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十三
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十三
「こんなところ、何があるんだよ」
俺は月子の荷物である大きなトランクを引っ張りながら、彼女に訊いた。俺の少し前を歩く月子は、ワンピースに麦わら帽子という、ベタなバカンス風のファッションだった。夏の暑い風が、彼女の周りを吹き抜けた。
月子は俺を振り返って、笑いながら言った。
「ちょっとした知り合いの家がここにあるのよ。涼しいし、問題ないでしょ?」
「そりゃあ、ないけどなぁ」
俺は隣の小李を見たが、彼はなにも言わずに、ただ月子の後に従って歩いていた。小李もトランクを引いている。そして背中にもリュックを背負っていた。リュックが小李の荷物、トランクは月子の荷物だ。
ここは綺会学園を遠く離れた、某県の中部地方である。標高が高く、近くに湖もあるためか、綺会学園の辺りと比べれば格段に涼しい。俺たちはその町の駅からバスに乗り、山道を四十分ほどグネグネと曲がる道を上がった後、今は、山奥の方へ向かって歩いていた。道路は舗装されているは、だいぶ痛んでいた。
「こんな山奥に住むとは、どういう人間か、気になるな。買い物も大変だろうに」
「野菜は自給自足だって聞いたわよ。肉はさすがに買ってくるようだけど。電気もガスも水道も問題ないし、ついでに最近はかなり高速のインターネットの設備も整ったらしいわ。良い時代になったわね。あぁ、そうだ、もうこの辺、その子の家の敷地らしいわよ」
「い? つまり、山を持っているのか?」
そこら中に、ね。月子が悪ふざけの笑みを浮かべてそう言ったので、俺は呆れた。とんでもない金持ちなのだろう。どういう人間か、ますます、興味が沸く。
「あ、ほら。門が見えてきたわ」
月子の声に視線を前に向けると、まっすぐの道の向こうに、石造りの階段があり、その上に門が見えた。立派な構えの門だった。表札は遠くて見えない。
「ん?」
俺は遠くで、マナの気配を感じ視線を向けた。膨れ上がったり、急速に小さくなったり、それを繰り返している。そして不意に、何も感じなくなった。
「つき……」
「何? どうしたの?」
「……マナの気配が……いや……、何でもない」
マナの気配は消えてしまったので、俺はもう考えるのをやめた。どこかでマスターとマリオネットが農作業でもしているのかもしれない。
石の階段は全部で四十二段あった。月子のトランクは、何が入っているのか、滅茶苦茶、重かった。しかも「丁寧に扱って!」とか「ぶつけないで!」 とか、逐一、注意が入ったので、さすがに苛立ちながら、それでも俺は一度もどこにもぶつけなかったし、地面に置く時も、そっと、置いた。
階段の上に着いた時、門がよく見えた。
表札には、『虚木』と書かれていた。
「おい、月子、ここって、まさか……」
月子が急に不機嫌そうになって、言った。
「そう。真利阿のバカの実家よ」
門の向こうには、立派な純和風の屋敷が広がっていた。何室あるのか、即座には判断できない。広さも分からなかった。ただ広大で、古いという事は分かる。中に入ってみると、案の定、床がギシギシと軋み、廊下は薄暗かった。
出迎えてくれたのは、一人の青年だったが、俺は即座に気付いた。
オートマタだ。
「ようこそ、おいで、ください、ました」
オートマタがそう言った。俺は名前を聞こうと思ったが、向こうが先に名乗った。
「私は、団十郎、です」
「真利阿が作ったのか?」
「はい。マイト、は、虚木、真利阿、さま、です」
俺の言葉に、どこかぎこちない言葉で答えた団十郎は、「どうぞ、こちらへ」と言って俺と月子、小李を中へと連れて行った。月子は何度も来ているらしく、団十郎に「部屋はいつもの部屋?」と聞いた。団十郎が肯定すると、月子は小李にその部屋へ先に行かせた。小李は俺が背負っていたリュックも持ってくれて、先に泊る部屋に置いてきてくれるようだった。
「このトランクは?」
「それはまだ持っていて」
トランクを引っ張る俺と、手ぶらの月子、そして団十郎が廊下を歩く。
やがて、和室の一つに通された。
