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男を可愛いと思う日がくるとは、人生なにがあるか分からないものだ。けれど、普段は厳めしい面を真っ赤にして、俺の身体に触れてくるアザドを見ているとつい思ってしまう。キスをしながら抜き合うのにも慣れてきて、最近は太腿を使って疑似行為もしている。尻に関しては漸く指が二本入る程度だが、深く舌を絡めながら中を弄られていると少しずつ痺れのような疼きのような奇妙な感覚が腰を震わせるようになってきた。
くちゅっ、と音を立てながらゆっくりと中を押し広げられて、思わず吐息が漏れてしまう。それでも、もう随分と長い間、こうして弄ってもらっている。アザドの胸を押して唇を離そうとすると、彼は名残惜しそうに下唇を軽く食んでから離れていった。
「んっ……アザド、今日はもういいよ。指も疲れてきただろ」
「っ、俺はまだ……」
「今度は胸使って良いから」
こんな平べったいだけの胸を使うも何もないのだが、アザドの喉仏が大きく上下するのが分かった。彼はガチガチに硬化したペニスを俺の胸に押し当てるようにして跨ると、ゆっくりと腰を揺らし始める。まだ挿入ができない代わりに何気なく提案したのだが、こんな床みたいな胸でも意外と気持ちがいいらしい。ぬるりと硬く熱いものが肌を擦りあげ、時に乳首の先端を掠めてくる。俺の身体に欲情し、ここまで硬くしてくれているのかと思うと、腹の奥がむず痒くなってしまう。
はやく、はやく俺も受け入れられるようになりたいが、流石にまだ時間が必要だ。せめて、もっと気持ちよくなってもらえるようにと、唇に擦りつけられるそれに舌先を触れさせた。そのまま亀頭部分を優しく吸ったり舐めたりしていると、次第にアザドの腰の動きが緩慢になっていく。ちゅぱっ、ちゅぷ、と濡れた音を立てながら亀頭部分のみを浅く出し入れされて、応えるように拙いながらも舌を動かした。
「ぅ……っ」
時おり漏れ聞こえてくる呻き声に、ぞくぞくとした痺れが走る。ちゃんと気持ちよく出来ているのが分かって、何故か俺自身が高められてしまう。口内で徐々に増していく大きさに腰を震わせながらも懸命に奉仕を続けていると、アザドの身体が震えてペニスが引き抜かれた。そのまま大量の精液が顔にかけられ、驚きに瞼をぎゅっと閉じる。びちゃびちゃと額に頬に瞼の上にすら熱を感じて、衝撃に身体が跳ねてしまう。目を開けられないまま固まっていると、ひゅっと喉が鳴る音がした。
「すまない……すまない……っ」
分厚い掌が、ぐいぐいと顔を拭ってくれる。予告もできないほど夢中になってくれたのかと思えば嬉しいのだが、アザドは申し訳なさそうに眉を下げて死にそうな面をしている。この程度で嫌いになるなら、そもそも誘っていないと思うのだが。
この厳つい男は、何故か俺に嫌われるのが極端に怖いらしい。あまり部屋から出ないでほしいと言われているので外の様子を知らないが、どうやらアザドは周囲からかなり怖がられているようだ。俺のことを疎むくらい慕う者がいるのに、そういう輩ですら彼を前にすると怯えたような顔をする。畏怖と敬意を一身に受けているからこそ、万が一にも罰せられることを恐れて不満を抱えつつも俺に実害を与えてこないのだろう。俺としては助かるが、こんな風に縋りつかれてしまうと、なんだかなあと思ってしまう。可愛いとこも十分にある人なんだけどなあ、と思いつつも、太い首に腕を回して自分から唇を重ねた。それだけで顔をくしゃっとさせて、安心したように笑うのが可愛い。この人といると可愛いしか言えなくなる辺り、もう嵌まってしまっている気がする。
