100 / 108
新人類とやらじゃ
しおりを挟む
「やれやれ、出向いて見れば何だこいつらは?」
「……なんだその言い草は?偉そうじゃの」
「偉いからそう言っているんだが?そもそもキサマら失敗作共が何を意見する?」
ヴォルフが眉間に皺を寄せ、睨みつけて【それ】に向かって真意を訊いてみる。
「失敗作?何を以て失敗と言っているんだ?」
「簡単だ。キサマらケモノの形をとった人ならざる者どもを失敗作というんだ。それと違い、この様に人の体を維持できたものが【新人類】だということを知っておけ」
「……なら、その【新人類】?てのがこの世界の神であるフェンリルに何の用だ?」
【新人類】と名乗る男に驚きの表情が見られたが、直ぐに機械的な表情へと変わる。
「……ふふ。ふはははっ……!誰が神だって?失敗作が……自惚れるなよ?」
男がヴォルフを睨みつけると見えない何かがヴォルフに向かって放たれる。
ヴォルフは魔力の反応を既に感じ取っていた為、【絶対】による氷柱で防ぐと、その氷は砕け散った。
ふくはそれの意味を知り、魔力を最大限まで高め、身体の紋様を出現させる。
その紋様を見て【新人類】の男は冷酷な眼差しをふくに向ける。
「その紋様、お前たちが持っていい代物ではないぞ……!それは選ばれた人間だけが持つ事を許されているものだ!地上世界でも失敗作に紋様を持つ者がいたが、記憶を無くすどうしようもないクズだった……。【新人類】だけにあればいい……!」
再び男は【見えない攻撃】を繰り出すが、ヴォルフのガードに阻まれる。
そして、ふくは無詠唱で【蒼焔】を発動し、超高火力の炎が男を襲う。
しかし、涼しそうな顔をして【蒼焔】を打ち消した。
その瞬間、ふくは指を鳴らして衝撃波で男を吹き飛ばし、壁に叩きつけた。
「少しは、わしらのことを認める気になったかの?この位の力を持っておるのじゃ。この世界ではわしらが一番強いのじゃから、分かりやすいじゃろう?」
「……ない……。み……めない……。認めない!ケダモノ共と同じにされてたまるか!」
「『なら死ね』」
ヴォルフの【絶対】が男の呼吸を、血の流れを、心臓の鼓動を、生きるために必要なすべての動きを、体を構成する原子と分子の動きを止めた。
ここまで止められてしまうと普通の生き物や魔獣は勿論、魔物ですら息の根を止めてしまう威力であった。
そして、とどめと言わんばかりの聖なる光を込めた衝撃波で男の体を粉砕した。
「呆気なかったな。まだ、複数体の魔物の方が手強かったぞ」
「ぼるふ、油断するでない。魔障石が壊せなかったのじゃ。【梓弓】の準備をする。時間を稼ぐのじゃ」
ふくは【梓弓】の大弓を作り出し、持っている魔力を込めて詠唱する。
「『聖なる光の力よ、彼の者を……この世界より追い出す力を解き放て!』」
「え……!?」
ヴォルフはふくの詠唱に驚いていると、返答をせず、魔障石に矢を打ち込み、そのまま大穴の奥底に吹き飛ばしていった。
「ふ、ふく!?なんで倒さないの!?」
「……今のわしらじゃ、あの男は倒せぬ……。それに今やるべき事はあの男が戻ってくる前に、ここの魔法の欠陥を直し、この大穴を封印せねばならぬ」
「……二人でも倒せなかった?」
「わしの【梓弓】ですら傷を与えられぬ硬さじゃ。【新人類】とやらは魔物とは違う力でなければならぬようじゃ」
ふくの見立てに若干の不満があったが、ふくの【梓弓】を持ってしても傷が入らない事を聞き、その事実を受け入れる事にした。
そして、ヴォルフは次の手を訊く。
「ふく?この【何でも押し潰す】魔法の直し方わかるの?」
「わからぬ」
意外な答えに一瞬呆気に取られた。
しかし、諦めていない彼女の表情を見て、覚悟を決める。
「オレはヒトの魔法に興味がないから、助言はできないけど、【絶対】と魔力なら貸せるよ……!」
「……この前の様に、わしとぼるふの魔力を混ぜ合わせることができたら、できるのかもしれぬ……」
それを聴いたヴォルフは獣人へと姿を変え、宙に投げ出されたふくを抱き抱える。
そして、口付けをした。
突然の出来事でふくは抵抗し、離れようとするが、下をねじ込まれ、次第に抵抗する気が失くなった。
