40 / 55
新スキル
しおりを挟む
カナタと別れたあと、イオナに乗せてもらってアルムの街からヒルデ山地まで移動する。
降りたのは山の八合目あたりだ。
サファイアワイバーンは山の頂上に素を作るらしいが、イオナに乗ったまま頂上まで行くといきなり戦闘になりそうだからな。
「到着! 眺めがいいね~!」
シルは山からの景色を楽しんでいる。
「イオナ、運んでくれてありがとな。疲れてないか?」
「ふん、このくらい余裕よ」
「そうか。頼もしいよ」
「……ん」
労う意志を込めてイオナの頭を撫でる。イオナはまんざらでもなさそうにされるがままになっている。
それじゃあさっそく頂上に――って待て!
「召喚スポットがある!」
俺は思わず駆け出した。
いつもはシルに頼んで探してもらっているが、何の補助もなく素で見つけたのはシルの召喚スポット以来だ。
サイズは五十センチほどで、記憶にある限りだと『大地ノ穴土竜』と同じくらいだろうか。
「ロイ、試練を受けるの? サファイアワイバーンを先に倒したほうがいいんじゃない?」
シルが聞いてくる。
確かにイルブスとの約束の日までは時間がない。
ゆえに金策を始めてからは召喚スポットは泣く泣く無視してきた。
しかし今回は理由がある。
「サファイアワイバーンって名前からして、空中戦になる可能性が高いだろ。けど俺は空中戦がほとんどできない。けど、この召喚スポットの宿主と契約できれば何とかなるかもしれない」
要は空を飛ぶ系のスキルが得られるかもしれない、という話だ。
いちおう勝算は低くないと思う。召喚獣は場所によって出るものが決まるらしいから、この高地なら鳥系である可能性は高い。
召喚スポットのサイズも大きめなので、スキルを持っていることも期待できる。
「ロイがそう言うなら従うよ!」
「さっさと片づければ問題ないでしょ」
シルとイオナの同意を得て俺は召喚スポットに触れた。
「【我は汝との契約を望む】」
俺たちは試練の間へとやってきた。
場所は……俺たちがさっきまでいたヒルデ山地に近い。
『キュアアアアアアアアアッ!』
現れたのは緑色の大きな鳥。
大きいとは言っても、鷹や鷲より一回り大きいくらいだが。
戦意をたぎらせて睨んできていることからすると、戦う必要がありそうだ。
『キュアアアアッ!』
緑色の鳥が勢いよく突っ込んでくる。速い!
俺はしばらく防戦に徹した。
そうしているうちにだんだん目が慣れてくる。
――今だ!
「ふっ!」
『キュアッ……!?』
横から飛び込んできた緑色の鳥に、カウンターで裏拳を叩き込む。緑色の鳥は吹き飛び、地面へと転がっていった。
ここで試練が終わり、現実世界に戻ってくる。
「やったね、ロイ!」
「私たちが手を出す前に勝っちゃうなんて……さすがだわ」
シルとイオナが口々に褒めてくる。
まあ、相手はそこまで強くなかったからな。
よし、確認だ。
<召喚士>
▷魔術:【召喚】【送還】
▷スキル:【フィードバック】
▷召喚獣
煉獄ノ雌竜イオナ(力上昇Ⅲ/魔力上昇Ⅲ/スキル【火炎付与】/スキル【火炎耐性】)
水ノ重亀(耐久上昇Ⅱ)
水ノ幼蟹×2(耐久上昇Ⅰ)
水ノ幼井守(敏捷上昇Ⅰ)
水ノ幼蝦蟇(敏捷上昇Ⅰ)
天空ノ翔鳥(敏捷上昇Ⅱ/スキル【飛行】)
風ノ子蜂(力上昇Ⅰ)
風ノ幼梟(魔力上昇Ⅰ)
大地ノ穴土竜(力上昇Ⅰ/耐久上昇Ⅰ/スキル【掘削】)
地ノ子蟻(力上昇Ⅰ)×2
地ノ子甲虫(耐久上昇Ⅰ)
樹ノ蔓茸(スキル【蔓操術】)
樹ノ幼鼠(敏捷上昇Ⅰ)×3
樹ノ子百足(力上昇Ⅰ)
▷召喚武装
導ノ剣:あらゆるものへの道筋を示す。
よし、狙い通り!
『天空ノ翔鳥(敏捷上昇Ⅱ/スキル【飛行】)』というのがさっきの緑色の鳥だろう。
さっそくスキルを使ってみる。
「【飛行】!」
ふわり、と俺の体が浮き上がる。
「うおっ……」
最初は驚いたが、別に空中でバランスを崩したり、どこかに飛ばされるようなこともない。
空中を泳ぐ感覚で身体を動かすと、イメージ通りに体が空中を移動する。
おお、これは便利だな。
「ロイ、楽しそうだね! 私も一緒に飛びたい!」
シルがそんなことを言い出した。
よし、練習がてらシルを背負って飛んでみよう。
「ほら、シル。背中に乗ってくれ」
「うん!」
シルが勢いよく背中に飛び乗ってくる。軽い。ついでに、むにょん、という幸せな感覚が発生した気がする。
自分で言っといてなんだが、こいつって本当に隙が多いよなあ……
いや、別に人間じゃないから普通か。
「うわー、すごーい! あはははは!」
右に移動、急上昇、急降下などするたびにシルが後ろから歓声を上げる。
楽しそうで何よりだ。
「……」
地上に降りたらイオナが何か言いたげな目で見てきたので、今度はイオナを背負って飛ぶ。
「きゃーっ、きゃあーっ! ふふっ、あははっ」
自分も飛べるイオナだが、人に背負われるのはスリルがあるらしく、楽しげな悲鳴を上げていた。
そうこうしているうちに【飛行】スキルにも慣れたので、練習は終了だ。
本来の目的を果たすため山頂に向かうとしよう。
降りたのは山の八合目あたりだ。
サファイアワイバーンは山の頂上に素を作るらしいが、イオナに乗ったまま頂上まで行くといきなり戦闘になりそうだからな。
「到着! 眺めがいいね~!」
シルは山からの景色を楽しんでいる。
「イオナ、運んでくれてありがとな。疲れてないか?」
「ふん、このくらい余裕よ」
「そうか。頼もしいよ」
「……ん」
労う意志を込めてイオナの頭を撫でる。イオナはまんざらでもなさそうにされるがままになっている。
それじゃあさっそく頂上に――って待て!
「召喚スポットがある!」
俺は思わず駆け出した。
いつもはシルに頼んで探してもらっているが、何の補助もなく素で見つけたのはシルの召喚スポット以来だ。
サイズは五十センチほどで、記憶にある限りだと『大地ノ穴土竜』と同じくらいだろうか。
「ロイ、試練を受けるの? サファイアワイバーンを先に倒したほうがいいんじゃない?」
シルが聞いてくる。
確かにイルブスとの約束の日までは時間がない。
ゆえに金策を始めてからは召喚スポットは泣く泣く無視してきた。
しかし今回は理由がある。
「サファイアワイバーンって名前からして、空中戦になる可能性が高いだろ。けど俺は空中戦がほとんどできない。けど、この召喚スポットの宿主と契約できれば何とかなるかもしれない」
要は空を飛ぶ系のスキルが得られるかもしれない、という話だ。
いちおう勝算は低くないと思う。召喚獣は場所によって出るものが決まるらしいから、この高地なら鳥系である可能性は高い。
召喚スポットのサイズも大きめなので、スキルを持っていることも期待できる。
「ロイがそう言うなら従うよ!」
「さっさと片づければ問題ないでしょ」
シルとイオナの同意を得て俺は召喚スポットに触れた。
「【我は汝との契約を望む】」
俺たちは試練の間へとやってきた。
場所は……俺たちがさっきまでいたヒルデ山地に近い。
『キュアアアアアアアアアッ!』
現れたのは緑色の大きな鳥。
大きいとは言っても、鷹や鷲より一回り大きいくらいだが。
戦意をたぎらせて睨んできていることからすると、戦う必要がありそうだ。
『キュアアアアッ!』
緑色の鳥が勢いよく突っ込んでくる。速い!
俺はしばらく防戦に徹した。
そうしているうちにだんだん目が慣れてくる。
――今だ!
