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第一部・巻き戻りのやり直し
ばあちゃんを救え。
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俺は過去の自分に言われて人を救った事がある。その時ある程度自分の事が親にバレたが決してそれ以上は言わなかったよ。
○◇○◇○◇
ブートキャンプがリニューアルされて、新しい気持ちで毎日を取り組んでいる。
普段の生活は訓練三昧だけど、いろいろしたい欲求を抑えて、基本を忠実に行なうことに注視している。小技を今学ぶことの意味はあんまりないしね。
俺の頭には基本をおろそかにした過去の自分がいて、そうなりたくないって気持ちが強いんだ。
それに大好きな拳法漫画にはこう書いてあるんだ。マジで為になった。
『学ぶには上達と下達がある。上達とは、小技にとらわれずに物事の根本を理解すること。下達とは、小手先の技ばかり集めることに執着して、根本を理解しないことだ』
これに基づいて行動しているの。
こう書くと厳しい修行している風に見えるけど、どれも楽しくやっているんだよね。
そんな訓練をしている中で、俺は大変なことを思い出した!
このままボーッと過ごしてたらばあちゃんが死んじゃうんだ。
俺の家は父さんと母さんとばあちゃんがいる。
父母は共働きで、ばぁちゃんが美味しい朝ごはんと夕ごはんを作ってくれているんだ。それだけじゃなくて色々とやってくれてる。
俺は典型的なばあちゃん子でばあちゃんが大好きなのよ。
そのばあちゃんが前の時間軸ではあと1年ほどで病気にかかり死んでしまう。そうでなくても生活習慣が前世と変わってないから、少なくとも病気かかってる可能性があるんだよな。
これはなんとかしなきゃダメだ。
ばあちゃんは病院嫌いで、なかなか病院に行ってくれないんだわ。だからなんとかして行かせるよう考えなきゃいけないよな。
「ばあちゃん、長生きして欲しいから病院で健康診断受けてくれない?」と言ってみた。
「やだよ。どこも悪くないし」と断られた。
何回か言ってみても無駄だったよ。
(ばぁちゃんの医者嫌いは筋金いりだわ。ボクもその血を引いてるなぁ。前世でも医者にかかりたくなくて、病気ほっといたもの。人の事言えないなあ。でもホントほっといたら死んじゃうからなんとかしなきゃ)
困り果てて両親の元に行ったさ。
「ねぇ、このままじゃばあちゃん死んじゃうんだけど」
二人はポカンという感じで何も言わなかった。しばらくして
「急に何言い出すの。ばぁちゃん元気そのものじゃない」
やはり信じてもらえない。方向性を変えて言ってみる。
「ばあちゃん病院行かないじゃない。病気かかっててもわからないでしょ?」
二人はため息をつく。
「大丈夫よ。わたしから言っておくわ」
「俺からも言っとく」
はいはい、って感じで話が終わりそうになった。このままじゃまずい。
「違うんだ。ばあちゃんほっといたら、だいたい1年くらいでガンが転移して手の施しようがなくなるんだよ!」
俺はもう一度強く言う。
「なんか知ってるのか?」
父さんは不思議な顔で聞く。
(どうしよう。理由考えられない。嘘をついたら動いてくれないか。下手に前の時間軸の話はできないよなあ。二人がポロっと言ってしまって利用されて、命の危機って可能性ありそうだし。えーい、ままよ。少しぼかして伝えるか)
「父さん、母さん聞いてくれる?荒唐無稽な話だけどボクには違う世界を生きた記憶があるんだ」
そして昨年記憶が戻ったこと、40歳まで生きた前の生涯のことをぼかしながら伝える。もっとも強調したのはガンで死んだことで、そういう俺から見たら、ばぁちゃんはガンにかかった可能性がある事を伝えたよ。
しばらくシーンとなってたが、急に父さんがニヤニヤして
「俺たちは何かあると思っていたが、そういうことか。スゲェじゃん」
と俺の頭をガシガシ撫でる。母さんは俺の事を抱きしめながら
「私たちはあなたが話してくれるのを待っていたの。よく言ってくれたわね」
と言ってくれ、それからばあちゃんを病院に連れて行く事を約束してくれたんだ。
最後に「なんでわかったの?」と聞いたよ。
剣道急にやりだすし、鍛えだすし、図書館から難しい本借りてるしでバレバレだったようだな。上手くやってたつもりだったのに…解せぬ。
ちなみにばあちゃんは初期のガンだったよ。すぐに病院で治してもらえたわ。
………………………………………
【心理学】取得
○◇○◇○◇
ブートキャンプがリニューアルされて、新しい気持ちで毎日を取り組んでいる。
普段の生活は訓練三昧だけど、いろいろしたい欲求を抑えて、基本を忠実に行なうことに注視している。小技を今学ぶことの意味はあんまりないしね。
俺の頭には基本をおろそかにした過去の自分がいて、そうなりたくないって気持ちが強いんだ。
それに大好きな拳法漫画にはこう書いてあるんだ。マジで為になった。
『学ぶには上達と下達がある。上達とは、小技にとらわれずに物事の根本を理解すること。下達とは、小手先の技ばかり集めることに執着して、根本を理解しないことだ』
これに基づいて行動しているの。
こう書くと厳しい修行している風に見えるけど、どれも楽しくやっているんだよね。
そんな訓練をしている中で、俺は大変なことを思い出した!