「クルト、そろそろ挿れても大丈夫か……?」
「……うん、ゆっくりお願い」
自分から四つん這いなり、大きく足を開いて見せる。念入りにほぐされた尻穴はひくひくと期待に震えてしまい、そこを見られているのかと思うと流石に恥ずかしい。けれど、それを耐えない事には先には進めないのだ。尻穴の縁に指が掛けられ、ぐっと引っ張られるのがわかる。そして、今日よりも太さと長さを増した張り型が、ゆっくりと粘膜を押し広げながら奥へ奥へと入ってくる。メリメリと肉が悲鳴を上げる音がして、思わず息が詰まった。
「んっ……ん、ん……ぅ……っ」
「だ、大丈夫か? 大きさを戻した方が」
「いい、から……そのまま、ゆっくり……っ」
初めて大きくするときは、ちょっとくらい無理をしなければ入らない。我慢できないほどの痛みではないし、一度入れてしまいさえすれば徐々に慣れてくる。シーツが皺を刻むほどに強く掴みながら、ふぅふぅと荒く息を吐き続ける。アザドはこちらを気遣いながらゆっくりと張り型を押しこんでくれて、ようやく全てが収まりきった。その頃には全身が汗だくになっていて、顎から汗が滴り落ちるほどだった。
僅かな変化と言えども、これでまた一歩前進だ。アザド自身のものを受け入れられる日も、きっとそう遠くない。小さな達成感を覚えつつも、くたりとベッドに倒れ込むと、アザドが嬉しそうに頬を寄せてくる。ぴったりと密着した状態では、肌に触れるペニスの硬さにも気づいてしまう。
「……抜いてあげよっか?」
「いや、大丈夫だ。頑張ってくれたお前に、これ以上の無理はさせられない。今日はこのまま眠ろう」
ぜぇぜぇと息を荒げながら問いかければ、困ったような顔をされてしまった。分厚い胸に抱きこまれ、汗ばんだ肌が重なる。俺は男だし、多少の乱暴くらい耐えられるのだが、アザドは毎回優しく抱いてくれる。別にいいのにと思う一方で、だからこそ早く受け入れられるようになりたいと思えるのも分かっていた。……少し、複雑な気分だ。
くちゅっ、と音を立てながらゆっくりと中を押し広げられて、思わず吐息が漏れてしまう。それでも、もう随分と長い間、こうして弄ってもらっている。アザドの胸を押して唇を離そうとすると、彼は名残惜しそうに下唇を軽く食んでから離れていった。
「んっ……アザド、今日はもういいよ。指も疲れてきただろ」
「っ、俺はまだ……」
「今度は胸使って良いから」
こんな平べったいだけの胸を使うも何もないのだが、アザドの喉仏が大きく上下するのが分かった。彼はガチガチに硬化したペニスを俺の胸に押し当てるようにして跨ると、ゆっくりと腰を揺らし始める。まだ挿入ができない代わりに何気なく提案したのだが、こんな床みたいな胸でも意外と気持ちがいいらしい。ぬるりと硬く熱いものが肌を擦りあげ、時に乳首の先端を掠めてくる。俺の身体に欲情し、ここまで硬くしてくれているのかと思うと、腹の奥がむず痒くなってしまう。
はやく、はやく俺も受け入れられるようになりたいが、流石にまだ時間が必要だ。せめて、もっと気持ちよくなってもらえるようにと、唇に擦りつけられるそれに舌先を触れさせた。そのまま亀頭部分を優しく吸ったり舐めたりしていると、次第にアザドの腰の動きが緩慢になっていく。ちゅぱっ、ちゅぷ、と濡れた音を立てながら亀頭部分のみを浅く出し入れされて、応えるように拙いながらも舌を動かした。
「ぅ……っ」