「おーおー、月子ちゃん、いらっしゃい!」
突然の大音声に俺が目を丸くすると、和室にいた和装の大柄な男性が、両手を広げて立ち上がった。そして月子を抱きしめたので、俺は何事かと思って固まっていた。
「こんにちは、巌おじさん」
月子が苦しそうにそう言うと、巌と呼ばれた男は、月子に頬ずりしそうな勢いで言った。
「月子ちゃんが名前を覚えていてくれて、おじさん、感激だよ!」
「は、はい、分かりましたから、は、離れてください。奏おばさんにまた、お小言を言われますよ」
「おーおー、そうだった。気をつけないとな」
男がこちらを見る。そして目を丸くする。
「きみは狗彦くんじゃないか。真利阿の相手をしてくれた、あの!」
「は、はぁ」
抱きつかれるか、と身構えたが、男は巨大な手をこちらに差し出してくるだけで、安心した。握手をする。その手には豆がいくつかあり、その中には、マスター特有のマメもあると分かった。
「僕の名前は、虚木巌だよ。真利阿の父だ」
「俺は、いえ、僕は、狗彦と言います。ご存じのようですが」
「君が破壊したドームの修繕費、あれは結構、大きかったなぁ」
ギクッとしつつ、俺は乾いた笑い声で誤魔化した。
綺会学園のドームの修繕費は、真利阿と俺が払う事になっていたが、俺は身寄りがいないので、俺の分は半分以上を二条先生が肩代わりし、それ以外は即座にローンを組んで支払った。だから、俺はこれから、二条先生に借金を返しつつ、ローン会社にも借金を返す必要がある。
真利阿の支払い分は、真利阿の両親が払ったのだろう。
巌さんはにっこりと笑うと、俺と月子を座布団に座らせた。そして俺が傍らに置いたトランクを見て、首をかしげた。
「それは、月子ちゃんの荷物?」
「ええ。これは、真利阿へのお届けものですわ」
「そうか。悪いね。わざわざ。真利阿もそろそろ、ここへ来ると思うけど」
そう言うと同時にふすまの向こうで、「失礼します」という声が聞こえたので、俺はそちらを反射的に向いていた。そしてすぅっとふすまがゆっくり開くと、和装の美人がそこにいた。
真利阿によく似ているが、背は真利阿より高いようだし、髪の毛も今は結いあげている。
「こんにちは、奏おばさん」
「いらっしゃい、月子ちゃん。そして、狗彦くんも」
お茶とお茶菓子の載ったお盆を持った女性は、ゆっくりと部屋に入ってくると、それぞれの前にお茶を置き、そして巌の隣に腰を下ろした。
「はじめまして、真利阿の母の、奏です」
「ど、どうも、狗彦です」
「この前は盛大にドームを壊して、おばさん、驚きましたよ。色々と」
ハハハと、また笑ってごまかすしかない。
「その話はもう僕からもしたよ、奏。それより、真利阿はまだなのかな?」
「さっき、身支度を整えていましたよ。すぐに来るでしょう」
どこかのんびりした夫婦である。娘の真利阿も、もっと穏やかな性格でもよさそうなものだが、それはこの二人に反発してのことかもしれない。
「月子ちゃんにはもう話したかな。昔の話になるけれど……」
巌さんがそう切り出したので、俺はその続きに集中した。
「小学校に上がって間もなく、真利阿は、突然、マイトになる、と言いだしてね。当然、僕としては、このマスターの家系である虚木の一人娘なのだから、マスターになるのが筋というか、定め、と言ってはおかしいけど、そういうものだと思っていた。しかし、真利阿は自分でオートマタ作りを始め、専門書を読み、論文を読み、研究し、そうして小学校中学年の時に、自分でオートマタを完成させたんだ」
「懐かしいですねぇ」
奏さんが相槌を打つと、巌さんも頷いた。
「そうだなぁ。僕も、最初はマイトになるなんて大反対だったけど、それでも、真利阿の頑張りと言うか、勢い、集中力には、目を見張ったものだ。それで、交換条件を出すことにした。マスターの勉強をするのなら、マイトの真似事をしても良い、と」
「それで、真利阿さんは、綺会学園のマスター科に入ったのですか?」俺が訊くと、巌さんと奏さんは、笑いながら頷いた。
「最初も最初、入学試験から苦しい成績だったね。それでも入学して、高等部に進み、二条先生のお世話になって、部屋でオートマタの研究をしている、というのは、僕たちからしても、頑張っていたと思うよ」
「そうですね。真利阿は、そういう子です」月子が肯定すると、夫婦はにっこりと笑って視線を合わせた。しかし、その表情に微かに影が差した。
「それが学校を辞めるなんて、まぁ、突然のことで驚いたのなんの。でも、それもまたあの子が決めたこと。休み明けから、公立校の、マイト科に転入する手続きをしているんだよ」
「え? そうなんですか?」
俺が間抜けにもそう言うと、二人は神妙にうなずいた。俺は月子の方を見たが、月子は前だけをじっと見て、俺の方を見なかった。夫婦は話題を変えようとしたのか、奏さんが早口で言った。
「先ほど、団十郎を見たでしょう? どうでした?」
「かなりの出来だと思いましたが。学生が作ったとは思えません」
俺の言葉に、奏は楽しげな笑みを浮かべ、小さな声で言った。
「団十郎は、実は、ノープリント・オートマタだったんですよ」
「本当ですか?」
俺に夫婦は本当に嬉しそうに頷いた。ノープリント・オートマタというのは、オートマタの中でも、何も書きこまれていない状態の、まっさらなオートマタをさす。つまり、最低限の生命維持はできるが、何も知識や経験が無いのだ。マイトがそこに一から情報を入力する事になる。
奏さんが言う。
「一週間前にしっかりと完成したようなのですが、接客もできますし、それに掃除や洗濯、家事など、何でもやってくれるんです。私は大助かりですよ」
「あの、巌さんは、マスターですよね?」
俺が訊くと、彼は少し驚いた顔をしてから笑った。
「昔の話だよ。今は、ただの一人の父親かな。そして、団十郎にマナを時折、供給するのが仕事のようなものなんだ」
その言葉の後は、もう誰も喋らなかった。しばらく、静かな時間が流れる。俺は和室の外に気付いて視線を向けた。整備された庭の向こうに、竹林が広がっている。いかにも涼しげだ。
それに気を取られていたので、ふすまが開いた時、まったく意識せずに、そちらを見ていた。
作業服姿の真利阿が、そこに立っていた。少し伸びた髪の毛を後ろでひとまとめにしている。
「こんにちは」
真利阿は無感情にそう言った。そして奏さんの隣に腰を下ろした。月子が「久しぶりね」と言うと、「そうね」とそっけなく、答えた。巌さんと奏さんが困った顔をしているのを助けるためか、月子が、俺の隣のトランクを指差し、「指定していた物、ちゃんと手に入れてきたわよ」と告げたが、真利阿は、「分かった」と短く答えただけだった。
俺は真利阿をぼんやりと見てた。真利阿は、微かに雰囲気が変わったが、ほとんど前のままだ。もう一ヶ月以上、会っていなかったのに、それを感じさせないほど、真利阿は自然だった。
「まり――」
「狗彦、試験はどうしたの?」
真利阿が機先を制して聞いてきたので、俺は言葉を飲みこみ、恐る恐る言った。
「月子の世話になった。まぁ、二回戦で負けたけど」
「怪我、した?」
俺はティーシャツから出ている右腕を指差した。今はまっさらな腕だ。
「ここで腕を斬られたけど、まぁ、二条先生の腕にかかれば、あっという間に治ったな。それだけだよ」
「そう」
真利阿の唇が「よかった」と続けて動いたような気がしたが、しかし声にはなっていなかった。俺の気のせいかもしれない。
それからしばらく間があった後、月子が立ち上がり、「あんたの部屋、見せてよ」と真利阿に言ったので、真利阿も立ち上がり、そして俺の隣のトランクをつかむと、月子を連れて部屋から出て行った。俺はしばらく、巌さんと奏さんと、顔を突き合わせていたが、会話らしい会話はなかった。
やがて、団十郎が来て、「狗彦、さま、お部屋へ、ご案内、いたします」と言ったので、俺は席を立った。和室を出る直前に、奏さんが、
「残念ねぇ」
と呟いた。俺は聞こえなかったふりをして、和室を出た。
背後のふすまの向こうで、「真利阿も気分が晴れればいいんだが」と、巌さんが言っていた。
俺に、真利阿をどうする事が出来るだろう。
月子が真利阿の部屋に入るのは、半年ぶりだった。前の冬に、この近くのスキー場でスノボをやろうという話になり、月子と優奈が泊ったのだ。
「きったない部屋ねぇ」
月子がそう言うと、真利阿はふんと鼻を鳴らした。
実際、壊滅的に汚い部屋だった。ゴミ箱の周囲にはゴミが散らかっている。床の隅には細かな電子部品が山になっていて、そして別の片隅では本が雑然と積まれていた。床にはばらされたコンピュータが二台転がり、大きなデスクの上には電子工作の工具が出しっぱなしだし、何色ものペンも自由に転がっていた。布団は万年床である。
月子は部屋の中へ踏み込んで、何かを踏みつけてしまったので、慌てて足を上げた。
それは小さなスピーカーだった。何に使ったのだろう? 分解したパソコンの一部だろうか? それはもう放っておくことにして、月子は安全圏であろう布団の上に乗った。真利阿は慣れた様子で、トランクを引きずって室内を進み、トランクで乱暴にガラクタを弾き飛ばしながら、椅子に座った。
「月子……」
「なによ?」
真利阿はもじもじと縮こまりながら、続きを言えないでいるようだった。月子はいつものように対応した。
「早く言いなさいよ、間抜け」
「間抜けじゃない。月子、狗彦を、ありがとう」
月子はそっぽを向いた。
「別に、好きでやったんだから、礼なんていらないわ。それにね、犬コロは自分から私のマリオネットになろうとしたんだから」
真利阿がその言葉を聞いて顔を俯かせたので、月子は言い過ぎたかな、とちょっと不安になった。それでも真利阿をじっと見るだけにしていると、真利阿は小さく首を振って、月子に笑ってみせた。
「それでも、ありがとう」
「な……バカじゃないの、バカ真利阿」
「うん……」
月子は気になっていることを聞いた。
「髪の毛、最近は、そうしているの?」
「え? うん。うざったいからね」
「ふぅん」
月子は真利阿自身も気付いていない、真利阿の癖に思いを巡らせたが、まだ推測の域を出ないので、黙っていた。
「団十郎の開発室、見てく?」
真利阿がそう言いながら立ち上がったので、月子も布団から降りた。
二人は部屋を出た。
◆
月子たちが帰る日、まだ夜も明けきらぬうちに、月子は目を覚ました。物音がした気がしたのだ。布団から身を起こし、身支度を整えると、部屋を出て、真利阿の部屋に行ってみた。
中を見ると、真利阿の布団はもぬけの殻だった。こんな朝からどこへ行っているのか。月子は仕方なく、小李の部屋へ行ってみることにした。そちらの部屋にいていると、今度は、小李の横で寝ているはずの狗彦がいない。
ますます不審に思いつつ、月子は家の中を探索するわけにもいかず、外に出た。
門が薄く開いているので、月子はその外に立って、しばらく、ぼうっとしていた。
「よぉ、月子」
声の方を見ると、階段の下に、狗彦がいた。身軽な格好をしていて、額から汗が流れている。
「犬コロ、なにしてるわけ?」
「ちょっと走ってきたんだよ。運動だ、運動。学園ならトレーニングが出来るけど、ここじゃ出来ないからな。鈍らないように、と思ったわけだ」
「真利阿、見た?」
狗彦が階段を駆け上がりながら、器用に首をかしげて見せた。
「真利阿なんて見ていないよ」
「あんた、どっちに行ったの?」
「山の下の方。上の方は、よく分からないんだ」
月子は階段を上り終わった狗彦と入れ違いに、階段を降りはじめた。視線を向けずに、狗彦に言う。
「ちょっとそこらを散歩してくる。たぶん、朝食までには戻ると思う」
「ふぅん、分かった。じゃあな」
狗彦は門の中へ入って言った。月子は階段をゆっくり下りると、一番近い分かれ道まで進んだ。道は山を下る道と、山を越える道に別れている。月子は迷わず、山を越える方の道を選んだ。舗装されているが、こちらは長い間、補修されていないらしく、ボロボロで、ところどころに穴が開いている。
サンダルで来たことを後悔しながら、それでも十五分ほど歩くと、月子は近くでマナの気配を感じた。
視線を向けると、森の中だ。溜息を吐きながら、低く茂った下草の中に分ける。スカートではなくジャージを着てきて良かった。しかしサンダルだから、足を虫に刺されるだろう、とは覚悟した。
少し山の中に入ると、近くの木々に、何かの痕跡があるのが分かった。何か、鋭いものが撫でたような、そんな痕だ。よくよく見ると些細な違いだが、細いものもあれば、太いものもある。何だろう?
月子はさらに山奥に入り、そこで――――それを見た。
◆
帰りの電車の中で、俺は小さな機械を握り締めて、じっとしていた。
ビィィィー!
「うるさいわね! やめてよ!」
周囲から怒りの気配を感じながら、月子の怒鳴り声に、俺は「悪い」と呟きで答えて、また意識を集中させた。
二条先生が俺に渡した、マナの制御術訓練器具だ。送り返すマナの量を制御する機能に加えて、マナの吸入量を制御する訓練の機能を今、同時に使っていた。
俺はマナの吸入量を細かく制御しようとしていた。器具からは、一本の操糸が月子に繋がっている。真利阿と操糸で結ばれた時に比べれば、マナの量は格段に少ないが、それがより、難度を増していた。俺は少ないマナを、さらに少なく、取りこんでいく。
器具のランプの赤が消灯し、メーターの針の揺れが小さくなっていく。
俺はほとんど目をつむるようにして、意識を集中させた。
緑のランプが、つく。
が、一瞬で消えると、針が震え、赤いランプが灯った。それでもどうにか、ブザーは慣らさないように、再び集中する。
こんなことをしても、もう意味はないかもしれない。俺をまともに使えるマスターは、もういないのだから。それでも、と俺は考えていた。
それでも、もしかしたら、まだ俺は、俺たちは、戦えるかもしれない。
俺は月子がこちらに向ける視線に、どこか、柔らかいものを感じたが、しかしそれに注意を払う余裕はなく、電車が綺会学園に着くまで、ずっと、訓練器具を操作し続けた。
(続く)
「こんなところ、何があるんだよ」
俺は月子の荷物である大きなトランクを引っ張りながら、彼女に訊いた。俺の少し前を歩く月子は、ワンピースに麦わら帽子という、ベタなバカンス風のファッションだった。夏の暑い風が、彼女の周りを吹き抜けた。
月子は俺を振り返って、笑いながら言った。
「ちょっとした知り合いの家がここにあるのよ。涼しいし、問題ないでしょ?」
「そりゃあ、ないけどなぁ」
俺は隣の小李を見たが、彼はなにも言わずに、ただ月子の後に従って歩いていた。小李もトランクを引いている。そして背中にもリュックを背負っていた。リュックが小李の荷物、トランクは月子の荷物だ。
ここは綺会学園を遠く離れた、某県の中部地方である。標高が高く、近くに湖もあるためか、綺会学園の辺りと比べれば格段に涼しい。俺たちはその町の駅からバスに乗り、山道を四十分ほどグネグネと曲がる道を上がった後、今は、山奥の方へ向かって歩いていた。道路は舗装されているは、だいぶ痛んでいた。
「こんな山奥に住むとは、どういう人間か、気になるな。買い物も大変だろうに」
「野菜は自給自足だって聞いたわよ。肉はさすがに買ってくるようだけど。電気もガスも水道も問題ないし、ついでに最近はかなり高速のインターネットの設備も整ったらしいわ。良い時代になったわね。あぁ、そうだ、もうこの辺、その子の家の敷地らしいわよ」
「い? つまり、山を持っているのか?」
そこら中に、ね。月子が悪ふざけの笑みを浮かべてそう言ったので、俺は呆れた。とんでもない金持ちなのだろう。どういう人間か、ますます、興味が沸く。
「あ、ほら。門が見えてきたわ」
月子の声に視線を前に向けると、まっすぐの道の向こうに、石造りの階段があり、その上に門が見えた。立派な構えの門だった。表札は遠くて見えない。
「ん?」
俺は遠くで、マナの気配を感じ視線を向けた。膨れ上がったり、急速に小さくなったり、それを繰り返している。そして不意に、何も感じなくなった。
「つき……」
「何? どうしたの?」
「……マナの気配が……いや……、何でもない」
マナの気配は消えてしまったので、俺はもう考えるのをやめた。どこかでマスターとマリオネットが農作業でもしているのかもしれない。
石の階段は全部で四十二段あった。月子のトランクは、何が入っているのか、滅茶苦茶、重かった。しかも「丁寧に扱って!」とか「ぶつけないで!」 とか、逐一、注意が入ったので、さすがに苛立ちながら、それでも俺は一度もどこにもぶつけなかったし、地面に置く時も、そっと、置いた。
階段の上に着いた時、門がよく見えた。
表札には、『虚木』と書かれていた。
「おい、月子、ここって、まさか……」
月子が急に不機嫌そうになって、言った。
「そう。真利阿のバカの実家よ」
門の向こうには、立派な純和風の屋敷が広がっていた。何室あるのか、即座には判断できない。広さも分からなかった。ただ広大で、古いという事は分かる。中に入ってみると、案の定、床がギシギシと軋み、廊下は薄暗かった。
出迎えてくれたのは、一人の青年だったが、俺は即座に気付いた。
オートマタだ。
「ようこそ、おいで、ください、ました」
オートマタがそう言った。俺は名前を聞こうと思ったが、向こうが先に名乗った。
「私は、団十郎、です」
「真利阿が作ったのか?」
「はい。マイト、は、虚木、真利阿、さま、です」
俺の言葉に、どこかぎこちない言葉で答えた団十郎は、「どうぞ、こちらへ」と言って俺と月子、小李を中へと連れて行った。月子は何度も来ているらしく、団十郎に「部屋はいつもの部屋?」と聞いた。団十郎が肯定すると、月子は小李にその部屋へ先に行かせた。小李は俺が背負っていたリュックも持ってくれて、先に泊る部屋に置いてきてくれるようだった。
「このトランクは?」
「それはまだ持っていて」
トランクを引っ張る俺と、手ぶらの月子、そして団十郎が廊下を歩く。
やがて、和室の一つに通された。
「おーおー、月子ちゃん、いらっしゃい!」
突然の大音声に俺が目を丸くすると、和室にいた和装の大柄な男性が、両手を広げて立ち上がった。そして月子を抱きしめたので、俺は何事かと思って固まっていた。
「こんにちは、巌おじさん」
月子が苦しそうにそう言うと、巌と呼ばれた男は、月子に頬ずりしそうな勢いで言った。
「月子ちゃんが名前を覚えていてくれて、おじさん、感激だよ!」
「は、はい、分かりましたから、は、離れてください。奏おばさんにまた、お小言を言われますよ」
「おーおー、そうだった。気をつけないとな」
男がこちらを見る。そして目を丸くする。
「きみは狗彦くんじゃないか。真利阿の相手をしてくれた、あの!」
「は、はぁ」
抱きつかれるか、と身構えたが、男は巨大な手をこちらに差し出してくるだけで、安心した。握手をする。その手には豆がいくつかあり、その中には、マスター特有のマメもあると分かった。
「僕の名前は、虚木巌だよ。真利阿の父だ」
「俺は、いえ、僕は、狗彦と言います。ご存じのようですが」
「君が破壊したドームの修繕費、あれは結構、大きかったなぁ」
ギクッとしつつ、俺は乾いた笑い声で誤魔化した。
綺会学園のドームの修繕費は、真利阿と俺が払う事になっていたが、俺は身寄りがいないので、俺の分は半分以上を二条先生が肩代わりし、それ以外は即座にローンを組んで支払った。だから、俺はこれから、二条先生に借金を返しつつ、ローン会社にも借金を返す必要がある。
真利阿の支払い分は、真利阿の両親が払ったのだろう。
巌さんはにっこりと笑うと、俺と月子を座布団に座らせた。そして俺が傍らに置いたトランクを見て、首をかしげた。
「それは、月子ちゃんの荷物?」
「ええ。これは、真利阿へのお届けものですわ」
「そうか。悪いね。わざわざ。真利阿もそろそろ、ここへ来ると思うけど」
そう言うと同時にふすまの向こうで、「失礼します」という声が聞こえたので、俺はそちらを反射的に向いていた。そしてすぅっとふすまがゆっくり開くと、和装の美人がそこにいた。
真利阿によく似ているが、背は真利阿より高いようだし、髪の毛も今は結いあげている。
「こんにちは、奏おばさん」
「いらっしゃい、月子ちゃん。そして、狗彦くんも」
お茶とお茶菓子の載ったお盆を持った女性は、ゆっくりと部屋に入ってくると、それぞれの前にお茶を置き、そして巌の隣に腰を下ろした。
「はじめまして、真利阿の母の、奏です」
「ど、どうも、狗彦です」
「この前は盛大にドームを壊して、おばさん、驚きましたよ。色々と」
ハハハと、また笑ってごまかすしかない。
「その話はもう僕からもしたよ、奏。それより、真利阿はまだなのかな?」
「さっき、身支度を整えていましたよ。すぐに来るでしょう」
どこかのんびりした夫婦である。娘の真利阿も、もっと穏やかな性格でもよさそうなものだが、それはこの二人に反発してのことかもしれない。
「月子ちゃんにはもう話したかな。昔の話になるけれど……」
巌さんがそう切り出したので、俺はその続きに集中した。
「小学校に上がって間もなく、真利阿は、突然、マイトになる、と言いだしてね。当然、僕としては、このマスターの家系である虚木の一人娘なのだから、マスターになるのが筋というか、定め、と言ってはおかしいけど、そういうものだと思っていた。しかし、真利阿は自分でオートマタ作りを始め、専門書を読み、論文を読み、研究し、そうして小学校中学年の時に、自分でオートマタを完成させたんだ」
「懐かしいですねぇ」
奏さんが相槌を打つと、巌さんも頷いた。
「そうだなぁ。僕も、最初はマイトになるなんて大反対だったけど、それでも、真利阿の頑張りと言うか、勢い、集中力には、目を見張ったものだ。それで、交換条件を出すことにした。マスターの勉強をするのなら、マイトの真似事をしても良い、と」
「それで、真利阿さんは、綺会学園のマスター科に入ったのですか?」俺が訊くと、巌さんと奏さんは、笑いながら頷いた。
「最初も最初、入学試験から苦しい成績だったね。それでも入学して、高等部に進み、二条先生のお世話になって、部屋でオートマタの研究をしている、というのは、僕たちからしても、頑張っていたと思うよ」
「そうですね。真利阿は、そういう子です」月子が肯定すると、夫婦はにっこりと笑って視線を合わせた。しかし、その表情に微かに影が差した。
「それが学校を辞めるなんて、まぁ、突然のことで驚いたのなんの。でも、それもまたあの子が決めたこと。休み明けから、公立校の、マイト科に転入する手続きをしているんだよ」
「え? そうなんですか?」
俺が間抜けにもそう言うと、二人は神妙にうなずいた。俺は月子の方を見たが、月子は前だけをじっと見て、俺の方を見なかった。夫婦は話題を変えようとしたのか、奏さんが早口で言った。
「先ほど、団十郎を見たでしょう? どうでした?」
「かなりの出来だと思いましたが。学生が作ったとは思えません」
俺の言葉に、奏は楽しげな笑みを浮かべ、小さな声で言った。
「団十郎は、実は、ノープリント・オートマタだったんですよ」
「本当ですか?」
俺に夫婦は本当に嬉しそうに頷いた。ノープリント・オートマタというのは、オートマタの中でも、何も書きこまれていない状態の、まっさらなオートマタをさす。つまり、最低限の生命維持はできるが、何も知識や経験が無いのだ。マイトがそこに一から情報を入力する事になる。
奏さんが言う。
「一週間前にしっかりと完成したようなのですが、接客もできますし、それに掃除や洗濯、家事など、何でもやってくれるんです。私は大助かりですよ」
「あの、巌さんは、マスターですよね?」
俺が訊くと、彼は少し驚いた顔をしてから笑った。
「昔の話だよ。今は、ただの一人の父親かな。そして、団十郎にマナを時折、供給するのが仕事のようなものなんだ」
その言葉の後は、もう誰も喋らなかった。しばらく、静かな時間が流れる。俺は和室の外に気付いて視線を向けた。整備された庭の向こうに、竹林が広がっている。いかにも涼しげだ。
それに気を取られていたので、ふすまが開いた時、まったく意識せずに、そちらを見ていた。
作業服姿の真利阿が、そこに立っていた。少し伸びた髪の毛を後ろでひとまとめにしている。
「こんにちは」
真利阿は無感情にそう言った。そして奏さんの隣に腰を下ろした。月子が「久しぶりね」と言うと、「そうね」とそっけなく、答えた。巌さんと奏さんが困った顔をしているのを助けるためか、月子が、俺の隣のトランクを指差し、「指定していた物、ちゃんと手に入れてきたわよ」と告げたが、真利阿は、「分かった」と短く答えただけだった。
俺は真利阿をぼんやりと見てた。真利阿は、微かに雰囲気が変わったが、ほとんど前のままだ。もう一ヶ月以上、会っていなかったのに、それを感じさせないほど、真利阿は自然だった。
「まり――」
「狗彦、試験はどうしたの?」
真利阿が機先を制して聞いてきたので、俺は言葉を飲みこみ、恐る恐る言った。
「月子の世話になった。まぁ、二回戦で負けたけど」
「怪我、した?」
俺はティーシャツから出ている右腕を指差した。今はまっさらな腕だ。
「ここで腕を斬られたけど、まぁ、二条先生の腕にかかれば、あっという間に治ったな。それだけだよ」
「そう」
真利阿の唇が「よかった」と続けて動いたような気がしたが、しかし声にはなっていなかった。俺の気のせいかもしれない。
それからしばらく間があった後、月子が立ち上がり、「あんたの部屋、見せてよ」と真利阿に言ったので、真利阿も立ち上がり、そして俺の隣のトランクをつかむと、月子を連れて部屋から出て行った。俺はしばらく、巌さんと奏さんと、顔を突き合わせていたが、会話らしい会話はなかった。
やがて、団十郎が来て、「狗彦、さま、お部屋へ、ご案内、いたします」と言ったので、俺は席を立った。和室を出る直前に、奏さんが、
「残念ねぇ」
と呟いた。俺は聞こえなかったふりをして、和室を出た。
背後のふすまの向こうで、「真利阿も気分が晴れればいいんだが」と、巌さんが言っていた。
俺に、真利阿をどうする事が出来るだろう。
月子が真利阿の部屋に入るのは、半年ぶりだった。前の冬に、この近くのスキー場でスノボをやろうという話になり、月子と優奈が泊ったのだ。
「きったない部屋ねぇ」
月子がそう言うと、真利阿はふんと鼻を鳴らした。
実際、壊滅的に汚い部屋だった。ゴミ箱の周囲にはゴミが散らかっている。床の隅には細かな電子部品が山になっていて、そして別の片隅では本が雑然と積まれていた。床にはばらされたコンピュータが二台転がり、大きなデスクの上には電子工作の工具が出しっぱなしだし、何色ものペンも自由に転がっていた。布団は万年床である。
月子は部屋の中へ踏み込んで、何かを踏みつけてしまったので、慌てて足を上げた。
それは小さなスピーカーだった。何に使ったのだろう? 分解したパソコンの一部だろうか? それはもう放っておくことにして、月子は安全圏であろう布団の上に乗った。真利阿は慣れた様子で、トランクを引きずって室内を進み、トランクで乱暴にガラクタを弾き飛ばしながら、椅子に座った。
「月子……」
「なによ?」
真利阿はもじもじと縮こまりながら、続きを言えないでいるようだった。月子はいつものように対応した。