そして、魔法の条件が満たされたのか、二人の別々の魔力はやがて一つのものになり、体毛の色素が抜けていき、代わりに白金の輝きを帯びた。
本当の意味でふくは神と成り、ヴォルフと同じ土台に立つことができた。
ふくは虚な目で【何でも押し潰す】魔法を見る。
そして口付けを止め、手をかざす。
「……ぼるふのおかげであの魔法が分かったのじゃ……。わしらの魔力をあの魔法に明け渡し、【絶対】でそれを留めてやる。それで、【この部分】は何とかなるじゃろう」
「!!ふく!アイツが戻ってきた!逃げるぞ!」
「大丈夫じゃ……。もう、ここには奴らが通ることはできぬ」
ふくの言うことが理解できず、ふくを抱えてその場から離れる。
【新人類】の男は【何でも押し潰す】魔法に触れる瞬間、何かを察知し、急停止する。
手を伸ばした瞬間、男の腕が引きちぎられて潰れた。
「……忌々しいケダモノ共!いつか、貴様らの首を取ってやるからな……!」
男の咆哮のような叫びを耳に入れ、立ち止まるヴォルフ。
「……ははっ……!本当に直せたのか!」
「……うむ。わしらの魔法じゃ。当然じゃろう?」
ふくは身体の力が入らなくなり、ヴォルフから落ちそうになると、彼はしっかりと抱き抱える。
それはお姫様抱っこであり、ふくは少し恥ずかしそうな顔をする。
二人の魔力の共有がなくなり、ふくの白金の毛並みはいつもの色に戻る。
「……わしは赤子ではない……」
「オレから見たら赤子のようなもんだよ。でも、これは大好きなヒトにするものだって、ポチおから聞いたぞ?」
「……そんな……。わしは……お前とは一緒にいたいと思っておる……。わ、わしも……ぼるふのこと大好き……じゃ。……じゃが、嫁入りは出来ぬ」
「どうして?」
「わしが、国の王となる。それだけは譲らぬ」
ふくの王になるという発言を聞き、思い出したかの様に笑った。
そして、馬鹿にされたように感じたふくは拗ねてそっぽ向いたのだった。
「……なんだその言い草は?偉そうじゃの」
「偉いからそう言っているんだが?そもそもキサマら失敗作共が何を意見する?」
ヴォルフが眉間に皺を寄せ、睨みつけて【それ】に向かって真意を訊いてみる。
「失敗作?何を以て失敗と言っているんだ?」
「簡単だ。キサマらケモノの形をとった人ならざる者どもを失敗作というんだ。それと違い、この様に人の体を維持できたものが【新人類】だということを知っておけ」
「……なら、その【新人類】?てのがこの世界の神であるフェンリルに何の用だ?」
【新人類】と名乗る男に驚きの表情が見られたが、直ぐに機械的な表情へと変わる。
「……ふふ。ふはははっ……!誰が神だって?失敗作が……自惚れるなよ?」
男がヴォルフを睨みつけると見えない何かがヴォルフに向かって放たれる。
ヴォルフは魔力の反応を既に感じ取っていた為、【絶対】による氷柱で防ぐと、その氷は砕け散った。
ふくはそれの意味を知り、魔力を最大限まで高め、身体の紋様を出現させる。
その紋様を見て【新人類】の男は冷酷な眼差しをふくに向ける。
「その紋様、お前たちが持っていい代物ではないぞ……!それは選ばれた人間だけが持つ事を許されているものだ!地上世界でも失敗作に紋様を持つ者がいたが、記憶を無くすどうしようもないクズだった……。【新人類】だけにあればいい……!」
再び男は【見えない攻撃】を繰り出すが、ヴォルフのガードに阻まれる。
そして、ふくは無詠唱で【蒼焔】を発動し、超高火力の炎が男を襲う。
しかし、涼しそうな顔をして【蒼焔】を打ち消した。
その瞬間、ふくは指を鳴らして衝撃波で男を吹き飛ばし、壁に叩きつけた。
「少しは、わしらのことを認める気になったかの?この位の力を持っておるのじゃ。この世界ではわしらが一番強いのじゃから、分かりやすいじゃろう?」
「……ない……。み……めない……。認めない!ケダモノ共と同じにされてたまるか!」
「『なら死ね』」
ヴォルフの【絶対】が男の呼吸を、血の流れを、心臓の鼓動を、生きるために必要なすべての動きを、体を構成する原子と分子の動きを止めた。
ここまで止められてしまうと普通の生き物や魔獣は勿論、魔物ですら息の根を止めてしまう威力であった。
そして、とどめと言わんばかりの聖なる光を込めた衝撃波で男の体を粉砕した。
