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のんびりと過ごす数日、からの……?

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 ジュードを倒して数日が経過した。

 グレフの村の周りの召喚スポットがいくつか湧いていたのでそれを回収する。
 現在の俺のステータスはこんな感じだ。



<召喚士>
▷魔術:【召喚】【送還】
▷スキル:【フィードバック】
▷召喚獣
 煉獄ノ雌竜イオナ(力上昇Ⅲ/魔力上昇Ⅲ/スキル【火炎付与】/スキル【火炎耐性】)
 水ノ重亀(耐久上昇Ⅱ)
 水ノ幼蟹×2(耐久上昇Ⅰ)
 水ノ幼井守(敏捷上昇Ⅰ)
 水ノ幼蝦蟇(敏捷上昇Ⅰ)
 風ノ子蜂(力上昇Ⅰ)
 風ノ幼梟(魔力上昇Ⅰ)
 大地ノ穴土竜(力上昇Ⅰ/耐久上昇Ⅰ/スキル【掘削】)
 地ノ子蟻(力上昇Ⅰ)×2
 地ノ子甲虫(耐久上昇Ⅰ)
 樹ノ蔓茸(スキル【蔓操術】)
 樹ノ幼鼠(敏捷上昇Ⅰ)×3
 樹ノ子百足(力上昇Ⅰ)
▷召喚武装
 導ノ剣:あらゆるものへの道筋を示す。



 例のブルークラブと戦った滝つぼのあたりに召喚スポットが比較的出現しやすく、場所ゆえか水属性の召喚獣が多い。

 残念ながらスキルつきの召喚獣は新しく手に入らなかった。

「水、つめたくて気持ちいいー!」
「はいはい、子供みたいにはしゃいじゃって……ってきゃあ!? シル、水かけるのやめなさいよ!」
「あははは! イオナが怒った~!」

 ステータスを確認している俺をよそに、シルとイオナは川で水をかけあって遊んでいる。足首までの深さしかないので溺れる心配はないが、転んだりしないだろうか。

 ジュードの一件以降、あの二人はかなり仲がいい。
 いいことだ。

「ロイも遊ぼうよ!」
「と、特別に一緒に遊んであげてもいいわよ!」

 シルとイオナが川のほうから呼んでくる。

「よし、少しだけ参加しようかな」

 俺も少し混ざった。
 冷たい水は確かに気持ちよかった。




「なあ、スキルを持ってる召喚獣ってやっぱり少ないのか?」

 グレフ村に戻る途中で二人に尋ねる。

「少ないだろうね~」
「どのくらい少ないんだ?」
「神獣全体の半分もいないでしょうね」

 神獣の話題ということで、ここからはイオナが主に説明してくれた。

 それによると、神獣というのは五段階くらいランクが分かれるらしい。

 一番下は子供世代で、フィードバック内容は『能力上昇Ⅰ』が一つ程度。

 下から二番目は成熟しているものの能力はあまり高くない。フィードバック内容は『能力上昇Ⅰ』が二つか、『能力上昇Ⅱ』が一つ、または何らかのスキル+能力上昇なしの組み合わせ。

 真ん中は成熟しており普通に強い。フィードバック内容はスキル+『能力上昇Ⅰ』が二つか、スキル+『能力上昇Ⅱ』が一つ。

 上から二番目は神獣たちの中でも特に強力な種族。フィードバック内容はスキル+『能力上昇Ⅲ』が一つ。

 そして一番上が、神界の頂点たる神に直接力を与えられたもの。フィードバック内容はスキル二つ+『能力上昇Ⅲ』二つ。

「……って感じね。ざっくり言って」
「なんか、聞いた感じだとスキル持ちも結構いそうじゃないか?」
「神界にはいるわよ? けど、こっちの契約水晶――召喚スポットだっけ? あれはスキル持ち以上が入れるサイズのものが少ないのよ。だからどうしても、スキルのない神獣の割合は多くなるわね」

 召喚スポットの仕様のせい、ということのようだ。
 あれ、サイズによって数が多いとか少ないとかあるのか。

「……好奇心で聞くけど、召喚獣って自分の意志でスポットの中に入るのか?」
「違うわよ。『古の盟約』ってのがあって、順番が来たら嫌でも召喚スポットの中に入らなきゃいけないの。そういう決まりなのよ」
「『古の盟約』? 何だそれ?」
「さあ、知らないわ。何千年も前の話らしいから」

 シルを見ると、知らないというように首を横に振っていた。
 色々と謎が多いな。

 そんなことを話していたらグレフ村に着いた。




 グレフ村はジュードとの戦いの際にあちこち被害が出ていたが、今はすっかり元通りになっている。

 というのも、建物の修復なんかの資金は俺がその場で支払えたからだ。
 俺がというか、ジュードたち『鉄の山犬』から剥ぎ取った金だが。
 もともとグレフ村にかけた迷惑を償うために奪った金なので、有意義に使えて何よりだ。

 そんなグレフ村を移動して宿に戻る。

「そういえば、結局これってなんなんだろうな」

 ベッドに腰かけながら、俺は懐から取り出した紙きれを眺める。

「んー? それ何?」
「ジュードとかいうのの荷物から出てきたやつでしょ、確か」

 シルとイオナが紙を覗き込んでくる。

 この紙は金目のものを置いていけ、と言った際にジュードが金と一緒に置いていったものだ。『引換券』と書かれており、番号の記載もある。
 で、何の引換券なんだこれ。

「えー、捨てちゃっていいんじゃない?」
「紙が妙に上質だから、不安なんだよ。貴族関連の書簡だったりしたら後々面倒になるかもしれない」

 いや、それならむしろさっさと処分したほうがいいのかもしれないが。

 なんて話していると。


 紙にかかれたインクが、パアッと輝いた。


 なんだ? 何が起こってるんだ?

 続いて部屋の扉がノックされた。

『失礼、こちらに引換券をお持ちの方がいますかな?』

 しわがれた丁寧な口調の男の声が聞こえてくる。

「……誰だ?」
『わたくし、奴隷商のイルブスでございます。お客様が競り落とした奴隷を届けにやって参りました』
「……、」

 どうやらこの引換券は奴隷と交換するためのもののようだった。

 ちなみにこの国で個人所有の奴隷は違法である。

 ……捨てればよかった!
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