、これでは冒険者になるどころではない。
どうする。どうすればいい。
やはりここは弁償か。四百万リタなどという金はもちろん持っていないが、俺には魔術がある。手っ取り早いポーション作成……は魔素合成ができないので却下として、魔獣退治で金を稼ぐという手段はある。時間はかかるだろうが。
……そうだ。俺はどうしても魔導士階級を上げなくてはならない。〈賢者〉になるために!
そのためには冒険者になり名を揚げる必要がある。ここは誠意を示してどうにか冒険者ギルドへの所属許可をもぎ取ってみせる……!
「ギルドマスター! ゴーレムを壊したことは謝罪する! だが、どうか挽回の機会を与えてほしい。どうか俺を冒険者にしてくれ!」
ここで引いてはいよいよ俺に打つ手はなくなる。
どうにかしてギルドマスターの首を縦に振らせてみせる! 最底辺の評価からのスタートとなるだろうが、どんな逆境からでも這い上がって――
「え、うん。元からそのつもりだけど」
「……へ?」
思わず俺は間抜けな声を出した。
元からそのつもり……? つまりギルドマスターは、もともと俺の冒険者ギルドへの所属を許す気だったと?
「当然だろう! 君は魔導士で、しかも絶対壊れないだろうと思ってた魔導ゴーレムを木っ端みじんにしたんだよ? こんなに有能な志望者を門前払いする理由はないよ」
あっけらかんと言うギルドマスターに、俺は目を見開いた。
「だ、だが、さっき俺の処遇をどうするか迷っていると……」
「ああ、それね。冒険者って最初は誰でも一番下のFランクからスタートなんだけど、正直君の実力ってそれどころじゃないんだよ。かといってBとかAとかから始めると、他の冒険者が不満に思うかもしれないから、どうしようかと」
「な……」
迷っているというのはそっちの意味か!
「俺はてっきり、合格させるかどうかで迷っているのかと……」
「いやあ、ないない。それはないよ」
「だが、俺は魔導ゴーレムを壊したぞ」
「まあ試験はちょっと困るけど、別に職員にやらせればいいだけだし。借金も、君が頑張ってくれればすぐに返せるような気がするし――というか」
ギルドマスターは心底不思議そうに言った。
「冒険者ってのは実力主義だよ。どんな人間であれ、強者を歓迎する」
「――ッ」
「まあ、あんまりギルドに迷惑かけられるのは困るけど。って、聞いてる? ……え? 泣いてる!?」
俺は不覚にも、感涙してしまっていた。
実力主義。どんな人間であれ強者を歓迎する。あの無能でプライドの高い貴族ばかりがのさばっていた魔導学院とはまったく違う考え方だ。魔導学院では出る杭は権力で叩き潰されるというのに。
「すばらしいな……冒険者というのは……」
「そ、そうかな。学のいらない底辺職ってよく言われるんだけどね」
「そんなことはない。この国の貴族どもは全員冒険者になればいいんだ」
「お願いだウィズ君。貴族様に聞かれたら投獄されそうな台詞を簡単に口にしないでくれ」
さすが師匠だ。俺に冒険者という新たな世界を見せてくれたその慧眼には感服する他ない。
「とにかく、君は今日から冒険者だ。ランクについては後で伝達するから、頑張って活動してくれたまえ」
「ああ! 期待するがいい!」
俺はギルドマスターの差しだしてきた手を強く握り返した。
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