「呆気なかったな。まだ、複数体の魔物の方が手強かったぞ」
「ぼるふ、油断するでない。魔障石が壊せなかったのじゃ。【梓弓】の準備をする。時間を稼ぐのじゃ」
ふくは【梓弓】の大弓を作り出し、持っている魔力を込めて詠唱する。
「『聖なる光の力よ、彼の者を……この世界より追い出す力を解き放て!』」
「え……!?」
ヴォルフはふくの詠唱に驚いていると、返答をせず、魔障石に矢を打ち込み、そのまま大穴の奥底に吹き飛ばしていった。
「ふ、ふく!?なんで倒さないの!?」
「……今のわしらじゃ、あの男は倒せぬ……。それに今やるべき事はあの男が戻ってくる前に、ここの魔法の欠陥を直し、この大穴を封印せねばならぬ」
「……二人でも倒せなかった?」
「わしの【梓弓】ですら傷を与えられぬ硬さじゃ。【新人類】とやらは魔物とは違う力でなければならぬようじゃ」
ふくの見立てに若干の不満があったが、ふくの【梓弓】を持ってしても傷が入らない事を聞き、その事実を受け入れる事にした。
そして、ヴォルフは次の手を訊く。
「ふく?この【何でも押し潰す】魔法の直し方わかるの?」
「わからぬ」
意外な答えに一瞬呆気に取られた。
しかし、諦めていない彼女の表情を見て、覚悟を決める。
「オレはヒトの魔法に興味がないから、助言はできないけど、【絶対】と魔力なら貸せるよ……!」
「……この前の様に、わしとぼるふの魔力を混ぜ合わせることができたら、できるのかもしれぬ……」
それを聴いたヴォルフは獣人へと姿を変え、宙に投げ出されたふくを抱き抱える。
そして、口付けをした。
突然の出来事でふくは抵抗し、離れようとするが、下をねじ込まれ、次第に抵抗する気が失くなった。
そして、魔法の条件が満たされたのか、二人の別々の魔力はやがて一つのものになり、体毛の色素が抜けていき、代わりに白金の輝きを帯びた。
本当の意味でふくは神と成り、ヴォルフと同じ土台に立つことができた。
ふくは虚な目で【何でも押し潰す】魔法を見る。
そして口付けを止め、手をかざす。
「……ぼるふのおかげであの魔法が分かったのじゃ……。わしらの魔力をあの魔法に明け渡し、【絶対】でそれを留めてやる。それで、【この部分】は何とかなるじゃろう」
「!!ふく!アイツが戻ってきた!逃げるぞ!」
「大丈夫じゃ……。もう、ここには奴らが通ることはできぬ」
ふくの言うことが理解できず、ふくを抱えてその場から離れる。
【新人類】の男は【何でも押し潰す】魔法に触れる瞬間、何かを察知し、急停止する。
手を伸ばした瞬間、男の腕が引きちぎられて潰れた。
「……忌々しいケダモノ共!いつか、貴様らの首を取ってやるからな……!」
男の咆哮のような叫びを耳に入れ、立ち止まるヴォルフ。
「……ははっ……!本当に直せたのか!」
「……うむ。わしらの魔法じゃ。当然じゃろう?」
ふくは身体の力が入らなくなり、ヴォルフから落ちそうになると、彼はしっかりと抱き抱える。
それはお姫様抱っこであり、ふくは少し恥ずかしそうな顔をする。
二人の魔力の共有がなくなり、ふくの白金の毛並みはいつもの色に戻る。
「……わしは赤子ではない……」
「オレから見たら赤子のようなもんだよ。でも、これは大好きなヒトにするものだって、ポチおから聞いたぞ?」
「……そんな……。わしは……お前とは一緒にいたいと思っておる……。わ、わしも……ぼるふのこと大好き……じゃ。……じゃが、嫁入りは出来ぬ」
「どうして?」
「わしが、国の王となる。それだけは譲らぬ」
ふくの王になるという発言を聞き、思い出したかの様に笑った。
そして、馬鹿にされたように感じたふくは拗ねてそっぽ向いたのだった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
追放された宮廷錬金術師、彼女が抜けた穴は誰にも埋められない~今更戻ってくれと言われても、隣国の王子様と婚約決まってたのでもう遅い~
まいめろ
ファンタジー
錬金術師のウィンリー・トレートは宮廷錬金術師として仕えていたが、王子の婚約者が錬金術師として大成したので、必要ないとして解雇されてしまった。孤児出身であるウィンリーとしては悲しい結末である。
しかし、隣国の王太子殿下によりウィンリーは救済されることになる。以前からウィンリーの実力を知っていた
王太子殿下の計らいで隣国へと招かれ、彼女はその能力を存分に振るうのだった。
そして、その成果はやがて王太子殿下との婚約話にまで発展することに。
さて、ウィンリーを解雇した王国はどうなったかというと……彼女の抜けた穴はとても補填出来ていなかった。
だからといって、戻って来てくれと言われてももう遅い……覆水盆にかえらず。
マジカルメタモルショータイム!
夜狐紺
ファンタジー
――魔法と変身の、ダークメルヘン。
中学生の私が突如召喚された先は、ファンタジーな異世界の華やかなマジックショーの舞台。そこで私はピンクの髪に青い瞳の、まだ十才ぐらいの魔法使いの女の子によって『ケモノ』の姿に変えられてしまう。人間を変身させる彼女のマジックは大人気で、元に戻れないまま私は彼女のアシスタントとして、魔法の世界を連れ回されることになる――。
おもちゃにお菓子に動物に、変化魔法が大好きなマジシャン『フィー』と、そのパートナーの元人間の兎獣人。旅する二人と様々な魔法使い達の出会いが織りなす、『魔法』と『変身』を巡るダークファンタジー!
※小説家になろう・pixiv・エブリスタにも公開しています。
処刑されたのでなんとか回避エンドをもう一度目指します
酒田愛子(元・坂田藍子)
ファンタジー
キャロラインは、敵国の内通者として冤罪で処刑された...はずだったが、気がつくと10年前に戻っていた。
なんとかして処刑エンドは回避します!
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜
青空ばらみ
ファンタジー
一歳で両親を亡くし母方の伯父マークがいる辺境伯領に連れて来られたパール。 伯父と一緒に暮らすお許しを辺境伯様に乞うため訪れていた辺境伯邸で、たまたま出くわした侯爵令嬢の無知な善意により 六歳で見習い冒険者になることが決定してしまった! 運良く? 『前世の記憶』を思い出し『スマッホ』のチェリーちゃんにも協力してもらいながら 立派な冒険者になるために 前世使えなかった魔法も喜んで覚え、なんだか百年に一人現れるかどうかの伝説の国に迷いこんだ『迷い人』にもなってしまって、その恩恵を受けようとする『当たり人』と呼ばれる人たちに貢がれたり…… ぜんぜん理想の田舎でまったりスローライフは送れないけど、しょうがないから伝説の国の魔道具を駆使して 気ままに快適冒険者を目指しながら 周りのみんなを無自覚でハッピーライフに巻き込んで? 楽しく生きていこうかな! ゆる〜いスローペースのご都合ファンタジーです。
小説家になろう様でも投稿をしております。
【完結】聖女ディアの処刑
大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。
枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。
「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」
聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。
そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。
ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが――
※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・)
※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・)
★追記
※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。
※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる