Sword Survive

和泉茉樹

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第6章

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    六

 ぎょっとした店長をまっすぐ見て、僕は立ち上がった。
「よくここに追っ手が来ないものだな」
 呆れた表情で歩み寄ってくる店長に、僕は力なく笑う。
「店長はその程度には情報を隠匿できると思っているんで」
 褒めてもらえて嬉しいよ、と言いつつ、店長は僕と月読の横をすり抜けて、一軒の民家のドアの前に立った。
「いつから俺の家の場所を知っていた?」
「秘密です」
「俺も焼きが回ったもんだなぁ」
 複数の鍵が同時に解錠される。ドアが開いた。
「まぁ、入れよ。ゴミゴミしているが、文句は言うなよ」
 僕と月読は店長の後に従って中に入った。閉じたドアが、やはり複数の錠が同時にかかる音を発する。
 ここは店長の家だった。はっきりと教えられたわけじゃないけど、密かに知っていたのだ。マグマグで仕事をしている中で、たまたま、わかった。訪ねるのは初めて。
 部屋の中は比較的、整頓されているけれど、部屋の隅に箱が積み重なっていたりする。
「夕飯は食べた?」
「もちろん、食べてません」
 だろうね、と言いつつ、店長が奥へ行ってしまった。
 どうやら、これで少しは安心できそうだ。ここに来るまでも、玄関先で店長を待つ間も、心細いものもあったけど。
 少しすると、カップ麺を三つ持った店長がやってきた。机の上にそれが置かれる。全部、同じ商品、同じ味だった。
 机の上には電気ポットがある。なんとなく指示を待たずにお湯を入れようとするが、ポットは空だった。店長が遅れて、ヤカンを持ってくる。あまりも前時代的な、ヤカンだ。
 三つのカップ麺にお湯が注がれた。
「さて、とりあえず、これで三分、話ができる」
 店長も椅子に座った。
「お前たちを送り出した後、俺も調べてみた。そこでどうやら、天城もお嬢ちゃんを追っているとわかった。しかしさすがに俺でも、それを睦月に警告するわけにはいかなかった。連中は情報の傍受に関しては特別だ。下手に連絡すれば、俺だってお縄だ。そういうわけで、俺は黙っていたわけだが、それは今のこの穏やかな食卓の礎でもある」
 でしょうね、としか言えない。
「でも、僕たちの位置情報をどうやって知ったんでしょう?」
「どこかの店に寄っただろう。無人の」
 言われてみれば、寄った。そしてそう指摘されれば、追跡を受けた理由はわかった。
「そうか、監視カメラの映像を見たのか」
「そういうことだ。これからも注意したほうがいいぞ、睦月。監視カメラも防犯カメラも、機械制御の自動車のカメラも、何もかも、すべての映像を盗める連中がいる。他にありとあらゆる通信は傍受されるぞ。処理していないと」
「身にしみてわかりました」
 そのうちに三分が過ぎた。僕と店長は蓋を開けた。月読はおっかなびっくり、僕たちの真似をするように、蓋を開けている。食べたことがないんだろう。
 僕と店長はカップ麺を食べつつ、天城さんに関する議論をした。
 天城さんの実力は本物で、とても手が出ない。店長も肯定して、対策はないだろうと言う。
「天城は基礎魔力も高いが、そもそも内包魔力の引用効率がずば抜けている。その上、精密な魔法も得意で、特殊な技能も修めている。たぶんこの国でも五本の指に入る、使い手だろう」
「そんなにですか? でも、僕たちを逃しましたよ」
「きっと、意図的に逃したんだろう」
 その理由がわからなかった。
「何を考えているのかは、俺にもわからないよ。ただ、睦月みたいな素人を追跡できないほど、間抜けじゃない。覚悟しておいたほうがいい、ここもバレているかもしれない」
 僕は月読が怯えているかも、と彼女を見たが、彼女は一心不乱に麺を啜っていた。
 どうやらカップ麺は好きらしい。
「逃げる方法ないんですもんね」
「ないね。またそのうち、顔を合わせるだろう」
「店長に迷惑をかけて、すみません」
 ニヤリと店長が笑う。
「わざとここに来ておいて、上っ面だけの謝罪は無用だぞ。あまり気にするな、今のお前たちの状況には俺も少しは関係している」
 食事が終わって、月読が風呂に入ってから、二人きりの時に店長が言った。
「このまま逃げるつもりか? それともお嬢ちゃんを差し出す?」
「それは、ちょっと考えていないんです。でも、どうしたらいいのか……」
「突き出すとなると、お嬢ちゃんがかわいそうか?」
 それは図星に近い。ただ、かわいそう、という表現には少しズレを感じる。
「あの子を、放っておけない、と思っています」
「同情か? 憐れみか?」
「いえ、そうじゃなくて……」
 僕は言葉を探した。どういう言葉が的確だろうか。
「僕を、頼ってくれたから、というか……」
「裏切りたくない、ってことか?」
「そういう、したくない、ではなく、したい、というか」
 ふむ、と店長が頷いた。
「助けたい、ってことか。しかしそれもまた、無茶じゃないか。自分の等級、覚えているか?」
「八等級ですけど」
「最弱だな。それがここに来るまでの様子を聞くと、あのお嬢ちゃんの力を借りれば、かなりの使い手になれる。でも、天城には勝てないぞ。あるいは、天才少女にも。それに対魔も出張ってくるかもしれないしな」
 事実だけど、気が重くなる。
「店長のコネで、どうにかなりませんか?」
「まぁ、努力してみるが、期待するなよ。お前と違って、俺はこれ以上危ない橋を渡りたくはない。常識人なんでね」
「お願いします、店長」
 頭を下げる僕の肩に店長が手を置く。
「気を楽に持て」
「はい」
 僕が顔を上げると、店長が笑っている。
「お前を見ていると、昔の天城を思い出すよ」
「え? どういうことですか?」
「あいつも頑固な奴だった。やたら意志だけが強くてね」
 店長が肩の力を抜いた。
「しかし、本当に月読をどこぞの研究所に戻すつもりはないのか?」
「それはやっぱり、避けたいかと思います」
「はっきり言うが、月読と行動を共にするのは、このままだとお前にとって相当な負担になる」
 それもそうだろうけど、あまり自分のことは考えていなかった。
「月読の負担を考えれば、それほど、不安もないです」
「お前、もしかしてあのお嬢ちゃんに、精神を操作されているのか?」
 それを僕に聞かれても、自覚症状があるわけもない。
「大丈夫だと思いますよ。その辺は、なんとなく、信頼できます」
「やっぱり操られている疑いがあるな」
「大丈夫ですって」
 思わず笑う僕を、店長は不審げに見ている。まったく、月読はそういうことはしないのに。
「あの子は、ただ単に助けを求めているんです」
「そうだろうけどな、まぁ、いいさ。あまり追及しても仕方ない」
 月読がお風呂から出てきた。着替えた彼女が歩み寄ってくる。
「今日は、ありがとう」
 突然に話しかけられて、驚いた。今までなかったことだ。
「ん、うん、こちらこそ、ありがとう。弱々しい行使者でごめん」
 月読は首を振って、それから店長の方を見た。何かを訴える視線。店長がすぐに汲み取った。
「あぁ、そうか、和室を一つ片付けて、寝られるところを作るよ。待っていて」
 店長が席を立つ。月読が襖の向こうに行く姿を見送り、それからこちらに向き直った。
「私を、戻す?」
「戻す? 研究所に、ってこと?」
 頷く月読。僕は思わず笑みを見せていた。
「大丈夫。そういうことはしない、つもり」
「つもり?」
「正確には、しないでいたい、かな。でも、僕の実力を見たでしょ? とてもじゃないけど、全部の追っ手をなぎ倒すわけにはいかない。とても無理だよ」
 月読が視線を下に向けて、もじもじとするが、何も言わない。何か言いたいようだけど、躊躇っているようだった。僕はその言葉が口から出るまで、待つつもりだった。
 月読はようやっと口を開いて、
「私にはできる」
 とだけ、言った。
 どういう意味か知りたかったけど、店長が戻ってきた。
「いいぞ、準備ができた。もう寝るのか?」
 頷いた月読が頭を下げて、店長が出てきた襖を開けて、その向こうに消えた。
「可愛らしいが、しかし、肝が冷える」
 そんなことを言いつつ、店長が椅子に戻った。
「あまりことが大きくなると、魔法管理機構が黙っているとも思えない」
「できるだけ目立たないようにします」
 それが賢明さ、と言って、また店長が席を立つ。台所へ行ったかと思うと、缶ビールと缶ジュースを手に戻ってきた。もう一方の手にはナッツの袋を下げていた。
 缶ジュースを受け取り、二人で乾杯する感じになった。
「少年の前途に」
 店長はそんなことを言った。どうにも不吉な気がして仕方がない言葉だ。
 それからしばらく、僕は店長と今後の流れを予想し、対策を立てた。
 とりあえずの方針としては逃げるしかない。松代シティが今のところ、大きな網のはずだ。なら、その警戒網を抜ければ、少し楽になる。店長が松代シティを出た後の頼る相手を何人か教えてくれた。
 一番の難関にして、最大の難所が、松代シティを出るまでの警戒をどう抜けるかだった。
 店長が松代シティの地図を投射映像で出し、それを指でなぞる。
 地下水路を抜けるのが一番いいのではないか、というのが店長の意見だった。しかし水路の管理のためのドロイドを対魔がすでに掌握して、監視しているかもしれない、とも言った。
 地上を抜けようにも、地上でも監視の目は厳しい。さっき話した通り、すべての防犯カメラ、監視カメラなどが掌握されているなら、その間をすり抜けるには、相当な準備が必要だ。
 そのことを店長に尋ねると、二、三回、地図を操作した。
 地図上に複数の赤い丸が描かれた。しかも地図上をびっしりと埋めるほどだ。
「これが監視カメラの範囲。固定式のな」
 どうやら店長も色々と裏の顔を持っているらしい。監視を逃れる術を事前に用意する程度に。
「隙間の線は、こんな感じだ」
 さらに操作すると、地図上に赤い線が走った。ものすごい蛇行をしているけど、しかし、三ヶ所で松代シティから脱出できそうだ。
「ただし、この情報は対魔や他の連中も知っているだろうよ。だから、この抜け道の出口か途中を、彼らは押さえるはず。それが最も効率的だ」
「カメラを欺瞞することは?」
「まぁ、少しはできる。でもそれは最後の手段だし、相手が欺瞞に気づいたらそこで終わりになる。タイミングが重要だよ」
 日付が変わる頃まで、僕と店長は相談を続けた。二人でバタバタと交代でお風呂に入り、やっと休むことになった。
「面倒事もたまにはいいな」
 そんなことを言って、店長は寝室へ入っていった。
 僕はリビングのソファに寝転がり、タオルケットを借りて、目を閉じた。
 明日もまた激しいことになりそうだ。
 家のアンドロイドに連絡をするべきだと思ったけど、こちらの位置情報を知られては、意味がない。でもずっと留守にしたり、連絡がなければ、警察に通報されてしまう。それが普通の対応だ。
 早く松代シティを出て、安全を確保するしかない。
 でも、松代シティを出て、僕はどうするんだろう?
 結局、どこかに月読を預けるんだろうか。それを月読は、受け入れるのか。
 彼女が僕を選んだ。その僕が、彼女を遠ざける?
 もちろん、僕が彼女を選んだわけじゃない。だから、遠ざけても、良いはずだ。
 でもそれは何か、非道なことに思えた。
 そんな選択はしたくないと思った。
 やっぱり店長が言う通り、僕は月読に精神を操作されているんだろうか。
 そうとは思えなかった。
 そんなわけがない。
 僕の心のどこかが、何かを感じている。
 切実で、か弱い、何かを。
 僕にはそれがなんなのか、はっきりとは認識できない。
 でも確かに、ここにある。
 僕の胸のうちに。
 そんなことを考えているうちに、僕は眠っていた。
 夢の中で、僕は薄暗い空間にいた。どうやらガラスの筒に入れられているようだ。自分の体の感覚はない。まるで精神だけが漂っているような気がした。
 誰かがガラスの筒の向こうで動いている。白衣を着ていた。
 そのうちの一人が、こちらを見る。
 僕の視界がカメラのズームのようにその白衣の男性を大きく映す。
 その瞳に反射する、自分の姿を見る。
「ッ!」
 跳ね起きていた。
 自分が今、どこにいるか、わからなかった。周囲を見る。どこかの民家、いや、そうか、店長の家だ。昨日の夜と少しも変わらない。
 自分のことを考えた。名前は都築睦月、通っているのは松代総合高校、働いている店はマグマグ。何も忘れていない
 でも夢の中での、自分が自分ではない実感は、今も体の中に残っていて、気持ち悪かった。
 あの時、白衣の男の瞳の中に、何か、おぞましいものが見えた気がしたけど、何だったのだろう。
 それがどうしても思い出せなかった。
「おう、起きたか、おはよう」
 台所の方から店長が顔を出した。漂っている匂いは卵焼きのそれだった。しかしどこか焦げ臭い。
「店長」
「ん?」
「焦げてませんか?」
 慌てて店長は台所の奥へ戻った。
 僕は店長に断ってからシャワーを浴びた。お湯を浴びているうちに夢で感じた不快感は少しずつ消えていった。
 リビングに戻ると、店長と月読がもう食事を始めていた。僕に気づいた月読が微かに笑みを見せる。
「おはよう」
 僕も席に着く。今朝は比較的ちゃんとした食事だった。トースト、卵焼き、ウインナー、生野菜のサラダ、コーンスープ。
 食事の席は静かだった。きっと、三人ともが緊張しているんだろう。
 食事の後、身支度を整えた。昨日、僕が着ていた服はかなり、汚れたり、破れたりしていたので、店長が昔着ていたという服を出してきて、貸してくれた。今の店長とはかけ離れたサイズだった。
「本当に店長の服ですか?」
「失礼なことを言うな。人間、みんな生まれた時は三キロくらいだ」
 理解できない応答だった。
 月読の仕度も整い、僕たちは最後に地図を確認した。結局、地下水道を使う案は回避した。もしもの時、逃げ場がなく、次の選択肢が限られるのと、公衆の面前なら酷いことも起きないだろう、ということになった。
 地下水道で悪質な追っ手に捕まれば、容赦なく消されるかもしれない。それはまずい。主に僕の命が。
「じゃあ、行ってきます。落ち着いたら、連絡しますね」
 店長が頷いて、「幸運を祈るよ」と言った。
 そして強く、僕の背中を叩いた。それだけで、もう何も言わない。
 僕と月読は、店長の家を出た。













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