時おり漏れ聞こえてくる呻き声に、ぞくぞくとした痺れが走る。ちゃんと気持ちよく出来ているのが分かって、何故か俺自身が高められてしまう。口内で徐々に増していく大きさに腰を震わせながらも懸命に奉仕を続けていると、アザドの身体が震えてペニスが引き抜かれた。そのまま大量の精液が顔にかけられ、驚きに瞼をぎゅっと閉じる。びちゃびちゃと額に頬に瞼の上にすら熱を感じて、衝撃に身体が跳ねてしまう。目を開けられないまま固まっていると、ひゅっと喉が鳴る音がした。
「すまない……すまない……っ」
分厚い掌が、ぐいぐいと顔を拭ってくれる。予告もできないほど夢中になってくれたのかと思えば嬉しいのだが、アザドは申し訳なさそうに眉を下げて死にそうな面をしている。この程度で嫌いになるなら、そもそも誘っていないと思うのだが。
この厳つい男は、何故か俺に嫌われるのが極端に怖いらしい。あまり部屋から出ないでほしいと言われているので外の様子を知らないが、どうやらアザドは周囲からかなり怖がられているようだ。俺のことを疎むくらい慕う者がいるのに、そういう輩ですら彼を前にすると怯えたような顔をする。畏怖と敬意を一身に受けているからこそ、万が一にも罰せられることを恐れて不満を抱えつつも俺に実害を与えてこないのだろう。俺としては助かるが、こんな風に縋りつかれてしまうと、なんだかなあと思ってしまう。可愛いとこも十分にある人なんだけどなあ、と思いつつも、太い首に腕を回して自分から唇を重ねた。それだけで顔をくしゃっとさせて、安心したように笑うのが可愛い。この人といると可愛いしか言えなくなる辺り、もう嵌まってしまっている気がする。
「クルト、そろそろ挿れても大丈夫か……?」
「……うん、ゆっくりお願い」
自分から四つん這いなり、大きく足を開いて見せる。念入りにほぐされた尻穴はひくひくと期待に震えてしまい、そこを見られているのかと思うと流石に恥ずかしい。けれど、それを耐えない事には先には進めないのだ。尻穴の縁に指が掛けられ、ぐっと引っ張られるのがわかる。そして、今日よりも太さと長さを増した張り型が、ゆっくりと粘膜を押し広げながら奥へ奥へと入ってくる。メリメリと肉が悲鳴を上げる音がして、思わず息が詰まった。
「んっ……ん、ん……ぅ……っ」
「だ、大丈夫か? 大きさを戻した方が」
「いい、から……そのまま、ゆっくり……っ」
初めて大きくするときは、ちょっとくらい無理をしなければ入らない。我慢できないほどの痛みではないし、一度入れてしまいさえすれば徐々に慣れてくる。シーツが皺を刻むほどに強く掴みながら、ふぅふぅと荒く息を吐き続ける。アザドはこちらを気遣いながらゆっくりと張り型を押しこんでくれて、ようやく全てが収まりきった。その頃には全身が汗だくになっていて、顎から汗が滴り落ちるほどだった。
僅かな変化と言えども、これでまた一歩前進だ。アザド自身のものを受け入れられる日も、きっとそう遠くない。小さな達成感を覚えつつも、くたりとベッドに倒れ込むと、アザドが嬉しそうに頬を寄せてくる。ぴったりと密着した状態では、肌に触れるペニスの硬さにも気づいてしまう。
「……抜いてあげよっか?」
「いや、大丈夫だ。頑張ってくれたお前に、これ以上の無理はさせられない。今日はこのまま眠ろう」
ぜぇぜぇと息を荒げながら問いかければ、困ったような顔をされてしまった。分厚い胸に抱きこまれ、汗ばんだ肌が重なる。俺は男だし、多少の乱暴くらい耐えられるのだが、アザドは毎回優しく抱いてくれる。別にいいのにと思う一方で、だからこそ早く受け入れられるようになりたいと思えるのも分かっていた。……少し、複雑な気分だ。
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