「早く言いなさいよ、間抜け」
「間抜けじゃない。月子、狗彦を、ありがとう」
月子はそっぽを向いた。
「別に、好きでやったんだから、礼なんていらないわ。それにね、犬コロは自分から私のマリオネットになろうとしたんだから」
真利阿がその言葉を聞いて顔を俯かせたので、月子は言い過ぎたかな、とちょっと不安になった。それでも真利阿をじっと見るだけにしていると、真利阿は小さく首を振って、月子に笑ってみせた。
「それでも、ありがとう」
「な……バカじゃないの、バカ真利阿」
「うん……」
月子は気になっていることを聞いた。
「髪の毛、最近は、そうしているの?」
「え? うん。うざったいからね」
「ふぅん」
月子は真利阿自身も気付いていない、真利阿の癖に思いを巡らせたが、まだ推測の域を出ないので、黙っていた。
「団十郎の開発室、見てく?」
真利阿がそう言いながら立ち上がったので、月子も布団から降りた。
二人は部屋を出た。
◆
月子たちが帰る日、まだ夜も明けきらぬうちに、月子は目を覚ました。物音がした気がしたのだ。布団から身を起こし、身支度を整えると、部屋を出て、真利阿の部屋に行ってみた。
中を見ると、真利阿の布団はもぬけの殻だった。こんな朝からどこへ行っているのか。月子は仕方なく、小李の部屋へ行ってみることにした。そちらの部屋にいていると、今度は、小李の横で寝ているはずの狗彦がいない。
ますます不審に思いつつ、月子は家の中を探索するわけにもいかず、外に出た。
門が薄く開いているので、月子はその外に立って、しばらく、ぼうっとしていた。
「よぉ、月子」
声の方を見ると、階段の下に、狗彦がいた。身軽な格好をしていて、額から汗が流れている。
「犬コロ、なにしてるわけ?」
「ちょっと走ってきたんだよ。運動だ、運動。学園ならトレーニングが出来るけど、ここじゃ出来ないからな。鈍らないように、と思ったわけだ」
「真利阿、見た?」
狗彦が階段を駆け上がりながら、器用に首をかしげて見せた。
「真利阿なんて見ていないよ」
「あんた、どっちに行ったの?」
「山の下の方。上の方は、よく分からないんだ」
月子は階段を上り終わった狗彦と入れ違いに、階段を降りはじめた。視線を向けずに、狗彦に言う。
「ちょっとそこらを散歩してくる。たぶん、朝食までには戻ると思う」
「ふぅん、分かった。じゃあな」
狗彦は門の中へ入って言った。月子は階段をゆっくり下りると、一番近い分かれ道まで進んだ。道は山を下る道と、山を越える道に別れている。月子は迷わず、山を越える方の道を選んだ。舗装されているが、こちらは長い間、補修されていないらしく、ボロボロで、ところどころに穴が開いている。
サンダルで来たことを後悔しながら、それでも十五分ほど歩くと、月子は近くでマナの気配を感じた。
視線を向けると、森の中だ。溜息を吐きながら、低く茂った下草の中に分ける。スカートではなくジャージを着てきて良かった。しかしサンダルだから、足を虫に刺されるだろう、とは覚悟した。
少し山の中に入ると、近くの木々に、何かの痕跡があるのが分かった。何か、鋭いものが撫でたような、そんな痕だ。よくよく見ると些細な違いだが、細いものもあれば、太いものもある。何だろう?
月子はさらに山奥に入り、そこで――――それを見た。
◆
帰りの電車の中で、俺は小さな機械を握り締めて、じっとしていた。
ビィィィー!
「うるさいわね! やめてよ!」
周囲から怒りの気配を感じながら、月子の怒鳴り声に、俺は「悪い」と呟きで答えて、また意識を集中させた。
二条先生が俺に渡した、マナの制御術訓練器具だ。送り返すマナの量を制御する機能に加えて、マナの吸入量を制御する訓練の機能を今、同時に使っていた。
俺はマナの吸入量を細かく制御しようとしていた。器具からは、一本の操糸が月子に繋がっている。真利阿と操糸で結ばれた時に比べれば、マナの量は格段に少ないが、それがより、難度を増していた。俺は少ないマナを、さらに少なく、取りこんでいく。
器具のランプの赤が消灯し、メーターの針の揺れが小さくなっていく。
俺はほとんど目をつむるようにして、意識を集中させた。
緑のランプが、つく。
が、一瞬で消えると、針が震え、赤いランプが灯った。それでもどうにか、ブザーは慣らさないように、再び集中する。
こんなことをしても、もう意味はないかもしれない。俺をまともに使えるマスターは、もういないのだから。それでも、と俺は考えていた。
それでも、もしかしたら、まだ俺は、俺たちは、戦えるかもしれない。
俺は月子がこちらに向ける視線に、どこか、柔らかいものを感じたが、しかしそれに注意を払う余裕はなく、電車が綺会学園に着くまで、ずっと、訓練器具を操作し続けた。
(続く)
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