「ふっ!」
『キュアッ……!?』
横から飛び込んできた緑色の鳥に、カウンターで裏拳を叩き込む。緑色の鳥は吹き飛び、地面へと転がっていった。
ここで試練が終わり、現実世界に戻ってくる。
「やったね、ロイ!」
「私たちが手を出す前に勝っちゃうなんて……さすがだわ」
シルとイオナが口々に褒めてくる。
まあ、相手はそこまで強くなかったからな。
よし、確認だ。
<召喚士>
▷魔術:【召喚】【送還】
▷スキル:【フィードバック】
▷召喚獣
煉獄ノ雌竜イオナ(力上昇Ⅲ/魔力上昇Ⅲ/スキル【火炎付与】/スキル【火炎耐性】)
水ノ重亀(耐久上昇Ⅱ)
水ノ幼蟹×2(耐久上昇Ⅰ)
水ノ幼井守(敏捷上昇Ⅰ)
水ノ幼蝦蟇(敏捷上昇Ⅰ)
天空ノ翔鳥(敏捷上昇Ⅱ/スキル【飛行】)
風ノ子蜂(力上昇Ⅰ)
風ノ幼梟(魔力上昇Ⅰ)
大地ノ穴土竜(力上昇Ⅰ/耐久上昇Ⅰ/スキル【掘削】)
地ノ子蟻(力上昇Ⅰ)×2
地ノ子甲虫(耐久上昇Ⅰ)
樹ノ蔓茸(スキル【蔓操術】)
樹ノ幼鼠(敏捷上昇Ⅰ)×3
樹ノ子百足(力上昇Ⅰ)
▷召喚武装
導ノ剣:あらゆるものへの道筋を示す。
よし、狙い通り!
『天空ノ翔鳥(敏捷上昇Ⅱ/スキル【飛行】)』というのがさっきの緑色の鳥だろう。
さっそくスキルを使ってみる。
「【飛行】!」
ふわり、と俺の体が浮き上がる。
「うおっ……」
最初は驚いたが、別に空中でバランスを崩したり、どこかに飛ばされるようなこともない。
空中を泳ぐ感覚で身体を動かすと、イメージ通りに体が空中を移動する。
おお、これは便利だな。
「ロイ、楽しそうだね! 私も一緒に飛びたい!」
シルがそんなことを言い出した。
よし、練習がてらシルを背負って飛んでみよう。
「ほら、シル。背中に乗ってくれ」
「うん!」
シルが勢いよく背中に飛び乗ってくる。軽い。ついでに、むにょん、という幸せな感覚が発生した気がする。
自分で言っといてなんだが、こいつって本当に隙が多いよなあ……
いや、別に人間じゃないから普通か。
「うわー、すごーい! あはははは!」
右に移動、急上昇、急降下などするたびにシルが後ろから歓声を上げる。
楽しそうで何よりだ。
「……」
地上に降りたらイオナが何か言いたげな目で見てきたので、今度はイオナを背負って飛ぶ。
「きゃーっ、きゃあーっ! ふふっ、あははっ」
自分も飛べるイオナだが、人に背負われるのはスリルがあるらしく、楽しげな悲鳴を上げていた。
そうこうしているうちに【飛行】スキルにも慣れたので、練習は終了だ。
本来の目的を果たすため山頂に向かうとしよう。
0
お気に入りに追加
1,748
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
呪われ少年魔法師、呪いを解除して無双する〜パーティを追放されたら、貴族の令嬢や王女と仲良くなりました〜
桜 偉村
ファンタジー
瀬川空也(せがわ くうや)は魔力量が極端に少ない魔法師だった。
それでも一級品である【索敵(さくてき)】スキルで敵の攻撃を予測したり、ルート決めや作戦立案をするなど、冒険者パーティ【流星(メテオロ)】の裏方を担っていたが、あるとき「雑用しかできない雑魚はいらない」と追放されてしまう、
これが、空也の人生の分岐点となった。
ソロ冒険者となった空也は魔物に襲われていた少女を助けるが、その少女は有数の名家である九条家(くじょうけ)の一人娘だった。
娘を助けた見返りとして九条家に保護された空也は、衝撃の事実を知る。空也は魔力量が少ないわけではなく、禁術とされていた呪いをかけられ、魔力を常に吸い取られていたのだ。
呪いを解除すると大量の魔力が戻ってきて、冒険者の頂点であるSランク冒険者も驚愕するほどの力を手に入れた空也は最強魔法師へと変貌を遂げるが、そんな彼の周囲では「禁術の横行」「元パーティメンバーの異変」「生態系の変化」「魔物の凶暴化」など、次々に不可解な現象が起きる。それらはやがて一つの波を作っていって——
これは、最強少年魔法師とその仲間が世界を巻き込む巨大な陰謀に立ち向かう話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える
ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─
これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる