４回目の、ファンタジー。

巻き戻りでやり直し

ようこそ！パラレルワールド

　６月になった…なってしまった。ナンテコッタ。

　結局、あれだけ注意していたおかげもあるのか事故は起こらなかった…。
前の時間軸では５月に事故にあったんだ。あんなに酷いケガだったから、事故があった時期は大体いつだったか確実に覚えている。なのに事故は起こらなかった。

……これで一つの仮説が崩れた。

　この世界が前の時間軸で、同じ出来事がまた起こる、という仮説が。


　仮説が崩れた事によって、この世界は前の時間軸から分岐したパラレルワールドだ、という仮説がより濃厚となった。
　パラレルワールドって何？と言われると非常に難しいんだけど、今ボクたちが生きている世界のある時点から分岐して、並行に存在する世界がある、っていう理論。

　この事象に例えて言うと、９歳の５月にケガをしたボクは、他の分岐した世界がなければ、巻き戻りしたらまた９歳の５月にケガをすることになる。
　だけど今現在ケガひとつ負わず生きてるって事は、どこか別の分岐した世界に住んでると証明することができるんだ。

　これにより一気に気持ちが楽になって、肩の力が抜けた。
　同じ時間軸だったらそれを整えるための『修正力』があるから、消される可能性やなんらかの別の事件が起こる可能性があったんだ。
　あと、前の時間軸であった災害や、なんらかの事件が『ない』世界もあるんだから、それが起こっても見殺しする罪悪感に苛まれる事もない。もう分岐した後だから、誰かの人生が自分のせいで変わっても、それは別の分岐ができた結果であったって事で、無理に修正する必要はないし、自分の責任として頑張らなくて良い。


……パラレルワールドであるこの世界の未来はまだ定まっていないのだからね。



蛇足になるけど、もしかしたら剣と魔法の世界があるかもしれないし、サイバーパンクな世界があるかもしれない。超能力世界があるかも。エルフさんみたいな異種族が生まれる可能性だってある。

パラレルワールドがあるというのはそれぐらい可能性がある話なんだよね。


そんな事を考えながら６月を過ごす。


ボクの毎日のスケジュールが変化した…学校から帰ってきてからランニング、そのあと図書館行くか友達と遊ぶ。夜寝る前に筋トレ、という感じに……雨で外にランニング行けない事もあるけど。


もう前の時間軸と違うことをして、世界が変わる事を恐れてはいない。ボクはボクなりの未来を見つけて当然だ、と思っている。

クラスのいろんな子と、親戚のおっちゃん目線ではあるけれども話すようになった。
なかなか話題を作るのは大変だ。
女の子は話すと顔が赤くなったりするので可愛い。この顔だからだろうか？

リア充ってもっとすんなり話できるんだろうなぁ。リア充ってすごい。改めてそう思った。


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