このままボーッと過ごしてたらばあちゃんが死んじゃうんだ。
俺の家は父さんと母さんとばあちゃんがいる。
父母は共働きで、ばぁちゃんが美味しい朝ごはんと夕ごはんを作ってくれているんだ。それだけじゃなくて色々とやってくれてる。
俺は典型的なばあちゃん子でばあちゃんが大好きなのよ。
そのばあちゃんが前の時間軸ではあと1年ほどで病気にかかり死んでしまう。そうでなくても生活習慣が前世と変わってないから、少なくとも病気かかってる可能性があるんだよな。
これはなんとかしなきゃダメだ。
ばあちゃんは病院嫌いで、なかなか病院に行ってくれないんだわ。だからなんとかして行かせるよう考えなきゃいけないよな。
「ばあちゃん、長生きして欲しいから病院で健康診断受けてくれない?」と言ってみた。
「やだよ。どこも悪くないし」と断られた。
何回か言ってみても無駄だったよ。
(ばぁちゃんの医者嫌いは筋金いりだわ。ボクもその血を引いてるなぁ。前世でも医者にかかりたくなくて、病気ほっといたもの。人の事言えないなあ。でもホントほっといたら死んじゃうからなんとかしなきゃ)
困り果てて両親の元に行ったさ。
「ねぇ、このままじゃばあちゃん死んじゃうんだけど」
二人はポカンという感じで何も言わなかった。しばらくして
「急に何言い出すの。ばぁちゃん元気そのものじゃない」
やはり信じてもらえない。方向性を変えて言ってみる。
「ばあちゃん病院行かないじゃない。病気かかっててもわからないでしょ?」
二人はため息をつく。
「大丈夫よ。わたしから言っておくわ」
「俺からも言っとく」
はいはい、って感じで話が終わりそうになった。このままじゃまずい。
「違うんだ。ばあちゃんほっといたら、だいたい1年くらいでガンが転移して手の施しようがなくなるんだよ!」
俺はもう一度強く言う。
「なんか知ってるのか?」
父さんは不思議な顔で聞く。
(どうしよう。理由考えられない。嘘をついたら動いてくれないか。下手に前の時間軸の話はできないよなあ。二人がポロっと言ってしまって利用されて、命の危機って可能性ありそうだし。えーい、ままよ。少しぼかして伝えるか)
「父さん、母さん聞いてくれる?荒唐無稽な話だけどボクには違う世界を生きた記憶があるんだ」
そして昨年記憶が戻ったこと、40歳まで生きた前の生涯のことをぼかしながら伝える。もっとも強調したのはガンで死んだことで、そういう俺から見たら、ばぁちゃんはガンにかかった可能性がある事を伝えたよ。
しばらくシーンとなってたが、急に父さんがニヤニヤして
「俺たちは何かあると思っていたが、そういうことか。スゲェじゃん」
と俺の頭をガシガシ撫でる。母さんは俺の事を抱きしめながら
「私たちはあなたが話してくれるのを待っていたの。よく言ってくれたわね」
と言ってくれ、それからばあちゃんを病院に連れて行く事を約束してくれたんだ。
最後に「なんでわかったの?」と聞いたよ。
剣道急にやりだすし、鍛えだすし、図書館から難しい本借りてるしでバレバレだったようだな。上手くやってたつもりだったのに…解せぬ。
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